太田述正コラム#9942005.12.10

<徒然なるままに(その3)>

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 10月末に、「イスラエルは地図から抹殺されなければならない」と言ってパレスティナ当局からさえ批判されたアフマ(コラム#924は、今度は、サウディのメッカで開催された国際イスラム会議の席上、次のように演説しました。

 「いくつかの欧州諸国は、ヒトラーは数百万人の無辜のユダヤ人をガス室(furnaces)で殺したと主張し、誰かがこれに反することを証明すると、これら諸国はその人を非難し、牢獄にぶちこむ。われわれはこんな主張は認めない(注3が、仮にそれが正しいとして、われわれが欧州の人々に尋ねたいことは、「ヒトラーが無辜の人々を殺したことが、彼らが<シオニストによる>エルサレムの占領を支持する理由なのか」だ。欧州の人々が誠実なのであれば、彼らはドイツかオーストリア、あるいは他の国々の一部をシオニストに与えるべきだ。そうすれば、シオニストは彼らの国家を欧州の中に設けることができよう。このように、欧州の一部を提供するのであれば、われわれはそれを支持するだろう。」と。

 この演説に対し、イスラエル・ドイツ・米国の各政府は、ただちに非難声明を出しました。

(以上、http://www.guardian.co.uk/israel/Story/0,2763,1663441,00.html、及びhttp://www.cnn.com/2005/WORLD/meast/12/08/iran.israel.reut/index.html(どちらも12月9日アクセス)による。)

 (注3)イランのシーア派の強硬派は、ナチスドイツによるユダヤ人の大量虐殺があったことは否定していないが、イスラエルの創設と維持を欧米諸国が支持する根拠にすべく、イスラエルと欧米諸国は殺されたユダヤ人の数を大幅に誇張している、と考えている(コラム#972参照)。

 イスラム教を批判すると、批判した者を殺せというお達し(ファトワ=fatwa)を最高指導者が出すような国(注4)であるイランの大統領の口からイスラエル抹殺論やホロコースト否定論が語られることは、不愉快千万であり、慄然たる思いがします。しかもそのイランは、核武装を目指していることがほぼ間違いないとされているときているのですから・・。

 (注4)今年2月、イランの革命防衛隊は、小説"The Satanic Verses"がイスラム教を冒涜しているとして、その著者である英国居住のサルマン・ラシュディ(Salman Rushdie)に対し、16年前の1989年にホメイニ師(Ayatollah Ruhollah Khomeini1900?89年)が発出した死刑宣告ファトワは、依然有効であると宣言したhttp://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/4260599.stm1210日アクセス)

3 日和見学生について

 東大1年の時には、統一教会信者や創価学会信者と議論し、東大2年の時には東大「闘争」の過程で、全共闘の面々・民青の面々、そして東大「闘争」参加一般学生達との議論を行いましたが、これらの青年達の心情は、私なりに理解できたような気がします。

 クラス内外で、私と協力しつつ「闘争」を終結させようとした面々の心情は、当然よく理解できました。

 どうしても理解できなかったのは、日和見学生達の心情です。

 ストに突入して講義がなくなると、彼らはキャンパスに現れなくなり、遊びほうけたり、文1の学生の場合、自分で法律の勉強を始めて司法試験や国家公務員試験に備えたりしていました。東大「闘争」という、まことに面白い大事件が目の前で出来しているというのに、これに関心を持たない、というのがまず私には理解できませんでした。しかも彼らは、「闘争」終結にも積極的に動こうとしません。早晩、どうせ他の誰かが、そして国家権力が「闘争」を終わらせてくれるだろう、だから自分は無駄な動きはしない、というわけです。確かに要領はいいけれど、これほど現実社会へのアンガージュマン(engagement)を回避してばかりいる彼らが、一体何が楽しくて生きているのかが、これまた私には理解できませんでした。

 しかも、どちらかと言えば、日和見学生は、成績の良い学生に多かったように思います。

 これでは日本の将来はどうなるのか、と暗澹たる気分になったことを覚えています。

(続く)