太田述正コラム#11499(2020.8.28)
<皆さんとディスカッション(続x4544)>

<太田>(ツイッターより)

 対ジェイコブ・ブレイク発砲事件に抗議して大坂なおみ、試合欠場表明。
 (この邦語記事、表明文が、英語のほか、邦語でもなされていることに触れていない!)
https://news.infoseek.co.jp/article/theanswer_124772/
 そのこともさることながら、電子版で、英BBCが報じ、
https://www.bbc.com/news/world-asia-53928157
米CNNが報じていないのはなんでなのさ?

<太田>

 関連記事だ。

 「大坂、協議の末に棄権を撤回 人種差別問題「より注目集められる」・・・」
https://www.sankei.com/sports/news/200828/spo2008280002-n1.html
 Naomi Osaka opts to play semi-final after Thursday postponement–World No 1 had withdrawn to protest racial injustice–Western & Southern Open matches off until Friday・・・
https://www.theguardian.com/sport/2020/aug/27/naomi-osaka-opts-to-compete-in-western-southern-open-semi-final-tennis
 Column: Naomi Osaka stood tall, and alone, in protest following Jacob Blake shooting・・・
https://www.latimes.com/sports/story/2020-08-27/naomi-osaka-stood-tall-and-alone-in-withdrawing-from-tennis-tournament

<太田>

 コロナウィルス問題。↓

 <減ろー。↓>
 「・・・死者1240人(+11人)・・・」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55811680Z10C20A2I00000/
 <まだ、彼女を出演させてるTV局があったのね。↓>
 「医師・専門家が意見する「岡田晴恵さんはもう退場されてはどうか」 高視聴率の仕掛け人、ではあるが・・・」
https://news.livedoor.com/article/detail/18803168/

 それでは、その他の記事の紹介です。

 まさに「中日」新聞ならぬ「東京」新聞ならではの記事。↓

 「大江戸線がうるさい? 実際に測ってみました・・・」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/51547

 「陸軍将校たちのOB組織「偕行社」が発行する雑誌「偕行」の昭和51(1976)年12月号~昭和53(1978)年3月号に、15回にわたって掲載された「大東亜戦争開戦の経緯」を改めてまとめた」本の昨年の書評を見つけたので、簡単にコメントしておく。↓
 
 <将官クラスは皆無ってこと。杉山構想は基本的に将官クラスのしかるべき人々だけに開示され、佐官クラス以下には秘匿されたってことが分かる。そして、将官クラスは、戦後、沈黙を守ったというわけだ。いかに、杉山が、従って杉山構想が、信頼されていたかも・・。で、すぐ下に出て来る人々を「開戦反対派若手参謀=Z」と呼ぼう。↓>
 「・・・座談形式で議論が進んでいる。出席者は対英米戦争開戦時に、陸軍中央部(陸軍省と参謀本部)の中堅参謀だった14人。当時の肩書は大本営参謀、関東軍参謀、ロシア課長、戦史課長、作戦班班長などなど。最終階級は大佐や中佐が多い。おおむねトップレベルの戦争責任者たちに直接会えて、報告書を書いたり、起案を具申したりする立場だった人だ。・・・
 出席者の一人が、参謀本部の作戦課の幕僚たちの中で、反対した人は誰もいなかったのかと質問する。当事者の一人が答える。
 <参謀本部の中枢部長、中枢課長、中枢参謀、が開戦派で、陸軍内でZに同調する将官がいなかったことが重要。引用を省いたが、帝国海軍じゃあ、将官クラスが開戦派と開戦反対派に分かれていた。↓>
 「当初は、作戦課も大部分、反対なんです・・・若手参謀は大体、反対しておったんです。反対という意味は、戦争しても、勝つ見込みは少ないんじゃないかという観点からなんですよ」「非常な推進力になったのは、辻政信参謀と服部卓四郎作戦課長と、田中作戦部長なんです。この三人が、非常な勢いで主戦論者なんです・・・ほかの大部分は、慎重論だったんです」
 <服部と辻には、恐らく杉山元自身が、杉山構想を明かした上で参謀本部に引っ張ってきたのだろう。↓>
 これが昭和16年7月の南部仏印進駐より前の作戦課の空気だったという。服部と辻は昭和14(1939)年、モンゴルと満州国境で日本軍がソ連軍と衝突して惨敗したノモンハン事件の責任者コンビ。いったん閑職に飛ばされたが、すぐに復活していた。・・・
  服部作戦課長が「好機南進」(チャンスを見て南進する)とブツ。若い参謀が反論する。「好機南進はかならず米英との戦争となる。独ソ戦の見通しもつかないうちに、日本が新たに米英を相手に戦うなど、戦理背反そのものではないか」。辻参謀が、とたんに大喝した。「課長に対して失礼なことをいうな・・・南方地域の資源は無尽蔵だ。この地域を制すれば、日本は不敗の態勢を確立しうる。米英恐るるに足りない」。
 若い参謀がなお粘る。「米英を相手に戦って、勝算があるのですか」。辻参謀が断固として語る。「戦争というのは勝ち目があるからやる、ないから止めるというものではない。今や油が絶対だ。油をとり不敗の態勢を布(し)くためには、勝敗を度外視してでも開戦にふみきらねばならぬ。いや、勝利を信じて開戦を決断するのみだ」。・・・
 <Zのみならず、戦前も戦後も、およそ日本の中堅キャリア官僚たるもの、淡々と所管の仕事を遂行するだけだ。
 なお、杉山構想は、ブロック経済打破、対露抑止、アジア解放、の一石三鳥を目ざしたのであり、アジア解放は、最重要だが、ワンオブゼムに過ぎなかった。↓> 
 今も根強く言われる「大東亜戦争はアジアの民族解放の聖戦だった」という主張である。本書に登場する元エリート軍人は、誰一人、そんな「大義」を口にしていない。資源政策や軍事戦略上の重要性を語るのみだ。
 <東條がZらを叱らなかったことに注意。軍事的な意味での戦争の勝敗に関しては、Zらは正論を吐いているからだ。むしろ、正論を吐かなかったら叱責されるか飛ばされるかをしただろう。↓>
 陸軍省の燃料課長が昭和16年6月、東条陸相に直訴した話も紹介されている。今の石油使用量だと、2年とは言わず1年ちょっとで作戦不能になると。つまり戦線の拡大は無理ということを説明したのだが、東条の答えは「泥棒をせい、ということだな」。東南アジアの石油を狙うほかはない、ということを「泥棒」という物騒な言葉で言っているのだな、と燃料課長は判断し、黙らざるを得なくなったというのだ。・・・
 <正論が陸軍の外にまで漏れちゃいけないから、あんまり大声を出すなよと窘められたということ。↓>
 当時の兵站部参謀が振り返っている。彼はよく参謀次長に呼びつけられ、「あんまり悲観的なことを言うなよ」と諭されたという。結局、鉄の生産量なども水増し。生産力拡充計画ができても、「陸海軍が取っちゃうから、拡充されていない」。作戦会議に引っ張り出されることもあったが、エライ人がずらーっと並んでいるから、「たった一人で『鉄がない』とか言えないですよ。当時の雰囲気は、本当に言えないんだ」と振り返っている。
 <正論を吐いたので飛ばされた、と岩畔が演出したということ。
 これくらい演技力がなくっちゃ、ハルを手玉にとったり、インド兵捕虜達をインド国民軍に寝返らせたり、はできない。↓>
 実際、昭和16年8月、アメリカ出張から帰国した軍事課長が「駄目だ、これは・・・行ってみてびっくりこいだ。こんなことでは出来っこない」と口走ったら、直ちに前線に飛ばされた。・・・」
https://books.j-cast.com/2019/05/14009031.html

 ゲホッ。↓

 「微生物、宇宙空間で3年生存 東京薬科大教授ら発表、生命地球外起源説に信ぴょう性か・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/techandscience/%e5%be%ae%e7%94%9f%e7%89%a9-%e5%ae%87%e5%ae%99%e7%a9%ba%e9%96%93%e3%81%a73%e5%b9%b4%e7%94%9f%e5%ad%98-%e6%9d%b1%e4%ba%ac%e8%96%ac%e7%a7%91%e5%a4%a7%e6%95%99%e6%8e%88%e3%82%89%e7%99%ba%e8%a1%a8-%e7%94%9f%e5%91%bd%e5%9c%b0%e7%90%83%e5%a4%96%e8%b5%b7%e6%ba%90%e8%aa%ac%e3%81%ab%e4%bf%a1%e3%81%b4%e3%82%87%e3%81%86%e6%80%a7%e3%81%8b/ar-BB18pQjD?ocid=UE03DHP

 同じく。↓

 「西之島、なくなっちゃうかも? 噴火の方式に変化の兆し・・・」
https://digital.asahi.com/articles/ASN8V6JJSN87ULBJ013.html?pn=9

 日・文カルト問題。↓

 <そろそろ日韓競争の条件が再整備されつつあるな。↓>
 「・・・死者は前日から3人増え、計316人となった。・・・」
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200828001100882?section=society-culture/index
 <リクツじゃないの、カルトなの。↓>
 「「アベが代われば…」韓国世論が“安倍首相の健康問題”に異様な関心を示す理由・・・」
https://news.livedoor.com/article/detail/18803308/
 「「安倍氏持病悪化」…28日辞任発表か・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/269637
 <サーチナかと思ったわ。↓>
 「泥沼化する米中半導体戦争…笑うのは日本?・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/269636
 <どうして、韓国系米国人まで、韓国人と同じ、カルト的戦前観を持ってるんだ?↓>
 My Family’s Shrouded History Is Also a National One for Korea–Decades after the war ended, scars left by the Japanese occupation persist for millions of Koreans and Korean-Americans, including the author Alexander Chee.・・・
https://www.nytimes.com/2020/08/27/magazine/korea-japanese-occupation-surrender-ww2.html
 <アイゴー。↓>
 「「社会的距離の確保」第3段階引き上げの予告に…「衝撃3倍」韓国経済界が「パニック」・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/269638
 「「K-防疫」の善戦が一転…感染者急増で冷淡になった世界–台湾やシンガポールなど韓国からの入国者への検疫強化–「K-防疫」を自画自賛していた政府には屈辱的–「浮かれるのが早すぎた」自省も・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/08/27/2020082780278.html

 いや、プーチンのこの言明で、ベラルーシの反政府勢力の敗北が決定的に。↓

 Putin Warns Belarus Protesters: Don’t Push Too Hard–He said Russia had formed a security force that could intervene if its neighbor “gets out of control.” But for Mr. Putin, that poses the risk creating another anti-Russian hotbed like Ukraine.・・・
https://www.nytimes.com/2020/08/27/world/europe/belarus-russia-putin.html

 カワイソーに、この青年達の後に続くわけにいかない我らのゴーン夫妻。↓

 Desperate to Leave Beirut, Young Lebanese Are Also the Ones Fixing It–The young people leading the huge volunteer effort after the recent blast are bringing hope, but have lost it themselves. “I want to at least have Beirut on its feet before I go,” one said.・・・
https://www.nytimes.com/2020/08/27/world/middleeast/beirut-explosion-volunteers.html

 私は警官の対黒人「陵虐」諸事件には、警官側に結構同情的なのだが、この白人青年による銃撃事件を擁護する層が米国にいるってのは、米国の白人の潜在的多数派、そこまで落ちぶれたか、と言うべきか、腐った根性が変ってないなあ、と言うべきか。
 とにかく、絶望的状況だよ。↓

 The Conservative Defense of Kyle Rittenhouse Is Dangerous Nonsense–White Americans’ most heinous acts of violence can always be justified by their ideological allies.・・・
https://slate.com/news-and-politics/2020/08/conservatives-defend-kenosha-shooter-kyle-rittenhouse.html

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <人民網より。
 ご心配戴きモノ。↓>
 「コロナ禍で生き残りをはかる日本の外食サービス産業・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2020/0827/c94476-9739114.html
 <ここからは、サーチナより。
 軽いガス抜きモノ。↓>
 「中国は違うぞ! 日本と韓国ではなぜ「女性は化粧せずに外出できないのか」・・・中国メディアの騰訊・・・」
http://news.searchina.net/id/1692243?page=1
 <定番。↓>
 「日本人は「たまご」の味を楽しんでいるらしい、中国では不可能な「卵かけご飯」・・・中国メディアの百家号・・・」
http://news.searchina.net/id/1692259?page=1
 <同じく。↓>
 「認めたくないが称賛せざるを得ない! 「日本人には住宅設計の才能がある」・・・中国メディアの百家号・・・」
http://news.searchina.net/id/1692260?page=1
 <これもそう。↓>
 「日本がこれだけ強大な国になれた理由、知りたければ「子どもへの教育」を見てみよ・・・中国メディアの騰訊・・・」
http://news.searchina.net/id/1692272?page=1
 <定番だがかなりよく整理された説明になっている。↓>
 「・・・ 実のところ、日本も前から清潔だったわけではなく、以前は公衆トイレと言えば不潔な場所の代表のような場所だった。また、公害問題など環境問題が社会問題になった時期もある。記事は、日本が現在のような清潔大国を築けた理由として、日本の歴史と美意識などを指摘している。
 一つ目は、日本人の信条。古来より神道を崇拝している日本では「清め」を重視している。記事は、日本人は元来清潔好きであり、現在は公共のあらゆる場所でも徹底した清潔さが保たれていると分析している。
 二つ目は日本の地理的環境。四方を海で囲まれ、年間の降水量が多い日本では容易に水が手に入る。日本には温泉などもあり入浴の習慣もあるが、これも水が豊富にあるからこそ。記事は、掃除や体を清潔に保つために、水をふんだんに入手できる環境により、日本人は清潔意識を培ってきたと述べている。・・・中国メディア百度・・・」
http://news.searchina.net/id/1692248
 <許されよ。↓>
 「日本は「中国のせいにするな!」 サンマの漁獲量が減っているのは「日本のせいだ」・・・中国メディアの百家号・・・」
http://news.searchina.net/id/1692249?page=1
 <ニッコリ。↓>
 「中国のポータルサイト・百度・・・記事は、・・・世界各国にあるKFCの中でも「日本だけだろう」として、日本法人では毎年6月ごろにニワトリに感謝する行事が催されていると伝えた。そして「チキン感謝祭」と呼ばれるこの行事では、日本法人の社長が幹部や鶏肉供給業者、その他パートナーを従えて大阪の住吉神社や京都の伏見稲荷大社に赴き、儀式を執り行うのだと紹介している。
 さらに、「チキン感謝祭」の参列者は黒いスーツに身を包み、一同で天に召されたニワトリたちに深い敬意を示すとともに、神事により次の1年に安心安全でおいしいチキンが提供できるよう祈祷が行われると説明。その恭しい様子を「まるで中国の追悼会のようである」と形容した。
 記事は、「チキン感謝祭」が1974年に始まり、毎年静かに執り行われているとし、日本でもあまり知られていなかったと伝えた。また、同年は日本のKFCがクリスマスの販促活動を始めた年でもあり、KFCにとって1974年はとても重要な歳になったと伝えている。
 また、感謝祭が行われる背景として「万物に畏敬の心を持つという、日本の民俗的生活、宗教観念」があると解説。「日本人の思考回路は時として理解しがたいものがあるが、一方でチキン感謝祭が単なるパフォーマンスでないことの説明にもなるのである」と評した。」
http://news.searchina.net/id/1692250?page=1
 <拍手はするが、そんなベラボーな、って言いたくもなるな。↓>
 「香港のオークションで、日本の稀少ウイスキーが過去最高額・・・約8500万円・・・で落札される・・・中国のポータルサイト・百度・・・」
http://news.searchina.net/id/1692256?page=1
 <さすがにそこまでは知らなかったねえ。↓>
 「日本人は「昆虫」が好きなんだなぁ・・・こんなに虫が身近な国は「他にないんじゃ?」・・・江戸時代には昆虫標本作りを役目にした虫捕御用という幕府の役人までいて「当時はエリートが虫取り網を片手にお役目を果たしていた」・・・中国メディアの騰訊・・・」
http://news.searchina.net/id/1692257?page=1
 <なるへそ。↓>
 「経済発展しても幸福度が上がらない中国と、経済危機を経験しても幸福度がそれほど下がらない日本 一体なぜ?・・・
 まず・・・中国メディア網易・・・記事は、日本人の幸福度が高い理由を2つ紹介している。一つ目は、日本人の休暇日数。経済危機を経験した後、日本の労働時間は全体に減少し、平均休暇日数も増加している。長時間の労働は心と体の健康をむしばみ、疲労の蓄積により様々な疾病や交通事故を引き起こすことになる。黄教授は労働時間が減少したことは幸福度にも関係があると指摘している。たしかに、日本は有給休暇の消化率は低いものの祝祭日が多く、年間の休暇日数は少なくない。
 さらに、二つ目の点として、健康な高齢者の増加も日本の幸福度を押し上げていると指摘している。一般に幸福度は幼少期が高く、成人を過ぎると徐々に下がっていくU字曲線を描くものだ。60歳を過ぎ退職しても、健康な状態が続けば幸福度が上がっていくものと指摘。その面で、日本は健康寿命も長いため、退職して自由な時間が増えると、趣味や旅行に時間を使えるようになり、さらに幸福度も上がっていく。」
http://news.searchina.net/id/1692264?page=1
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太田述正コラム#11500(2020.8.28)
<高橋昌明『武士の日本史 序・第二章以下』を読む(その47)>

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