太田述正コラム#13753(2023.9.27)
<皆さんとディスカッション(続x5667)>

<COvhC44w>(「たった一人の反乱(避難所)」より)

≫ブルームバーグがまとめたデータによると、日本では同期間に人口が2%減少する一方で一人当たりGDPは62%増の472万円(約3万2000ドル)となった。米国の16%増(人口6%増)、カナダの45%増(同12%増)、英国の48%増(同5%増)、ドイツの32%増(同5%増)、フランスの33%増(同3%増)、イタリアの30%増(同1%減)を優に上回った≪(コラム#13751)

 異世界に迷い込んだかと思った。
 日本の一人当たり実質GDPは2013年で4,148,569円、2023年の推計で4,438,695円。
 何がしかの数値を取り違えてる気がする。
https://ecodb.net/country/JP/imf_gdp2.html

⇒それ書いたMatthew Winkleって、a co-founder and former editor-in-chief of Bloomberg News なんだけどね。↓
https://en.wikipedia.org/wiki/Matthew_Winkler_(journalist) 
 いずれにせよ、中共でも、日本経済を見直す動きが見られることは興味深い。↓
 「・・・有名な政治経済問題作家の関不羽氏・・・の記事は、日本の「失われた30年」について、これまで言われていた「常識」を覆したものといえる。
 記事は、「経済発展が停滞していた時期に社会秩序が安定し、国民生活の質が大きく落ち込むことなく維持された」とし、「非常に得難い成果」と評価した。
 その要因として、記事は次の三つの要因を挙げている。
 第一に、しっかりとした経済的基盤だ。「失われた30年」は、金融改革や財政改革が遅々として進まず、政府の刺激策にもかかわらず経済が低迷を続けていたというイメージだが、記事は、「日本経済は1995年まで高い成長率を維持しており、停滞に陥った時も日本のGDPの総量は米国の7割に達しており、経済の量と質も、日本は間違いなく先進国だ」と述べ、日本の経済基盤は「しっかりしていた」と評価した。
 第二に、良好な外部環境だ。記事は、日本が国際社会との協調によって経済発展を図ったことを評価し、「日本は『失われた30年』以前にグローバルシステムへの統合に成功しており、対外交流や国際経済協力の外部環境は良好だった」と述べた。
 日本と国際社会の関わりの中でよく言及されるのは米国との貿易摩擦だ。記事は、「それは拡大することはなく、日米両国は多くの国際問題で緊密な協力を維持してきた」と日米関係の安定が日本経済の発展に大きな役割を果たしたとしており、「プラザ合意が日本を陥れた」という見方にも否定的態度で、日中両国の一部論調にありがちな「米国従属論」とは一線を画している。
 第三に、健全で安定した国内の市場環境だ。記事は、戦後日本の市場環境は「全体的に安定している」と評価し、「政府と企業の高度な相互信頼、安定した政策期待、規範化した法治環境、十全な財産権保護などの基本的配置が完璧だ」として、「それらは経済停滞期に日本企業がさらに悪化することなく生き残ることを保証した」と述べた。
 以上の三つの要因は、「世界でどれだけの国が再現できるだろうか」として、日本特有の優位性として評価している。・・・
 現在は状況が変わり、中国人は突然、日本の「復活」に気づいた。今は「日本にとって、また国運を左右するビッグチャンスが訪れているかもしれない」と言い切る個人メディアもある。
 中国のエコノミスト、何帆氏は7月19日にWeChatに発表した記事で、中国人が米国、欧州経済に注目し、日本にはあまり関心を払わない理由として、「日本は1980年代末から90年代初めにかけてバブル崩壊を引き起こし、その後、失われた10年、20年、30年に入ったため、日本経済はとっくに駄目になったと思われているからだ」と述べた。
 何氏はさらに、状況は常に変化するとして、「タイムスパンが十分に広がると、新たな経済の波が起こる。日本経済は昔とは少し変わってきたようだ」と述べ、日本経済に改めて注目する必要性を説いた。
 中国人が日本経済に注目したのは、中国経済の現状と関わりがある。3年にわたるコロナ禍による経済不振で、今後の中国経済に対する人々の期待は以前ほどではなくなった。また、不動産業の不振や地方財政の悪化、若者の失業問題など課題が多い。日本は「失われた30年」の中で、財政、金融、雇用などの面で課題が多かったが、現在はある程度持ち直したため、日本に学ぼうという空気が出てきたのだろう。
 今年に入ってから、日本企業を訪問した中国企業視察団が非常に多くなっているが、それは「日本に学ぶ」という中国国内の空気をある意味体現している。・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b920915-s187-c20-d1187.html (太田)

<太田>

 安倍問題/防衛費増。↓

 なし。

 ウクライナ問題。↓

 <本人にしゃべらせない奇怪さ。↓>
 「ロシア、黒海艦隊司令官の映像公開 ウクライナは死亡と発表・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2-%E9%BB%92%E6%B5%B7%E8%89%A6%E9%9A%8A%E5%8F%B8%E4%BB%A4%E5%AE%98%E3%81%AE%E6%98%A0%E5%83%8F%E5%85%AC%E9%96%8B-%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%81%AF%E6%AD%BB%E4%BA%A1%E3%81%A8%E7%99%BA%E8%A1%A8/ar-AA1hhJMp?ocid=msedgntp&cvid=1d1c1754bf094782958b9a28a93396f4&ei=39
https://www.bbc.com/news/world-europe-66926400
https://www.nytimes.com/2023/09/26/world/europe/russia-black-sea-commander-death-ukraine.html
 <いずれにせよ、大勢に影響なし。↓>
 「・・・南部ヘルソン州を占拠するロシア軍の臨時司令部を高機動ロケット砲システム「ハイマース」で砲撃し、将校8人が死亡した・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E8%BB%8D%E5%B0%86%E6%A0%A18%E4%BA%BA%E6%AD%BB%E4%BA%A1%E3%81%8B-%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%81%8C%E8%87%A8%E6%99%82%E5%8F%B8%E4%BB%A4%E9%83%A8%E3%82%92%E6%94%BB%E6%92%83/ar-AA1hhaiw?ocid=hpmsn&cvid=2075f17f1f244e68ba2e3d2b20bbf791&ei=16
 <お前はもう死んでいる、ということを自覚できないまま消えてゆくロシア。↓>
 「「ロシア帝国の崩壊」加速化を象徴するアゼルバイジャンの対アルメニア軍事作戦「ナゴルノカラバフ衝突」・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/6c0a72875a989cf8788d93748c42ca02480c3179
 <モンゴルの軛以外は全てウソか方便。↓>
 「・・・ハウスホーファーはソ連の独裁者、スターリンの個人的なアドバイザーであった。1920年代の初期から、なんと当時のソ連の独裁者だったスターリンに、自分の地政学分析の結果を定期的に送っていたのである。 (中略)  これを考えれば、なぜソ連は、冷戦時代にハウスホーファーの理論をそのまま実行に移したようなふるまいをしていたのかが納得できる。 (中略)  そうでなければ冷戦期の「プラハの春」事件や、アフガニスタン侵攻などは本当の動機が全く説明できない。ソ連の掲げていた共産主義の拡大などという理念は、ただの方便にすぎなかったのである。  奥山真司著『地政学―アメリカの世界戦略地図』(五月書房)p50より抜粋・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/e80538a4d746d5c4f9bbd684f4f4242eeedf662b

 それでは、その他の国内記事の紹介です。↓

 AbemaTVで、王座戦第3局をながらたまに観戦中。

 日・文カルト問題。↓

 <文カルト健在。↓>
 「共に民主・李在明代表の逮捕状請求棄却…ソウル中央地裁「証拠隠滅の懸念、断定は困難」・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2023/09/27/2023092780007.html
https://japanese.joins.com/JArticle/309540
 「韓国野党「李代表拘束令状棄却は事必帰正…尹、頭を下げて謝罪を」・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/309554
 <片面的停戦懇願?↓>
 「車いすに乗って出てきた韓国野党代表「もう相手を殺して消す戦争やめよう」・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/309545
 <引き続きの健闘を!↓>
 「韓国野党代表の令状棄却に…検察「裁判所の判断は矛盾、非常に残念」・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/309553
 <ホッ。↓>
 「「北朝鮮へのビラ散布処罰」は違憲…「行き過ぎた表現の自由制限」=韓国・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/309544
 <日本を引き合いに出さない!↓>
 「<杭州アジア競技大会>「韓国水泳、今はアジア2等」…メドレーリレー代表チーム、日本おさえて銀メダル・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/309538
 <日韓交流人士モノ。↓>
 「・・・1992年に・・・在日同胞作家の朴慶南(パク・ギョンナム)さん・・・が出した『ポッカリ月が出ましたら』には当時朝鮮人300人余りを助けた鶴見警察署長の大川常吉(1877~1940)の話が書かれている。朝鮮人が井戸に毒を入れたという怪談に6000人を越える朝鮮人が無惨に殺害された悲劇。・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/309529
 <さして報道価値なし。↓>
 「韓中日首脳会談 「互いに都合の良い最も早い時期」に開催=韓国・・・」
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20230926002600882?section=politics/index

 ロシアと違ってまだ生きてるけど、アングロサクソンよ、さようなら。↓

 「ブレイディみかこ「財政緊縮でボロボロの英国 『行き過ぎた資本主義』が裏目に」・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E3%83%96%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%87%E3%82%A3%E3%81%BF%E3%81%8B%E3%81%93-%E8%B2%A1%E6%94%BF%E7%B7%8A%E7%B8%AE%E3%81%A7%E3%83%9C%E3%83%AD%E3%83%9C%E3%83%AD%E3%81%AE%E8%8B%B1%E5%9B%BD-%E8%A1%8C%E3%81%8D%E9%81%8E%E3%81%8E%E3%81%9F%E8%B3%87%E6%9C%AC%E4%B8%BB%E7%BE%A9-%E3%81%8C%E8%A3%8F%E7%9B%AE%E3%81%AB/ar-AA1hgE3l?ocid=msedgntp&cvid=4b702765eb9d4ec79110a0e17ae4d84a&ei=45#image=1
 「ブレイディみかこ「財政緊縮でボロボロの英国 『行き過ぎた資本主義』が裏目に」・・・
 1.少子高齢化が進行しつつも、未だ人口が増加する米国の人口動態
 2.人口増に追い付かない慢性的な住宅供給不足
 3.投資・投機による価格高騰に起因する住宅弱者の市場からの締め出し
 4.米連邦準備制度理事会(FRB)の過激な利上げにより売り手・買い手ともに身動きのとれない現状・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/money/other/%E6%8A%95%E8%B3%87%E5%AE%B6-%E5%AF%8C%E8%A3%95%E5%B1%A4-frb-%E3%81%AE%E4%B8%89%E9%87%8D%E8%8B%A6-%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%BA%B6%E6%B0%91%E3%81%AE%E5%AE%B6%E3%82%92%E3%81%A9%E3%82%93%E3%81%A9%E3%82%93%E7%8B%AD%E3%81%8F%E3%81%99%E3%82%8B-%E5%BC%B7%E6%AC%B2%E8%B3%87%E6%9C%AC%E4%B8%BB%E7%BE%A9-%E3%81%AE%E3%83%A4%E3%83%90%E3%81%99%E3%81%8E%E3%82%8B%E4%BA%8B%E6%83%85/ar-AA1hfchB?ocid=hpmsn&cvid=c21f9cedd3d24ad8966a1685e446ce0d&ei=13

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <邦語媒体より。
 そんなことにはならんわよ。↓>
 「・・・9月5日付日本経済新聞(電子版)は興味深い分析を行っている。それによれば、今夏に開催された北戴河会議(中国共産党の前・現職指導部が一堂に会する秘密会議)で、習氏は長老から「一般民衆の心が党から離れ、我々の統治が危うくなりかねない」と厳しく批判された。
 これに対し、習氏は別の場で「トウ小平、江沢民、胡錦濤という過去三代が残した問題がすべて自分にのしかかってきている。その処理のため、10年も頑張ってきたが、問題は片付かない。私のせいだけだというのか」と周囲に怒りを爆発させたという。
 「このような状況で、他国の首脳から『中国が世界経済の足を引っ張らないでほしい』と批判される可能性が高いG20サミットに、習氏を出席させることは危険だ」と恐れた側近たちが、李強首相を代理出席させたというわけだ。
 これが事実だとすれば、習氏は近い将来、改革開放路線を転換させるのではないだろうか。習氏が直面する諸問題は改革開放によってもたらされた負の遺産だからだ。
 その予兆はすでにある。日本経済新聞は9月3日、「『中国式鎖国』への備え」と題する論説記事を掲載した。
 中国共産党は「習思想を徹底学習するテーマ教育」を大々的に展開しており、中国の人々は他国とは全く違う世界観の中に封じ込められつつある。
 これにより、国際社会との対話のために必要な最低限のコモンセンス(共通認識)が断たれ、外に開いたように見えるが内実は閉じたかたちの「中国式鎖国」の状態になってしまうという見立てだ。・・・」
https://gendai.media/articles/-/116661
 <次に、人民網より。
 ご勝手に。↓>
 「「中国系企業日本市場金融サービス交流会」が東京で開催・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2023/0926/c94476-20077399.html
 <健闘に敬意。↓>
 「体操女子団体総合で中国が13連覇達成 日本は準優勝 杭州アジア大会・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2023/0926/c94638-20077323.html
 <ここからは、レコードチャイナより。
 習ちゃんが何とかしてくれるさ。↓>
 「・・・著名コラムニストの老徐(ラオシュー)さんは・・・、自身の微博アカウント「老徐時評」を更新し、日本の少子化に関する日本メディアの記事を紹介するとともに「現在の中国の出生状況を見れば、今日の日本は明日の中国になる可能性がある」と評した。
 紹介した記事には、日本で今年18歳になる05年生まれの女性のうち、一生子どもを産まない人の割合が42%に、子どもを作らない男性は5割前後に達し、1970年生まれの女性の27%に比べて2倍近くにまで上昇するとともに、先進国の中でも非常に高い割合になる可能性があることなどが記述されている。
 この件について、中国のネットユーザーは「その『明日』は割とすぐやってくるぞ」「日本は先進国になったが、われわれは豊かになる前に老いてしまうのではないか?」「日本は富裕化した後に高齢化した。わが国が似ているのは、高齢化の部分だけだ」「中国の出生率はすでに日本よりも低くなっているので、もっと大変なことになる」「今の子どもは受験のために1日6時間しか寝られず、大人は長時間労働を強いられ、高齢者は医者にかかるお金すらない。この先人口減少が急激に加速すると思う」「日本を見習ってはいけない。兵役は男の義務、子どもを産むのは女の義務だ」「人が少なくなるのは良いことでは?1人当たりの給料も福利厚生も良くなるし、家の値段だって合理的になる。中国なんて3億人ぐらいいれば十分だと思うが」といった感想
https://www.recordchina.co.jp/b921179-s25-c30-d0193.html
 <反論ももっともだが、引き続きの健闘を!↓>
 「「日本やドイツの爪切りの方が使いやすい」・・・中国発展研究基金会理事長で国務院発展研究センター元副主任の張軍拡(ジャン・ジュンクオ)氏・・・の発言に中国ネットで反論殺到・・・」https://www.recordchina.co.jp/b921185-s25-c30-d0052.html
 <お家芸、まだ安泰。↓>
 「<卓球>杭州アジア大会・女子団体決勝、「中国が日本に勝利」がトレンド1位・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b921231-s25-c50-d0190.html

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太田述正コラム#13754(2023.9.27)
<森安孝夫『シルクロードと唐帝国』を読む(その18)>

→非公開