太田述正コラム#10604(2019.6.8)
<三谷太一郎『日本の近代とは何であったか』を読む(その44)/私の現在の事情(続X122)>(2019.8.27公開)

 そして幕末の外債反対論は、倒幕派によって形成された維新後の新政権に事実上継承されました。
 討幕派の結集に主導的役割を果たした大久保を中心とする新政権の資本主義化路線に、かつての討幕派の外債反対論が貫かれているのは当然と見るべきかもしれません。・・・
 地租改正前の明治政府の恒常的財源は、幕藩体制下の旧地租でした。
 それは明治5年度では歳入の4割程度。
 他は不換紙幣の発行や内外商人からの借入金等に依存しなければならなかった。

⇒「国内商人からの借入金」の具体的事例等を知りたかったところです。(太田)

 したがって、それは資本主義化を推進する国家資本の源泉としては不十分でした。・・・
 法制史家石井紫郎<(注48)>の見解によれば、幕藩体制においては権力の射程は村落共同体のレベルに止まり、個々の農民のレベルにまでは及んでいませんでした。・・・

 (注48)1935年~。司法試験合格、東大法卒、同助手(日本法制史)、助教授、教授、等。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%B3%E4%BA%95%E7%B4%AB%E9%83%8E
 私は、石井助教授(当時)の「日本法制史」の授業を取ったかどうかは定かではないが、少なくとも、その講義ノートは買って読んでいる。照明デザイナーの石井幹子が奥さんだ(上掲)とは知らなかった。

 明治政府は地租改正法を通してはじめて直接に個々の農民を把握し、それによって安定した地租収入を基礎とする国家資本の源泉としての租税収入を確保することができたのです。・・・

(続く)
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          –私の現在の事情(続X122)–

1 始めに

 6月5日の夕刻、象印の「オーナー様限定 新製品内覧会」に行ってきました。
 私は、象印製品は、「高級」炊飯器、オーブントースター、そして、電気ポット(2つのうち1つ)、を使っているので、一応、上得意です。
 その象印が象印「マホービン」株式会社であることを、今回初めて知りました。
 そして、同社が大阪発祥であることも・・。
 応接にあたった同社社員達の多くが関西弁訛でした。
 なお、会場は品川インターシティホールであり、品川駅の港南口を出たのも品川インターシティを訪れたのも、10数年ぶりでした。
 ますます「発展」していて、今年立ち寄った大阪駅(梅田)周辺を彷彿とさせましたね。
 帰途、品川駅はラッシュアワーでしたが、一部観光客的な人々はともかく、会社員的な人々の中に外国人っぽい人が少ないことに、ちょっぴり危機意識を覚えました。

2 おみやげ

 先に、おみやげから。
 2品、入っていました。
 (無銘の)折り畳み傘には苦笑しました。
 象印製品では(当然ながら)ないからです。
 ま、女物の折り畳み傘を一つ持っているだけなので、あって悪くないし、帰途、突然にわか雨でも降ってきたなら、大感謝したでしょうが・・。
 もう一つは、マグボトルSM-TA
https://www.amazon.co.jp/%E8%B1%A1%E5%8D%B0-%E3%83%9E%E3%82%B0%E3%83%9C%E3%83%88%E3%83%AB-%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF-600ml-SM-TA60-BA/dp/B07FK66BML
であり、展示の中にあり、説明も聞いていたので、これはありがたかったですね。
 さっそく、これまでの、全部ステンレス製で蓋のないマグに代えて、ホットコーヒー用に使っています。
 今までのマグも保温(保冷)機能はあったけれど、今度のは、いつまで経っても温度が変わらず、しかも、これまで同様、口をつけて直接飲むこともできてゴキゲンです。

3 展示

 小グループに分けて、2人の社員が付きっきりで説明してくれて、諸所で、説明嬢がPRトークをするのにも聴き入る、というスタイルでした。
 炊いたばかりのご飯や、出来立てのピザを一口いただく機会も・・。
 新製品の炊飯器・・恐るべきこだわりぶりに口あんぐりです・・の展示に、同社が最注力していたことにいはささか違和感がありました。
 日本でのコメの消費は減るばかりで、炊飯器需要も先細り必至だからです。
 (中共等の海外市場をターゲットにしているのかもしれませんが・・。)
 玄米焚きをウリにした製品を出すなりして、コメの消費自体を増やす算段も必要ではないか、と思いました。
 また、おひとり様向けの配慮がなされた炊飯器が依然として出ていないことにも残念な思いが・・。
 これは、社員の人にも言ったのですが、チンして食べるパックご飯に対抗する、つまりは、半合炊きに焦点を当てた・・速く炊けてパックご飯より旨い・・製品を考えて欲しいものです。
 後、印象に残ったのは、新製品のオーブントースターですね。
 バルミューダのそれを意識した、なかなかのスグレモノ、です。
 揚げ物の再加熱、冷凍食パンのトースト、冷蔵ピザの加熱、等に工夫が凝らされています。
 2万円程度で9月に出るというのですが、現在のを捨てても買いかもしれません。