太田述正コラム#11587(2020.10.11)
<皆さんとディスカッション(続x4588)>

<太田>

 コロナウィルス問題。↓

 <すんばらしいだ。↓>
 「・・・死者1627人(+3人)・・・」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55811680Z10C20A2I00000/
  <順天堂大医学部特任教授の奥村康(コラム#11323)さん・・スタンフォード大留学中にお目にかかったことあり・・の、Hanada2020年11月号掲載コラムを、読者でもあるSHさんが紹介しており、(ホントかどうかはともかくとして)周辺的な部分を中心に楽しい内容だったので、このコラムのさわりを紹介し、私のコメントを付しておく。↓>
 「・・・新型コロナウイルスは・・・日本のような充実した医療体制、国民皆保険制度、清潔な生活環境があれば、一部の人を除いては、怖くない・・・。・・・
 <新型コロナウイルス>が日本に上陸しても「恐るるに足らず」と、私は当初から思っていた。・・・
 武漢から日本にやってくる、つまり飛距離のあるウイルスならば問題はない、と。
 エボラに罹患したらほとんどの人が早く死ぬ。
 だからこのようなこのようなシリアスなウイルスは、遠くには伝播しない<からだ>。・・・

⇒誰も当時そう言う専門家はいなかったところ、現実には、欧米を中心に「問題は」大いに生じたわけだから、そんなこと言っておれば、その後、さぞかしぶっ叩かれたことだろう。(太田)

 アメリカの<新型コロナウイルスによる>死亡者数が世界最多・・・なのは、おそらく国民皆保険制度がないこと、経済格差が大きいこと、この二つの要因が考えられる。・・・
 <いずれにせよ、>大事なのは「感染者数」ではなく、重症者数・・・であり、死亡者数・・・なのだ。・・・
 <我が国の>専門家のいない専門家会議、予算が少ない感染研に有効な策など講じることはできない。だからこそ、<米国の>CDCの意見を逆輸入するのがよい。・・・

⇒東大医学部出身者がダメなだけじゃなく、東大出身者のいない、我らが専門家会議もダメだと来たかあ・・。
 トホホ。(太田)

 「無症状であれば検査を受ける必要はない」と<、その>CDCが提言しているのだからそれを聞けばよい。・・・

⇒さほど優れてるって印象ないんだけど、腐っても鯛の、つい最近までの世界覇権国の機関ってことなのかもねえ。(太田)

 <また、>マスクをつけるのは、・・・<これぞ>スーパー・スプレッダー<たる>・・・大声でしゃべ<ったりするところの、>・・・ツバキがよく飛ぶ人・・・だけでよい。・・・

⇒そーだそーだ。(太田)

 <で、どこの国であれ、>ロックダウン(都市封鎖)しようがしまいが、死亡者数の推移は変わらない。・・・
 ロックダウンに関係なく、ある日を境に死亡者数は減っていく。
 なぜか。
 免疫を持つ人が一定割合を占め・・・、集団免疫を獲得<する>からである。・・・
 <また、>2020~2021シーズンは、インフルエンザが流行しない可能性が高い。・・・
 ひとつのウイルス<に対する>・・・獲得免疫・・・が・・・ほかのウイルスにも効く<からだ。>・・・
 <これを、>交差免疫と呼ぶ。・・・
 過去に罹った風邪に対する抗体が新型コロナウイルスに対しても効力を持つ<のだ。>・・・
 <それに加えて、我々は、>自然免疫<も備えており、これも重要だ。>・・・
 <この自然免疫は、>不規則な生活、激しい運動(皇居ランをする人は普通の人の何倍も風邪をひく)、精神的なストレスで・・・下が<ってしまう。>・・・

⇒エッ、ジョギングも健康に悪いのかあ?
 膝にはよくなさそうなことくらいは前から知ってたが・・。(太田)

 <また、>ストレスは<周りの人に>伝播する<ことも分かっている。>

⇒精神障害の共依存は知ってたが、こいつは初耳。(太田)

 <以上を纏めよう。>
 マクロで見れば新型コロナウイルスは風邪と同等だ。
 <だから、>医学的見地からみても、経済的見地からみても、もう「自粛」は必要ない。
 「自粛」によるストレス、経済不安によるストレス、ストレスが蔓延する社会ほど、ウイルスには弱い。・・・
 コロナ前の普通の日常に一刻も早く戻るべきだ。」 

⇒そのことごとくが国民皆保険制であるところの、しかも、経済格差も米国ほどじゃない、地理的意味での欧州の諸国でのコロナ死の多さについて、正面からの、言及も、従って説明も、ないのは極めて問題だが、米国と日本に関しては、ご高説に相当程度共感できる。
 だからー、皆さーん、日本でのリアル会合には、行き帰りにはオシャレマスクだけはすることにして、安心してどしどし出席しようぜ、と言ってみたりして・・。
 それにしても、この期に及んで、バイデンすら、米国に国民皆保険制を、と言わない米国、というか、それを叫ぶ、第三党の有力な大統領候補者すらいない米国、は、完全に終わってる、と思うねえ。
 一事が万事、米国民は、米国の、騒々しい早期死(トランプ)か、誰にも看取られない早期死(バイデン)か、の不毛な選択をしようとしているわけだ。
 アーメン。(太田)

 <ま、無難なのは、こういう言い方だな。良心は犠牲にはしていない。↓>
 「・・・3密予防(滞在時間含めて)、手洗い、マスク(人が近くにいる時)をやり続けましょう。それが感染リスクを下げてくれる今も一番いい方法です。・・・
 ロックダウンはいりません。今までのやり方でいいのです。・・・」
https://blogos.com/article/490350/
 <我が厚労省も、PCR検査に消極的であり続けてる点に関しては、褒めなくっちゃね。↓>
 「「PCRが受けられない」訴えの裏で… 厚労省は抑制に奔走していた・・・」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/61139

 それでは、その他の記事の紹介です。

 日本学術会議問題。↓
 
 <まわりくどい。憲法学者なのに、なんで、憲法に規定されている首相の指名と任命の話を持ち出さないんだろうね。↓>
 「「日本学術会議」が推薦した新会員6人を菅義偉首相が任命しなかった問題で、野党合同ヒアリングが9日、国会内で開かれた。任命されなかった小沢隆一・東京慈恵会医科大教授(憲法学)は、内閣府日本学術会議事務局が首相による任命に関する見解をまとめた2018年作成の内部文書について「任命拒否の根拠にならない」と指摘した。・・・」
https://mainichi.jp/articles/20201010/k00/00m/010/177000c
 <菅おじさんも認知症か、それとも・・。↓>
 「菅首相「名簿見ていない」発言の矛盾 6人除外いつ誰が・・・」
https://www.asahi.com/articles/ASNBB6JXQNBBUTFK00F.html?iref=comtop_ThemeLeftS_01
 <脳死国であることよ。↓>
 「任命拒否6人 目立った人狙われた? 任命99人の中にも安保法反対声明<学術会議問題>・・・」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/61138

 ずっと前から、全球化経済下で、一国内で独占とかヘチマとか言っててもしょーがないんじゃないか、と思ってるんだけどねえ。↓

 「 米下院反トラスト小委員会が6日、米巨大IT4社の市場支配力乱用を詳述する厳しい調査報告書をまとめた。これは、11月の大統領選で民主党候補バイデン前副大統領が勝利すれば、新しいルールと規制強化が4社を待ち受けていることを示唆する。
449ページに及ぶ報告書について、反トラスト法の専門家や議会スタッフはアルファベット傘下グーグル、アップル、アマゾン・ドット・コム、フェイスブックの優位性に民主党がブレーキをかける道筋を示すものだと語る。」
https://blogos.com/article/490207/

 どちらの事件も、げに認知症は恐ろしい。↓

 「池袋暴走「飯塚幸三被告」は庶民感情を逆撫で 前橋暴走「川端被告」を参考にしたら?・・・」
https://news.livedoor.com/article/detail/19034253/

 肝心のところが、有料記事で読めず。↓

 「「株高=円安」の常識が崩壊に向かう理由、No.1為替ストラテジストが解説・・・」
https://diamond.jp/articles/-/250940?utm_source=weekendsp&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor_02

 「明大前」という駅まであっても苦節ウン十年?↓

 「上智の私大序列で明治が「下剋上」、上智・立教・青学・理科大と逆転も・・・
 タックル問題の日本は苦戦・・・」
https://diamond.jp/articles/-/250599?utm_source=weekendsp&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor_02

 以仁王と護良親王(の死)はどちらも日本史を動かしたな。↓

 「【御朱印巡り】護良親王側室の最期の地 山梨県都留市 雛鶴神社・・・」
https://www.sankei.com/premium/news/201011/prm2010110003-n1.html

 見出しがどぎついが、黒沢清監督のヴェニス受賞作の『スパイの妻』が紹介されている。↓

 A Famed Horror Director Mines Japan’s Real-Life Atrocities–Kiyoshi Kurosawa’s latest movie, which recently won him the award for best director at the Venice Film Festival, is a thriller animated by the ghosts of Japan’s ghastly wartime experiments.・・・
https://www.nytimes.com/2020/10/10/world/asia/kiyoshi-kurosawa-wife-of-a-spy.html

 日・文カルト問題。↓

 <久しぶりの日本勝利。↓>
 「・・・死者は前日から2人増え、計432人。・・・」
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20201011000600882?section=society-culture/index
 <客観報道に留めちゃアカンがな。↓>
 「「日本戦犯企業」の製品 8年間に410億円分購入=韓国公的機関・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/10/11/2020101180004.html

 なんじゃこれ。↓

 Belarus protests: Lukashenko holds meeting with opponents in jail・・・
https://www.bbc.com/news/world-europe-54496233

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <定番。↓>
 「これじゃ外国に行きたくなくなるよ! 日本の生活は快適すぎる・・・中国メディア百度・・・」
http://news.searchina.net/id/1693350?page=1
 <同じく。↓>
 「タイは「日本車の天下」だった! 「中国なんて比じゃなかった」・・・今日頭条・・・」
http://news.searchina.net/id/1693354?page=1
 <これもそう。↓>
 「これが日系車なのか! 計算してみて分かった「驚異的な事実」・・・<修理費がかからない>・・・中国メディアの快資訊・・・」
http://news.searchina.net/id/1693355?page=1
 <概ね定番。↓>
 「結局技術力が高いのはアメリカ、日本、ドイツ、それとも中国?・・・<この順番>・・・中国メディア百度・・・」
http://news.searchina.net/id/1693356?page=1
 <いらっしゃい。でもスパイはダメよ。↓>
 「中国人はもう欧米に行くのは止めて、日本に行くべき・・・中国メディア・網易・・・」
http://news.searchina.net/id/1693353?page=1
 <激励は多とするが、弥生性が失われた以上、もうムリだわよ。↓>
 「・・・中国メディアの快資訊・・・記事は・・・明治時代の日本人は現実的で、自分の能力をわきまえ、できることに力を集中し、蒸気機関車のように当時の日本には作れないものは西洋から直接導入したと伝えた。 
 また、日清戦争で勝利して遼東半島を手に入れたものの、三国干渉の際にはまだ日本にははねつけるだけの力がなかったのでおとなしく従ったと指摘。しかしその10年後には日露戦争で勝利するほど力をつけた、とそのしたたかさを称賛している。
 こうした歴史を踏まえて記事は、多くの社会問題を抱えている今の日本だが、明治時代に倣い「果敢に改革を実行すること」で再び飛躍が可能だと主張した。」
http://news.searchina.net/id/1693351?page=1
 <朱に交われば・・・。↓>
 「中国に嫁いだ日本の女性、里帰りして両親に勧めた中国のある「習慣」・・・<冷たい水は飲まない>・・・中国のポータルサイト・百度・・・」
http://news.searchina.net/id/1693352?page=1
—————————————————————————————–

<太田>

 昨日の夕刻から寝るまで、生まれて初めて単眼複視・・どちらの目でも・・
https://www.megane-isshindo.jp/Binocular/diplopia.html
になったが、今朝からは元に戻っていて一安心。
 でも、確実に、老化は進行してるようだ。
———————————————————-

太田述正コラム#11588(2020.10.11)
<坂井孝一『承久の乱』を読む(その1)>

→非公開