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タイトルJSF氏が提起した保管機に関する問題点
記事No776
投稿日: 2007/06/16(Sat) 04:33
投稿者バグってハニー
JSF氏は、このことに関してご自身のサイトで明瞭に説明したと思いますが、私の言葉に置き換えて説明したいと思います。

JSF氏が注目したのはミリタリーバランスではF-15が約170機となっているのに対して同時期の防衛白書では同じF-15が203機とされており、明確に食い違っている点です。氏はこれは防衛白書が保管機を含めた全保有機を数えているのに対してミリタリーバランスは保管機を除いた実際の配備数だと解釈しました。この見解はミリタリーバランスの注釈に裏付けられています。

Stocks of equipment held in reserve and not assigned to either active or reserve units are listed as 'in store'. However, aircraft in excess of unit establishment holdings, held to allow for repair and modification or immediate replacement, are not shown 'in store'. This accounts for apparent disparities between unit strengths and aircraft inventory strengths

装備のうち予備役は、また現役でも予備役でもなくても保管されているものは「保管中」と記した。しかし、航空機はこの限りではない。部隊を編成した後の剰余機、つまり、修理中や改修中や交替用の機体は「保管中」には含まれない。これが部隊別の戦力と装備一覧の戦力とが食い違う原因である。

最後の一文は、ミリタリーバランスでは一般的に各装備が、部隊編成一覧表と装備一覧表の二箇所に出てくることを指しています。これを頭に入れて日本を見ると航空自衛隊は部隊編成一覧しかなく装備一覧を欠いています。そして、「保管中」の機体は一切、記されていません。これは、ミリタリーバランスからは日本の保管機が何機あるのか知ることができないことを示しています。

この問題に対する解決法は二つあります。ミリタリーバランス以外の資料を用いて、例えばJSF氏が例示した資料を用いて保管機込みの全自衛隊機を調べることです。この場合、自衛隊機は増えます。その計算例はJSF氏のサイトにあります。

もう一つの手は英国も保管機抜きにすれば、それでもミリタリーバランスを用いて比較ができます。日本とは逆に英国の項では部隊別の配備数が書いてないですが、装備一覧の項では配備数と保管機数が分けて書いてあるので、後は保管機を足さなければいいだけです。この場合、英軍機が減ります。その計算例は私がNo.738で示しました。

どちらの手法にせよ、日英の戦力差はさらに縮まり、日本は英国の約7〜8割の戦闘機を保有または運用していることになります。

タイトルRe: JSF氏が提起した保管機に関する問題点
記事No786
投稿日: 2007/06/16(Sat) 17:34
投稿者JSF
> どちらの手法にせよ、日英の戦力差はさらに縮まり、日本は英国の約7〜8割の戦闘機を保有または運用していることになります。

私の計算では8〜9割です。そしてこの程度の差ならBVR戦闘が出来る機体の数で英国の倍の日本は、空中戦で圧倒的優位に立てます。まぁ、7割でも覆ることは無いでしょう。