太田述正コラム#3546(2009.9.26)
<皆さんとディスカッション(続x609)>
<αραρ>(「たった一人の反乱」より)
≫日本のTVのニュースを見た人、英米の主要メディアじゃ鳩山演説なんて鼻も引っかけられてないからご注意≪(コラム#3540。太田)
 一方、↓では青山さんが
http://www.youtube.com/watch?v=JpPjuOk5Ymc&feature=related
「イギリスやアメリカのメディアに物凄く出ましたからね」(1:08~1:14)
 どっちが正しいの?
<太田>
 そりゃ、秦郁彦(1932年~)と福田定一(司馬遼太郎)(1923~96年)の戦前史のどっちが正しいのって聞くようなもんだぜ。
 鳩山演説の後の米英の主要メディアの記事の中で、この演説を高く評価してるもの(国連事務総長演説を除く)があるかないか、が決め手なんで、誰でも検証できるよ。
 キミ、英語できるのなら、自分で調べてみたら?
<ααρρ>(同上)
 亀井徳政令銀行株続落
http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/60550132.html
 NY市場でドル/円が7カ月超ぶり安値、藤井財務相の発言が要因
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090926-00000627-reu-bus_all
 選挙後の各国株価推移の比較 @8月28日~9月16日まで
http://blog.livedoor.jp/kawase_oh/archives/51567540.html
米国: +3.87%
英国: +4.38%
ドイツ: +3.32%
フランス: +3.27%
豪州: +3.49%
中国: +4.86%
インド: +4.74%
韓国: +4.69%
日本: -3.91%     ←
<太田>
 藤井発言の話を挿入した点は早とちり
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-11545820090917?rpc=122
だが、亀井のスタンスに疑問符をつけるのは正解。
<Chase>(2009.9.25/26)http://blogari.zaq.ne.jp/fifa/
 –太田述正の思想#6[修正](図解:日本の軍隊は世界の非常識–
 MSさんにご指摘いただいた軍隊の図解について、修正案をUPする。表もつけてみる。
 MSさんがいわれるように表であるとシンプルになりすっきりする。
 しかし、ネガティブリストとは補集合そのものであるので、図で表現するのも捨てがたい。色塗りは昨日と反対にした。
 なお、ブログの標題であるが、氏をつけると語呂が悪いので、インパクトをつけるために氏をとらせていただく。
→図は、http://blogari.zaq.ne.jp/fifa/
 –太田述正の思想#7(図解:吉田ドクトリンの起源)–
 MSさんの小冊子の冒頭の章は、吉田ドクトリンに関する内容である。
 本件は、「防衛庁再生宣言」にも所収されているが、太田言説の最重要テーマであるので、繰り返し国民に啓蒙していく必要である。
 私も吉田ドクトリンという表現は昔から聞いていたが、日本の桎梏に成り果てているとまで全く思いが至らなかった。
 吉田ドクトリンがガン細胞のように日本国に転移していったことを効果的に表現していく必要がある(メモ)。
 今回の図はとりあえず起源に関わるものである。
→図は、http://blogari.zaq.ne.jp/fifa/
<べじたん>
≫私としましては、(以下、僭越ですが、)これまでの太田さんの本が、かなり問題意識の高い人にしかその価値は読み取れないと思っておりまして、もっと、一般レベルで少し国際問題にも興味がある人にも(レベルを下げることなく)わかりやすく読めるようなものにすべきだと考えています。≪(コラム#3542。Chase)
 20~30代の若者の国防の意識は、上の世代と比較して、また、自衛隊の目的・・災害派遣・・と比較して、相対的に低い傾向が見られますので、
http://image01.wiki.livedoor.jp/v/n/veg_tan/e70039604abd027d.gif
将来、投票権を得る中高生が読める本が出版されるといいですね。
 男性は年齢を重ねるとともに国防の意識が高まる一方、女性は中高生時代の考え方のままでいる、ような気がしたので↓、
http://image02.wiki.livedoor.jp/v/n/veg_tan/d0fd6bd1d8e33615.gif
データで示せるかと思ったのですが、できませんでした。(ホントは、男女別でこのグラフ化をしたかったのです↓)
http://image01.wiki.livedoor.jp/v/n/veg_tan/8fb1c749ff3e302d.gif
 論評は難しいですが、ソースやデータを探すくらいでしたら、お力になれると思います。
<太田>
 べじたんさん、よろしくお願いします。
 Chaseさんの、私の次著のイメージは、「図解+わかりやすく読めるような文章」なんですね。
 これは大変な作業になりますよ。
 とりあえずは、「図解+太田コラムからの切り貼り」を目指されたらいかがですか?
<べじたん>
1.強い忌避感情について
≫「日本人が軍事に対して、関心を持っているし、かつ、忌避感情もない」ことを示していることを、もう少し具体的にご説明願えないでしょうか?≪(#コラム3540。MS)
≫申し訳ないですが、若干、質問と答えがかみ合っていないと思います。≪(#コラム3542。MS)
 「軍事に対する無関心【34.4%】ないしは強い忌避感情(=自衛隊廃止)【1.2%=(64.7%×0.6%)+(34.4%×2.4%)】」
http://www8.cao.go.jp/survey/h20/h20-bouei/2-1.html
と理解したのですが、<MSさんのおっしゃる>「強い忌避感情」<を「自衛隊廃止」と受け止めたの>が<私の>誤読であると分かりましたので、お答えしなくてよいと思ったのです。
2.無関心について
≫そもそも私の序文に関して誤解があるようです。 私は、日本人の大半が「軍事に無関心」だといっているわけではなくて、少し条件をゆるくして、日本人の大半が「軍事に関して無関心、”もしくは”、強い忌避感情がある」と言っているわけです。≪(#コラム3542。MS)
 「~はAorBだ」=「MSさんはどちらかというとAを重視している」と読みました。
 私は「今日の多くの日本人は決して軍事に対して無関心であるつもりはさらさらないが、安全保障の観点から投票するなんて、考えてみたことがない」と想像しています(ソースはありませんが)。
 普通、優先順位として、自分>他の日本人>他国の人、ですから。
 で、世論調査をもとに国際比較・・ソースは米国だけですが・・をすれば、日本が異様な国であること浮きぼりにでき、喚起できるかと思いました。
 ネタ元は、「グローバルスタンダードにおいては、安全保障が政治、就中中央レベルの政治における中心的課題だ(#3492)」です。
 国際比較の上、安全保障の観点から投票する必要性を訴えれば、本丸の軍事的安全保障・・軍事の放擲・・の観点からも投票するようになることが期待できるのでは?と思い、次回出版作ということで、今後の加筆分に提案させて頂きました。
 でも、世論調査を提示したくらいで、投票行動が変わることを期待するのはオメデタイ発想ですね。
 中央政治には、本当の中央政治をやってもらうべく、地方分権を訴えるべきでしょうか。
 で、各国の中央政治と地方政治では何をしているかの国際比較を学者がネットで公開していないか調べてみたのですが、見つかりませんでした。
 道州制推進論者の江口克彦さん
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9F%E5%8F%A3%E5%85%8B%E5%BD%A6
の改革案↓は見つかりましたが。
 「国、道州、基礎自治体の役割の明確化(例)
* 国の役割・・・外交、防衛、安全保障、危機管理、年金や医療保険などの国民基盤サービス、通貨、金融システムなどのルール設定と監視など
* 道州の役割・・・河川、道路、橋、通信基盤、空港整備・維持、生活環境整備、旧国有林野事業、公害対策、災害復旧、危機管理、能力開発、職業安定、雇用対策など
* 基礎自治体・・・生活保護、社会福祉、児童福祉、老人福祉、保育所、幼稚園、消防、救急、生活廃棄物収集・処理、医療、保健所、小中高学校、図書館、公園、都市計画、街路、住宅、下水道、公害対策、戸籍、住民基本台帳など」
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/doushuu/dai10/tiiki.pdf
 太田さんは、地方行政/地方分権の専門家じゃないから書いてないと思いましたが、念のためサイト内検索したら、
 「その上で、「民主党が政権をとれば、新旧権益擁護集団の交替が促進される」し、「民主党は・・・抜本的な地方分権の推進を謳っており、これが実現すれば、中央の政治においてはおのずから外交・安全保障問題がクローズアップされてくるはずだから」政権交代を実現すべきだ、と結んだところです。(#846)」
と、論考済みでした(笑)
3.吉田ドクトリンの信奉者数
≫前回の書き込みの繰り返しになりますが、お示しいただいたデータに基づいて、軍事の放擲を最大の争点にすべきだと考えている日本人が1.5%程度未満だと見積もると、軍事に関心のあると言っているほとんどの日本人(全体の63.5%以上)が「吉田ドクトリンの信奉者」にあてはまるかと思います。≪(コラム#3542。MS)
 下記の「(I-ア) 77.3%」が「吉田ドクトリンの信奉者」に相当しそうですが、「(II-3)43.8%」が「吉田ドクトリンの信奉者」とも言えそうで、「吉田ドクトリンの信奉者」の実数はつかみかねています。
 アバウト過ぎますが、43.8%~77.3%でしょうか。
 集団的自衛権を認めたい人は吉田ドクトリンの信奉者ではない、と思いたいのですが、(I)の選択肢に「日米相互防衛条約で日本の安全を守る(もちろん集団的自衛権を認める)」という選択肢があった場合、どういう結果になるか、見当がつきません。
 (I) :「Q14〔回答票16〕 では,あなたは日本の安全を守るためにはどのような方法をとるべきだと思いますか。この中から1つだけお答えください。
(77.3)(ア)現状どおり日米の安全保障体制と自衛隊で日本の安全を守る
( 9.9)(イ)日米安全保障条約をやめて,自衛隊だけで日本の安全を守る
( 4.2)(ウ)日米安全保障条約をやめて,自衛隊も縮小または廃止する
( 1.4)   その他
( 7.2)   わからない」
http://www8.cao.go.jp/survey/h20/h20-bouei/3.html
 (II) :「▼2009年3月調査結果
  答え 1.憲法を改正して、集団的自衛権を使えるようにする 24.3%
     2.憲法の解釈を変更して、集団的自衛権を使えるようにする 24.5%
     3.これまで通り、使えなくてよい             43.8%
     4.その他 0.5%
     5.無回答 7.0%」
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe6100/koumoku/20090403.htm
4.最後に
 こんな議論になるとは思っていなかったので、データ提供くらいの軽い気持ちだったのですが、最初から私がキチンと書けばよかったですね。
 発散することなく収束できたかと思いますので、これで締めにできればと思います。
<太田>
 それでは、週末恒例の一人題名のない音楽会です。
 「戦争と悲恋」特集と行きましょう。
1 第二次世界大戦
 ご存じ「ひまわり(Girasoli=sunflower)」(ヴィットリオ・デ・シーカ(Vittorio De Sica)監督)です。
 そのテーマ(ヘンリー・マンシーニ(Henry Mancini)作曲)は映画音楽の最高傑作の一つです。
 ヘンリー・マンシーニ楽団による演奏↓
http://jp.youtube.com/watch?v=16XHfWQ0z9U&feature=related
 日本人は特にこの曲が大好きなようですね。
 前に(コラム#3462で)ご紹介した、寺井尚子(コラム#3462、3464)(バイオリン演奏)等によるジャズ風アレンジです。↓
http://www.youtube.com/watch?v=Mj1BaaXluMI&feature=related
 福田Shinichi によるギター演奏です。編曲は江都賢一だとアップした人、横文字で書かなくっちゃ。↓
http://www.youtube.com/watch?v=eKFmMyWuR5U&feature=related
 アマチュアによるクロマチック・ハーモニカ演奏です。↓
http://www.youtube.com/watch?v=7HK6vXp0N2w&feature=related
 (もちろん)アマチュアによる草笛「演奏」です。↓
http://www.youtube.com/watch?v=XZzRTe5gtWA&feature=related
2 アルジェリア戦争
 これも知らない人がいないのが映画「シェルブールの雨傘(Les parapluies de Cherburg)」です。
 このミュージカル仕立ての映画の音楽(ミシェル・ルグラン作曲、ジャック・ドゥミ(Jacques Demy)作詞(兼この映画の監督))も手放しですばらしい。
 お時間があれば、まずは、ざっとこの映画を振り返ってご覧になってください。
オープニング↓
http://www.youtube.com/watch?v=3JS4JMY0JWM&feature=related
途中経過↓
http://www.youtube.com/watch?v=Vuq62H25qis&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=Yj6hI5g15aQ&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=KIu8RsMFYXI&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=Zs1NmsA-n-Y&feature=related
エンディング↓
http://www.youtube.com/watch?v=7ObVG9o2xWI&feature=related
 作曲者のミシェル・ルグランと女性歌手とのかけあい歌唱を前にご紹介しました(コラム#2734)が、彼のもう少し若い頃のかけあい歌唱がこれです。相手は彼の妹のクリスティアンヌ(Christiane)・ルグランです。↓
http://www.youtube.com/watch?v=gqOxh3Jn9qI&feature=related
 この曲は、本来男や女の歌手が単独で歌っちゃおかしいわけですが、ユーチューブにアップされているのは単独歌唱がほとんどです。
 もともとのフランス語によるものの代表格です。歌唱はナナ・ムスクリ(Nana Mouskouri)。↓(歌詞付き)
http://www.youtube.com/watch?v=67V913VyGo8&feature=fvw
 日本語によるこの曲の単独歌唱の代表格は、岩崎宏美によるものです。↓
 お見事。しかし、酷なようですが、(客観的描写をしているような日本語訳詞のせいもあるのでしょうが、)私には、彼女のような「きれいな」歌い方ではイマイチ感情移入ができません。
http://jp.youtube.com/watch?v=FxYes_0VT6Q&feature=related
 
 (大変できのよい日本語によるかけあい歌唱・・時間的にほんのちょっと・・もよろしければどうぞ。1:13~3:15↓)
http://www.youtube.com/watch?v=B_80RJBvBZY&feature=related
 英語での歌唱、日本人も結構チャレンジしてますが、英語がどうしても不自然で気になってしまうのでここでは紹介しません。(白鳥英美子、鈴木重子)
 ユーチューブにアップされたこの曲の単独歌唱中、英語による歌唱の最高峰、というより全言語を通じての最高峰の歌唱が次の甲乙付けがたい二つ↓だと思います。
 コニー・フランシス(Connie Francis)
http://www.youtube.com/watch?v=3wB9llxWK8A&feature=related
 ライザ・ミネリ(Liza Minnelli)
http://www.youtube.com/watch?v=2tedB7xZB2M&feature=related
 最後に、器楽による演奏です。
 貴重な、羽田健太郎(故人)と Michel Legrandによるピアノのジャズ風連弾です。↓
http://www.youtube.com/watch?v=HkChxPhYBK8&feature=related
 前に(コラム#3360で)ご紹介した、Katica Illenyiによるバイオリン演奏です。↓
http://www.youtube.com/watch?v=glt58kIGNXg&feature=related
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 記事の紹介です。
 イランの秘密ウラン濃縮工場の話は、本日の非公開コラムに譲ります。
 オバマはブラウンを袖になんかしてないよ、とホワイトハウスのスポークスマンが語りました。↓
 その通りだと私も思うけど、ガーディアンまで「ロンドンのタブロイド紙」の仲間入り↓とはいかがなものか。
 For the record, no, the White House was not snubbing Prime Minister Gordon Brown of Britain. Such a thought is “silly and absurd,” the White House spokesman, Robert Gibbs, said Thursday.
 The United States still has a special relationship with Britain, he said. The only reason the White House turned down five requests from the British for a meeting between President Obama and Mr. Brown this week is that they talk all the time, he said.
“Stop reading those London tabloids,” Mr. Gibbs said, swatting down the fuming by the British news media that the prime minister was being disrespected by the Obama administration.
http://www.nytimes.com/2009/09/25/world/europe/25brown.html?ref=world&pagewanted=print
 米国の南北戦争の時の生々しい話が出ていました。↓
 ・・・the poor Southerners resented the law passed by the Confederate Congress in October 1862 that exempted from the draft one able-bodied white man on every plantation with 20 or more slaves.・・・
 That as many as one-third of white Southerners opposed the Confederacy has been well known to historians of the Civil War for at least half a century. ・・・
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/09/11/AR2009091101830_pf.html
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太田述正コラム#3547(2009.9.26)
<イランの秘密ウラン濃縮施設>
→非公開