太田述正コラム#9680(2018.3.4)
<皆さんとディスカッション(続x3636)>

<太田>(ツイッターより)

 「…日本国内の人気商品がそのまま<訪日>中国人の売れ筋になっている。…中国人の感覚が日本人化してきている…」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27664650S8A300C1EA6000/
 慶祝!
 中共当局の、苦笑させられるほどの死に物狂いの努力の結果、少なくとも訪日するような中共人民達は、人間主義者化寸前まで来ていると思いたいところだ。

 「北朝鮮外務省の報道官は…米国との対話に臨む用意があることを改めて示した一方、非核化を前提とした対話には応じない姿勢を明確にした。
 米朝間の隔たりは大きく、対話が実現するかどうかは予断を許さない。…」
http://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E5%8C%97%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E3%80%81%E9%9D%9E%E6%A0%B8%E5%8C%96%E5%89%8D%E6%8F%90%E3%82%92%E9%9D%9E%E9%9B%A3-%E7%B1%B3%E3%81%A8%E3%80%8C%E6%9D%A1%E4%BB%B6%E3%81%AA%E3%81%97%E3%81%AB%E5%AF%BE%E8%A9%B1%E3%80%8D/ar-BBJOXLu?li=BBfTvMA&ocid=ientp
 だから、韓国の「仲介」活動が必要って理屈なのよね。
 猿芝居。

<D5T7kvWI>(「たった一人の反乱(避難所)」より

≫将棋連盟も、さすがに事態の深刻さが分かってきたのか、棋譜著作権を振りかざして、将棋プロ以外による将棋対局解説・・事後のものすら!・・禁止の動きに出ているようだ。≪(コラム#9676。太田)

 先月、視聴者の多い将棋系ユーチューバー数名がプロ対局の解説動画を全部削除する動きがありましたが、これは将棋連盟から直接お達しがあったということではないそうですので、おそらく棋戦スポンサー新聞社の要望が載った記事に対して忖度したのではないかと推察します。↓

 「週刊ポスト 「藤井聡太フィーバーで注目、「棋譜使用料」10万円は妥当か」 (2018.02.23 07:00)・・・」
https://www.news-postseven.com/archives/20180223_653222.html
 「将棋ライターの見解・・・」
https://twitter.com/mtmtlife/status/966921179972870144
 「日本チェスチャンピオンの見解・・・」
https://twitter.com/Shinya_Kojima/status/967314085170749440

 元奨励会員アユムの将棋実況 「今後のチャンネル運営方針について」 (2018/02/23 にライブ配信)
https://www.youtube.com/watch?v=sRudwKF_RG0#t=9m42s
 アユム氏が語っていたユーチューバーが直接注意を受けた件(昨年の記事)↓

 「朝日新聞将棋取材班です。朝日杯の棋譜中継は権利の侵害に当たります。即時、中止してください。」(2017-06-17)
https://togetter.com/li/1121975
 「「棋譜」に著作権はある? 「無断中継」なぜNG? 朝日新聞に聞いた」 (2017年06月22日)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1706/22/news113.html

⇒典拠重視を叫びながら、時間がないので上記諸引用に目を通さなかったのは恐縮ですが、以上は、全て、アユム氏を含む将棋ユーチューバー達が「中継/中継解説」を止めた理由であって、今回、アユム氏が「棋譜付き事後解説」まで止めちゃった理由じゃないのでは?
 (自分で別途棋譜画面を、例えば、自宅の将棋盤と駒を使って再現する労力と時間が惜しいことから、今後、私は、一切、彼の「棋譜なし事後解説」を視聴することはないでしょう。
 こうするのは私だけじゃないはずです。
 だから、アユム氏にとっては、不本意な大きな決断だったはずです。)
 後者に関しては、「棋戦スポンサー新聞社」はどうこう言える立場じゃないはずである以上、棋譜著作権を有する・・きちんと調べたわけじゃありませんが多分そうでしょ・・日本将棋連盟の意向を忖度した結果だ、と私は想像しているのです。
 アユム氏は、元奨励会員だと承知しており、根拠ある忖度ができる、いや、根拠ある忖度をしなければならない立場だと思いますよ。
 なお、昨日書いたことについて、念のために一言。
 三浦疑惑事件の本質は、渡辺竜王(当時。以下同じ)らが、将棋ソフトしか思いつかないような、棋士の「経験」「常識」に反する手を、三浦九段(以下同じ)が指したことについてカンニング疑惑を抱いたところ、実は、九段は、将棋ソフトを使った研究をしてきた結果としてそういう指し手が(少なくとも部分的には)できるようになっていただけだというのに、竜王らの方は、将棋ソフトを使った研究を怠っていた結果、そうかもしれないと考えることすらできず、致命的なボタンの掛け違いが生じたのでは、ということを私は言いたいわけです。
 今回、A級に九段(44歳)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E6%B5%A6%E5%BC%98%E8%A1%8C
はとどまったのに、竜王(33歳)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A1%E8%BE%BA%E6%98%8E_(%E6%A3%8B%E5%A3%AB)
の方が羽生永世七冠(47歳)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BE%BD%E7%94%9F%E5%96%84%E6%B2%BB
に竜王位を奪われた上、更にA級から陥落までしてしまった、のは、単なる不調ということではなく、将棋ソフトを使った研究の有無により、三浦九段や羽生七冠は棋士生命が延びたのに対し、後者は相対的に棋力が落ちたから、である、とね。
 既に、AIは、このように、個々の棋士の職業生命を左右しつつあるところ、藤井六段の彗星的台頭を契機として、全棋士の職業生命自体が絶たれるのもそう遠くはない、と私は見ている次第なのです。(太田)

<太田>

 それでは、その他の記事の紹介です。

 契約は反故にするわ、国際ルールは無視するわ、大田区の町工場の皆さん、世界はジャングルなのよ。↓

 「「下町」使わず、ジャマイカ選手ドーピング陽性・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/olympic/2018/etc/20180303-OYT1T50112.html?from=ytop_main2

 こんな検察発のフェイクニュースにひっかかるなよー。↓

 「大成幹部が認める供述、リニア談合関与裏付けか・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180303-OYT1T50120.html?from=ytop_main1

 男子東大卒差別だー、なんて野暮なことは言うまい。↓

 「読売テレビ–“元ミス東大”諸國アナが全国デビュー 辛坊氏「数年すれば最強キャスター」・・・」
https://mainichi.jp/articles/20180304/spn/00m/200/004000c

 聞いたことがあるハナシではあるが、それにしても神秘的。↓

 「ガラスは「固体」ではない?–流動・振動を観察、正体探る・・・」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27613540S8A300C1MY1000/?nf=1

 ちゃうの。
 ものスゴーイ深謀遠慮によるものなのよ。↓

 「・・・教科書問題は<中国>共産党に思いがけない発見をもたらす。「愛国主義が国内政治の安定に役立つと気づいた」・・・のだ。抗日戦争記念館の原点が、そこにある。・・・」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27624070S8A300C1SHA000/
 <この記事に関しても同じことが言える。↓>
 「・・・シンガポールの国父、リー・クアンユーは習近平について、「個人的な不幸や苦痛が判断に影響を与えることを認めない情緒的安定感を備える」と高く評価した。南アフリカのネルソン・マンデラに例えもした。しかし、最近の姿を見ると、権力欲の塊に見える。中国共産党の宣伝機関による習主席の動静報道は偶像崇拝に近い水準だ。・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/03/02/2018030201463.html

 とにかく、人民網化戦略を頑張れ、朝鮮日報!↓

 「韓国の11倍もインドに投資する日本・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/03/02/2018030201465.html

 記事そのものもまあ面白いが、それよりも、記事への投稿群が凄まじい。
 少なくとも、香港バイリンガル層における反米・悔米感情は恐るべきもの。↓

 Korea’s ‘patriotic prostitutes’ for US soldiers get justice at last・・・
http://www.atimes.com/article/koreas-patriotic-prostitutes-us-soldiers-get-justice-last/

 カー娘と小平選手を取り上げたことといい、少なくとも私と朝鮮日報の感覚は収斂しつつある。↓

 「「新・韓日戦」が与えた感動・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/03/02/2018030201538.html

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <人民網より。
 日中交流人士モノ。↓>
 「中日青年が両国の魅力を熱く討論 東京・・・
http://j.people.com.cn/n3/2018/0303/c206603-9432451.html
 <ここからはサーチナより。
 今日頭条だって、当然、引き続き頑張っている。↓>
 
 「排日の動きは強いはずと思っていたら「南京では意外に日系車を見かける」・・・」
http://news.searchina.net/id/1654564?page=1
 <全くもってその通りアル。↓>
 「・・・今日頭条は・・・日本に留学することを検討している中国人に向けて「日本人は細かい点で他人を評価するため、細部にまで気を抜かないように」、「日本人と中国人の考え方は違うことに留意すべき」と呼びかける記事を掲載した。
 日本学生支援機構によれば、日本で学ぶ留学生の数は2017年5月時点で26万7042人に達し、うち、中国人は10万7260人で全体の40.2%を占めた。 これだけ多くの中国人が日本で学んでいる背後には、日本は中国から最も近くにある先進国であり、日中の経済協力が深化していることが要因の1つと言えるだろう。
 記事は、日本人と中国人はさまざまな点で考え方が違うと強調。その例として、中国人旅行客が「悪天候が理由」で飛行機が遅延した際に、空港で大暴れした事例を挙げ、「中国人は悪天候が理由であろうと、飛行機が遅延しているのは航空会社の責任であり、航空会社がホテルと食事を提供しないのは非人道的と考える」と紹介。一方、日本では「悪天候は航空会社の責任の範疇にない」と考え、ホテルや食事は旅客がそれぞれ各自で対応すべきものと考えると紹介し、日本で学び、暮らすうえでは日本人の考え方を理解し、尊重しなければならないと論じた。
 さらに日本人は「椅子から立つ時には、椅子を戻す」といった細かい点まで非常に気にする国民性だと指摘し、これができないと日本人に軽視されてしまう可能性があると強調。日本で学ぼうとするならば、日本語を学ぶだけではなく、事前に日本の文化や日本人の考え方を学ぶ必要があると伝えている。」
http://news.searchina.net/id/1654565?page=1
 <新材料を発見したねえ。日本へ行けキャンペーン。↓>
 「・・・今日頭条はこのほど、「世界の建造物や世界遺産を25分の1のスケールで再現した世界建築博物館」である「東武ワールドスクウェア」を紹介し、世界には有名建造物などを小さいスケールで再現したミニチュアパークは数あれど「東武ワールドスクウェアの再現率は相当すごい」と伝えている。
 記事は、中国や台湾、韓国、オーストラリアにも東武ワールドスクウェアと類似のコンセプトのミニチュアパークが存在することを指摘する一方、東武ワールドスクウェアは世界各国の有名な建築物を非常に高い精度で再現しており、しかも建物の周辺には小さくとも精巧な人の模型が設置されているとして、様々な建築物の写真を掲載した。
 写真を見てみると、確かに建物には精巧な人の模型が設置されているのがわかる。たとえば、中国の故宮の周りには中国の伝統的な服を着た人が設置されていて、何かの儀式を行っている様子が見て取れる。また、高層ビルには窓の清掃を行っている作業員がいて、服装から体の動きまで非常に自然で、精巧な作りとなっているのが見て取れる。
 記事は、東武ワールドスクウェアの模型はいずれも「リアリティがあって、写真で見てみると、本物なのか模型なのか分からなくなるほど」だと指摘。細部までこだわった作りに対し、「細部まで徹底的にこだわるという日本人の気質は骨の髄まで達しているようだ」と驚きを示しつつ、「世界にミニチュアパークは数あれど、東武ワールドスクウェアが一番すごいのではないか」と論じた。
 記事が掲載した東武ワールドスクウェアの模型を見た中国人ネットユーザーからは多くのコメントが寄せられており、「中国のテーマパークの模型は作りがいかに粗いか良くわかった」、「日本の模型は再現率が高すぎる。敬服せざるを得ない」といった意見が数多く見られた。」
http://news.searchina.net/id/1654572?page=1
 <定番。↓>
 「羨ましくて仕方ない、それは「日本が好きであろうと嫌いであろうと変わらない」・・・」
http://news.searchina.net/id/1654573?page=1
 <全然面白くないのが面白い。↓>
 「100年以上も昔の明治時代、日本人たちはどのような生活をしていたのか・・・」
http://news.searchina.net/id/1654568?page=1
 <ここからは今日頭条記事以外の引用。
 ありきたりの話が、しかし、抒情的に語られている。↓>
 「中国メディア・東方網は・・・日本の街でよく見られるさりげない光景を通じて、日本人のリアルな生活ぶりを紹介する記事を掲載した。
 記事は、「日本という国について、みんな比較的よく知っていると思う。しかし、その知識の多くはリアルなものではない。では、日本人たちの本当の生活は、一体どんなものなのだろうか」としたうえで、日本の街角で撮影した写真を何枚か紹介している。
 まずは、電車内でよく見られる光景。「これは日本の地下鉄。みんなとても静かだ。若い女性もつかれて壁に寄りかかって眠ってしまっている」とした。日本の電車内では日常的な光景である居眠り。平和で静かだからこその風景と言えるかもしれない。
 続いて紹介したのは、本を読む人たちの姿。「日本の人たちは本をよく読むというよい習慣を持っている。時間があればどこでも本を取り出して読む。信号待ちの時間でも、若い女性がスマホに見入る傍らで年配の人は本を読んでいる」と伝えている。
 <占いを信じている、はチト違うんだけどね。↓>
 記事は、夜の街で見られる光景も紹介。「東京の街の一角で、若い女性が占ってもらっている。仕事や恋愛の運勢を見てもらっているのだろう。日本ではこういった光景をよく見かける。日本人は占いをとても信じているのだ」とした。また、アクセサリーの移動販売ワゴンを取り上げ「売り物が道を行く若い女性たちを魅了している。とても寒いが、スカートを履いた女性たちがいた。彼女たちはどんなに寒くても、スカートを履いて街に出るらしい」と伝えた。
 そして、最後に紹介したのは、早朝の東京の駅を行き交う人だ。「いそいそと出勤する人、いそいそと面接に行く人。みんな自分のすべきことをしに行く。必要以上の喧騒はなく、聞こえるのは電車の音だけだ」としている。」
http://news.searchina.net/id/1654567?page=1
 <クオリティが高いとは全然思わないが、日本の大学に演劇科が殆ど存在しない理由は、一般大学に芸術関係の学科がないことと共に研究に値するな。↓>
 「中国みたいな「芸術試験」のない日本で、どうしてクオリティの高い俳優がたくさん出てくるの?・・・中国メディア・東方網・・・」
http://news.searchina.net/id/1654569?page=1
 <習ちゃん、こんな記事書かせるより、「戸籍格差」撤廃を!↓>
 「・・・ 香港メディアの鳳凰網は・・・日本もかつては地方から都市部に多くの人が出稼ぎに行き、都市部の発展を支えたと伝える一方で、なぜ日本は中国のような留守児童がいないのかと疑問を投げかける記事を掲載した。
 記事は、都市部における発展の軌跡は日本と中国で似ている点があり、それは地方から多くの人が都市に集まり、都市を発展させたという点だと指摘する一方、日本と中国で根本的に異なるのは「戸籍格差の有無」であることを指摘。日本もかつては地方から大量に都市部に人が押し寄せたため、住む場所や学校の整備に苦労した経緯があることを指摘しつつも、日本では住所や戸籍を移動させるのは自由であり、誰もが自由に住所を移動させることができるうえに、どこでも同じ社会保障や福祉を享受できると紹介し、地方から都市部に出てきた人でも、子どもを都市部の学校に入学させることができると伝えた。」
http://news.searchina.net/id/1654570?page=1
 <定番。↓>
 「脱亜入欧したはずの日本・・・どうしてこんなに中国文化が残っているのだ!・・・中国メディア・東方網・・・」
http://news.searchina.net/id/1654571?page=1
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太田述正コラム#9681(2018.3.4)
<眞壁仁『徳川後期の学問と政治』を読む(その17)>

→非公開