太田述正コラム#2005(2007.8.17)
<防衛次官人事問題(続x3)>
1 始めに
 防衛次官人事問題に急遽決着がつきました。
2 決着内容
 本日(8月17日)の正副官房長官らによる人事検討会議で、守屋氏(東北大法卒、1971年採用、62歳)の退任と、その後任に防衛省生え抜きの増田好平防衛省人事教育局長(東大法卒、1975年採用。56歳。比較的最近、内閣官房勤務経験あり)を充てる人事が了承され、27日の内閣改造後の28日の閣議でこの人事が了解される運びとなりました。
3 コメント
 私は、本件の可及的速やかな決着の必要性を訴えてきましたが、とにかく早期に決着してよかったと思います。
 山崎運用企画局長が選ばれなかったことも、結構なことです。
 お目当ての警察出身の西川官房長が選ばれなかったのは小池氏にとっては残念なことかも知れませんが、増田氏であれば悪くありません。
 ただ、安倍首相が塩崎官房長官の顔を立てて西川氏をはずしたことは、改めて安倍氏の優柔不断ぶりを示しました。
 増田氏が次官に就任すれば、現在の全省庁の次官の中で最年少になると報じられていますが、年次的にはダントツの最年少ではないでしょうか。(増田氏は2年ほど年次より年を食っていますが、司法試験をパスしています。)
 それもこれも、守屋氏が長く次官をやりすぎたためですが、増田氏の次官就任に伴い、彼と同年次以上のキャリアは、西川、山崎両氏を含め、早晩辞めさせなければならず、防衛省の幹部は総入れ替えになります。
 増田氏は、他省庁勤務経験があり、ITに強く、クリーンであり、防衛省キャリアの中ではまともな方です。 
 天下り先を確保する必要がない彼が、防衛省における政官業の癒着構造に切り込んでくれることにひとまずは期待することにし、とりあえずエールを送っておきましょう。
 
 (以上、
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070817AT3S1700W17082007.html
http://news.livedoor.com/article/detail/3246704/
(どちらも6月17日アクセス)による。)