太田述正コラム#3991(2010.5.6)
<皆さんとディスカッション(続x825)>
<太田>
 コラム#3989で、弥生モードにつけた数字(マーク…)、一つずつ減らしてください。 ホンチャンの縄文、弥生時代の後から、縄文モードとか弥生モードが始まりますので・・。(ブログは直してあります。)
<Chase>
 ・・・次著の目次案の修正版を送付します。・・・
 各章の各項に一応番号を振りました。
 項目立てにすべきかどうか現時点では保留と(勝手に判断)した項目は、(  )表記にしています。
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前書き・・米国の属国日本*
1.米国論
1.1 米国的キリスト教原理主義(旧約・モーゼ)
1.2 米国流人種主義的帝国主義
  (19世紀末から、アテネ的/非実利的な新たなフェーズへ)
1.3 米国の国是たる「市場原理主義」
1.4 米国はできそこないのアングロサクソン
  (アングロサクソンと欧州文明の違い)
  (世界覇権国家になりえた理由)
2.戦前日本論・・ロシアの脅威をめぐって・・*
 2.1 出発点としての横井小楠コンセンサス 
 2.2 日本流帝国主義のイデオローグたる福澤諭吉
   (安全保障目的による殖産興業/自由民主主義の普及)
2.3 戦前日本民主主義論
   (大政翼賛選挙無効判決)
(東條首相の国会答弁低姿勢ぶりの話)
3.日米のアジア進出
 3.1 日本の台湾/朝鮮半島領有と米国のフィリピン領有
   (日米両帝国主義への評価を含む)
 3.2 日米の勢力圏の取り決め
 
4.ロシアへの日米共同対処
 4.1 日露戦争
 4.2シベリア出兵※
 4.3 ロシアの勢力圏拡大の阻止(成功した周辺地域の植民地化)
4.4 共産主義の衣を纏うロシア
 
5.日米の支那への介入と世界大恐慌
 5.1 日本の支那への介入(21箇条要求)
 5.2 米国の支那への介入(日英同盟解消・マクマレーが批判した米国の不作為)
 5.3 米国発の世界大恐慌
6.日本の緊急避難的対応
 6.1 高橋財政による景気刺激・兼軍備増強
 6.2 日本型経済体制の構築
  (経済高度成長を実現した日本型経済体制*)
  (超先進的な大政翼賛会*)
  (アキレス腱の軍事システム*)
 6.3 対支戦争
  (中国国民党論*)
  (中国共産党論*)
 6.4 ファシズム(国民党)/自由民主主義(日本+親日派)/共産主義(共産党)の三つどもえの内戦※
  (米国の逸脱行動)
 6.5 単独での対露戦争※(ノモンハン事件等・終戦直前)
7.愚行としての日米戦争
 7.1 米国による人種主義的対日戦争※
 7.2 ジェノサイドとしての原爆投下
8.米国単独での対露戦争
 8.1 本来必要がなかった対露熱戦(米国の逸脱行動の遺産)
  (朝鮮戦争)
  (ベトナム戦争)
 8.2 傍観する日本
  (吉田ドクトリン(米国は日本の「独立」を求め始めた))
  (付論:フィリピンからの米軍追い出し)
(集団的自衛権行使の禁止というエゴイズムと退廃・腐敗)
 8.3 属国日本の米国による経済的・軍事的「収奪」
9.日米によるアジア人「虐殺」比較*
 9.1 第二次日支戦争における日本軍によるもの*
 9.2 19世紀末から20世紀中頃に至る米国によるもの*
  (米国によるアジア人虐殺*)
  (毛沢東による支那国民虐殺も米国に責任*)
9.3 日米植民地統治比較
10.その後
10.1 ロシアの「脅威」の消滅*
 (ロシア圏からの支那の離脱)
 (ロシア圏崩壊に伴うロシアの脅威の消滅)
 (支那の大変容)
 (傍観を続ける日本(米国は日本の「独立」を求め続ける))
 10.2 対テロ戦争に引きずり込まれた米国
  (中東イスラム諸国の米国への憎悪*)
  (もう少しでファシスト国家になるところだった米国*)
 10.3 日米それぞれにおける政権交代
  (オバマ政権の誕生)
  (鳩山政権の誕生)
  (東アジア共同体で戦前のアジア進出)
後書き・・日本の「独立」を!*
 (アングロサクソン諸国と、米国を善導(harness)しつつ、EUも活用して、世界の安定と繁栄を確保する)
※(  )の表記は、項目立てするか要検討
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<太田>
 *は、該当コラムがないってことだったですよね。
 ウーン、ちょっとやそっとじゃ埋められそうもないなあ。
 昨日ウン年ぶりに日本の書店に立ち寄ったところ、東大農学博士で愛知大学経済学部教授の守久男著の『日本陸軍と内蒙工作』(講談社選書メチエ 2009年6月)という本に気付き、買って帰り、読み始めました。
 典拠は邦語中心で漢語のものがちょっと。英語のもロシア語のもゼロ。
 マルクス主義的史観から完全に解放されている点等前進も見られますが、典拠を見る限り、まだまだだなあという印象です。
 この本をネタに近々コラムを書くつもりですが、これで上記第6章の材料が更に増えることになるけど、その中のどの節にもうまく収まりそうもありませんね。
 どこかで、作業を中締めしなければならないので、Chaseさんが、その時点で揃っているコラムをもとに、次著の構成に大幅に手を入れる羽目になりそうな予感が・・。
 何とも無責任な筆者であいスミマセン。
<kt2>
 –<コラム#3989への>蛇足–
 ”Top scientists in immunology by total citations”
 (論文引用数に基づく免疫学のトップ科学者ら)
http://www.timeshighereducation.co.uk/story.asp?sectioncode=26&storycode=405380
 トップ20名の内、日本人が約半数を占めている。
 免疫学の分野では、利根川進さんがすでにノーベル賞を受賞しているが、彼の研究は MITで行われたものであり、日本での研究ではない。
 今度こそ、日本での研究がノーベル賞になって、医学への応用研究も日本で行われることを期待したい。
<KM>
 本日先程・・・会費を振り込ませて頂きました。
 現在は毎日2本のコラムを拝読するだけでそれ以上のことは出来ない状況ですが、身近にいる友人、知人等を啓蒙するためにも何より自分の勉強のためにも出来るだけ理解に努めるようにしております。
 これからの一層のご活躍を期待しております。
<太田>
 こちらこそ、よろしくお願いします。
 それでは、記事の紹介です。
 日本のメディア、現在の韓国人の対日意識についてこういう記事を米国のメディアに書かれちゃおしまいよ。↓
 ・・・At a deeper level, the South Koreans also expressed a desire that Japan live up to its role as the largest democracy in East Asia. As much as anyone, South Koreans are aware of the tension between authoritarianism and liberalism in Asia, and know that the leading liberal nations must provide an attractive, credible vision for those nations struggling with the choice between two paths. ・・・
 South Korea, often called the “pivot” country of Asia, may yet again help determine the future of the world’s most dynamic region. ・・・
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748703866704575225162588210380.html
 スーパーマン(コラム#3654、3827)だけじゃなく、スパイダーマンもバットマン(コラム#3827)もハルクも原作のコミック作者、みーんなユダヤ人だってよ。
 ヒットラーのような輩をやっつけたいってワケ。↓
 ・・・biggest superheroes including Superman, Spiderman, Batman and the Hulk were all created by Jewish comic artists.・・・
 As comic books entered their golden age in the 1930s and 1940s, the most iconic superheroes were products of those troubled times, even taking on Adolf Hitler and his Nazi henchmen before the Americans did.・・・
 ・・・the superheroes were often depicted, like their artists, as outsiders who, with an immigrant’s deep patriotism, battle to save their adopted home country from an outside threat.・・・
 Although none of the major superheroes were overtly Jewish, their heroic journeys were often steeped in Old Testament imagery・・・
 “Like Moses, Superman was discovered as an apparently abandoned baby and raised by the people who found him,”・・・adding that the character also had roots in Greek mythology, Germanic tales and the story of Jesus Christ.・・・
http://www.taipeitimes.com/News/world/archives/2010/05/06/2003472271
 ノーベル文学賞受賞者サミュエル・ベケット
http://en.wikipedia.org/wiki/Samuel_Beckett (太田)
の作品読んだことないんで、下掲の記事、よく分からない。
 文学通の読者、乞説明!↓
 ・・・(英自由民主党の党首の)Nick Clegg’s article in the Guardian
http://www.guardian.co.uk/books/2010/apr/30/nick-clegg-my-hero-samuel-beckett (太田)
, naming Samuel Beckett as a writer who inspired him, has caused a ripple of bemused comment outside the UK, particularly in the US political blogosphere.・・・
 Michael Tomasky: You British folks understand, don’t you, that if an American presidential candidate said his hero was Samuel Beckett, he’d be finished. I mean totally finished.・・・
 Matthew Yglesias agreed, saying “it seems inconceivable to imagine this happening in the United States,”・・・
 Even commenters on Le Monde’s books’ blog ? headlined “En attendant Clegg qui attend Godot” ? thought it wouldn’t happen in France, either・・・
http://www.guardian.co.uk/world/richard-adams-blog/2010/may/04/nick-clegg-samuel-beckett-politics
 なお、この記事↑、最近の歴代の米大統領の愛読書リストも載ってるよ。
 金正日は飛行機嫌い、カダフィは閉所恐怖症、メルケルは犬嫌い、ブッシュは馬嫌い、(ミャンマーの)タン・シュウェは占い狂、ってオモロイ話が載ってた。↓
http://www.foreignpolicy.com/articles/2010/05/04/profiles_in_phobia?print=yes&hidecomments=yes&page=full
 6月5日の神戸講演会(オフ会)(コラム#3989)では、「私の考えを形作った本」についてお話をさせていただく予定ですが、クレッグ党首の例↑を引くまでもなく、フツーはフィクションをあげるところ、私はノンフィクションばかりで肩身が狭いなあ。
 ご出席のお申し込みは、下掲↓から。
http://www.ohtan.net/meeting
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太田述正コラム#3992(2010.5.6)
<人間主義を訴える英国女性(その2)>
→非公開