太田述正コラム#3338(2009.6.16)
<皆さんとディスカッション(続x517)>
<Chase>(http://blogari.zaq.ne.jp/fifa/
 (緊急告!)太田ブログで、日本における目下の最重要論考ともいえるコラム「北朝鮮の「核」をめぐって」が開始された。
 さあ総理大臣から、一般ピーポーまで刮目して読まなければならない連載である。なお、これは非公開であるため、未会員の方は残念ながら読めない。
 公開時には、obsoleteになるので、是非、今読まれることを勧める。
 くれぐれも売文評論家、インチキブロガーのポンコツブログなどに惑わされないように。
 閑話休題。
 太田ブログ<のコラム#3336>
http://blog.ohtan.net/archives/51377873.html
で、拙論をとりあげていただき、その中で、「エージェンシー関係の重層構造」システムが発生する理由を”個々人の目的関数(objective function)とリスク選好(risk preference)のばらつきが、日本人の間では、他国の人々の間ほどはないこと”と氏は説明された。
 経済学好きの私としては、おおっと多少ピーンとくるところがあったが、落ち着いて自分なりに敷衍できるか思考していた矢先、太田ブログを別件でぐぐっていたら、コラム#844
http://blog.ohtan.net/archives/50954989.html
があり、ここにも、エージェンシー(中間組織)のことが書かれていた。その中に、目的関数とリスク選好についての言及があったので、記録のため転載しておく。
(転載開始)
 中間組織を採用するにあたっては、前提条件があります。それは、経済主体と、その経済主体の依頼を受けて財・サービス・ヒト・カネ・情報の調達に当たる中間組織とが、目的意識(objective function)及び価値観(効用関数(utility function)とリスク選好(risk preference)※からなる)を共有していなければならない、という点です。理念型的に申し上げると、米国では、経済主体が中間組織との間で目的意識及び価値観を共有するためのコストが大き過ぎるため、もっぱら組織が採用されるのに対し、日本では、コストが比較的小さいため、(組織が採用される場合もないわけではありませんが、)中間組織が採用される場合が多いのです。
(転載終了)
※「リスク選好」とは、例えば、企業が事業を進めるうえで「どのくらいリスクを許容するか(リスクを取るか)」という範囲のこと。例えば海外市場に進出するリスクについて、A社は積極的に進出していくのに対し、B社は非常に慎重だ、という場合、A社とB社ではリスク選好が異なるという。(
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080824/313315/?P=2
のサイトからコピペ)
 太田氏のいう個々人の目的関数とリスク選好のばらつきの少なさを”ざっくり”(といいつつ詳細にはいえない)発生論的意味を含めて解釈すると、日本社会に生息する紐帯(アノミーが発生していない)感覚の存在がこの経済主体および中間組織をそのように機能せしめているといえるのではないかと思う。
 確かに、私の見聞においても、会社(個社)、関係会社(affiliated:中間組織)、業界団体(中間組織)内における意思疎通の潤滑性は、殺伐とした社会ニュースが溢れる昨今においても、今日もなお不易のごとく存在している(典拠は経験)。
 中枢の権力は以前に比べればはるかに弱った感じがするが、しかしそのまま崩壊する兆しはなく、中間組織を重要な媒介者とした「天皇システム」?(だけではないが)は厳然と存在している。
 <2009年06月12日(金)に私のサイトで>述べた<CO2>中期目標の策定プロセスにおいても、まさに中間組織が大活躍した。経団連は民僚と揶揄されるが、官僚が行うべき仕事を見事!にこなした。排出量取引の試行制度導入時もそうだが、対立云々以前に、官界と経済界は包括的にいえば、国の意思決定プロセスに常日頃よりどっぷり絡み合っている(典拠は無限)。なるほど、日本は役人(そのもの)の数が、極めて少ないという理由も頷けるところだ(猪瀬氏は、虎ノ門をカウントしていないからといっていた覚えがあるが・・・)。
PS
 それにしても、この中間組織といういい方は、エドマンド・バークの保守思想で強調されたあの「中間組織」を連想させる。
 バークのいう中間組織は経済組織というよりも共同体的なものであるが、上記のアナロジーの発想はバークにあるのでは?と思わせる。
 余談だが、中川八洋氏が、バーキアン?になってしまったのは、このあたりの研究に拠るところなのであろうか。
<太田>
 コラム#3336では、「効用関数」のことを書き忘れました。
 過去コラムまで調べていただき、恐縮です。
 それにしても、話題の対象たる論文を一般の読者の方々は読んでいないので、さぞかしイライラされていることと思います。
 著作権の関係や中川八洋との関係もこれあり、簡単にはいかないかもしれないけど、私のホームページに図表入りで転載できないものですかねえ。
<santa>
 Chaseさん、はじめまして。
 若輩者ですが、<コラム#3336を読んで>素朴に疑問に思ったことを書いてみたいと思います。
→Santaさんより、質問をいただきました。どうもありがとうございます。私が答えられる範囲でお答えします。どうぞ宜しくお願いします。(Chase)
≫道義的責任は、簡単に解決はできない。少なくとも朝鮮半島の国民が被った塗炭の苦しみに対しては、機会があるごとに謝罪はするべきである≪(コラム#3336。Chase)
 塗炭の苦しみというあたりが曖昧だと思います。膨大な検証が必要でしょう。
 過去の太田コラムには、日本による朝鮮半島統治は、当時の欧米列強の植民地統治と比較した上で語られるべきという趣旨の内容があったように記憶しています。
→「塗炭の苦しみ」の挙証責任を試みる時間も余裕も能力もありません。今までの見聞き、読書による印象を表現しただけです。「塗炭の苦しみ」はなかったという立論を提出されても結構だと思います。(Chase)
 また朝鮮と合邦した経緯や、当時の日本人が朝鮮人をどのように遇したのか。韓国側はいまだ冷静な議論ができる状態ではないと思います。
→冷静でなくとも、議論はすでに汗牛充棟ではないでしょうか(日韓併合、韓国とかでググッてもあります)。肯定的な言論を弄する人が迫害されたりしていますので。冷静でないからやらないでよいとはいえないと思います。加えて冷静な議論ができる状態になったときも?やらないでよいということではないのでしょうから。(Chase)
 「機会あるごとに」というのも記憶を有しない世代が完全にいなくなったら(そもそもそれをどう確定するのか?)やめてしまっていいのか、そしてやめたことに相手は果たして納得するでしょうか?国家間でそれが通用するものでしょうか。
→確定するとか、納得するとか、通用するとか、ですが、一般的にそうでない、そうならない、そう思われないかもしれないからしなくてもよいということにはならないと思います。当事者のアクションを置き去りにして、客観評価を求めることは避けるべきだと思います。また、世代が代わっていくことの効果は小さくないと思います。(Chase)
 長期に日本を縛ることになるのではないでしょうか? 在日朝鮮人という国内問題を抱え、消化できていない以上、極めて不適切な選択だと思います。それは容易により厄介な中共にも「歴史認識」において口実を与えることにならないでしょうか。
→すでに謝罪はなされていますので、過去にもどってのifの議論でしょうか。全くの謝罪なしで、戦後を経過した場合、今の日韓関係、日中関係がどうなっているかの立論をなされてもよいと思います。「歴史認識」の「口実」はすでに発生しており、そもそもこのリスクは、甘受していかざるをえないものと思います。(Chase)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%88%A6%E4%BA%89%E8%AC%9D%E7%BD%AA%E7%99%BA%E8%A8%80%E4%B8%80%E8%A6%A7
 国家が国家に「謝罪」するという政治行為(外交)については、相手国の性向やタイミング、その効果・影響(周辺諸国を含む)を考えぬいて決定されるべきだと思います。
→それでよいと思います。その都度、考え抜いて決定されているものと思います。(Chase)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%88%A6%E4%BA%89%E8%AC%9D%E7%BD%AA%E7%99%BA%E8%A8%80%E4%B8%80%E8%A6%A7
 私は日本と中韓とは歴史認識が完全に一致するはずがない以上、法的に解決したことについて改めて謝罪する必要は無いと考えています。
→道義的責任は政治的・法的責任のように決着しにくく、感情と関わるがゆえに「機会あるごとに」謝罪しかないと思います。(Chase)
 属国かつ、国内に(母国政府の影響を容易に受ける)外国人を抱える現在の日本。残念ながら属国のままの日本政府には、日本人の意思を代表して「謝罪」する資格が無いと考えます。
→これは、謝罪すべき否かのことでなく別のプロトコール(命題)ととらえます。命題の裏をとると、もし外国人を抱えなくて、属国?ではないとしたら「謝罪」する資格があるということなので、それはそれで結構だと思います。そもそものご提示の命題については、無いことはないと考えます。(Chase) 
 民主党が政権を奪取して「謝罪」が実現したとしても、それは日本人の側に不満が残るものになる可能性が高いと思います。粗雑、拙速な「謝罪」は不要と思います。
→すでに、何度も謝罪しています。(主に中国、韓国)(Chase)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%88%A6%E4%BA%89%E8%AC%9D%E7%BD%AA%E7%99%BA%E8%A8%80%E4%B8%80%E8%A6%A7
→以上です。今後とも宜しくお願いします。 (Chase)
<べじたん>
 –<太田>Wikiの件–
 こんばんは。2ch経由で、<これまでのコラムでは「ΑΦΦΑ」として紹介されてきた者です。>いつも有難うございます。
 ディスカッション#427-#515はチェックしました。チェック分全ては、Wikiには載せていませんが。
http://wiki.livedoor.jp/veg_tan/d/%b0%c2%c1%b4%ca%dd%be%e3
↑このページだけは、それなりの体裁にできたかなー?と思いますが、10点満点中何点でしょうか? ぜひ、辛口採点で、採点して頂ければと思います。拗ねたりしませんからw
 あと、デフォルトのCSSだと、文字が小さくて見難いわ、仕様で付いてくるグーグルの広告の文字が大きいわで、CSSをいじりました。ご覧の方で、もしレイアウトが崩れる人がいましたら、WinかMacか、ブラウザの種類、ディスプレイのサイズを教えていただけたらなあと思います。
 それでは。
PS
<私を>有料会員<にと>の件は、お気遣いなく…Wiki「もどき」が完成するかはお約束できませんので…
<太田>
 「安全保障」の項拝見しました。
 大変結構じゃないでしょうか。
 つくっていただいたコンテンツは、最終的に太田wikiの体裁がどのようなものになるか↓はともかくとして、そのベースとして流用させていただけると思います。
 いずれにせよ、あなたの作業が一応「官制」した時には、名誉有料会員になっていただきたいと思いますので、(既にメルアドは教えていただいていますが、)そのうちお名前も教えてくださいね。
<タテジマ(Keizoo/太田補筆)>
編集制限機能 閲覧制限機能 もあるので、「べじたん」さんが太田wiki用に使ってるライブドアWikiいいですね。
 
問題は、それが潰れたらどうするかということです。
 これは実際あったことですが、Mixiと同じようなSNSでライブドア・フレパってのがあったけど潰れちゃいました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%91
Mixiを選ぶべきだったと思っても後の祭りなので、ライブドアWikiが潰れたときの対策が必要です。
 そこで、Wikiに載せるような内容は、太田述正ホームページ上にまとめて記載した方がいいと思います。
 具体的には、FAQ(Q&A)は、まず、掲示板でスレッドをたてて募集し、その意見を集約してホームページ上にまとめて記載するわけです。
<太田>
 ライブドアWikiと太田HPとが互いにミラーリングする仕組みにするってのはどうですかね。
 いずれにせよ、皆さん、「べじたん」さんが作成中のコンテンツそのものについてを始め、本件にについて、どしどしご意見をお寄せください。
 記事の紹介です。
 昨日、本件で新聞記者の電話取材を受けた時にも言ったことですが、この事件↓が事実だとすれば、厚労省は旧防衛庁よりもひどい、と言わざるをえません。
 明白に違法な口利きないし依頼を受けて、それをやっちゃったわけですからね。
 「実態のない自称・障害者団体「凛(りん)の会」(現・白山会)を郵便割引制度の適用団体と認めた偽の証明書発行をめぐり、厚生労働省局長(当時課長)の村木厚子容疑者(53)らが逮捕された事件で、・・・当時上司の元障害保健福祉部長(退職)・・・の証言によると、元部長は04年2月ごろ、面識のある民主党幹部の国会議員から「障害者団体の認可の件でよろしく頼む」と電話を受け、村木局長らに「議員絡みだからうまく対応してほしい」と伝えたとされる。
 元部長は、有力議員の依頼に応じることで法案がスムーズに成立することに期待した、などと特捜部に説明しているとされるが、一方で「虚偽の証明書が発行されるとは思わなかった」とも話しているとされる。・・・村木局長は元部長から依頼を受けたあと、この国会議員の元私設秘書で凛の会元会長の倉沢邦夫容疑者(73)=虚偽有印公文書作成・同行使の共犯容疑で逮捕=と面会。部下だった企画課係長の上村勉容疑者(39)=同=には、「議員案件」であることから、正規の決裁手続きをしないままでも証明書発行を急ぐよう指示した疑いがある。
 上村係長もその必要を認識したうえで04年6月、偽の証明書を作ったとされる。・・・」
http://www.asahi.com/national/update/0615/OSK200906150146.html
 「・・・再逮捕された<障害保健福祉部企画課>係長は、異動にともなって「凛の会」の案件を引き継いだ際、前任者から「政治絡み」であると伝えられたという。・・・」
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
 「・・・、04年4月に着任した上村容疑者は前任者から凜の会の証明書発行について、「国会議員の紹介がある『議員案件』だが、申請書類が全く提出されておらず、福祉団体としての実体があるかどうか不明」と引き継ぎを受けたという。
 その後、凜の会側は、証明書発行を上村容疑者に催促。「議員案件」だったため、上村容疑者は村木容疑者に指示を仰いだ。その際、会員に障害者がおらず、名簿や約款など申請に必要な書類がなく、実体もないと報告したという。・・・」
http://mainichi.jp/select/today/news/20090616k0000m040152000c.html
 米スレート誌が、日本での草食系男子論議を詳細に紹介し、それに対する読者の議論も掲載しています↓。
http://www.slate.com/id/2220535/
 エアーギターならぬ、エアーセックスの大会があるんですね↓。
 ビデオも見られるけれど、あんまし期待しないでね。
http://www.doublex.com/blog/xxfactor/move-over-air-guitar-bring-air-sex 
<Chase>(http://blogari.zaq.ne.jp/fifa/
 (緊急告!)太田ブログで、日本における目下の最重要論考ともいえるコラム「北朝鮮の「核」をめぐって」が開始された。
 さあ総理大臣から、一般ピーポーまで刮目して読まなければならない連載である。なお、これは非公開であるため、未会員の方は残念ながら読めない。
 公開時には、obsoleteになるので、是非、今読まれることを勧める。
 くれぐれも売文評論家、インチキブロガーのポンコツブログなどに惑わされないように。
 閑話休題。
 太田ブログ<のコラム#3336>
http://blog.ohtan.net/archives/51377873.html
で、拙論をとりあげていただき、その中で、「エージェンシー関係の重層構造」システムが発生する理由を”個々人の目的関数(objective function)とリスク選好(risk preference)のばらつきが、日本人の間では、他国の人々の間ほどはないこと”と氏は説明された。
 経済学好きの私としては、おおっと多少ピーンとくるところがあったが、落ち着いて自分なりに敷衍できるか思考していた矢先、太田ブログを別件でぐぐっていたら、コラム#844
http://blog.ohtan.net/archives/50954989.html
があり、ここにも、エージェンシー(中間組織)のことが書かれていた。その中に、目的関数とリスク選好についての言及があったので、記録のため転載しておく。
(転載開始)
 中間組織を採用するにあたっては、前提条件があります。それは、経済主体と、その経済主体の依頼を受けて財・サービス・ヒト・カネ・情報の調達に当たる中間組織とが、目的意識(objective function)及び価値観(効用関数(utility function)とリスク選好(risk preference)※からなる)を共有していなければならない、という点です。理念型的に申し上げると、米国では、経済主体が中間組織との間で目的意識及び価値観を共有するためのコストが大き過ぎるため、もっぱら組織が採用されるのに対し、日本では、コストが比較的小さいため、(組織が採用される場合もないわけではありませんが、)中間組織が採用される場合が多いのです。
(転載終了)
※「リスク選好」とは、例えば、企業が事業を進めるうえで「どのくらいリスクを許容するか(リスクを取るか)」という範囲のこと。例えば海外市場に進出するリスクについて、A社は積極的に進出していくのに対し、B社は非常に慎重だ、という場合、A社とB社ではリスク選好が異なるという。(
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080824/313315/?P=2
のサイトからコピペ)
 太田氏のいう個々人の目的関数とリスク選好のばらつきの少なさを”ざっくり”(といいつつ詳細にはいえない)発生論的意味を含めて解釈すると、日本社会に生息する紐帯(アノミーが発生していない)感覚の存在がこの経済主体および中間組織をそのように機能せしめているといえるのではないかと思う。
 確かに、私の見聞においても、会社(個社)、関係会社(affiliated:中間組織)、業界団体(中間組織)内における意思疎通の潤滑性は、殺伐とした社会ニュースが溢れる昨今においても、今日もなお不易のごとく存在している(典拠は経験)。
 中枢の権力は以前に比べればはるかに弱った感じがするが、しかしそのまま崩壊する兆しはなく、中間組織を重要な媒介者とした「天皇システム」?(だけではないが)は厳然と存在している。
 <2009年06月12日(金)に私のサイトで>述べた<CO2>中期目標の策定プロセスにおいても、まさに中間組織が大活躍した。経団連は民僚と揶揄されるが、官僚が行うべき仕事を見事!にこなした。排出量取引の試行制度導入時もそうだが、対立云々以前に、官界と経済界は包括的にいえば、国の意思決定プロセスに常日頃よりどっぷり絡み合っている(典拠は無限)。なるほど、日本は役人(そのもの)の数が、極めて少ないという理由も頷けるところだ(猪瀬氏は、虎ノ門をカウントしていないからといっていた覚えがあるが・・・)。
PS
 それにしても、この中間組織といういい方は、エドマンド・バークの保守思想で強調されたあの「中間組織」を連想させる。
 バークのいう中間組織は経済組織というよりも共同体的なものであるが、上記のアナロジーの発想はバークにあるのでは?と思わせる。
 余談だが、中川八洋氏が、バーキアン?になってしまったのは、このあたりの研究に拠るところなのであろうか。
<太田>
 コラム#3336では、「効用関数」のことを書き忘れました。
 過去コラムまで調べていただき、恐縮です。
 それにしても、話題の対象たる論文を一般の読者の方々は読んでいないので、さぞかしイライラされていることと思います。
 著作権の関係や中川八洋との関係もこれあり、簡単にはいかないかもしれないけど、私のホームページに図表入りで転載できないものですかねえ。
<santa>
 Chaseさん、はじめまして。
 若輩者ですが、<コラム#3336を読んで>素朴に疑問に思ったことを書いてみたいと思います。
→Santaさんより、質問をいただきました。どうもありがとうございます。私が答えられる範囲でお答えします。どうぞ宜しくお願いします。(Chase)
≫道義的責任は、簡単に解決はできない。少なくとも朝鮮半島の国民が被った塗炭の苦しみに対しては、機会があるごとに謝罪はするべきである≪(コラム#3336。Chase)
 塗炭の苦しみというあたりが曖昧だと思います。膨大な検証が必要でしょう。
 過去の太田コラムには、日本による朝鮮半島統治は、当時の欧米列強の植民地統治と比較した上で語られるべきという趣旨の内容があったように記憶しています。
→「塗炭の苦しみ」の挙証責任を試みる時間も余裕も能力もありません。今までの見聞き、読書による印象を表現しただけです。「塗炭の苦しみ」はなかったという立論を提出されても結構だと思います。(Chase)
 また朝鮮と合邦した経緯や、当時の日本人が朝鮮人をどのように遇したのか。韓国側はいまだ冷静な議論ができる状態ではないと思います。
→冷静でなくとも、議論はすでに汗牛充棟ではないでしょうか(日韓併合、韓国とかでググッてもあります)。肯定的な言論を弄する人が迫害されたりしていますので。冷静でないからやらないでよいとはいえないと思います。加えて冷静な議論ができる状態になったときも?やらないでよいということではないのでしょうから。(Chase)
 「機会あるごとに」というのも記憶を有しない世代が完全にいなくなったら(そもそもそれをどう確定するのか?)やめてしまっていいのか、そしてやめたことに相手は果たして納得するでしょうか?国家間でそれが通用するものでしょうか。
→確定するとか、納得するとか、通用するとか、ですが、一般的にそうでない、そうならない、そう思われないかもしれないからしなくてもよいということにはならないと思います。当事者のアクションを置き去りにして、客観評価を求めることは避けるべきだと思います。また、世代が代わっていくことの効果は小さくないと思います。(Chase)
 長期に日本を縛ることになるのではないでしょうか? 在日朝鮮人という国内問題を抱え、消化できていない以上、極めて不適切な選択だと思います。それは容易により厄介な中共にも「歴史認識」において口実を与えることにならないでしょうか。
→すでに謝罪はなされていますので、過去にもどってのifの議論でしょうか。全くの謝罪なしで、戦後を経過した場合、今の日韓関係、日中関係がどうなっているかの立論をなされてもよいと思います。「歴史認識」の「口実」はすでに発生しており、そもそもこのリスクは、甘受していかざるをえないものと思います。(Chase)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%88%A6%E4%BA%89%E8%AC%9D%E7%BD%AA%E7%99%BA%E8%A8%80%E4%B8%80%E8%A6%A7
 国家が国家に「謝罪」するという政治行為(外交)については、相手国の性向やタイミング、その効果・影響(周辺諸国を含む)を考えぬいて決定されるべきだと思います。
→それでよいと思います。その都度、考え抜いて決定されているものと思います。(Chase)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%88%A6%E4%BA%89%E8%AC%9D%E7%BD%AA%E7%99%BA%E8%A8%80%E4%B8%80%E8%A6%A7
 私は日本と中韓とは歴史認識が完全に一致するはずがない以上、法的に解決したことについて改めて謝罪する必要は無いと考えています。
→道義的責任は政治的・法的責任のように決着しにくく、感情と関わるがゆえに「機会あるごとに」謝罪しかないと思います。(Chase)
 属国かつ、国内に(母国政府の影響を容易に受ける)外国人を抱える現在の日本。残念ながら属国のままの日本政府には、日本人の意思を代表して「謝罪」する資格が無いと考えます。
→これは、謝罪すべき否かのことでなく別のプロトコール(命題)ととらえます。命題の裏をとると、もし外国人を抱えなくて、属国?ではないとしたら「謝罪」する資格があるということなので、それはそれで結構だと思います。そもそものご提示の命題については、無いことはないと考えます。(Chase) 
 民主党が政権を奪取して「謝罪」が実現したとしても、それは日本人の側に不満が残るものになる可能性が高いと思います。粗雑、拙速な「謝罪」は不要と思います。
→すでに、何度も謝罪しています。(主に中国、韓国)(Chase)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%88%A6%E4%BA%89%E8%AC%9D%E7%BD%AA%E7%99%BA%E8%A8%80%E4%B8%80%E8%A6%A7
→以上です。今後とも宜しくお願いします。 (Chase)
<べじたん>
 –<太田>Wikiの件–
 こんばんは。2ch経由で、<これまでのコラムでは「ΑΦΦΑ」として紹介されてきた者です。>いつも有難うございます。
 ディスカッション#427-#515はチェックしました。チェック分全ては、Wikiには載せていませんが。
http://wiki.livedoor.jp/veg_tan/d/%b0%c2%c1%b4%ca%dd%be%e3
↑このページだけは、それなりの体裁にできたかなー?と思いますが、10点満点中何点でしょうか? ぜひ、辛口採点で、採点して頂ければと思います。拗ねたりしませんからw
 あと、デフォルトのCSSだと、文字が小さくて見難いわ、仕様で付いてくるグーグルの広告の文字が大きいわで、CSSをいじりました。ご覧の方で、もしレイアウトが崩れる人がいましたら、WinかMacか、ブラウザの種類、ディスプレイのサイズを教えていただけたらなあと思います。
 それでは。
PS
<私を>有料会員<にと>の件は、お気遣いなく…Wiki「もどき」が完成するかはお約束できませんので…
<太田>
 「安全保障」の項拝見しました。
 大変結構じゃないでしょうか。
 つくっていただいたコンテンツは、最終的に太田wikiの体裁がどのようなものになるか↓はともかくとして、そのベースとして流用させていただけると思います。
 いずれにせよ、あなたの作業が一応「完成」した時には、名誉有料会員になっていただきたいと思いますので、(既にメルアドは教えていただいていますが、)そのうちお名前も教えてくださいね。
<タテジマ(Keizoo/太田補筆)>
編集制限機能 閲覧制限機能 もあるので、「べじたん」さんが太田wiki用に使ってるライブドアWikiいいですね。
 
問題は、それが潰れたらどうするかということです。
 これは実際あったことですが、Mixiと同じようなSNSでライブドア・フレパってのがあったけど潰れちゃいました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%91
Mixiを選ぶべきだったと思っても後の祭りなので、ライブドアWikiが潰れたときの対策が必要です。
 そこで、Wikiに載せるような内容は、太田述正ホームページ上にまとめて記載した方がいいと思います。
 具体的には、FAQ(Q&A)は、まず、掲示板でスレッドをたてて募集し、その意見を集約してホームページ上にまとめて記載するわけです。
<太田>
 ライブドアWikiと太田HPとが互いにミラーリングする仕組みにするってのはどうですかね。
 いずれにせよ、皆さん、「べじたん」さんが作成中のコンテンツそのものについてを始め、本件にについて、どしどしご意見をお寄せください。
 記事の紹介です。
 昨日、本件で新聞記者の電話取材を受けた時にも言ったことですが、この事件↓が事実だとすれば、厚労省は旧防衛庁よりもひどい、と言わざるをえません。
 明白に違法な口利きないし依頼を受けて、それをやっちゃったわけですからね。
 「実態のない自称・障害者団体「凛(りん)の会」(現・白山会)を郵便割引制度の適用団体と認めた偽の証明書発行をめぐり、厚生労働省局長(当時課長)の村木厚子容疑者(53)らが逮捕された事件で、・・・当時上司の元障害保健福祉部長(退職)・・・の証言によると、元部長は04年2月ごろ、面識のある民主党幹部の国会議員から「障害者団体の認可の件でよろしく頼む」と電話を受け、村木局長らに「議員絡みだからうまく対応してほしい」と伝えたとされる。
 元部長は、有力議員の依頼に応じることで法案がスムーズに成立することに期待した、などと特捜部に説明しているとされるが、一方で「虚偽の証明書が発行されるとは思わなかった」とも話しているとされる。・・・村木局長は元部長から依頼を受けたあと、この国会議員の元私設秘書で凛の会元会長の倉沢邦夫容疑者(73)=虚偽有印公文書作成・同行使の共犯容疑で逮捕=と面会。部下だった企画課係長の上村勉容疑者(39)=同=には、「議員案件」であることから、正規の決裁手続きをしないままでも証明書発行を急ぐよう指示した疑いがある。
 上村係長もその必要を認識したうえで04年6月、偽の証明書を作ったとされる。・・・」
http://www.asahi.com/national/update/0615/OSK200906150146.html
 「・・・再逮捕された<障害保健福祉部企画課>係長は、異動にともなって「凛の会」の案件を引き継いだ際、前任者から「政治絡み」であると伝えられたという。・・・」
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
 「・・・、04年4月に着任した上村容疑者は前任者から凜の会の証明書発行について、「国会議員の紹介がある『議員案件』だが、申請書類が全く提出されておらず、福祉団体としての実体があるかどうか不明」と引き継ぎを受けたという。
 その後、凜の会側は、証明書発行を上村容疑者に催促。「議員案件」だったため、上村容疑者は村木容疑者に指示を仰いだ。その際、会員に障害者がおらず、名簿や約款など申請に必要な書類がなく、実体もないと報告したという。・・・」
http://mainichi.jp/select/today/news/20090616k0000m040152000c.html
 米スレート誌が、日本での草食系男子論議を詳細に紹介し、それに対する読者の議論も掲載しています↓。
http://www.slate.com/id/2220535/
 エアーギターならぬ、エアーセックスの大会があるんですね↓。
 ビデオも見られるけれど、あんまし期待しないでね。
http://www.doublex.com/blog/xxfactor/move-over-air-guitar-bring-air-sex 
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太田述正コラム#3339(2009.6.16)
<北朝鮮の「核」をめぐって(その2)>
→非公開