太田述正コラム#2650(2008.7.6)
<皆さんとディスカッション(続x185)>
<こくぴと>
オフ会、途中からしか参加できず、また終電時間のため途中で帰らなければならなかったのですが、いろいろなお話を生で聞けて大変楽しかったです。
 ありがとうございました。また次回ありましたら、少し遠くでも出かけていきたいと
思います。
<読者OK>
 大阪での講演会・オフ会に参加したOKです。
 大変楽しい時間を過ごせました。感謝します。
 ところで、オフ会の中で太田さんにお話した書籍の情報です。
 著者は 
http://ja.wikipedia.org/wiki/
小谷賢 です。
 読んだ本は2冊です。
 『イギリスの情報外交――インテリジェンスとは何か』(PHP研究所[PHP新書], 2004年)
 大変面白い本でした。その中で何点か面白いと思ったところをあげますと、
※図書館から借りてきた本で、現在手元にないので記憶で書いています。
・1941年2月位まで日本側の暗号を解読をできなくて日英戦争の可能性の高まりに英国が狼狽(大英帝国の崩壊につながる)、冷静さを失う。日本もその様子を「イギリスらしくない。」と感じるところ。
・日本側が英米不可分と見ていたのに対して、イギリスはドイツに勝利するために必死になって米国を対日戦争に巻き込こもうと努力するところ。(英国としては日本が参戦しないまま米国が対独参戦するのがベストだが、チャーチルはそれは現実的ではないと判断する)
・英国が米国を巻き込むのに成功して日本との戦争を覚悟してしまう。ところがいざ開戦すると日本軍の強さが予想以上で、大変ショックを受ける(マレー沖で虎の子の戦艦2隻を沈められる…シンガポールを落とされる)。
・情報をただ隠すのではなく、必要に応じて他の部署等と共有することが大切だというところ。
 この時期はどちらに転んでも不思議ではない状況で、当時の日本の指導者達が少しでもこの時の英国との協力関係の大切さを知っていれば先の大戦は起きなかった可能性も十分あると感じました。
 もう一冊は
 『日本軍のインテリジェンス――なぜ情報が活かされないのか』(講談社[講談社選書メチエ]2007年)
 戦前日本のインテリジェンスを
1.情報収集 2.情報分析 3.情報利用
の3点から検討、歴史を振り返って教訓を学び今後の日本のインテリジェンスを考察するという主旨の著作です。
・帝国陸軍の暗号解読能力が通説と違い、優れていたこと(米外交暗号の中で最も高度なストリップ暗号の解読など)
・ゆえに戦術的な情報運用は比較的得意にしていた。
・にもかかわらず戦略的な情報の利用は不得手だったこと。
などの事例が書かれています。
 これも大変おもしろく、かつ勉強になりました。
 今後のご活躍を応援します。
 そして次回のオフ会を楽しみにしています。
 ありがとうございました。
<太田>
 日本人の書いたものを読むことを自ら原則として禁じている私ですが、きちんと典拠のついているものなら、読むことはやぶさかではありません。
 面白そうな本のご紹介をいただきありがとうございました。
 なお、オフ会で議論されたトピックスを、コラム#2649(未公開)に記したところですが、更に思い出してきました。
 日本の植民地統治と英国の植民地統治の違い、要するに太田は何を目指していて活動を続けているのか、日本は米国の属国であると思うに至ったきっかけは何か、北朝鮮のいわゆる不審船が問題とされるようになった経緯について問う、朝鮮日報の日本関係記事や防衛白書に関連して「行間を読む」ということをめぐって、スタンフォード大学と東京大学の比較、石油と対イラク戦の関係いかん、ローマ帝国領外にとどまったドイツがどうしてローマ文明に染まったか、等々です。
<ケンスケ2>
 毎日新聞の英文サイトのこと,ご存知ですか。
 謝罪して削除したことになっていますが,英文と日本文の二枚舌謝罪文を見れば,日本のジャーナリストは,防衛省の圧力で簡単にサイト自体を削除してしまう連中だというイメージを世界に振りまく結果になっていますね。
 もちろんそれを見ながら一言も報道しないマスコミの連中を見ているとそれも事実かも知れないとも思いますが。
 いかがお考えになりますか。
<太田>
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0806/25/news107.html

http://blog.livedoor.jp/saihan/archives/51360563.html
を読んでみましたが、今一つ状況が把握できません。
 投稿される時は、典拠を必ず付け、説明を十分行っていただけるとありがたいのですが・・・。
 皆さん急に暑くなってきましたね。
 お体にお気を付け下さい。