太田述正コラム#3466(2009.8.17)
<皆さんとディスカッション(続x570)>
<μμΑΑ>(「たった一人の反乱」より)
≫ΑΑΜΜさん、私は、このコラムで累次米国のMBA教育の問題点を指摘してきたところだけど、屋上屋を架してくれて、まっことご苦労さま。 それはともかくとして、こういう議論の仕方をする人こそまさに「日本の短大卒相当」だと言いたくなるんだよね。≪(コラム#3464。太田)
 ん?自分の論点はともかく、ΑΜΑΜ氏は基本的に原文からの反論だけれども、それのどこが「日本の短大卒相当」なのかな?
 スタンフォード大で修士をとった人は原文によらずに議論するのかな?
<太田>
 ≫≪は、単にΑΑΜΜクンへのレスであって、ΑΜΑΜクンへのレスではないよ。
<μμΑΑ>(同上)
≫私が「日本の法学部卒」は「日本の短大卒相当」と言っているのは、いかなる意味なのか、過去コラムにあたって確認することなく、頭に浮かんだことをすぐ文章にして投稿しちゃうんだから・・。  文系・理系とか、高学歴でプライドが高い、とか、全然関係ない話なんだなあ。≪(同上)
 はぁ?自分の述べている理系・文系の違い理論と太田氏の日本の法学部卒=日本の短大卒理論とは全然、別ものですが・・・
 上記の理論は両方とも正しくとも矛盾がありませんよ。何で太田氏は全て自分の理論に絡めてしまわれるのでせうか。
≫(ちなみに、私は日本の法学部は実質理系、米国のビジネススクールも実質理系と考えていることも何度かこのコラムで言ってきたところだ。) ≪(同上)
 
 太田氏がそう考えてるのは勝手ですが、個人的には法学部もビジネススクールも実験で仮説を確認できない以上、根本的な部分で理系とはいえないと思います。
≫キミ、(通常言うところの)理系の学部卒なのか、はたまた院卒なのかどうかは知らないけど、まともに勉強してなかったのかもな≪(同上)
 以上のような太田氏の自分の理論に対する反論の排除の仕方(まともな反論ではなく、「日本の短大卒相当」とか「まともに勉強してなかった」などの罵倒でごまかす)を見ていると太田述正氏は僕の仮説”文系(特に学歴が高くプライドが高いことに比例して)は仮説に過ぎない理論を妄信してしまう危険性が高い”を証明する実験材料として貴重な存在となりそうですw
 妄信してドグマ(教義)化してしまった結果、きちんとした反論や訂正ではなく罵倒が出てくるのですね。
 宗教などの信者によく出てくる症状です。(この場合、信じているものは宗教では無く自身の仮説)
<μΑμΑ>(同上)
 いや文系にも実験あるよね常考。
>”文系(特に学歴が高くプライドが高いことに比例して)は仮説に過ぎない理論を妄信してしまう危険性が高い”
 んー、自らも実験材料にしてみては?
 おーたん、いい加減スルースキルを身に付けなよ。
 バカは相手にしてもらえると尻尾振って「反論」するから時間のムダ。
<太田>
 μμΑΑ、μΑμΑご両名、「罵倒」は止めようね。
<μΑΑμ>(同上)
 <μμΑΑ氏、>太田さんは仮説を立てて考察するのが学問だと言ってる。
on the job training・実学・学問(その2)
http://blog.ohtan.net/archives/50954773.html
 「学問を習得すれば、学問が、現実の観察→理論化→現実の観察(検証)→理論化(理論の発展)→現実の観察・・ということを無限に繰り返していく厳しい営みであることを体得することができます」
 だから、理系か文系かは関係ないということなんだよ。
 で日本の大学はこれをせず、実学を教える場所だから短大卒程度と言ってるわけ。
 シリーズ全部を読んだほうがいい
http://blog.ohtan.net/archives/50954774.html
http://blog.ohtan.net/archives/50954773.html
http://blog.ohtan.net/archives/50954772.html
http://blog.ohtan.net/archives/50954771.html
http://blog.ohtan.net/archives/50954770.html
http://blog.ohtan.net/archives/50954769.html
<ΑμΑμ>(同上)
http://blog.ohtan.net/archives/50954771.html
 「学問、とりわけ文科系の学問は欧米の人文・社会科学の輸入でこと足りる、という観念が確立してしまいました。 その結果として学問の空理空論性が当然視されるようになりました。」
 なるほどね。俺が文科系に対して抱いていた”文系は仮説に過ぎない理論を妄信してしまう危険性が高い”というのは既に太田氏が別の言葉で提議していたわけだ。
 欧米からの輸入理論をありがたがるので実際に厳しい検証をせずにまるっと信じ込んじゃう奴(マルクスとか)が多かったのはこれが原因かあ。
 これは日本の文科系のみの特徴だということだね。いや、恐れ入りました。
<ΑΑμμ>(同上)
 ん?科学者が第二種の誤りを繰り返して税金浪費してることを知らないの?
>”文系は仮説に過ぎない理論を妄信してしまう危険性が高い” これは日本の文科系のみの特徴だということだね。
 「日本の文科系のみ」と決定するには、まず文科系と理科系の定義と、それ以外の「系」がないことを示し、文科系にその特徴が見られ、理科系には見られないということをきちんと証明しないと。
 もちろん外国における日本の文科系にあたる人々にはその特徴が見られないってこともね。
 もちろん実験で確かめないとね!
 あ、そうそう、「仮説に過ぎない理論を妄信してしまう危険性が高い」ってのまさに君にあてはまってるから、君文科系でしょ!?
<太田>
 ΑμΑμクンがμμΑΑクンと同一人物だと思いたいところだが、仮にそうだとしても、恐れ入り方が全然足らないんじゃないかい?
 「これは日本の文科系≪のみ≫の特徴だ」なんて私は一言も言ったことないぜ。
 私の言うところの「短大卒相当」であるかどうかは、典拠(実験、アンケート調査、フィールドワーク、文献等)に基づいてディベートをしたり論文を書いたりする訓練を受ける機会、言い換えれば学問を身につける機会があったかどうか、がメルクマールなんだよ。
 日本の(少なくともしばらく前までの)法学部では、そういう機会を提供していない、というのが私の認識なんだな。
 だから、日本の法学部(だけ)卒は、短大卒相当だって言ってるんだよ。
 ただし、例外的に、世の中にはそういう機会を与えられなくてもディベートをしたり論文を書いたりできる人もいるし、そういう機会を与えられたけどそれができない人もいる。
 私はキミ(=ΑμΑμ/μμΑΑ。以下同じ)が「機会を与えられたけどそれができない人」じゃないか、と疑ってかかってるワケ。
 どうしてかって?
 「文系(特に学歴が高くプライドが高いことに比例して)は仮説に過ぎない理論を妄信してしまう危険性が高い」
なんて思いつきを(当然典拠なしで)キミが書き散らしているからさ。
 むしろ、下掲からも分かるように、その反対だと信じてる人が日本では圧倒的に多そうだぜ。
 
 「・・・「アルカイダ」「オウム」「連合赤軍」<等>について<は>・・・加害者となった青年たちが高学歴であったばかりか、理工系出身者が多かった・・・」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087813118/250-2263867-9986644
 「・・・まじめに受験勉強してきた理科系の人で、文学とか面倒くさい本を読んだことのない人が聖書を読まされて、「これはすごい。これで人生観、世界観が変わる。これほどの体系的で構築性のある価値体系を教えられたことがない。私は自分の生き方を変えていきたい」ということで、原理研究会に入っていく人が多いみたいです。・・・」
http://www.genshu.gr.jp/DPJ/syoho/syoho27/s27_160.htm
 キミは、日本での「通説」が間違ってるって主張してることになるだけに、どうしたって典拠が必要なのに、典拠ゼロだもんな。勘弁してけれー!
 ここで、文系と理系の定義についてだけど、私は以前(コラム#2503で)、
 「<数学が不得意な>私は自分自身が、科目が文系であるか理系であるかを判別するリトマス試験紙であると自負(?!)しています。 人間や人間社会に係る具体的な事柄からのアナロジーで理解、習得できる科目は文系であり、そうでない科目、このような意味で抽象度の高い科目は理系なのではないでしょうか」
と申し上げたことがあるけど覚えてるかな?
 一般に、数学の得意な人は理系向きである、と言われていて、実際、数学の得意な人は、世間的に言うところの理系学部(理学部・工学部・医学部等)に入ることが多いってのはご承知のとおりだ。
 しかし、理系学部はそれ以外にもある、と私は言っているわけだ。
 世間的に言うところの理系学部入学者ないし卒業者のうち成績の良い人が一流の経済/経営学部や法学部に転入/入学したり、公認会計士試験や司法試験に合格したりする例はいくらでもあるけれど、世間的に言うところの文系学部入学者ないし卒業者のうち成績の良い人でも一流の理系学部に転入/入学することは容易ではないってのがその傍証だ。
 こういうところから、私は、経済/経営学部や法学部も実質的には理系学部であって、実質的な文系学部は文学部と芸術学部くらいだ、と主張してるんだよ。
 さて、上の方で私が言及した日本での「通説」が仮に正しいとして、一体全体どうして「理系(特に学歴が高くプライドが高いことに比例して)は仮説に過ぎない理論を妄信してしまう危険性が高い」のだろうか?
 それは、公理を所与のものとするところの数学がなまじできるだけに、公理から出発して厳密な論理で展開されている理論(宗教やイデオロギー)に遭遇すると、その理論における公理そのものを疑うことをせず、その理論の美しさに惹かれ、それをあたかも数学における定理のように信じ込んでしまうことがあるからだ、と私は考えてるんよ。
 言うまでもなく、こういう連中は、学問を身につけていないのであって、私の言う「短大卒相当」なんだわさ。
 実質的な文系理系学部と世間的に言うところの文系理系学部が一致していないのはどうしてか、あるいは、ちょっとマニアックだけど、建築学科は文系か理系か、といったことも説明したいところだけど、既に長くなりすぎたのでこれくらいにしておこう。
 それでは、記事の紹介です。
 日本政府は、自衛隊による支援を申し出たって聞かないねえ。↓
 「台湾南部の台風8号による大雨被害をめぐり、米軍が16日、人道支援のため台湾入りし、活動を始めた。沖縄の米軍基地からC130輸送機が台南の空軍基地に到着した。掘削機など重機を運ぶことが可能な・・・CH53輸送ヘリ・・・も、17日にも到着する見通し。同機も沖縄から派遣される可能性が高い。・・・
 人道支援目的ながらも1979年の米台断交後、米軍機が台湾に上陸したのは初めて。・・・
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009081601000283.html
 夫婦は似た者同士、という原則の例外の二つ目・・「金遣いが荒い」と「ケチ」の組み合わせが多い・・を発見!
 だけど、☆と★の説明は、相矛盾してるよね。↓
 記者もデスクも、この記事きちんと読み返してなかったんだろうな。
 ・・・Despite the old saying “opposites attract,” scholars have found that in almost every way imaginable, people tend to choose mates who look, sound and act as they do.
 But in the area perhaps most fraught with potential conflict — money — somehow, some way, people gravitate toward their polar opposite, a new study says.
 “Spendthrifts” and “tightwads” (which, as it turns out, are actual academic terms) tend to marry the other. Unfortunately, these dichotomized duos report unhappier marriages than people with more similar attitudes toward spending.・・・
 The major previously identified exception to・・・“opposites attract,”・・・rule is on dominant and submissive personalities, traits for which opposites do tend to attract.
 ☆Why do people seek out their opposites in spending attitudes? Most likely, what we hate in ourselves, we also hate in other people. And the more we hate that quality in ourselves, the more we avoid it, the study suggested.・・・
 ★Perhaps this disconnect between the qualities people say they want and the spouses they actually choose happens because people don’t talk about money,・・・
http://www.nytimes.com/2009/08/16/weekinreview/16rampell.html?pagewanted=print 
 日本の経済に回復基調が出てきたことを、英米の主要メディアはいずれも大きく報道しています。
 ニューヨークタイムスの記事の抜粋↓をどうぞ。
 ・・・Japan’s economy rebounded in the latest quarter for the first time in a year, signaling the possible end of the country’s deepest recession since World War II and brightening prospects for a widespread global recovery.・・・
 ・・・a turnaround in exports and a vast fiscal stimulus program helped produce a modest 0.9 percent economic expansion in the three months that ended June 30, government figures showed on Monday, equivalent to annualized growth of 3.7 percent.・・・
 A 1.2 percent growth in public demand helped offset a 1.3 percent fall in demand from the private sector, the data showed. Overall domestic demand fell 0.7 percent from the previous quarter.・・・
 Exports grew 6.3 percent from the previous quarter, while imports fell 5.1 percent. ・・・
 Despite this quarter’s growth, the bank predicts that Japan’s economy will contract 3.4 percent in the year to March 2010.
The latest uptick is unlikely to enhance the standing of Mr. Aso’s Liberal Democratic Party ahead of national elections this month・・・
http://www.nytimes.com/2009/08/17/business/global/17econ.html?ref=world&pagewanted=print
—————————————————————————
太田述正コラム#3467(2009.8.17)
<イギリス反逆史(その2)>
→非公開