太田述正コラム#15395(2025.12.26)
<皆さんとディスカッション(続x6457)/映画評論528:ヒトラーの贋札>

 安倍問題/防衛費増。↓

 なし。

ウクライナ問題/ガザ戦争。↓

 なし。

 妄想瘋癲老人米国。↓

 <トラよ、西半球以外には手を出すな。↓>
 US launches ‘powerful strikes’ against Islamic State in Nigeria, says Trump・・・
https://www.bbc.com/news/articles/cj69j8l918do

 それでは、その他の国内記事の紹介です。↓

 著者も評者もどっちもぶつ切り出たとこ勝負日本史観だから、それじゃあ永久に幕末維新は分からなんよ。カワイソーに。
 松陰の尊皇攘夷なんて、できるだけ円滑な倒幕を実現するために、自覚的かつ冷静に、アホ・スローガンを、目的的に叫んでただけだっちゅうのに。↓

 「・・・最も厄介だったのが、幕末維新だった。具体的な経緯を知れば知るほど、人間が見えてくれば来るほど、その矛盾した思想と行動に、理解を阻まれる。「なぜこんな行動をとるのか?」と、理解できないことが山のようにある。理由なき暴力も多々あり非難したくなることが度々なのだが、それでは説明にならない。かなり参った。その経験を経て本書を読んだ時、「幕末維新に向き合う姿勢がここにあった」と膝を打った。本書は一行一行が、紛れもなく「面白い」。今まで面白いと思えなかった幕末維新が、面白くなった。なぜなのだろう。読み進めるうちにわかってきたのは「矛盾のただ中に入り込んで彼らの行動を見る」という姿勢だった。理屈や筋道で分かろうとはしない。著者は語る。「ここは良いから九十点、ここは悪いから三十点と、現代の物差しであれこれ成績をつけても意味がありません。…思想の持つ方法論や歴史的背景全体を理解しなければならないのです」と。その通りなのである。その一つの事例が吉田松陰である。松陰の思想を陽明学で理解しようとしても無理だ。尊王でも攘夷でも無理。では何かというと、著者は「松陰は『狂気』を帯びた人物」だと言う。しかしただ異常だというのではなく、「独特の情熱と信念を持って行動するという意味の『狂』なのです」と。そして「吉田松陰の一番評価すべき点」は「政治的なものを追求する中で反政治主義にならざるを得ないという生き方」であり、「尊王攘夷という我々の祖先がやった愚行の中でなにが残っていくかといえば、吉田松陰の馬鹿げていて愚直な「草莽崛起(そうもうくっき)」の志」なのだと語る。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/b0d5483179e18114e6dc0a169fce51f018e3d918

 3年近く前の記事だが、この人についても同じことが言えるな。↓
 伊藤と違って、大久保は、島津斉彬コンセンサスを忠実に実行に移していっただけだよー。↓
 
 「・・・軽佻浮薄な政治家とのイメージがある伊藤だが、その一方で彼は大変な読書家で、英語を駆使して海外の政治家や学者と自らコミュニケーションをとる才覚の持ち主だった。
 かたや大久保の方は、そのような知性とは無縁であるように見受けられる。彼の政治家としての本領は、倒幕や征韓論政変、台湾出兵や西南戦争といった国家的危機を果断と剛腕で乗り切ったその度量にあるのではないか。具体的な政策立案が、最近の研究で明らかとされたように、周囲や配下の者たちのお膳立てであったとしたならば、いっそう大久保と知は縁遠いものと言えよう。
 確かに大久保は、自分自身が知の人だったとは言えまい。だが、筆者が拙著で示したかったのは、大久保は知識のプロモーターであり、知識の機能を心得ていたからこそそうであろうとした、ということである。知識の機能、それが副題に入れた「結ぶ」というものである。大久保は、知識を通じて人々が結び合わされ、それを通じて日本という国家が立ち上がるのを期した。この結ぶということが、大久保のリーダーシップの要諦だったと思われる。それは、ネルソン・マンデラが説く羊飼いのたとえに通じるものがある。マンデラは、人は自分のことをリーダーと呼ぶが、そうではなく、自分は羊飼いのようなものだ、と述べている。
 羊飼いは群れの後ろにいて、賢い羊を先頭に行かせる。あとの羊たちはそれについていくが、全体の動きに目を配っているのは、後ろにいる羊飼いなのだ。
 拙著で論じようとしたのもこのことである。大久保は羊飼いだったのではないか。彼のリーダーシップとは、後ろからついていくことだったのではないか。・・・
 <「発見」もクソも、豪農層に日蓮主義が、江戸時代中に既に注入されてんだから・・。↓>
 大久保による知識革命は、もうひとつのことを示唆している。これまで江戸後期の私塾を中心とする知の結社が、志士による政治運動のカンフル剤となったことは指摘されてきた。しかし、大久保が依拠しようとしたのは、それとは異なる別個の知の底流だったのではないか。それは、在地の豪農・老農や豪商を担い手とする知である。
 大久保は明治に入って、東北地方など日本各地を巡視するなかで、至るところにそのような知の担い手を発見した。彼らは、開国後の経済社会の変動に直面し、それを切り抜けるために新たな産業を育成するなどして地域の人々の生活を守ろうとしていたその土地の牧民的名士である。その営みを孤立した単発のものに終わらせてはならない。その思いで、大久保は内務省で政策を作らせ、そして勧業博覧会を催して、彼らの知を掘り起こし、その共進と循環に努めたのである。大久保にとって明治10年の博覧会とは、知識交換のためのものだった。さらにひいては、殖産興業それ自体が、知識交換の土台の上に展開されるべきものだったのである。・・・」
https://www.bookbang.jp/review/article/756786?utm_source=yahoo&utm_medium=http&utm_campaign=link_back&ui_medium=http&ui_source=yahoo&ui_campaign=link_back

 日・文カルト問題。↓

 <ご愛顧に感謝。↓>
 「昨年韓国人が最も多く訪れた海外旅行先…日本が「圧倒的1位」・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/342642
 <いやさ、テキトーに言ってるだけで、実はなーんも考えてないだよ。↓>
 「中国海洋大軍に対抗する準備か…「非核三原則」日本が原潜を望む理由・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/342638

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <人民網より。
 だから?↓>
 「日本銀行の「歴史的利上げ」が効果を発揮し難い理由・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2025/1225/c94476-20406669.html
 <中央日報より。
 カリョー!↓>
 「「日本は治安不安、旅行に行くな」…中国、ビザ申請まで削減へ・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/342636
 <朝鮮日報より。
 阿Q健在。↓>
 「「日本の犬は殴られて当然」 中国人女性トリマーが柴犬を虐待する動画公開 /江蘇省・・・台湾のFTVニュースなど・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/12/23/2025122380112.html
 <ここからは、レコードチャイナより。
 それでも、人間主義人民は増えつつあるようで・・。↓>
 「中国のSNS・小紅書(RED)に・・・、日本を訪れた中国人男性による手記が掲載された。以下はその内容。
今回が人生で初めての日本旅行だった。行く前には、さまざまなニュースや周囲の人からの注意喚起も含め、確かにある程度の心構えはしていた。しかし、実際に日本に到着し、地下鉄に乗ったその瞬間から、本当の意味でこの国と接し始めたんだと感じた。
これまでにも、日本という国については、清潔な街並みや行き届いたサービスなど、さまざまな話を聞いてきたが、実際に足を運んでみて初めて、それらがまさにその通りだということを実感した。8日間滞在する中で、細部から全体の秩序に至るまで、疑問に思っていた気持ちはやがて「ぼう然とするほどの驚き」へと変わっていった。
 振り返ってみると、この旅は単にリラックスするためではなく、秩序があり、基本的な素養を備え、公共の衛生をみんなで守る国がどのように成り立っているのかを見る旅でもあったのだと思う。私が良いと感じたのは、自然の風景や秩序、そして人々が言ういわゆる「表面的な礼儀正しさ」だった。・・・
人は成長し、進化し続ける必要がある。どのような点が学ぶに値し、どのようなことが深く考えるに値するのかを認識することが肝要だ。私はこの旅にとても満足している。この短い文章は、自分自身に贈るためのものだ。」
https://www.recordchina.co.jp/b966984-s25-c30-d0052.html
 「「日本の高齢化が深刻」との報道に中国ネット反発「他人のことは誇張、自分のことには触れず」・・・中国メディアの海報新聞・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b966905-s25-c30-d0052.html
 <人間主義者になるのは当人自身の課題だからさ。↓>
 「日本の電車で外国人による迷惑行為、日本人はなぜ注意しないのか?・・・中国のニュースサイト・観察者網・・・」

https://www.recordchina.co.jp/b966926-s25-c30-d0052.html

<太田>

一 カレンダー

 ついに、懸案の表記(世界遺産カレンダー)を本日、Amazonで、割引、Amazonポイント、dポイント、ギフトカード・・100円の!・・、を使って「タダ」で買った!

二 豊臣本家滅亡経緯

 次のオフ会「講演」原稿は表記にすることになりそうなのだが、今までとは異なり、有料読者向け配信で手の内を全部明らかにしつつあるので、「恒例」の問いかけは行わない。

 行うとしたら「どうして豊臣本家は滅亡したのか?」だったんだけど、いきなり、その「正解」を聞かされたら、太田もついに認知症になったか、という声が出るのが必定のメガトン級の瞠目バナシでござんすよ。

           --映画評論528:ヒトラーの贋札--

今回の「『ヒトラーの贋札』(Die Fälscher,<。>英題:The Counterfeiters)は、2007年公開の<独・墺>映画で第80回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞した<ところの、>・・・第二次世界大戦のさなか、ドイツ政府がイギリスの経済撹乱を狙って画策した史上最大の紙幣贋造事件「ベルンハルト作戦」に関わった、ユダヤ人印刷工アドルフ・ブルガーの証言に基づいて制作された」もの
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%81%AE%E8%B4%8B%E6%9C%AD
で、お定まりのナチ・ディスり作品だが佳作。
 主演のカール・マルコヴィクス(Karl Markovics。1963年~)は、オーストリアの無学の男優・監督で、名演だ。
https://en.wikipedia.org/wiki/Karl_Markovics
 助演のアウグスト・ディール(August Diehl。1976年~)は、「ベルリンにある名門エルンスト・ブッシュ演劇大学を卒業し」た、独英仏が話せる独男優。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%82%B0%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB
 敵役、親衛隊少佐を演じたデーヴィト・シュトリーゾフ(Devid Striesow。1973年~)は、ディールと大学同窓生たる独男優だ。
https://de.wikipedia.org/wiki/Devid_Striesow
 最後に監督だが、シュテファン・ルツォヴィツキー(Stefan Ruzowitzky。1961年~)は、ウィーン大(歴史・演出)卒のオーストリアの監督・脚本家だ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%86%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%83%84%E3%82%A9%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%84%E3%82%AD%E3%83%BC

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太田述正コラム#15396(2025.12.26)
<笠谷和比古『論争 大坂の陣』を読む(その17)>