太田述正コラム#2182(2007.11.16)
<爆笑問題の放送を見て>(2007.12.25公開)
 (本篇は、当分の間公開しません。)→公開し忘れていました!(太田)
1 始めに
 「太田総理・・」をご覧になってどんな印象を持たれたでしょうか。
 裏話を交えつつ、私の感想を申し上げます。
2 放送された番組の感想
 番組をご覧になった方は、日テレの企画は私の主張に沿ったものになっている、と私が前に申し上げた理由がお分かりいただけたのではないでしょうか。
 編集もこの企画に合わせる形で行われていました。
 例えば、金美齢さんの、太田は偏った見方をしているという趣旨の発言は、私の全発言を踏まえて行われたにもかかわらず、放送されたものでは、私が最初の方で接待はみんな受けているという発言をした後に挿入されており、インパクトが大幅にトーンダウンされていました。
 また、河辺さんの、一般の官僚は接待なんて受けていない、という発言は完全にカットされていました。
 ですから、視聴者には、官僚はみんな接待を受けているところ、守屋は頻度が多く、しかも特定の業者の接待ばかりを受けていたために目立ってしまったというだけのことだ、という私の発言だけが記憶に残り、金美齢さんは、私が守屋を擁護するがごとき発言をしていることを「偏った見方だ」とたしなめたに過ぎない、と受け止めたに違いありません。
 また私の、検察も接待を受けているとか、検察の人間が、つかまらないような接待システムをつくるのに協力しているといった発言の箇所はどぎついのでカットされており、また、山本議員の激高する姿はそのまま放映されても、私が激高して平沢、山本両自民党議員に対して、「こら、聞け」とか、「お前ら何が楽しくて政治家になんかなったんだ」と大音声で叫び、視聴者の顰蹙を買う懼れがあった場面はカットされていました。
 更に、最後に現役の東大法学部生2名が感想を述べ、そのうちの一人が、「どうして政権交代の話なんかが出てきたのか理解に苦しむ」と私のスタンスに対する批判めいた発言を行った場面もカットされていました。
 つまり日テレは一貫して、私に焦点をあてるとともに、私を擁護する姿勢で編集を行ったということです。
 何度も繰り返すようですが、大阪の讀賣TVといい、日テレと言い、讀賣系TV局の私への入れ込みようは主要メディアの中では突出しており、まことに不可思議であるとしか言いようがありません。
 蛇足ながら、このほか、私の自民党批判に業を煮やした平沢さんが、小沢さんや東さんの山田洋行との深い関係に言及しつつ、私がそんな人間のいた民主党から立候補したことで私に反論し、これに対して私が、自分が立候補した2001年当時は小沢さんらは自由党におり、選挙期間中私は、「自民党はひどいが自由党はもっとひどい」と連呼して全国を遊説したと再反論した箇所は完全にカットされていましたし、仙台防衛施設局長時代に私が自民党系の防衛庁長官経験者等の議員の口利きに悩まされた云々の話も完全にカットされていました。
3 終わりに
 日テレの当番組の企画・編集方針のおかげでもありますが、各種掲示板をざっと眺めた範囲では、当番組に出演した私に対する視聴者の評価はほとんどが肯定的であり、大変心強い思いがしています。
 今度週明けに私の仕掛けた時限爆弾が炸裂し、政界を揺るがした暁には、一体日本の世論がどのように反応するのか、想像するだけで鼓動が高まります。
 皆さん、これからも、私とともにスリル満点の展開を楽しんでくださいね。
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<友人K>
 太田さん。
 金曜日の日本テレビは見たかったのですが、最後の数分しか見られませんでした。それでも、太田さんの表情に余裕があったのが分かりました。(大音声の場面はカットでしたか。)
 太田さんは些細な事も含めてすべて相手に反論しようとするので、相手の思うつぼにはまって論点がずれていく危険があります。接待などよりもっと重大な問題があるという点に行く前に、どの官僚も接待を受けているという点。今回は河辺さんの発言はカットされていたようですが、この点だけほじくりだされると防戦一方になりかねず、本質からずれていきます。このような点は、軽くあしらえば(あるいは譲っても)いいと思います。
 守屋氏の接待が酒飲み話に出るとき、「こんなシーラカンスみたいな人がまだいるんだね。」というのが霞ヶ関界隈のまず普通の反応でしょう。つまり、官僚の皆が接待を受けていたのはもう過去の話です。いつ内部から刺されるか分からない状態で、今は過剰に避けている人の方が多いでしょう。不祥事が起こった官庁では、特にゴルフについては敏感です。ただし守屋氏のように特定の業者とだけ集中的にというのは10年前であっても問題になったと思いますが。
<太田述正>
 番組の中でも申し上げているように、私の語っている官僚に対する接待の実態は6年半前のことであり、その後の状況は、ご指摘のとおりかもしれませんね。
 いずれにせよ、問題は接待の有無ではなく、天下りや政治家のたかりであり、他方、防衛省で「シーラカンス」がいまだに棲息していることなのです。
 ここのところをぜひ皆さんに理解してもらいたいのですがね・・。
<友人K>
 太田さん。
 関西での放映と昨日の日本テレビをネットの動画で見ました。私の考えは杞憂だったようで、太田さんは十分うまく対処しておられますね。テレビは短 くはっきりドギツく言わないとインパクトがないから、雑誌や新聞よりはむしろ太田さん向きかもしれません。ちょっと意外でした(失礼)。この際、出来るだ け出演されればいいですね。
<okano>
見ました。
 内容は、『 たかじん~ 』で言っていた事ですが、東京の方では初めてで、いろいろ規制制限もあり、思い通りにいかないと思いますが全国での反響は大きかったと思います。
 しかし、太田さんの発言で気になったことがあります。
 番組の最後の方、「 公務員のアマクダリを禁止すると、防衛省自衛隊も公務員なので、クーデターが起きる ・・・ 」というくだりです。
 公務員の意識はその程度なのでしょうか・・?
<太田>
 「たかじん・・」の時も、「太田総理・・」の時も、私は、天下りの禁止(ただし、官庁による口利き抜きで、自分の能力・識見でもって再就職することは自由)にあたっては、恩給制度の復活が不可欠だ、と発言しています。
 「たかじん・・」は収録DVDが送られてきているものの、見ていないので、放送でどうなっていたのか分かりませんが、「太田総理・・」の方では、その部分の私の発言はカットされていました。
 (なお、この場合の恩給制度のイメージとしては、現在の天下りに伴うヤミ給与額の100%はもちろん保証せず、8掛けにするのか、半分にするのか、議論 をして定めるべきだ、また、自分の能力・識見をもって再就職した人は恩給が減額される、ということも付け加えて発言しています。)