太田述正コラム#2300(2008.1.15)
<皆さんとディスカッション(続x37)>
<Pixy>
>グリーンピースによる妨害が結構効いているようですね(
http://www.cnn.com/2008/WORLD/asiapcf/01/13/antarctic.whaling.ap/index.html
。1月14日アクセス。以下断らない限り同じ)。
>何かよい対策はないものか・・。
 CNNの記事読みました。グリーンピースの日本人の写真が載っているところに皮肉が利いてますね(笑)
“Greenpeace actions are illegal under international law (and) it’s time the public stopped treating Greenpeace as heroes,” Glenn Inwood, spokesman for the Institute of Cetacean Research, in Tokyo, Japan, said Monday.
とありますが、オージー政府はともかく環境保護団体に国際法は通用するのでしょうか・・。オージー政府の監視船(The Oceanic Viking, an armed icebreaker)は50ミリマシンガンの武装がある(もっとも今回は外されてデッキにしまってあるとか)らしいですが、嘘でも捕鯨船を武装したと言 えば、抑止力になりませんかねえ。(逆にもっと喜んで突っ込んでくるかもしれませんが)
 グリーンピースなりの捕鯨船への妨害活動は、捕鯨国を問わずやっているでしょうか、弱腰の外交姿勢もあってか、日本の捕鯨船は何をやっても大丈夫だとナメ られてる気がしてなりません。アメリカ人なら自国の船舶が危険と判断したら、平気で抗議船を拿捕して、国際法などは後で何とか言い訳を見つける気がします (笑)
 日本側も何ら外交的、物理的対抗措置を用意せずに、相手の良識のみに期待して自国の船舶を危険な海に派遣するのは、不作為の犯罪ですよ。
<太田>
 日本は宗主国米国の許しが得られる範囲で捕鯨外交を行っているに過ぎません。
 それにしてもなぜ、日本が一定の独自捕鯨外交を展開することを(捕鯨に否定的な)米国政府は大目に見ているのか?
 米国にとってどうでもよい範囲で保護国日本の「土人」たる日本人にガス抜きを行わせているということです。
 今回、日本が再開しようとしたザトウクジラの「調査」捕鯨に、やり過ぎだとしてダメ出しをしたのは米国政府であり、そのことをシェーファー駐日大使が認めています(
http://www.nytimes.com/2007/12/20/world/asia/20briefs-whale.html?ref=world&pagewanted=print
12月20日アクセス)。
 ところが、AP電が伝えたこの事実を日本のメディアは報道しようとしません。
 買弁メディアに勤める日本人の記者の皆さん、怒ってください、目を覚ましてください。
<Yoshu>
 太田さん、この間の私の意見は、NHKスペシャル
http://www.nhk.or.jp/special/library/04/l10001/l0131.htm
1622 04.01.31 ドキュメントエルサレム前編 聖地での戦いは何故始まったのか、 1624 04.02.07 ドキュメントエルサレム後編 聖地での和平は何故実現できないのか、を視たことからでました。
http://www.ka.shibaura-it.ac.jp/gendai/supplement.htm
 私も、4年前の作品なので、題名すら忘れてました。大変印象に残ったので、今の私の中東への関心は、ここから始まりました。太田さんに典拠をと言われ、調べていくうちに、世界史の教科書を開いたり、上記の補足にアクセスして、杉浦先生と仰る方のコメント読んだりして、中東に対する見方が変わってきました。それと、イラクに関しては、フセイン独裁体制を考えると、太田さんの意見(コラム#2296)に賛成です。アメリカの甘い誤った判断に、納得がいかないだけです。大変失礼しました。
<やいち>
 たかじん を見て初めて知りました。
 そのときこの言葉が浮かんだのです。
 「真面目すぎる者、不真面目者の如し」
 「賢すぎる者、馬鹿者の如し」
 「素直すぎる者、ひねくれ者の如し」
 宗教関係の本では聖人を表す表現として出てきていましたし、ある社長は馬鹿正直、小利口を戒めるようなニュアンスで使っていました。
 この言葉が浮かんだのは初めてでした。
 それで、メルマガを申し込みさせてもらいました。
 バックナンバーをちょっと見て、「なんじゃこりゃ」とおもいました。
<太田>
 「賢すぎる者、馬鹿者の如し」については、「大賢は大愚に似たり」という言葉がありますね。
 過分の誉め言葉をいただきましたが、ちょっと買いかぶりすぎでは?
 バックナンバーをご覧になって掛け値無しの私の姿が見えてきたということでしょうか。
<やいち>
 そこでお聞きしたいことを書きます。
 石破防衛大臣は日本の役にたっているでしょうか。
 石破大臣は私の選挙区です。
 若くしてお父さんの石破二郎代議士を亡くされ、二十台で国会議員でした。
 地元の新聞に自民党県議会議員が、「早くから国会に送り出して大臣になってもらって県のために働いてもらうんだ」というような発言をしていたのが載っていました。
 後援会長が県の農業関係の最高実力者ではじめは農林族でした。
 自民党の政策の通り大規模農家育成の必要性を説いていました。
 農協の進めに従い大規模にして設備投資した人は、借金をつくり首が回らなくなっていました。
 新進党にいたころは財政再建を叫び、財政出動の小渕政権の自民党に帰っていきました。新進党のころに国会議員は地元のことではなく国家の問題にとりくむべきだと言ったのを聞いたとき変な感じを受けました。
 確かにあまり利益誘導をしたような話は聞きませんでした。高速道路の話が本格的に始まったのは社会党の野坂浩賢代議士が官房長官だった時でした。
 農林族と思っていたら防衛大臣になっていてびっくりしました。
 防衛族なんて初耳でした。
 最近TVで見ていると何が言いたいのか分からないような言い方をしております。若いときはそんな感じはしなかったのでびっくりです。
 最近地元紙に時々コラムを載せております。
国会議員は国民から選挙で選ばれており、国政の結果については国民も責任の一端があるようなことを書いておりました。国民は投票はしますが権力は持っておりません。権力を議員に付託しており、権力を持っているのは議員さんです。投票権が権力だと考えているのかと思ったりもします。権力を持っているのですから当然議員に責任があると考えてます。聞いても、責任ある投票を望みますというような意味ですと言いそうだなと頭で考えていたら気分が悪くなりました。
 (1/14)のコラムでは、消費税導入時に私はちゃんと賛成したが、地元で選挙で反対を唱えて当選し、当選後は賛成するような議員が居り、詐欺行為だと書いております。
 出来もしない公約は詐欺だということです。
 聞いても見てもいちいち気に障るようになりました。
 理想を掲げてできないから、またはできなかったから落選ということではないです。
 議員の意見と党の意見が合わないことがあるのは、一般的でおかしいと思いませんし、政党が皆同じ考えの人でないといけないとは思いません。それは分かって投票しますし、選挙民はそれもひっくるめて投票しており、だから石破大臣も選ばれているわけです。
 そして、いい事を言う社会党、民社党は無くなりました。公明党は残りました。
 以前、地元より古井喜実代議士が選挙で落選しました。地元の陳情にあまり熱心ではありませんでした。しかし、落選した時に、日中友好の功労者が落選したということで
全国から非難され、次の選挙で当選しました。
<太田>
 今一つおっしゃっていることがよく分からない部分がありますが、冒頭のご質問に対するとりあえずの私のお答えはこうです。
 自民党系の二世議員である以上、違法・不当なものが含まれているかどうかはともかく、個別の業者、後援者のための口利きは石破さんもしぶしぶやっているはずです。
 これは原罪みたいなものですが、私としては、大目に見てあげたいと思っています。
 また、地元への利益誘導や支援団体への利益誘導は国会議員を続けようと思ったら、程度はともあれ不可欠でしょう。
 ポイントは、それ以外のことをどれだけやっているかです。
 口でどんな高邁なことを言っていようが関係ありません。
 石破さんについては、かつて防衛庁長官だった時に、守屋を事務次官に昇格させ、また、装備品輸入への商社介在の問題点を自覚していながら、この問題に取り組んだ形跡がないこと、等から私は低い評価しか与えていません。
 同じ新進党からの出戻りの小池さんと比べてみてください。
 
<読者SK>
 コラム#2299(未公開)に出てくるところの、「太田総理・・」収録の際に太田さんが問題提起した日本が米国の保護国である件、軍事的に独立してい無い事、現在の日本への世界(韓国、中国、ロシア、北朝鮮に置き換えて良いです)からの扱いの軽さなどを見れば分かるような気がするのですが本当不思議です。
 このことを認めたくないのは分かるのですが、そのような事を言う太田さんのような人を意図的にマスコミが排除してきた成果だとも言えると思います。
 村田氏は見たく無い事を見ない人または見えない人なのかもしれません。
 ウィキペディで調べました。
 英語があまり得意でないので恐縮なのですが、以下の箇所でしょうか? そうであれば気合いで読んでみます。
http://en.wikipedia.org/wiki/Protectorate
Protectorates differ from League of Nations Mandates, and similar United Nations Trust Territories, which gave in practice similar authority to “responsible” Western powers or Japan in various areas of the non-European world over former colonial possessions (including protectorates) of the losers in World Wars I and II, since a protectorate formally enters into the protection itself, while the international mandates are imposed upon them by the ‘world community-representing body’.
<太田>
 その部分ではありません。
 コラム#1823をご覧下さい。以下に転載しておきます。
 
 「日本は文字通りの米国の属国(保護国)なのです。
 英語版のウィキペディア(
http://en.wikipedia.org/wiki/Protectorate
)は、「保護国(protectorate)とは、主権国家<等の>・・政治的存在(political entity)が、宗主国(protector)と称されるより強い国家と公式に条約によって不平等な関係を取り結び、この宗主国が外交的にあるいは必要に応じ軍事的に、この政治的存在を第三国等から守ることを約束し、その見返りとして、この政治的存在が宗主国に対し、両国の関係の実態に応じ大いに異なるところの、特定の諸義務を通常負うものを指す」としており、この保護国を日本、宗主国を米国、条約を日米安保条約と読み替えれば、ぴったりあてはまることがお分かりいただけると思います。」(転載終わり)
 原文は、ウィキペディアの冒頭部分の
 ’In international law a protectorate is a political entity (a sovereign state or less developed native polity, such as a tribal chiefstainship or feudal princely state) that formally agrees by treaty to enter into an unequal relationship with another, stronger state, called the protector, which engages to protect it (diplomatically or, if needed, militarily) against third parties, in exchange for which the protectorate usually accepts specified obligations, which may vary greatly, depending on the real nature of their relationship.’
です。
 
<yamada>
 太田述正コラム#2297(未公開)で何度も使われていますが、「支那人」という言葉は差別語だ、という議論があります。
 例えば、日本共産党や、
http://www.jcp.or.jp/faq_box/001/990429_faq.html
在日朝鮮人掲示板でも、議論になっています。
http://www.han.org/oldboard/hanboard5/msg/2280.html
http://www.han.org/hanboard/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=1014;id=
 太田さんは、「支那人」は差別語だと思いますか?
<太田>
 これはこれまで様々な読者によって繰り返し私に投げかけられてきた議論です。
 一番最初に議論になった時の私の回答(旧々掲示板上)を転載しておきます。
<転載始め>(コラム#179をめぐっての議論)
 私の用語法を申し上げておきますと、
 支那=清の領域、または東北アジアにおける漢民族居住地域・・・・・・・・・・・・・China
 台湾=台湾島、または中華民国の領域、もしくは中華民国・・・・・・・・・・・・・Taiwan
 中国=中華人民共和国・・・・・・・・・・・・・・・・・PRC=People’s Republic of China
 中共=中国共産党、または中華人民共和国・CCP=Chinese Communist Party,Communist China
 中華民国、はそのまま・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ROC=Republic of China
といった具合で、それほど厳密なものではありませんが、「支那」という地理的概念は、そこで軍閥が争ったり、中華人民共和国と中華民国が並立していた時などには欠かせないと思っています。
 逆にお聞きしたいのですが、「支那」に代わる言葉として他に適当なものがありますか?
 チャイナですか?「支那」もChinaから来ているので同じことでしょう。
 ところで、中華民国にしても、中華人民共和国にしても、支那史に前例を見ないヘンな国名ですが、そもそもひどくethnocentricな国名だと思いませんか(注)。(「日の出ずる国」ないし「日本」はethnocentricな国名だとは思いません。念のため。)
 (注)「中華」という言葉は、20世紀初頭に始めて登場した( http://www.taipeitimes.com/News/edit/archives/2003/10/27/2003073592。10月27日アクセス)。
だからなのかどうかは知りませんが、英語表記等欧米における表記は完全に「中華」を無視し、地理的概念たるChinaを援用しています。しかし、寡聞にして中華民国や中華人民共和国がこれに不快感を表明したという話は耳にしないどころか、中共政府自体が正式国名の英語訳として People’s Republic of China を用いているところです(注)。
 (注) さすがにRepubulic of Middle Kingdom、People’s Republic of Middle Kingdom とは恥ずかしくて訳せなかったのだろう。
 他方、日本では「中」または「華」(例えば日華平和条約)という漢字を国名の略称でも必ず使うほど気をつかっているのですから、その一方で地理的概念として「支那」を使わせてもらってもよろしいのではないでしょうか。
 そもそも、Jap は蔑称として生まれた言葉ですが、「支那」は断じてそうではありません。
 それにしても、「朝鮮語」と言うと韓国に叱られ、「韓国語」と言うと北朝鮮(総連)に叱られ、やむなく「ハングル」と表記するような日本人の主体性のなさには困ったものです。
<転載終わり>
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太田述正コラム#2301(2008.1.15)
<ガンジー・チャーチル・ホロコースト(その1)>
→非公開