太田述正コラム#2758(2008.8.29)
<皆さんとディスカッション(続x235)>
<太田>
 一昨日から昨日にかけて、ブログへのアクセスが爆発的に伸びているのですが、原因は一体何だと思われますか?
<タテジマ>
ブログアクセス爆
理由はこれですね 参考記事でリンク張られてます
Yahooニュース李明博韓国政権
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/world/president_lee_myung_bak/?1219838693
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アンナ・ゲルディ恩赦
http://www.47news.jp/CN/200808/CN2008082801000228.html
Yahoo Googleで1ページ目にアンナ・ゲルディ太田ブログ
http://search.yahoo.co.jp/bin/search?p=%A5%A2%A5%F3%A5%CA%A1%A6%A5%B2%A5%EB%A5%C7%A5%A3
http://www.google.com/search?hl=ja&lr=&ie=UTF-8&oe=UTF-8&num=50&q=%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%82%B2%E3%83%AB%E3%83%87%E3%82%A3
<太田>
 お気づきかも知れませんが、私のブログ(管理人はタテジマさん)のタイトルが、「防衛省OB太田述正アングロサクソン文明と軍事研究ブログ」に変わったのでご披露しておきます。
<ライサ>
≫私がEUと言う時、現在の英国人が描くEU像をさしあたり念頭に置いており、そ
の対象は、旧日本帝国に属していた国や地域です。≪(コラム#2756。太田)
 旧日本帝国って大日本帝國のことですか。   1936年(昭和11年)、「大日本帝國」に統一した。
*以下の事項の出自は、あまり時間が無いので総て日本語版のウィキペディアです。まとまりが無くてご免なさい。
大日本帝國
帝国憲法の半公式の英訳(伊東巳代治訳)では「the Empire of Japan」 と訳され、「大」の意味合いはなかった。当時は国名へのこだわりがなく、帝国憲法と同時に制定された皇室典範では日本帝國、大日本國と表記し、外交文書で は日本、日本國とも称したし、国内向けの公文書でも同様であった。その後、世界情勢の悪化などにより国名への面子に対する拘りが表面化した1936年(昭 和11年)、外務省は外交文書上「大日本帝國」に統一した。通称では帝国と呼び、また皇国とも称した。
>旧日本帝国に属していた国や地域
現在の日本国の領土、南樺太、千島列島、朝鮮半島、台湾など、北東アジアや太平洋のいくつかの委任統治領や租借地。
領土
内地、樺太(後に内地に編入)、台湾、朝鮮、一時遼東半島(三国干渉以前)を領土とした
租借地
中国から関東州と一時膠州(青島)を租借
委任統治区域
南洋群島
西太平洋赤道以北の島々。ドイツ領であったが、第一次世界大戦で占領、1920年同盟及聯合国ト独逸国トノ平和条約(大正8年条約第1号)により、国際連盟の委任に基づき統治する委任統治区域とした。国際連盟脱退後も引き続き委任統治を行う。
一部統治区域
南満洲鉄道附属地(満鉄附属地)
租界
専管租界杭州、蘇州、天津、漢口、重慶に、開設。
上海の共同租界に参加。
北京には、事実上の共同租界として機能した公使館区域。
沙市、福州、厦門に租界の設置権限があったが設置しなかった。租界では行政権を行使するほか、治外法権に基づき日本人に関する裁判権も有した。1943年、中華民国(汪兆銘政権)に対し租界を還付し治外法権を撤廃した(昭和18年条約第1号、同第2号)。
の様に記述されております。とても広――イですよねーー!。
 また、以下を含めると、もっと広くなってしまいますよねーーー!。
大東亜共栄圏
日本軍占領下で独立を果たした国々(フィリピン共和国、ベトナム帝国、ラオス王国、ビルマ国、カンボジア王国、満州国)の政府と汪兆銘政権(中華民国)
 たぶん太田さんは、こんな広い物を想定しないで、「・・・旧日本帝国に属していた国や地域です・・・」と仰ったんだと思いますが、、、、EUより遙かに広い範囲を意味してしまいますね。
 また、「お節介婆―!」とか、「重箱の隅を突くな!」とかと言われそうですけど。すぐに言葉の意味が気になってしまうので、ご迷惑をかけます。
<太田>
 わざわざすみませんねえ。
 日本帝国とは、固有名詞である「日本」と一般名詞である「帝国」をくっつけたものですが、「大日本帝国」の略称とお考えいただいても結構です。
 無条件移民受入の対象として私の頭の中にあるのは、「また、以下を含めると・・・」の前までの地域です。
 しかし、実際問題として、台湾、朝鮮半島、南洋諸島に居住する人々に対象は限定されざるをえないと思っています。
<ライサ>
 海驢さん、コラム#2690での解説有り難うございました。
 私は東条の「・・・・清水の舞台から飛び降り・・・」の言が、どうも印象に残っていて、余りにも無責任な!との思いが抜けなくて、書きました。勝手に自分だけ飛び降りろ!
 奴の自殺未遂もわざとらしい。スターリンが息子の自殺未遂に「銃もまともに撃てないのか!」と言ったそうですが、東条には見え透いた芝居は止めろと、言い たかったです。もし当時、私がいたら。先に見つかったと言われる、東条の手記にしても、全く現実を理解せず、ただ。「臆病」とか「腰を抜かして」とか、全くの無策、先を見通す能力ゼロの態度に腹立たしい思いです。私の祖父も本当は中支で行方不明なのに名誉の戦死扱いです。ああ、書いているうちに段々腹が立ってきた。
 牟田口廉也のインドへの攻撃に際しても、インパール作戦における様々な失策・愚策についても、反省もしないで弁解じみた発言や態度を通し、作戦においても 「・・・日本人は草食民族だから・・」ジャングルでも食料に困ることはない等の無知な言論を吐いて、いわゆる白骨街道を「実現」させたりしたなど、海軍の無責任にも匹敵する数々の愚策を実施したり、「軍人=官僚」の思いがあったので、書いてしまいました。海驢様の、研究熱心には頭が下がります。
 昔も今も、官僚はいい加減・無責任(太田さんは別です(笑)・明治の官僚は一寸違っていたようですが)、責任は取りません。官僚無膠なんてくそ食らえです。(ああ!興奮の余りはしたない、)
 官僚を見張る唯一の権力者である、議員はもっと無能。太田さんご推薦の、段々解体が進みつつある?民主党の議員も同じだと困ります。取り留めのない内容失礼いたしました。
<海驢>
 ライサさん、コメントありがとうございます。
>ナイーブの意味に、「無責任」という意味、また「自分たちにとって都合の悪いことは起こりえない」と言う意味での旧陸軍・現官僚的意味が含まれているとすればその通りだと思います。
 ご指摘の内容はより広く深い範囲を対象としていただいておりますが、当方が「日本が道を誤った」と書きました趣旨は、北支事変~大東亜戦争終結までの戦略・戦術に限定した話でした。例えば、以下の如く。
<以下、引用>
・・・参謀本部の情報部参謀だった堀栄三(ほりえいぞう)は「大島大使から、『(独外相の)リッベントロップが本職に斯(か)く斯く説明せり』と打電してくると、その内容は疑う余地のない絶対性をもつものになっていた」(『大本営参謀の情報戦記』文春文庫)と書いている。
 しかし、陸軍にも、冷静に情勢を分析している者はいた。40年(昭和15年)9月中旬、辰巳栄一(たつみえいいち)少将、仲野好雄中佐らはロンドンから 「独軍の英本土攻略は、不可能とはいわぬが、極めて困難なりと認む」と打電した。だが、情報部が辰巳にあてた返信には、「あまり弱気な電報を東京あて打電するなかれ」と書かれていた。
 大島は、ドイツがソ連との開戦に踏み切った時、東京あての電報に「今次作戦は恐らく4週間にて終るべし、戦争と名の付くものでなく一の警察措置と見るべきものなり」と書いた。
 以下は41年11月11日の大島の打電。「モスコーの運命はも早や尽きたりというべく、かくてドイツは計画通り厳冬期前にソ軍に殲滅(せんめつ)的打撃 を与え、ソ連を再起不能の状態に陥らしむるを得べく……」。しかしモスクワがドイツ軍の手に落ちる日は決して訪れなかった。
 日本の軍事・外交戦略は、こうした大島電に依拠しがちだった。参謀本部欧米課員の杉田一次(すぎたいちじ)は、「松岡外務大臣はじめ陸・海・外各省の親独連中は、ドイツの勝利を盲信し、日本の運命をヒトラーにあずけたのであった」(『情報なき戦争指導』原書房)と記している。
<引用終わり>
※参考:資料/日米開戦 三国同盟、国運賭ける http://gumin.blog2.fc2.com/blog-entry-220.html
>一方、断定は出来ませんが(詳しくは知らないので)、今回のロシア介入には賛同する・した、国は有ったのでしょうか。
 報道によれば、ベラルーシとシリアが早速支持表明をしており、上海協力機構参加諸国へも要請をするようですが、あまり多くの支持は得られないものと思いま す(当然ですが)。せいぜい、ベラルーシ、シリアに加えて、中国、セルビア、それにキューバとベネズエラぐらいではないかと。
<以下、引用:【グルジア紛争】南オセチア独立承認 露が支持取り付けへ 上海協力機構首脳会議 (2/2ページ) - MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/world/china/080827/chn0808272037003-n2.htm>
 これまでにロシアのグルジア侵攻を支持する立場を明かしたのはベラルーシのルカシェンコ大統領とシリアのアサド大統領に止まっている。ロシアはSCO首脳会議の参加に南オセチア、アブハジア両地域の独立承認も働きかけるとみられるが、どの程度の国が同意するかは不明だ。
<引用終わり>
<太田>
 ニューヨークタイムスの記事の見出しの
Security Group(上海協力機構) Refuses to Back Russia’s Actions
がすべてを物語っています。
http://www.nytimes.com/2008/08/29/world/europe/29russia.html?ref=world&pagewanted=print
 なお、中共は上海協力機構首脳会議のメンバーであるのに対し、セルビアは違いますが、どちらも、チベット等やコソボの分離独立問題を抱えていることから、ロシアが南オセチアとアブハジアの独立の承認をしたことに複雑な思いをしているはずですよ。
 
<ライサ>
 コラム#2368-2「日本論記事抄・後編(その1)」を読みました。
日頃から無礼なことばかり、言いたい放題を投稿させていただいておりますが、それはそれで、暗黙のうちに許していただいていると勝手に解釈しております。
>日本人は昔から日本人論が大好きだ。
 本当にそう思います。ハーンにしてもベネディクトにしてもイザベラ・ハートにしても、かなり納得してしまう様な観察眼で記述してあり、とても面白いですね。
 このシリーズの充実を期待しています。
 深く掘り下げてください。
 でも、この手の掲示板・ブログの宿命として、深くなればなるほど、観覧者?は限定されるか、減少していくんですよね。(笑)
 太田さんに「頑張ってね」なんて言うのは、おこがましいし、「百年早いよ!」て言われそうですし、余計なお世話ですけど、あえて「頑張ってね」と、言わせてください。
 また、コラム#166「トルコについて(番外編1)」も読みました。
>猪木正道先生が防衛大学校の学長をされていた1970年代・・・この時に教えられたこと・・歴史を知らずして国際情勢を論ずることなかれ・・が、現在書きつづっているこのコラムのスタンスになっているのです。
2008.6.8 08:07の産経に猪木正道氏の論稿
【昭和正論座】西独にみる防衛問題の悩み 防衛大学校長・猪木正道(昭和48年10月3日掲載)が載りました。勿論お読みになっているかも知れませんが、
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080608/plc0806080813001-n2.htm
で読めます。
 最後のページの最終段
第二番目には、五〇年代のはじめからほとんど間断なく続いている繁栄のマイナス面を忘れてはなるまい。この点は、西ドイツと日本とが世界の双璧(そうへき)であると思うが、経済生活の向上は欲求不満をかえってエスカレートさせる。国民の欲求不満を満足させようとすれば、防衛は後回しにされ、遂には自信と自尊心とを以て国際社会に生き残ることが困難となる事態の発生さえ懸念される。このあたりに西側の先進諸国共通の悩みが存するといえよう。
 当時から日本人の意識はほとんどかわっていませんね。西ドイツの方が現在ではまともですね。
 お読みになっていれば、余計なお世話ですから、笑ってこらえてください。
<Pixy>
Why I had to recognise Georgia’s breakaway regions
By Dmitry Medvedev
http://www.ft.com/cms/s/0/9c7ad792-7395-11dd-8a66-0000779fd18c.html
Only a madman could have taken such a gamble. Did he believe Russia would stand idly by as he launched an all-out assault on the sleeping city of Tskhinvali, murdering hundreds of peaceful civilians, most of them Russian citizens? Did he believe Russia would stand by as his “peacekeeping” troops fired on Russian comrades with whom they were supposed to be preventing trouble in South Ossetia?
 1500人と言ってましたが、数百人となってますね。
 攻撃から日数も経過してますし、それなりに実情に近い数字じゃないですかね。
 Medvedevの上記寄稿文、曲解と傲慢さに唖然とした下記記事と併せて読むと一層楽しめました。
 しかし、↓の様なレベルのイエローペーパー記事にいちいち反論するのは骨ですねえ・・・。
 それを考えると、太田さんが多くの投稿にコメントを付けられているのには正直脱帽です。
South Ossetia Isn’t Kosovo
Whatever Moscow says, there are at least six significant differences between the two situations.
By Christopher Hitchens
http://www.slate.com/id/2197704/
The Serbs’ Self-Inflicted WoundsWith Kosovo independent, Yugoslavia is finally dead.
By Christopher Hitchens
http://www.slate.com/id/2184997/
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太田述正コラム#2759(2008.8.29)
<グルジアで戦争勃発(その12)>
→非公開