太田述正コラム#2867(2008.10.23)
<皆さんとディスカッション(続x284)>
<花子>
 コラム#2502「史書と小説」を読みました。
≫ということは、歴史を取り上げることが多い太田述正コラムは、女性に敬遠され続けるのかも・・。≪(コラム#2502。太田)
 それは貴方の高慢と偏見です。
<太田>
 そのコラムの中にも登場するジェーン・オースティンの小説『高慢と偏見(Pride and Prejudice』(1813年)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E6%85%A2%E3%81%A8%E5%81%8F%E8%A6%8B
にひっかけたしゃれたご投稿ですね。
 でも、そうおっしゃるのなら、日本の女性で著名な歴史家を一人でも二人でもあげてみてください。他方、女性で著名な小説家は大勢いますよね。
 ところで、私のコラムに関しては、女性の読者も投稿も少なく、時々ある女性による投稿もこのような俳句的投稿か、さもなくば連歌的投稿(焦点が必ずしも定まらない投稿)が多いのがちょっと残念です。
 とはいえ、適度な長さで起承転結がはっきりして、所要の典拠もついている投稿なんて、男性からの投稿にもそんなにはありません。
 とにかく、女性の読者の皆さん、もっと投稿しましょう!
 
<名無しさん>
 コラム#2420「日本をめぐる話題(その4)」を読みました。
 結果的に科学技術が超大国に利用されてしまった。
 この失敗を二度と繰り返さないという意味で、物理学の先端都市ゲッティンゲンにはヒロシマ広場が作られたのだそうです。
<太田>
 探し回って、ようやくHiroshima Platz 1-4 37073 Gottingen(oにウムラウトがつく)を発見。
http://www.uni-goettingen.de/de/22023.html
 しかし、このPlatzの名前の由来まではつきとめられませんでした。
 後生ですから、こういう投稿には典拠をつけてくださいね。
 さて、ちょっと前(2008.2.20)のブログ記事ですが、「風来山人」さんが次のように書いておられます。
 どう考えたら良いのか?
 ・・・太田述正コラム(#2371)に、つぎのような記事が載っている。
 「日本政府の最近の調査によれば、外国人観光客の日本観光の目的は10人中7人までが食だ。
 ・・・
 <中略>
 ・・・
 これほども日本の料理の質が高いのは、魚文化のせいだという意見がある。
 <後略>」
 一方で、食生活の崩壊とか、日本人の食の堕落が論じられている。僕も書いてきた。
 他方で、世界的に見ても超高級のレストランが東京にはある。
 どちらか一方のみを取り出して、日本の食を論ずることが出来るのか?
 あるいは、東京のようなあり方を、単なる例外と見るか?
 それとも東京のような突出した例を含めた日本の食文化の(あるいは、もっと一般的に、グローバリズムの一側面というような意味合いで)、ある種の「到達点」のようなものを考えられるのか?
http://sanissi.exblog.jp/8275611/
<YY>
 『防衛庁再生宣言』の購入を申し込みます。
 タイトルが「防衛庁」なので、すでに風化しているのではないかと、勝手に思い込み、購入を躊躇っていました。
 今回、『属国の防衛革命』を拝読し、それは(おそらくは)早合点の思い込みだと反省し、購入したいと思います。
 在庫がまだありましたら、よろしくお手配をお願いします。
<太田>
 お申し込みありがとうございます。
 『防衛庁再生宣言』の在庫はもはや私の手元にあるものだけのようです。
 今年中には売り切りたいと思っているのですが、どうなりますか。
 『実名告発 防衛省』についてもよろしく。
 さて、『防衛庁再生宣言』を読んだ方は次の記事をご覧ください。
 防衛省は・・・、背広組と制服組で構成する新たな防衛力整備に関する局を内部部局に設置する方針を固めた。背広組を 中心とする内局の防衛計画課と制服組が中核をなす陸海空各幕僚監部の担当部署を統合する形で、業務を一元化する。各自衛隊の能力を糾合し主要装備の選定に あたるのが狙いで、内局内に自衛官(制服組)が多数を占める局が初めて誕生することになる。・・・自衛官の内局勤務は課長職にはつけないとする任用資格制限などで少数に限られてきたが、今回の改革で制限は廃止される予定・・・
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081023/plc0810230142000-n1.htm
 これは、私が行った提言、「内部部局における文官・自衛官の混成勤務体制を高級幹部クラスを含めて実施する。」(同書65頁)が実現することを意味します。
 また、『属国の防衛革命』を読んだ方は次の記事をご覧ください。
 ・・・Of the 670 million Indians who were eligible to vote in 2004, 58 percent voted in that year’s national election. In the United States, 64 percent of voting-age citizens cast ballots in the 2004 presidential election. But unlike in the United States, in India it is the under-privileged residents of rural areas who turn out in large numbers to vote. In the struggle for basic services, an election is often the only opportunity for the poor to have their say.
 The urban middle class, by contrast, tends to be contemptuous of political culture and prefers to stay out of it.・・・
 In recent decades, the country’s politics have been dominated by questions of religion and caste. Indian democracy has produced many politicians from the lower castes who advocate inclusion for their fellow caste members through quotas and set-asides. The efforts gave rise to campus protests by anti-quota student groups in 2006. The growth of an aggressive brand of Hindu nationalist politics, as well as parties advocating for the rights of religious minorities, has also left a profound imprint on political debate.
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/10/21/AR2008102102556_pf.html
 これは、「相対的多数を占める(田舎の)貧者が支持する政権と相対的少数の(都会の)富者が対立する」、という自由民主主義の典型的な構造的問題が現在のタイと同様(コラム#2863)、独立以来のインドで見られる、ということです。
 すわなち、「インド<では、>大部分の選挙民は、・・・もっぱら宗教やカーストのしがらみで投票すると言われて<いるところ>」(同書108頁)、政府が「現金による所得移転を求める一般大衆の欲求に屈し、灌漑・道路・鉄道・電力といった産業インフラへの投資を怠っ<てき>た」(106頁)結果、「食糧問題だけでなく、教育問題、医療問題など基本的な国民福祉の問題を何一つ解決できていない」(109頁)のですから、この記事が指摘するようにインドの中産階級が政治を嫌悪するのも当然と言えば当然なのです。
 最後に、私の本を離れますが、本日の日経電子版掲載の、食糧自給率の数字のまやかしを指摘し、日本の食糧安保の考え方の見直しを提唱する論説
http://www.nikkei.co.jp/neteye5/imoto/index.html
は秀逸ですね。
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太田述正コラム#2868(2008.10.23)
<フランスの成立(その3)>
→非公開