太田述正コラム#13667(2023.8.15)
<皆さんとディスカッション(続x5624)>

<Gz.GQ1Ak>(「たった一人の反乱(避難所)」より)

 下衆の勘繰りと言われりゃそれまでですが、巷じゃタモリの「新しい戦前」という言葉が引用されますが、太田さんはどのように捉えますかね?
 個人的には深い意味は無いと思いますしどうやら「敗戦」との考えのようで…。↓

 「タレントのタモリさんが12月28日放送の『徹子の部屋』に出演し、2023年について聞かれて「新しい戦前になるのでは」と答える一幕があった。
 『徹子の部屋』2022年最後の放送のゲストとして登場したタモリさん。
 番組終盤で、司会の黒柳徹子さんから「来年はどんな年になりますかね?」と尋ねられると、少し 考え込んだ様子で、苦笑いも浮かべながら、こう答えた。
 「誰も予測できないですよね。これはね。でもなんて言うかな。新しい戦前になるんじゃないですかね」
 黒柳さんが「新しい戦前」とだけ返したところで、次の場面に切り替わった。」
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_63ad3dfde4b0d6724fba5b4e
 「タモリ、ウクライナの報道特番「1時間の沈黙」で本当に伝えたかったこと・・・」
https://www.news-postseven.com/archives/20220326_1738084.html/2
 「『ヨルタモリ』でも見ることができなかった、タモリの知られざる”政治性”とは…NHKでは歴史修正主義批判も・・・」
https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_1511/

 「今年の正月にNHKで放送された『戦後70年 ニッポンの肖像 プロローグ』。
 このような番組に出演することがすでに何らかの意思表明とさえ思われるのだが、ここでタモリは番組冒頭から「〈終戦〉じゃなくて〈敗戦〉ですよね」「〈進駐軍〉ではなく〈占領軍〉でしょ」と疑問をぶつけ、さらに1964年の東京オリンピックの話題では閉会式が一番印象的だったとして、こうコメントしたのである。
 〈閉会式は各国が乱れてバラバラに入ってくるんです。あれは東京五輪が最初なんです。(中略)それを見てた爺さんが一言いったのをいまだに覚えていますけどね。「戦争なんかしちゃだめだね」って〉」

<LYHc/l3E>(同上)

 典型的な幼児期「戦中派」と(親世代が大嫌いな)戦後第一世代って感じ。
 でもさ、日本が先の大戦で勝ったということを知らなかったら、アメリカの正戦史観信者やソビエト信者、「平和」カルト信者になって、自らを旧軍や戦前社会の被害者に位置づけないと自我が保てなかったんじゃないのかなって哀れみを感じる部分もある。
 いずれにしても彼らは10年もすれば退場だし同じ老人世代にしか影響力ないからまあ許したれよ。
⇒「「もはや戦後ではない」<は、>1956年度の『経済白書』の序文に書かれた一節<であり、>・・・戦前水準への復帰を果たした達成感・・・がうかがわれる。」」
https://kotobank.jp/word/%E3%82%82%E3%81%AF%E3%82%84%E6%88%A6%E5%BE%8C%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%84-159610
ってんだから、日本は終戦後概ね10年にして「新しい戦前」になったんだよ。
 ところが、岸信介内閣の下で1960年6月19日に安保改定がなった
https://kotobank.jp/word/%E5%AE%89%E4%BF%9D%E6%94%B9%E5%AE%9A%E5%95%8F%E9%A1%8C-29663
ことで、日本の弥生性放棄が確定し、日本はわずか4年にして「新しい戦前」から「プロト日本文明化プロセス」に突入しちまって、その後、いつの時点かはともかくとして、プロト日本文明回帰が完了し、現在に至ってるってワケ。
 なお、「敗戦」じゃなく「終戦」があらゆる意味で正しいことについては、ここでは繰り返さない。
 「終戦」は、もともとは、緒方竹虎内閣書記官長が起草した鈴木貫太郎内閣発足時の声明文中に登場したのが初出
https://digital.asahi.com/articles/ASP8G74N8P89ULZU001.html
らしいが・・。
 ところで、タモリ、本件がらみで大流行りみたいね。↓
 「・・・戦争の難しいところは、突き詰めると個人の「愛」に端を発する点である。以前にも紹介したタモリさんの言葉だが「LOVEさえなければ、PEACE」。何かを愛する、守るという感情がなければ、争いは起きず、自然「平和」の状態になる。愛し守る対象さえなければ、何を奪われても何の感情も湧かないのだから、当然である。
 先の戦争への解釈としても、個人単位で考えれば、それぞれ自分の大切な何かを守るために、両国の人間は動いた。例えば特攻は、自分の命を優先順位の二番手以降にしないと成り立たない。その時の優先順位の一番目は、自分の命を越える何か、守る対象である。
 しかし、「愛」によれば相手の命を奪っていいかという問題は全く別である。「愛」と「平和」によって爆撃をしたのだ、と言われても、命を奪われた側が納得いくはずがない。
 愛する者を守るためだ。
 戦争を終わらせるためだ。
 単なる実験だった。
 どの理由だろうが、愛する者を無情にも奪われたという本質から見れば同じことである。「致し方なかった」理由を並べて正当化を試みても、やはりその個人の恨みは消えない。
 結局、戦争は両者の(特に個人である一般市民の)恨みしか残さない。一般生活レベルで言うと、何をどう言おうが、他人のものを奪ったりいじめたりしていい理由にはならないのと同じである。
 戦争と平和について考えることは、学校教育で何を教えるかを考える上でも、大いに関係がある。世界共通の教育テーマである。」
https://www.mag2.com/p/news/260236?utm_medium=email&utm_source=mag_W000000003_mon&utm_campaign=mag_9999_0814&trflg=1
 意味不明の箇所満載だが、警察官や刑務官が、業務で「相手の命を奪っていい」のは当然だとすりゃ、その延長戦上で、兵士が戦闘という業務で「相手の命を奪っていい」のだって当然だろ。
 また、「愛」ってことで言えば、「愛」の根源にして昇華物であるのは人間主義であり、全ての人々が互いを「愛」するようになる世界、人間主義的世界、の実現・・回復と言ってもいい・・のために、杉山元らが日本を手段として用いて戦ったこと、と、どう向き合うかを、我々は問われてるんだな。
問題は、日本人も含め、世界の殆どの人々が、自分がこの問いを突き付けられていることに気付いていないことだ。(太田)

<太田>

 安倍問題/防衛費増。↓

 <「日米同盟」のおかげで、日本は脳死しちまって、日本人はゾンビとして「生」活しているんだが・・。↓>
 「・・・「今、日本で穏やかに生活できるのは、日米同盟が存在するためだ。そうでなかったら、ウクライナのようになったとしても不思議ではない」・・・」
https://www.sankei.com/article/20230814-7RXXGVOSBVPZHCO76V3JUVU7UI/
 <統一教会を褒めたたえるのと並びの行動ね。↓>
 「自民・萩生田政調会長が靖国神社を参拝・・・」
https://news.cube-soft.jp/article/3851854?utm_content=news&utm_source=cube&utm_medium=notice&utm_campaign=4.0.1&ver=4.0.1

 ウクライナ問題。↓

 <佳きかな。↓>
 「ウクライナのハンナ・マリャル(Ganna Malyar)国防次官は・・・「先週バフムート付近で3平方キロの領土が解放された。これでバフムート南部一帯で解放された領土は計40平方キロとなった」と述べた。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/51234eff93893ea07b67a9833882ca0f8d14b04c
 「・・・ウロジャイネは、反攻の起点ベリカノボシルカから約10キロ・メートル南方にあり、露軍が地雷原や塹壕(ざんごう)などで強固な防御陣地を構築している。露側幹部は13日、集落の北側を奪還されたことを認めた。
 露軍の補給拠点メリトポリを目的地とするザポリージャ州西部の戦線でも起点のオリヒウから約13キロ・メートル南にあるロボティネから露軍精鋭部隊の一部が撤退したとの情報がある。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/58e25c3deeac49e9fbf5cd6df73a465038f2f2b3
 「ウクライナ海兵隊、ロシアが支配するマリウポリに接近中・・・
 この突撃部隊には、今回ばかりは航空機による空からの支援があった。戦車による攻撃と同時期に撮影されたと思われる別の映像では、米国製の統合直接攻撃弾(JDAM)だとウクライナが主張するもの2発が、戦車からわずか数百メートル南にある、ロシア軍の拠点とみられる建造物を爆破している。
 GPS誘導で射程が伸びるJDAM-ER爆弾を搭載できるよう、ウクライナ空軍はMiG-29戦闘機の一部を改良。JDAM-ERを発射する直前に低空飛行して角度をつけることで、MiGのパイロットはロシアの防空網に感知されることなく、重量約227〜453kgある爆弾の射程を約80キロほどにのばすことができる。
 だが、爆弾を投下するだけのこの手法でさえ、ウクライナ軍のパイロットが前線に向かって飛ぶたびに直面する極度の危険を完全になくすことはできない。ウクライナ空軍が貴重な航空支援のパイロットを危険にさらしていることは、ウロジャイネの戦いの重要性を物語っている。・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E6%B5%B7%E5%85%B5%E9%9A%8A-%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%81%8C%E6%94%AF%E9%85%8D%E3%81%99%E3%82%8B%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%81%AB%E6%8E%A5%E8%BF%91%E4%B8%AD/ar-AA1fhjs1?ocid=msedgntp&cvid=d046a206657840b8a879eabd0c990206&ei=35
 <そうそう。↓>
 「ウクライナ軍の反転攻勢、地道な成果積み上げにロシア軍が悲鳴・・・
 航空劣勢下、史上最強レベルの地雷原という非常に厳しい状況を前にして、機甲部隊中心の機動戦を実施しなさいと言うのは酷である。
 NATO軍がこれを批判するのであれば、自分たちでやってみなさいというウクライナ軍の反論は妥当だ。
 現在のウクライナ軍の戦い方を評価しているのは、皮肉なことにロシア軍の方だ。・・・
  航空劣勢下でもウクライナ軍は反転攻勢を成功させなければいけない。 そのためにウクライナ軍が最も重視している作戦が阻止作戦だ。
 阻止作戦は、敵軍や補給品の戦闘地域への移動を阻止、遅延、混乱、破壊することを目的とする。・・・
  しかし、ウクライナ軍は、十分な航空戦力がない。そこでウクライナ軍は、F-16の代わりに長射程空対地ミサイル・ストームシャドー、高機動ロケット砲システムHIMARS(High Mobility Artillery Rocket System=ハイマース)、榴弾砲などを使用した阻止作戦を行っている。
 つまり、攻撃前進を無理に急ぐのではなく、射程の長い精密なミサイルや砲弾を使用して、ロシア軍の奥深くに存在する高価値目標(弾薬補給所などの兵站施設、司令部、榴弾砲やロケット砲、予備部隊、電子戦機器)を徹底的に破壊し、ロシア軍の戦力を弱体化する作戦を重視しているのだ。
 阻止作戦の効果は明らかに出てきていて、ロシア軍の第一線部隊に補給が十分に届けられない状況、ロシア軍の榴弾砲・ロケット砲および砲弾が不足する状況になっており、ウクライナ軍の攻撃前進が可能になってきたのだ。・・・
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/76509?utm_source=editor&utm_medium=mail&utm_campaign=link&utm_content=top

 それでは、その他の国内記事の紹介です。↓

 日本の経済成長にガイコクと国内の評価が分かれる。↓

 Roaring Back From Pandemic, Japan’s Economy Grows by 6 Percent–The rapid expansion came as exports have risen and tourists have flooded the country.・・・
https://www.nytimes.com/2023/08/14/business/japan-economy-gdp.html
 「4-6月期のGDPは予想を超える高成長となりましたが、内容は冴えません。最大の牽引役は輸入の減少であり、これは内需の弱さを反映したもの。雇用者報酬の増加やコロナ5類移行に伴う外食や旅行の増加にも関わらず、個人消費は減少しました。食料や生活必需品のインフレが消費者マインドを悪化させ節約を促した模様です。輸出の増加も成長率を押し上げましたが、自動車の挽回輸出やインバウンド消費の増加に加え、急減した前期からの反発の面も強そうです。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/8f5c19361eac4f86b502c1d1764ac64dc7a1ac8e

 旧日本帝国の「一体性」。↓

 「・・・台湾に対して最もポジティブな見方をしていたのが日本で、82%が台湾に好感を抱いていた。このほか、台湾に好感を抱いている人の割合は韓国、オーストラリアで70%を超え、米国、イスラエルでも60%を超えたという。
 一方で、アルゼンチン、ブラジル、ギリシャ、ハンガリーではポジティブな評価とネガティブな評価が拮抗し、インドと南アフリカでのみ、ネガティブな評価がポジティブな評価を上回った。・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b918837-s25-c100-d0052.html

 よく頑張ったー。↓

 Women’s World Cup 2023: Japan in ‘unstoppable’ form before Sweden quarter-final・・・
https://www.bbc.com/sport/football/66435199

 ・・・。↓

 「ハワイ山火事、日系人の集う寺焼失も本尊・阿弥陀如来像は間一髪で無事…住職「再建の歩み進める」・・・」
https://www.yomiuri.co.jp/world/20230815-OYT1T50075/

 ゲホッゲホッ。
 それにしても、ヨユーだねえ。↓

 「ススキノ切断遺体、瑠奈容疑者が襲撃場面を撮影か…ホテル浴室で男性を襲う動画・・・」
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230814-OYT1T50276/

 太田コラムを読みましょう!↓

 「・・・「美しい国」と「戦前回帰」は、ともに実際の戦前とはかけ離れた虚像であり、現在の右派・左派にとって使い勝手のいい願望の産物だったのである。これにもとづいて行われている議論が噛み合わず、不毛な争いに終始せざるをえないのは当然だった。
 このような状態を脱するためには、だれかれ問わず、また右派にも左派にも媚びず、戦前をまずしっかり知らなければならない。」
https://gendai.media/articles/-/113926?utm_source=yahoonews&utm_medium=related&utm_campaign=link&utm_content=related

 米国を買いかぶってるし、米国に失礼だよ。
 昭和天皇と岸信介がトップダウンで、「対米奴隷化」路線を決めたのよ。↓

 「日本人の戦争贖罪意識もGHQが植え付けた その結果生まれた自民党の対米奴隷化と媚中・・・」https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E3%81%AE%E6%88%A6%E4%BA%89%E8%B4%96%E7%BD%AA%E6%84%8F%E8%AD%98%E3%82%82ghq%E3%81%8C%E6%A4%8D%E3%81%88%E4%BB%98%E3%81%91%E3%81%9F-%E3%81%9D%E3%81%AE%E7%B5%90%E6%9E%9C%E7%94%9F%E3%81%BE%E3%82%8C%E3%81%9F%E8%87%AA%E6%B0%91%E5%85%9A%E3%81%AE%E5%AF%BE%E7%B1%B3%E5%A5%B4%E9%9A%B7%E5%8C%96%E3%81%A8%E5%AA%9A%E4%B8%AD-%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%AB%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80/ar-AA1fhnOR?ocid=msedgntp&cvid=44a96f35ae124bdaa7f03c4fbb5be176&ei=23

 「ないもの」は「ないもの」。オシマイ。↓

 「知られざる戦争トラウマ 「ないもの」にされた元日本兵たちの心の傷・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/cbaf876f84b5c2cb62ffa5d11b9e9964a7c37adb

 杉山元はもっぱら杉山構想秘匿のためだったし阿南惟幾はそれに加えてクーデタ防止のためだった、といった具合に、陸軍のことがてんで分かってなかった昭和天皇。↓

 「・・・「自決者は大体戦争犯罪人〔に〕なるのがいやで自決した」と天皇は田島に述べた。・・・
 <杉山元らに比べれば皇道派の下剋上ぶりなんてカワイイんもんだったし、杉山元らの科学的思考は昭和天皇のに比べればダンチにホンモノだった。↓>
 天皇は自身を「科学的に物を考へる」タイプと考えており、陸軍軍人、特に皇道派と呼ばれた人々はそうではないと考えていたようで、彼らへの評価は低かった。
 <米国軍人が下剋上? ハテ。↓>
 それは、天皇が「日本でもアメリカでも軍人は同じで下剋上、セクシヨナリズム、つくづくそう思ふ」と考えていたからであった。  このように軍を「下剋(克)上」と天皇が評する会話は、「拝謁記」のなかに散見される。天皇にとっては、軍は大元帥である自らの命令を聞かず、独自で勝手に動く存在と見ていたのである。・・・
 <ね、非科学的思考の主だろ。↓>
 天皇は、1931年の満州事変のとき、関東軍が暴走したことをアメリカがもっと強く批判してくれたならば、その後の軍の暴走は防げたはずだと言っているのである。・・・
 さらに、1922年のワシントン海軍軍縮条約における主力艦の保有比率が日本に不利なものになったことで、海軍に反英米感情が高まったのだと天皇は述べる。そして、正々堂々と戦える戦力を有していなかったから、真珠湾攻撃のような奇襲作戦をするしかなかったと強調して、それはアメリカが引き起こしたものともいえると・・・述べたのである。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/e5109bcc3318efce024f41a80ca559d3ee20b999
https://bunshun.jp/articles/-/65110?utm_source=news.yahoo.co.jp&utm_medium=referral&utm_campaign=relatedLink

 ロシア人達全員がこの時に近い心理的体験を強いられる時期が近づいている。↓

 「・・・ 昭和20年8月14日、日本政府がポツダム宣言受諾を連合国に通達し、戦争終結に向かっていた日の正午近く、満州国(現・中国東北部)の平原では、凄まじい殺戮(さつりく)が始まっていた。満州国とソビエト連邦との国境近くの草原で、約1200人の人々が戦車の銃砲撃と兵士の機関銃に撃たれ、キャタピラで踏み殺されたのだった。
 老人、女性、子ども主体の集団。執拗な攻撃によって、生き残れたのは400人ほどしかいなかったとみられ、さらに翌年になって帰国できたのは、たったの百数十人に過ぎなかった。正確な犠牲者数は今もって分からない。  集団は、日本人居留民たち。ソ連の対日参戦を知り、葛根廟(かっこんびょう)と呼ばれるラマ教寺院に向け、8月11日から逃避行を続けていた。彼ら彼女らは興安街(こうあんがい。現・内モンゴル自治区ウランホト市)という市街地に住んでいた人々。馬車や自動車はなく、8月の平原の陽ざしに炙られ、渇きに耐えながら歩き続ける人々は疲れ切り、遅れる人も目立ち始め、隊列は蛇行して長くのびていった。そこへ突如としてソ連戦車部隊(14台とも言われる)が現れ、1時間以上に渡って徹底的な攻撃を加えたのだった。これを「葛根廟事件」という。避難民に混じっていた在郷軍人たちが、身辺警護用の小銃などわずかな武器を持っていたために、ソ連軍に敵と見なされ攻撃を受けたとも考えられたが、一見して非戦闘員と分かる民間人の集団を一方的に攻撃した理由は不明。ソ連側の戦史には戦闘の記述は一行もない。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/9a3dcb258c51a0c7d53b9ffc30368f1b16b06942
https://www.heiwakinen.go.jp/library/video-hikiage/
https://bunshun.jp/articles/-/64954?utm_source=news.yahoo.co.jp&utm_medium=referral&utm_campaign=relatedLink
 「・・・戦前、岐阜県の山間地から、旧満州(中国東北部)・陶頼昭に入植した650人の黒川開拓団。終戦直後、現地の住民からの襲撃に遭い、集団自決寸前まで追い込まれた。
 その時、開拓団が頼ったのは、侵攻してきたソビエト兵。彼らに護衛してもらうかわりに、15人の未婚女性がソ連兵らを接待した。・・・」
https://diamond.jp/articles/-/327565?utm_source=daily_dol&utm_medium=email&utm_campaign=2023summer
 「・・・ソ連兵<は、>土足のまま畳に上がり「ダワイ、ダワイ(やれ、早くなどの意味)」と言って小銃を突きつけた。指は引き金にかかっていた。ぶるぶる震えるしかなかった。女学生のお姉さんたちを工場にあったドラム缶に入れると、担いで行ってしまった。しばらくしてお姉さんたちは戻ってきたが、何があったか聞く人は誰もいなかった。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/2d7b2d8873df72516619c0ed1b5b60e4636f1551

 「愚かな指導者たち」じゃあなかったんだよ。↓

 「「愚かな指導者たちが生き残るのに、自分は死ぬ」…残される親や女性を思いながらも、諦めを抱いて突入した特攻隊員・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/3bc1a16a2bb403bd0694d14521ed594326851855

 日本にリーダーシップがないという先入観を日本人達や米国政府が抱いていることを利用して、実は「リーダー」であった杉山元らが両国政府を手玉にとって日米戦争に持ち込んだんだよ。↓

 「・・・リーダーシップがないということは、逆に大失敗するような選択をしないということでもあります。みんなが足をひっぱるから、大それた決定ができない。にもかかわらず、なぜ対米戦のような大それた決定ができたのか、という話になります。だったら決定しなければいい。そして、あまり有利ではない状況で、辛抱強く撤退しながら戦い続ける、それをやれる能力がなかったとは言えない。田中宏巳さんの表現によれば、復員と引き揚げに示された、ねばり強く苦境に立ち向かう精神力、最後に自主自立を達成する忍耐力です。これがあれば、臥薪嘗胆で撤退戦をやり抜くことは可能だったと思います。・・・
 <既に米国は世界覇権国意識を抱いていたってワケ。この意識に付け込み、「戦後」に米国にロシア(ソ連)を抑止させ、ロシアを瓦解させ、その過程で、imperial overstrechでもって米国を世界覇権国から早期にリタイアさせる、というところまで、杉山構想の射程内なのよね。↓>
 日米間の争点は、アメリカ側にあっては、中国の統一と独立という理念であり、具体的な権益などの利害対立ではありません。理念をめぐる対立は妥協を困難にします。ハル・ノートが提示したのは、日露戦争後の日本の大陸コミットメントの全面否定に他なりません。したがって、日本側が太平洋戦争を避けるためには、全面的な屈服しか方途はなかったと考えてよいと思われます。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/6657edffe729c7b42df0eb0fbf2f22bfa92884cb

 日・文カルト問題。↓

 <ガーディアンより。
 中共、アフガニスタンも一応隣国なんだぜ。気楽なもんだよ。↓>
 Waiting to Be Arrested at Night review – the Uyghurs’ fight for survival in a society where repression is routine
 The very fact of being a Uyghur in China turns everyday life into a political act, as this memoir by renowned poet Tahir Hamut Izgil recounts・・・
https://www.theguardian.com/books/2023/aug/14/waiting-to-be-arrested-at-night-tahir-hamut-izgil-review-the-uyghurs-fight-for-survival-in-a-society-where-repression-is-routine
 <ブフッ。↓>
 「韓日米会談が定例化ならクアッド超える協議体に・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/307794
 <文カルト健在。↓>
 「慰安婦被害者法制定から30年 「たたえる日」迎え記念式典=韓国・・・」
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20230814002500882?section=politics/index
「在日韓国大使館にも爆破予告メール 警察が警備強化・・・」
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20230814003100882?section=japan-relationship/index
 <・・・。↓>
 「「韓米、尊重の中で一つの軍団になった」 元米軍将校が記録した光復軍との抗日作戦・・・」
https://www.donga.com/jp/home/article/all/20230815/4358254/1
 <日本は痴漢国、韓国は強姦国。↓>
 「韓国の人気女性DJが日本で公演中にセクハラ被害「いまだに怖い」=韓国ネット「日本は意識の低い国」・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b918856-s39-c30-d0191.html
 <知るか。↓>
 「韓国の対日貿易赤字、2カ月連続で中国を上回る=韓国ネット「日本に尽くして得たものは?」・・・韓国・ノーカットニュース・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b918828-s39-c20-d0191.html

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <次に人民網より。
 周作人はどうなってんの?↓>
 「観光客で賑わう魯迅の故郷 浙江省紹興・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2023/0811/c94638-20057252.html
 <日中交流人士モノ。↓>
 「第1回中日友好交流都市青少年囲碁交歓大会が日本・東京で開幕・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2023/0814/c206603-20058097.html
 <報道価値なし。↓>
 「中日平和友好条約の原則を守り、新しい時代の中日関係構築を・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2023/0814/c94474-20058044.html
 <ここからは、レコードチャイナより。
 「中国大阪総領事、団体旅行解禁で日中交流再開に期待感・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b918831-s25-c100-d0189.html
 <継受しちゃダメよ。↓>
 「・・・日本で進む「公務員離れ」の状況に、中国のネットユーザーは「よし、分かった。日本に公務員試験を受けに行く」「民間企業の給料が良くて福利厚生が充実してることの表れだろうなあ」「1カ月の残業100時間オーバーはクレイジー」「いや、中国の田舎の末端公務員から見れば日本の残業時間など微々たるもの」「日本で公務員の人気がないのは、私服を肥やせないから」「日本人には『人民に奉仕する』という精神がないのかな」「若者が公務員になりたがらない国に希望はない」といった感想を残している。・・・時代週報など複数メディアの中国のSNS・微博アカウント・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b918819-s25-c30-d0193.html
 <もっと、いらはい。↓>
 「日本に旅行したら木村拓哉に偶然会った!―中国人女性・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b918824-s25-c30-d0052.html
 <さあ、どうなるのかねえ。↓>
 「日本の知人の話を聞いて思った……中国は道を間違えているのではないか?・・・中国のSNS・微博(ウェイボー)・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b918821-s25-c20-d0052.html
 <防諜ヒステリーか。↓>
 「台湾メディアの・・・聯合新聞網によると、日本のダイヤモンド・オンラインが、中国本土に親戚がいるかビジネスで中国に行く予定の日本人数人にインタビューしたところ、全員が「ビザ申請手続きが複雑で、申請表に記入すべき情報が多すぎる」と口をそろえた。本人の情報だけでなく、中国側の受け入れ機関と関係者についても詳細な情報の記入が求められるという。
 商用ビザを申請したある人は、申請表に新卒で入社した会社から現職に至るまでのすべての職歴を詳しく書かされた。
 中国出身の妻を持つ別の人は、妻が1980年代後半に日本の国籍を取得したにもかかわらず、原籍を抜く前のパスポートや中国の戸籍謄本の提出など、ほとんど不可能だと思われる要求を突きつけられた。
 90年代から上海で商売を行ってきたある人によると、ビザの手続きは年々厳しくなっている。実体ある会社だということを証明するために、会社の写真や銀行口座、税金の支払い証明、社員の給料支払い履歴など、あらゆる資料を要求されるという。」
https://www.recordchina.co.jp/b918808-s25-c30-d0192.html
 <日本文明をあえて落としてるな。↓>
 「世界の4大古代文明の中で中華文明だけが途絶えなかったわけ・・・中国新聞社・・・
 中華文明は外来文明を大いに取り込んだ。中央アジアの遊牧文明、ペルシャ文明、インドの仏教文明、アラブ文明、ヨーロッパ文明などを自らの中に溶け込ませた。・・・」

https://www.recordchina.co.jp/b918533-s41-c30-d0198.html

<太田>

一 高速ジューサー

 本日、皮つき林檎1個、種無しで皮が食べれる葡萄若干、ポッカレモン100・・酸化による苦み防止目的で使用するみたい・・、を使ったジュースを、買った製品のミキサー機能を使って、2回に分けたが、ジュースを作って飲むことに成功した。

二 サイゼリヤ

 フレーフレー。↓

 「サイゼリヤ「日本は赤字、アジアで稼ぐ」厳しい実情・・・」
https://www.businessinsider.jp/post-272652

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太田述正コラム#13668(2023.8.15)
<森部豊『唐–東ユーラシアの大帝国』を読む(その4)>

→非公開