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タイトル江戸期朱子学の評価
記事No175
投稿日: 2007/03/18(Sun) 14:29
投稿者太田述正
 http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2007/03/18/20070318000000.html
に以下のように書いてありました。

 「日本政治思想研究の大家・丸山真男は、江戸時代の朱子学的思考方式の解体過程を日本近代化の自生的萌芽ととらえた。丸山は、江戸時代初期に朱子学が学問の主流として盛んになり、その後の国学や古学、神道論のような多様な脱朱子学的思考を通じ、日本は近代化の基盤を築いたと主張した。 しかし、丸山の弟子でもあり東京大法学部教授の・・渡辺宏・・は、こうした師匠の主張に反旗を翻した。江戸時代初期の日本では韓国や中国とは異なり、朱子学が正統思想とはされなかったというのだ。林羅山、山崎闇斎、伊藤仁斎、荻生徂来などの儒学者らは少数派に過ぎず、朱子学は被支配階層の自発的服従を誘導し、秩序を維持する役割を果たせなかった。そのため、江戸時代の思想史における朱子学の変遷過程は、近代化に向け解体される過程ではなく、朱子学の日本的受容と変遷の過程を示していると著者は主張する。」

 渡辺教授の指摘は、私が、丸山真男の『日本政治思想史研究』批判を行ったコラム#1644〜1648(いずれも未公開)を裏付け、補完する指摘であるようです。