太田述正コラム#13529(2023.6.7)
<皆さんとディスカッション(続x5555)>

<太田>

 安倍問題/防衛費増。↓

 <言うことに事欠いて・・。岸カルトに国民ほぼ全員がマインドコントロールされるに至って久しい、という醜悪極まりない現実から目をそらしやがってー。
 それにしても、私が引用した箇所より後で、筆者は、この岸カルトに物の見事に利用されちまった丸山眞男「理論」をもっぱら援用してるが、とんだお笑いだわ。↓>
 「・・・親が政治家である人物をリーダーにしておけば、その人物に対して「どうせコネだ」「親の七光りで政治家になったに過ぎない」と簡単に陰口をたたくことができる(ただし直接は言わない)。一方、世襲で相応の地位に就いた人物は、自分はコネであるという負い目があるため、多少、度が過ぎた批判が寄せられても簡単には反撃できない。もし本人の能力だけでのし上がった人物をリーダーに選び出せば、社会や経済は確実に良くなるだろうが、能力と実績を持った人物である以上、欠点をあげつらうことが難しくなる。度が過ぎた攻撃や批判にさらされれば、何の躊躇もなく反撃してくるだろう。世襲という、ある種の弱点を持つ人物をリーダーにしておきたいという国民の深層心理には、リーダーを甘やかすことで自分も甘やかして欲しいという願望がある。一方、世襲によって選ばれた人物は世襲に対する負い目があるものの、自分は特別な人間であると勘違いしがちであり、多少のことなら許容されると、やはり世間に対して甘えの感覚を抱く。世襲という努力ではどうにもならない要素でリーダーを選び、そうした条件付きの上下関係を積極的に受け入れることで、お互いに甘え合う構図だ。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/37ecca3836611c3879a26dd8f3150869b7af91b5

 ウクライナ問題。↓

 <大事件だしタイミングが絶妙。↓>
 「ダム決壊で・・・ウクライナ南部「非常事態」・・・」
https://www.sankei.com/article/20230607-LKA6JDA6FVL6RNZS2XCEDLK54I/
 <で、いつもながら・・。↓>
 「・・・欧米はロシアのウクライナ侵攻が決壊の根本的原因だとしてロシアの責任を追及した一方、ロシアはウクライナ側の関与を主張した。・・・」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/255109
 <英語で、もうちょい詳しい非難応酬内容をどーぞ。↓>
 ・・・Ukraine has blamed Russian occupying forces, which have had control of the dam and the adjacent town since last year’s full-scale invasion, of blowing up the dam in an attempt to ward off a Ukrainian counteroffensive.
 For its part the Kremlin on Tuesday accused Kyiv of sabotaging the dam to deprive Russian-controlled Crimea of the fresh water it receives from the reservoir and to distract attention from the counteroffensive.・・・
https://www.theguardian.com/world/2023/jun/06/visual-guide-collapse-ukraine-nova-kakhovka-dam
 <いずれにせよ、ダム内部にしかけた爆弾でダムが破壊された、ということらしい。↓>
 A deliberate explosion inside the Kakhovka dam, on the front line of the war in Ukraine, most likely caused its collapse on Tuesday, according to engineering and munitions experts, who said that structural failure or an attack from outside the dam were possible but less plausible explanations.・・・
 <このダムを占領している露軍がやったとすると、水源地を絶ったんだからクリミア放棄するつもりだなっちゅう穿った説が出てきている。↓>
 ・・・”The North Crimean Canal, which delivers 85 percent of the water to Crimea, takes water from Nova Kakhovka. Without that, Crimea is not sustainable in the long run,” Åslund said.
 He added that the dam’s destruction could “destroy Crimea’s agriculture.” Most of the water from the North Crimean Canal is used for agriculture or industry, but about one fifth is used for drinking water, traditionally meeting most of the peninsula’s needs.・・・
https://www.newsweek.com/putin-giving-crimea-1804862
 <ちなみに、こちらは、誰が一番トクになるのかを考えれば下手人は明白か。↓>
 「ウクライナが破壊計画、米は把握 ロシア独結ぶガス管・・・」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/255121
 <その元記事。↓>
 U.S. had intelligence of detailed Ukrainian plan to attack Nord Stream pipeline・・・
https://www.washingtonpost.com/national-security/2023/06/06/nord-stream-pipeline-explosion-ukraine-russia/
 <いずれにせよ、こういうの↑↓がお手の物のウクライナ。ロシアの株を完全に奪ってるな↓>
 「ウクライナ、ロシア内部で工作員を育成して本土攻撃・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2023/06/07/2023060780006.html
 <それにしても、反攻作戦への期待が大き過ぎてウクライナ側は大変そう。↓>
 Kyiv officials have tried to temper expectations about the upcoming counteroffensive against Russian President Vladimir Putin’s forces, but many Western officials and analysts feel the stakes are high for Ukraine.・・・
https://www.newsweek.com/ukraine-risk-devastating-setback-1804854
 <こういう調子で期待し続けられてるもんなあ。↓>
  The key to ending the war in Ukraine? Attacking Crimea.・・・
https://www.washingtonpost.com/opinions/2023/06/06/ukraine-counteroffensive-crimea-russia/

 <最後に、またまた繰り返される、モンゴルの軛説を回避する(ための?)チンケ説とそれを批判するワケワカラン説。↓>
 「・・・プーチンは、ロシアの公的歴史認識をソ連のそれに同質化させ、あまつさえ、2021年には第二次世界大戦におけるソ連とドイツの役割を同一視することを禁じる法律を制定した。およそ言論の自由を踏みにじる行為ではあった。けれども、よくいわれるように「歴史は過去に対する政治」であるとの一面を持つ。その意味では、こうした処置は当然だったといえる。  プーチンが、ソ連の最盛期の領土を取り戻し、また、かつての東側ブロックに相当する領域を再びロシアの勢力圏に収めることを、自らの政治目的としているとの主張は、定説とはいわぬまでも、少なからぬ説得力を有する議論であろう(彼が2005年の年次教書演説で、ソ連崩壊は「20世紀最大の地政学的悲劇」だったと公言したことを想起されたい)。もし、プーチンがそうした政策を追求していると仮定するなら、その正統性を支えるのは、当該地域は、ソ連が第二次世界大戦でなみなみならぬ犠牲を払い、血であがなったものであり、必然的に後継国家のロシアが相続すべきだとする歴史観、あるいはフィクションなのだ。つまり、現在の拡張政策を理論武装するためには、かつてのソ連の侵略行為をそれと認めることは許されないのである。事実、今次のウクライナ侵略戦争でも、同様の認識が示され、かつ、その重要な動機づけの一つとなっていると推測される。いわば、2019年以後にプーチンが強化した歴史政策は、イデオロギー的戦争準備だったと捉えることができよう。
 われわれ、ロシア以外の国民にとっては、このような歴史認識は史実の裏付けを欠いた、政治のための道具(インストルメント)であるとしか思われない。しかし、ロシア人に対しては、彼らの国民的記憶ゆえに、大きな訴求力を持っている。その理由を、プーチン、そしてロシア政府の歴史政策のキーワードである「大祖国戦争」に注目しつつ、考察してみよう。この概念が生まれた端緒は、1812年の対仏戦争であった。全盛期にあったナポレオンのフランス帝国は、その総力を結集し、およそ50万ないし70万(諸説あり)の大軍を以て、ロシアに侵攻した。存亡の危機に直面したロシアは、これは侵略者に対する祖国防衛戦争だとの意味をこめて、「祖国戦争」と呼称したのである。また、「祖国戦争」の名は、1914年に勃発した第一次世界大戦に際しても、ロシアのドイツならびにオーストリア゠ハンガリー帝国に対する戦争を指す用語として用いられた。さらに、1941年にナチス・ドイツの侵略を受けると、本概念はいよいよ拡大されて使われることになる。同年の6月23日、独ソ開戦の翌日に、ソ連共産党の機関紙『真実(プラウダ)』に、「ソ連人民の大祖国戦争」というタイトルの論説が掲載され、この戦争は、1812年のそれよりもはるかに深刻な危機であり、国民はナポレオンに抗したとき以上に奮起・力戦しなければならぬと説いた。「祖国戦争」をうわまわる難戦、「大祖国戦争」を遂行せよというのだ。以後、「大祖国戦争」は、ソ連、ひいては現在のロシア国民における、第二次世界大戦の公式呼称となっていく。
 <なんでさー? ナポレオンのロシア遠征の前にあったのは、ロシアとプロイセンによるポーランド分割
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E5%B8%9D%E5%9B%BD%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2
であり、ヒットラーの対ロシア戦の前と、(ロシア側にも原因があったという点で)ほぼ完全におんなじじゃんさ。
 今回は、その前にプーチンによる一方的なクリミア併合等があったところの、プーチンの対ウクライナ戦であり、全く違うで。↓>
 こうして、「大祖国戦争」の名称と概念が生まれた経緯を確認してみると、現在のプーチン政権がウクライナ侵略戦争を、ナポレオンのロシア遠征とヒトラーのソ連侵攻を撃退した戦争に続く「第三次大祖国戦争」と称するのは数えちがいだろうと揶揄したくもなる。「第三次祖国戦争」なら、ナポレオンの侵攻から数えて3度目の危急存亡の秋(とき)を示しているといえるので、敢えてロシアの主張に従うとしても、今回の侵略戦争は、独ソ戦(いわば、「第一次大祖国戦争」になるか)につぐ「第二次大祖国戦争」のはずだ。もっとも、これは字面の問題であり、プロパガンダ上の効果を期待してのことと推測されるから、ひとまず措(お)く。より重要なのは、「大祖国戦争」なる概念が、ロシア国民に対して大きな訴求力を持っているという事実とその歴史的背景であろう。現在、プーチン政権は、この戦争は、ウクライナのみならず、その背後にいるNATO諸国の「侵略」を受けての防衛戦、危機にあるロシアを守るための「第三次大祖国戦争」なのだとの言説を発しはじめている。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/38c602a9e0c0d44a2c5a766e2035f6c1199fd0ec
 
 それでは、その他の国内記事の紹介です。↓

 あららんらん。↓

 「導入5年「司法取引」適用わずか3件…職場に隠れて何度も聴取、裁判所は供述信用性に「慎重」・・・」
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230607-OYT1T50042/

 チト大袈裟ねえ。↓

 No means no: Japan is set to redefine rape in landmark legal reform・・・
https://www.bbc.com/news/world-asia-65762707

 マイクロ日本史やねえ。↓

 「・・・奥平家の窮地を救わんと長篠城からの脱出を試みたのは、強右衛門だけではなかった。もう一人、鈴木金七郎(重政)なる人物にも、「強右衛門だけでは心もとない」として、同行するよう命が下されていたのである。当時の記録『長篠日記』によれば、「水練上手なり。その上、物馴れし者」だったことが選ばれた理由だったとか。「水練」、つまり泳ぎが達者で、加えて「物馴れし者」というから、おそらくは狼煙(のろし)をあげる手筈を心得ていたことによるものだったのだろう。土地勘があったことも、選ばれた条件だったはずである。強右衛門に続いて金七郎も、豊川を泳ぎわたって広瀬に上陸。金七郎の家(愛知県新城市富永屋川)に立ち寄って装束を整え、狼煙をあげるのに必要な材料を背負って628mの雁峰山(がんぼうさん)に登り、ひとまず脱出成功を知らせる狼煙をあげた。また、それに先立って鈴木家の守り神である白山社に無事を祈願することも忘れなかったというから、憎いばかりに落ち着いた心持ちである。ただし、豊川に潜り込んだ際には相当苦労したようで、鳴子(触れると音が鳴る縄)や仕掛け網に引っかからぬよう、慎重かつ迅速に動いた末の脱出劇だったと言う。ともあれ、岡崎城へと無事たどり着いた金七郎。明日にも援軍が出立できそうだと知らされるや否や、長篠城の北西1キロほどのところに位置する涼み松という松林に入った。長篠城下の人々の目に触れることを祈りながら、「援軍来る」の狼煙を上げたのである(狼煙を上げたのは強右衛門で、金七郎は岡崎城に留まっていたとの説も)。大役を成し遂げた金七郎は、岡崎城に戻り、嫡子でなかったこともあって帰農したと伝えられている。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/275b67abd83e862f0e4ccd898261d17c60e54136

 日・文カルト問題。↓

 <文カルト健在。↓>
 「李在明「共に民主党」代表、「福島汚染水、事実上の核廃棄物…尹大統領、日本に抗議しなければ」・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/305129
 <ご愛顧するのだよ。↓>
 「「成功者が乗る車」トヨタ・クラウンが韓国上陸、現代自・グレンジャーの脅威に?・・・韓国メディア・毎日経済・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b915195-s39-c20-d0195.html

 ポーランドはどこへ行く?↓

 ・・・ Poland’s support for Ukraine is no sign that now, after nearly a decade of democratic backsliding, it’s coming around to the importance of democracy. What the government is defending, really, is sovereignty and the right to self-determination — an existential rather than a political commitment. In the rush to acclaim Poland and present a united front, Western politicians have overlooked something at their cost. Far from receding, Polish illiberalism is alive and well.・・・
 ・・・freedom and democracy do not, in this part of the world, necessarily go hand in hand. Just look at the fact that the Law and Justice party, despite government scandals and sky-high inflation, sits comfortably at around 35 percent in the polls.・・・
https://www.nytimes.com/2023/06/06/opinion/poland-ukraine-west-nato.html

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <日中交流人士モノ。↓>
 「中国で大ヒットを記録したアニメーション映画「すずめの戸締まり」の新海誠監督が、中国を訪問した時のことを「夢のような時間」と振り返った。・・・中国版ツイッター・微博(ウェイボー)の同作の公式アカウント・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b915240-s25-c30-d0052.html
 <一層の健闘を。↓>
 「日本を抜き自動車輸出世界一となった中国、足りない点はどこ?・・・中国メディアZAKER・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b915221-s25-c20-d0193.html
 <加藤らペアに同情的な客観報道。↓>
 「<テニス>加藤未唯の失格にほくそ笑む相手ペア、各界から批判も非を認めず・・・香港メディアの香港01・・・」

https://www.recordchina.co.jp/b915287-s25-c50-d0052.html

<太田>

一 衣類スチーマー 

 日立からのDMでアウトレット・セールをやっていることを知り、リファービッシュ品の衣類スチーマー CSI-ST1BE H
https://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E7%AB%8B-%E8%A1%A3%E9%A1%9E%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%BC-%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%AD%E3%83%B3-CSI-ST1BE-%E3%83%91%E3%83%AF%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%A0/dp/B09SKS4R37
を購入した。
 スチーム・アイロンは、引っ越し直後に買ってあるが、アイロン台を引っ張り出さなければならないこともあって面倒でほぼ使っていなかったところ、これを購入したのは、手軽に使えそうで、全自動洗濯乾燥機を買ってから、洗濯乾燥後に半ズボンについてしまうシワ、が気になっていたのと、パソコン用椅子の熱気消毒等に使えそうだと思ったからだ。

二 スイッチボットロック椿事

 真夜中に、物が落ちる音がして目が覚め、階下に行ってみると、スイッチボットロックが落下してしまっている。
 念のため、マニュアルを探したのだが見つからず、ネットで見つけた。
 このマニュアルの関連部分を頭に入れ、こうして剥がれて製品とともに落下してしまったところの附属両面テープがバカになっていないことを祈りつつ、再度製品を強く押して取り付け、ガムテープで補強した上で、ロックを手で動かしたところ、赤い色が点滅しているではないか。
 いつも、離れた所から音声でロックの開閉を行っているので気が付かなかったのだが、マニュアルを見ると、これ、電池切れ間近しの意味。
 あちゃー、すんでのことで締め出しをくらうところだった、と、あわてて、玄関わきの棚に入れてあった電池群ストックを漁ったら、マニュアル所定のリチウム電池CR-123Aが3個あったので、うち2個を使うことにしたが、買ったのがひょっとして10数年前かもしれないので、ネットで、そんな古いのを使っても大丈夫か確認。↓
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1192155751
 大丈夫そうだったので安心したが、電池交換、再ペアリング方法がマニュアルに書いてない!
 で、再度ネットで調べた。↓
 「SwitchBotスマートロック電池交換方法について・・・」
https://mitsuch.com/switchbot-smartlock-battery/
 「ペアリング・・・」
https://gigazine.net/news/20220214-switchbot-lock-hub-mini-setup/
 これらを参照しながら、スマホも用いて作業を完了。
 以上、一時間半ほど要した。

三 自動血圧計

 朝、表記で血圧測定をしたら、奇遇も奇遇、電池交換を促す表示が出た。
 で、上出とは違う、痩せて長い電池だったが、電池群ストックを再度漁ったら、6本発見。
 必要なのは4本なので、とっかえたが、動いてくれない、やむなく、うち怪しそうな2本を更に(残りの)2本で取り替えたら動いてくれてホッ。

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太田述正コラム#13530(2023.6.7)
<太田茂『新考・近衛文麿論』を読む(その46)>

→非公開