太田述正コラム#4165(2010.8.1)
<皆さんとディスカッション(続x910)>
<Fat Tail>
≫だけど、私としてはめずらしく、“My own belief is that the economics of Germany would have taken care of Hitler long ago before this if he didn’t have a chance to wave that flag every once in a while.”↑のところ、意味が分からなかった。Fat Tailさんあたり、どう解釈します?≪(コラム#4161。太田)
 これは私にも判然としません。文字通り、“Economy of Nazi Germany”
http://en.wikipedia.org/wiki/Economy_of_Nazi_Germany
に当たってみましたが、彼が1936年の経済危機に言及していると解釈出来なくはありませんが、後段の”if he didn’t have a chance to wave that flag every once in a while”との繋がりがピンときません。
(以下、Wikiからの引用)
 “In the spring and summer of 1936, Nazi Germany was rocked by a major economic crisis.”
“Hitler went on to write that given the magnitude of the coming struggle that the concerns expressed by members of the “free market” faction like Schacht and Goerdeler that the current level of military spending was bankrupting Germany were irrelevant.”
 ところで、上記のWikiを読んで思ったのですが、1930年代におけるナチスの経済運営と当時の日本の日本型(政治)経済体制の比較は、後者にまた新たな視点を吹き込む面白い試みになるかもしれません。太田さん、この点、もしや『防衛庁再生宣言』で既に言及済みでしょうか。
<太田>
 省力化していて申し訳ないが、マクリーシュ(マクレイシュ)のフォーチュン掲載記事、「日本の産業制度は、…資本主義…国家主義…共産主義…(といった)同時代のどんな国の制度とも似ていない」(『防衛庁再生宣言』234頁)というくだりを額面通り受け止めています。
 ナチスの「国家主義」経済システムとの比較は面白いテーマであることは認めます。
<Fat Tail>
 <コラム#4161で>ご紹介いただいた記事にリンクがある、”Franklin D. Roosevelt Archives”で元の文書を見ましたが、ケネディ父が上記の点のすぐ後で、シンプソン夫人とウィンザー公にも言及しており、このカップルが大西洋を隔てた両国にとって頭痛の種だったことが伺えます。
http://documents.nytimes.com/franklin-d-roosevelt-letters?ref=us#document/p1
 英国にとって、エドワード8世ことウィンザー公は、戦後の帝国喪失と共に拭い去ることのできない、トラウマの一つ。
 そういえば、2年くらい前に、公が身勝手で金に汚く、おまけにナチスのスパイ紛いの活動をしていたとする Channel4の番組を見て、随分日本での一般的な受け止め方と違うもんだと驚きました。
 ”Edward VIII The Traitor King ”
 Was Edward a Nazi sympathiser? Channel 4 documentary from 1995.
http://www.youtube.com/watch?v=9-bVcRB7CF0&feature=related
<NTT食品@絶滅危惧種(通りすがりの草莽人)>
≫それを証明するアメリカの公文書はTESTM電報であり、監視局US文書、RG38、MMRB、第2公文書館に収録されている(本書の485ページにそのコピーが提示されている)。≪
↑の該当ページをスキャンして取り込んでみました。
485ページ下段
http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/013/916/39/N000/000/000/128059291156016124833.jpg
486ページ上段
http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/013/916/39/N000/000/000/128059294223116327371.jpg
<太田>
 サンキュー。
 空調機が1週間前と先ほど、立て続けにぶっこわれたために、(13年経った同じ機種の空調機3台の)買い換えに近くのJUSCOに走ったりしていたため、今、読む時間がありません。
 明日回しにします。
<ΓΓεε>(「たった一人の反乱」より)
≫「悪い人も時にはいいことをする。いいひとも時には悪いことをする。」池波正太郎
 中韓のいいことを認識しつつも、その異常性はよーく理解せんとな。日本が衰退しつつあるから、余計に警戒してしまうわけだ。太田コラムのおかげでアングロサクソンパワーを認識しつつも、アメリカに対する幻想もだいぶ、解けてきたよ。≪(コラム#4163。takahashi)
 あんたの言うことはよくわかるし同感だよ。
 一方で太田さんの対応コメントもよくわかる(今までの経緯の話としては)。
 世代差?かな、米軍による占領が生々しかった世代(「占領」を自覚できた世代)と、生まれたときからそれを当たり前にしすぎている世代の差。(takahashiさんが年長者だったらゴメンよ)
 「みんな敵が良い」っていう精神がないと独立なんてできんわな。
 勝海舟はいいこと言ったね。
これからは「みん党」=「みんな敵がいい党」じゃないとな。
 話はまったく変わるけど、村上龍(太田さんによる村上評は面白かったしそのダメさの指摘は的確)、彼の諸作品、政治経済系統の作品を読むと、アメリカへの屈折した思いがびしびし伝わってくるし「属国としての日本」のダメさ加減もよく描けている。
 例えば「愛と幻想のファシズム」には結構印象深いセリフが出てくる。
 多少違ってるかもしれんけど確かダミークーデターのくだりで「アメリカは敵なのだ(と日本人が理解しないと元の木阿弥になる)」
 最終章で日米ソのよるスケープゴートはイギリスに決まるわけだが、理由として「イギリスには(民族主義の嵐に耐え抜く)プライドがある」。
 村上作品での「プライド」という言葉は同系列作品の「五分後の世界」でも同様に非常に重い。
 ちなみに村上龍はwikiによれば1952年2月19日生、太田さんの3つ下(偶然にも誕生日も近い)。
 この世代にとっての米国ってのも読者の側にとっても興味深い視点じゃあないだろうか?
<太田>
 四日市には進駐軍はいなかったように思うし、それからはカイロだったし、更にそれからは東京の都心だったからね。米軍の影も形もない青少年時代を私は送った。
 当時の日本人でこんな人、決してめずらしくなかったんじゃないか。
 私が米軍と出会ったのは、防衛庁に入ってからだ。
 今では、沖縄の人を除けば、米軍の存在を感じているなんてのは基地周辺の住民だけじゃないかな。
<takahashi>
 太田さんの批判は正当なものだと、頭ではわかるんだ。
 だから、とても勉強になる。
 ただ、無意識の親米派というか、アメリカにどうしても悪い感情が持てない。
 だから、真珠湾攻撃の陰謀論を聞いても、オカルトにしか感じられず、日本軍の愚かさにばかり、眼がいってしまう。
 ソフトパワーのアメリカ映画は、よく見るし、ハンバーガーも食べる。
 そして、嘘ばかりの中韓に不快な感情があるが、ここ、4、5年は中韓の映画もよく見る。姉は韓流ドラマも見る。
 中韓嫌いにもなりきれず、石原慎太郎みたいな反米にもなれない。
 ただ、日本はやばいかもという認識だけはある。
 うーん、無意識の植民地人の性というべきか、どうもアメリカにたいしてシビアになれない。
 会社で始末書を書いたが、自分の本質はなかなか変わらんということか(笑)。
 村上龍は同じジェネレーションじゃないし、あまり彼の本は読んじゃいないんだが、なんとなく、彼の自意識はわかる。
 アメリカをまねしてしまう自分とそれを軽蔑している自分が同居しているような感覚かな。たしかに太田さんによる村上評は的確だ。
 世代間ギャップはあるだろうね。ただ、太田さんみたいなタイプは珍しいんじゃないかな。太田さんの海外経験が独特の感覚を養っている気がしますね。
<太田>
 村上龍についてお二人が言及してるのは、例えば次のくだりでしょうね。
 「<村上が主宰する>メルマガを通じて私が村上について感じているのは、彼が、現在の日本を忠実に写す鏡としての類い希な才能のある作家だということです。
 そもそもこのメルマガのメインは、経済問題についての特集ですが、上記米国在住者は野球大好きの軍事嫌い人間であり、オランダ在住者は国連職員であってその職業柄当然と言うべきか国連礼賛者です。また、やはりコラムに寄稿している中共在住者(女性)は、フランス人から日本は米国の属国だと言われて、ただ反発することしかできなかった人物です。 
 村上は、自分のメルマガを経済をメインにするものにしただけでなく、このメルマガへのコラム寄稿者を選ぶ際にも、意識的かどうかはともかく、(経済優先軍事ネグレクトの)の吉田ドクトリン信奉者であるかどうかをメルクマールにしていると私は思うのです。」(コラム#3040(2009.1.17))
<takahashi>
 一晩たって無意識の親米派について考えてみたんだが冷静に考えれば、俺が反米になれない理由は何もハリウッド映画とハンバーガーだけじゃない気がしてきた。
 中韓の異常性を指摘する俺にも、少なくともシナ大陸でシナ人を大量に殺したという認識はあるんだ。
 そして、シンガポールでは華僑を殺し、捕虜も虐待した。
 フィリピンでは大量の民間人を殺した。
 この結果の罰として原爆があり無差別爆撃があるという因果応報的感覚があるとは思うんだ。
 その罰の執行者たるアメリカを強く恨めないという仏教的感覚、もしくは戦後教育の賜物もあるとは思うんだ。
 もっとも、この罰を受けたという感覚がアジアにたいする認識を鈍らせているとも言える。
 勿論、こんなにアジアで死人の数が増えたのは、元々は愚かなアメリカのせいであるという太田さんの理論の正当性は言うまでもないとは思う。
 しかし、頭では理解しても(頭でも理解しにくいかもしれん)、日本が罰を受けたという感覚はなかなか、消えないとは思う。
 これがアメリカを断罪するという感覚を持てない原因じゃないか。
 シナ人にしてみれば、罰が足りないと言う感覚はあるかもしれんが。
 このアメリカを糾弾せねばならないという感覚の強さにおいて太田さんは特異じゃないかな。
 ここらへんが太田さんが左の人と99%、一致している原因の一つじゃないかとも思える。
 太田コラムの読者の中でも、「属国論」は理解していても「アメリカの罪」は理解している人は少ないんじゃないかという気がする。
<ΓεεΓ>(同上)
 本当のところは宗主国アメリカがあまりにも強大過ぎるせいですっかり骨抜きにされきっていて、真正面からアメリカに対抗するのを諦めて戦意喪失しているだけなのに、その負け犬根性を直視して認めるのは自尊心が邪魔をするので、色々と過去の日本軍の行為の罪悪感だとか仏教だとかアメリカ文化への好意とかそれっぽくみえそうな理由を片っ端から拾ってはアメリカを恨めない正当な理由として取り繕うことで自分(たち日本人)の受け入れがたい情けなさから必死で目をそらしているだけにしか見えんなあ。
 典拠も何も無いゴミ感想でわるいけど…。
<ΕΕγγ>(同上)
 あー、なんだか凄い納得できるな。
 高校の同級生を10年以上恐喝していたって事件があったよね。おれには考えられないが。
http://policestory.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/post-0776.html
 根拠がないが、日本人は外国人に比べて精神的苦痛に対する耐性が高いのかもしれない。
 製造業のレベルが高いのも関連するような。
<植田信>(2010.7.30)http://8706.teacup.com/uedam/bbs?OF=20&
 ・・・<戦後の>吉永小百合、和泉雅子、本間千代子などの女学生の時代は、戦前の家父長制度を脱した日本人が、やっと自由を享受し始めるスタート地点でした。
 しかしまだまだ過去の桎梏、束縛が強い時代でした。
 <そこへ、>プレスリー、ベンチャーズ、ビートルズがここに強烈なパンチを浴びせたと言えるでしょう。
 せっかく日本国憲法によって戦後の日本人は個人の自由を手に入れたのだから、それを謳歌したらどうなのか、です。
 これに応えたのが、グループサウンズ。
 青春が爆発しました。・・・
<太田>
 上掲は、先週の金曜の朝8時過ぎのアップですが、私のその日午後の植田さんへの「挑発」を予期したかのような内容でしたねえ。
<植田信>(同上)
 ・・・<「>・・・戦争という嫌な時代が終わったからこそ、明るい未来を夢見て人々は前を見つめていたと想像します。<」という私(植田)のサイトへの投稿に接すると>なぜ戦後の日本人が戦争なるものを忌避しているのか、よくわかります。
 司馬遼太郎や丸山真男などの戦争体験だけではなかったわけです。
 その時代、敗戦後の日本に投げ出された、「戦争で死ねなかった」人たちの体験です。 何もない日本の中に放り出されたわけです。・・・
 ・・・戦後の日本語の戦争論には、<この投稿子が>が体験したような実体験のことが、語られるにあまりに少なすぎます。
 戦後の日本が、無意味に「レジャーランド化」しているのではないことが、よくわかります。
 戦前の日本への、戦後日本人の抗議なのですよ、私が思うには。
 戦後日本人の戦前の日本への「集団的無意識」による抗議です。抗議というか、異議申し立て、です。
 ここが徹底的に改変されたと戦後の日本人が本当に納得するまでは、戦後の日本人の対米従属と、列島レジャーランド化は続くでしょう。
 それだけ、戦前と戦中、それと戦争直後の日本人は、戦争にこりごりしたわけでした。 戦後世代の私たちには、ここのところが伝えられていません。・・・
<太田>
 これが正式の「回答」かしらん。
 前にも申し上げたことがあったかと思いますが、戦前の日本は、いや、戦中の日本ですら空襲が本格化する前までは、当時の大部分の日本人にとって決して暗い時代じゃなかったというのが私の認識です。
 いや、暗い時代だったとおっしゃるのなら、相当まともな典拠でもってご説明いただく必要がありますよ。
<植田信>(2010.7.31)http://8706.teacup.com/uedam/bbs?OF=10&
 ・・・東大全共闘運動を「サヨク」運動と見なすと、1969年の年頭に安田講堂が陥落してから以後、「サヨク」は消滅した、と私は思っています。
 だから、現状で、まっとうなサヨクは、太田述正氏のような人である、と。「遅れてきた東大全共闘」です。
 一方、凡俗「サヨク」に同情すると、サヨクはサヨクで、戦前の日本への抗議なのだと私は思っています。
 このサヨクの大活躍にコチンときていたのが、渡部昇一や西尾幹二、小堀桂一郎などの、軍国少年世代です。それでソビエト崩壊を機に、巻き返しが起こりました。
 これをアカデミズム(大学)の政治学の世界では、今や日本の政治学では左翼と右翼の区別がなくなった、融合しつつある、という具合に分析されました。要するに、戦後の日本は冷戦構造の中で色分けがされていたにすぎない、と。・・・
<太田>
 私の「思想」がユニークだとすれば、それを形成したのは、防衛庁勤務経験、プラス、少年時代と防衛庁勤務時代のintensiveかつextensiveな海外経験でしょうね。
 この二つの経験をともにしている日本人は私以外にいないように思います。
<KK>
 ・・・応援メールです。
 えー、もちろん町山さん流みたいな映画批評<(コラム#4159)>は、期待しておりませんが、すばらしい情報分析能力のある太田さん流の切り口を期待しております。
 本当は、2のほう<を鑑賞していただいた方>がよかったかな?と思ったのですが(さすがに長いので時間の関係上難しいと思います)、その中にあった言葉で「でもやるんだ」精神を太田さんの中に感じています。
 本来ならもっとお金を儲けれたり、高い地位を手に入れるのが可能なのに、あえて1人だけの反乱と書いてあるように、はたから見たら小さく見えるかもしれないのにとてつもなくでかいこと(本来なら正常化というべきか)をやろうとしていて、自らの意思によりいばらの道を選んでいる太田さんに感動して陰ながら応援しています。
 これからもがんばってくださいね。
 ・・・
 時々このブログを見るのが怖いなーと思うときがあります。
 なぜなら見るべきは自分という気がして、自分にむきあわないといけないので、自己反省しながら見ております。
<ΕγΕγ>(同上)
 以前に、太田ブログに何故女性読者が少ないのかって議論もあったように思う。
 そりゃ、アメリカ留学中にハードコアポルノの映画を見て楽しんでいた、なんて書いてるようじゃきついだろうね。
<太田>
 何でキミ、最近の太田コラムは読んでないんだい?
 
≫AV(アダルトビデオ)が20代30代の女性にバカ売れしている≪(コラム#4153)
って書いてあったろ。
 そうじゃなくて、太田コラムって読者の真の姿を映し出す鏡みたいな存在なのよ。
 だから、KKさんみたいに、まともな人なら読むのが怖いはずなんだな。
 女性の場合は、それに更に一翻(イーファン)つくから、太田コラム読むのホントつらーいはずだ。
 「先進国としては考えられないほどの男女差別社会の中にあって、日本の典型的女性は、男性を自分の金銭的、あるいは性的欲望等の欲望を充足する手段としか見ることができず、かかる欲望を充足してくれる男性には天使として、そして充足してくれない(と瀬踏みをした)男性には怪物として、2値的にしか接することしかできない、ということなのではないか」(コラム#3040)なんて鏡をつきつけられるんだからね。
 ここは、女性読者の意見をぜひ聞きたいところだねえ。
<マロン>
≫宗教改革・・プロテスタンティズムの生誕・・については、(無教会主義についてはともかくとして、)カトリック教会内の権力争いに過ぎず、その結果多数の小カトリック教会的なものが生まれた、という理解です。・・・意義があるとすれば、それが欧州の世俗化、すなわちキリスト教そのものの否定、への第一歩となったことくらいだと思います。
 イギリスもプロテスタンティズムの洗礼を受け、それが17世紀のイギリス内戦の背景にあるわけですが、それ以前に成立していた英国教会は、イギリスの政治権力によるカトリシズム(欧州)の拒否であり、プロテスタンティズムとは基本的に無縁であると割り切った方がよい、というのが私の理解です。イギリスのプロテスタントの多くは、北米に移住し、後に彼等が中核となって米国が誕生するわけですが、このため、米国は、アングロサクソンと欧州のキメラとなることを運命付けられるわけです。≪(コラム#4131。太田)
 アングリカン<(英国教会)>が基本的にプロテスタンティズムと縁が薄いという点は、歴史的な成立ちからも納得ができます。
 「脱ローマ」という目的については、権力争いだったといえそうに思いますが、それでもプロテスタンティズムの苛烈さを過小評価はできないのではないでしょうか。
 キリスト教内の権力争いでは片付けられない、強烈なイデオロギー団体ではないですか。
 イギリスで誕生したピューリタンは、ピューリタン革命でイギリス王の首を切りましたし、メソジストはサッチャー首相を生み出しました。
 プロテスタントが誕生したことで、個人主義が「普及」したという説(ルイ・デュモン『個人主義論考』)もあります。
 個人主義の国イギリスにとってプロテスタンティズムはもっと重要なものではないでしょうか。
<太田>
 最初に、サッチャーのことから行くと、日本語ウィキには、
 「<サッチャーの>実家は代々メソジストの敬虔な信者で「質素倹約」、「自己責任・自助努力」を旨とし、その精神はサッチャー自身にも受け継がれた。」
とあるけれど、英語ウィキには
 ・・・Margaret Roberts was brought up a strict Methodist by her father.・・・Her school reports show hard work and commitment, but not brilliance. ・・・
http://en.wikipedia.org/wiki/Margaret_Thatcher
とあるだけであり、しかも、最初のセンテンスと後のセンテンスの間には、別のセンテンスが入っていて、一つながりの文章にはなっていません。
 ちなみに、「メソジスト運動は、本国英国ではさほどの勢力にはならなかった」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%BD%E3%82%B8%E3%82%B9%E3%83%88
ところです。
 イギリス内戦(清教徒革命)において、清教徒が重要な役割を果たしたことは事実です。
 しかし、この時代は、あくまでもイギリス史における逸脱期であるととらえるべきである、というのが私の見解です。(コラム#省略)
<Trader@Live!> (同上)
 <平野浩が
http://electronic-journal.seesaa.net/article/112214327.html
で次のように記している。>
 「「福田首相が辞任した本当の理由」・・・
 「あなたとは違うんです」――この迷セリフを残して唐突に辞めた福田前首相の辞任理由について、国際未来科学研究所代表の浜田和幸氏が自著で意外な事実を明かしています。
 2008年9月といえば、世界各地で株価が、まるでジェットコースターのように上下していた頃です。1日に株価が1000円も上がったり下がったりする――尋常ではない状況だったのです。
 その2008年9月1日に福田首相が突然辞任してしまったのです。いったい何があったのでしょうか。この福田首相の突然の辞任について浜田氏は次のように述べているのです。
 「思い出されるのが、2008年9月1日の、福田康夫首相の突然の辞任である。「あなたたちとは違うんです」との名(迷)
 セリフを残して記者会見場を後にした「のび太総理」だが、じつは、アメリカ政府から、しつこく「ドルを融通してくれ」との圧力を受けていたようなのだ。
 しかも、それは半端な金額ではなかった。じつに、日本が保有する全外貨準備高にあたる1兆ドル(約100兆円)の提供を求められたという。これは、アメリカ政府が今回の金融パニックを封じ込める目的で投入を決めた7000億ドルを上回る金額である。
 要は、自分たちの失敗の尻拭いを日本に押し付けようとした、アメリカのムシのよすぎる話に福田前首相はキレてしまったというのである。
 福田首相は辞任の直前まで続投する気だった。
 辞任を決めたのは、金融庁が渡辺案「米政府が必要とすれば日本の外貨準備を公社救済のために米国に提供する」との報告書をまとめ上げ、提出する直前だった。
 もし、福田首相が9月1日に辞任しなければ、9月14日に破綻したリーマンブラザースの救済に日本の1兆ドルの外貨準備金が使われていたかも知れない。 」
 浜田和幸著/光文社刊『「大恐慌」以後の世界/多極化かアメリカの復活か』」
 一方中国はどうかというと、日本と違ってきわめて外交に長けているので、外貨を利用して米国の投資銀行や住宅公社に資本注入を積極的に行い、差し押さえられた不動産物件のかなりの債券は中国が保有しているのです。
 同じ米国に協力する場合でも、中国の場合は自らイニシアティブをとって積極的に先手を打って動いたのに対し、日本は完全に受身であり、度重なるブッシュ政権の圧力に屈した金融庁の金融市場戦略チームは、対米支援の目玉としての「100兆円提供」を決定する寸前まで行ったのです。・・・」
<ΕγγΕ>(同上)
 アメリカが本気なら福田が辞任しようがしまいが提供したんじゃね?
<ΓΓεε>(同上)
 そりゃそうだよな。普通そう思うわ。
<太田>
 そう。日本は属国だから、宗主国米国が本気で指示すりゃ、従わざるをえないのさ。
<Chase>
≫Chaseさん、カワカミの話も次著で使えそうですね。 ここのところ、いちいち注意喚起してませんが、どうぞよろしく。≪(コラム#4149。太田)
 承知しております。思いつかれた時は、「次著で…」のフレーズを入れていただければ助かります。なお、昨日、配信いただいたバックナンバーのファイルから、1月からの次著絡みの内容の箇所(公開分から)を勝手ながら、私のサイトに備忘録として、転載させていただいております。・・・
 <ちなみに、>福岡国際問題研究所のサイトを、「太田述正氏の言論を応援するサイト」に名前を変えさせていただきました。
http://blogari.zaq.ne.jp/fifa/
 公開されている太田コラムの次著に関わる内容については、当該箇所を転載させていただいております。
<太田>
 どうもありがとう。
 引き続きどうぞよろしく。
 時間がないので、本日分の記事の紹介は明日回しにします。
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太田述正コラム#4166(2010.8.1)
<改めて朝鮮戦争について(その3)>
→非公開