太田述正コラム#4277(2010.9.26)
<皆さんとディスカッション(続x965)>
<kk>
≫それがどうしてもいやなら、せめて日本を米国と合邦させましょう。≪(コラム#4275。太田)
 
 さすがにこの言葉は、やめてもらいたいです。
 太田さんは、われわれにとって大将みたいなものなのですからね。
 まあ、今の状態だと楽天の野村元監督のぼやきもいるのかなーと思いますが・・・。
<太田>
 日本人が、半世紀以上にわたって、日本の外交・安全保障の基本を米国にぶんなげっぱなしで平気なほど宗主国米国を信頼している以上、その米国と合邦するというのは実に論理的なオプションではありませんか。
 しかも、合邦すれば、正規に米国の意思決定に日本人・・正確には日本居住米国人・・が影響力を及ぼすことができるようになるのですから、悪いこと、何もありませんぞ。
<kk>
≫尖閣問題のおかげで太田コラム読者が増えた。こうなったら、中共サンにもうちょっとの間頑張って脅したりスネたり続けて欲しいねえ。だけど、フジタの人達は早く解放しろよ。≪(ツイッター。太田)
 <日中間で>ごちゃごちゃするほうが、太田コラムおよび日本のためにもいいのでしょうかねえ。
<太田>
 おっしゃるとおりです。
 おかげさまで、引き続き「ごちゃごちゃ」してるようですが・・。↓
 
 「・・・――中国政府が謝罪と賠償を求める声明。応じる考えは<と記者が尋ねたところ、菅首相は、>「ま、尖閣列島は我が国の固有の領土であります。えー、そういった観点からしてですね、あのー、謝罪とか、賠償とか、そんなことは考えられない。まったく応じるつもりはありません」<と答えた。>・・・」
http://www.asahi.com/politics/update/0926/TKY201009260108_02.html
<太田>(ツイッターより)
(コラム#4018に関し)とにかく、英米と一括りにしないことだ。
 文明論的にも、そして歴史を振り返る時にも。
 そうすれば、米国を宗主国としている危うさに気が付くはずだ。
 (コラム#4020に関し)アルフレッド・マハンなんてのは汚い帝国主義者の典型、ウッドロー・ウィルソンなんてのは唾棄すべき偽善者の典型だぜ。
 日米間の歴史認識にこそ、日中、日韓の間よりもはるかに大きいギャップがあることに、日本人、早く気が付かなくっちゃ。
<島男>
 <コラム#1041>「「アーロン収容所」再読(その7)」<まで、このシリーズを読み>ました。
 アーロン収容所再読を興味深く読ませていただきました。
 私自身、アーロン収容所(以下「同書」)を読んで違和感を抱く部分があったので、多くの部分で同感します。
 ただし、会田氏がこの本を書いた動機については、異論があります。
 私は、会田氏は、英国人の日本人に対する差別意識を取り上げ、戦後の英米のヒューマニズムは素晴しいという風潮の中、英米人のヒューマニズムと言うのも一皮向けば凄まじく醜く日本人の国民性感覚からは到底受け入れられるものでないことを自己の体験から世に訴えたのでしょう。
 何故この本が名著として日本人に受け入れられたのか?
 あたかもイギリス人やアメリカ人を天使のように崇拝していた人が、実際の英米人との接触により、多かれ少なかれCulture Shockを受け、どうもそんなきれいごとではないと感じ、それに対する解を求めていたときに「同書」が熱狂的に受け入れられたのだと思います。
 会田氏がこの本を書いた動機にもう一歩踏み込めば、戦争に負けるや、手のひらを反したように英米人に尻尾を振り、英米人を天使の如く素晴しい人として祭り上げる日本人に非常に卑しさを感じ、軽蔑の念を持ったことにあるでしょう。
 この本を書くことにより英米人が天使であるとの当時の日本人の錯覚に鉄槌を加え、返す刀で、戦争に負けたぐらいで鬼畜米英から天使扱いに一転してしまう日本人の軽佻浮薄さを嘆いたのがこの本の動機でしょう。
 それゆえにこそ太田さんがご指摘のように会田氏は「戦争に負けた途端、自分達が間違っていたと言い出した日本人をたしなめた若い英国軍人を高く評価した」のであり、実はこれこそがこの本の真のテーマではないでしょうか?
 1980年代出版の「同書」の後書きで、会田氏は、「自分の指摘が世に受け入れられすぎ、英国の悪い面ばかり指摘されるようになり、良い面が忘れられていることが気になる」という意味のことを書いています。
 これは、結局、この本の「英米人は天使でない」のメッセージは読者に届きすぎるぐらい届いたが、真に届けるべきメッセージは読者に殆ど伝わらなかったのです。
 著書自身このテーマを余り深く認識していなかったのでしょう。
 80年代の後書きに著者の悔いが見て取れるような気がします。
<太田>
 おっしゃりたいことは分かりますが、私は会田雄次の『アーロン収容所』の執筆動機にはさして関心はなく、単に、この本の中での「差別」に関する彼の分析に誤りが多いことを指摘しただけです。
 このシリーズ、実は完結していませんが、できれば最後のコラム#1054まで読んでみてください。
<タイの国から>
 <太田述正>ホームページの「最近の出来事」の日付は訂正されましたが、同じ日の「最近の活動」は従前の誤記のままです。
 太田述正氏や事務局の目はフシ穴なのでしょうか、また、読者は誤記を放置するほど陰湿なのでしょうか。
 小生は書籍などで誤記を何回か指摘してきましたが、図書券や場合によっては社長からの書簡が届いたりしましたが、ネットでは、大企業でもお礼のメイルでおしまいです。
 ここはそのお礼のメイルすらなく、太田述正氏の品格と知性に関わります。
<太田>
 あなたのように「誤記を放置」しない読者もおられるようで、うれしい限りです。
 なお、コラム#4251で、「大歓迎です」と記したのは、「お礼のメイル」のつもりですよ。
 あの時、お願いしたように、「あなたもこの太田ボランティア活動に積極的なメンバーとして、加わっていただ」けた、と理解してよろしいですか?
 何てたって、ボランティア活動ってのは楽しいですからねえ。
 そのうち、「余分な一言(?)<も>控え」ていただけるものと信じてますよ。
 それでは、記事の紹介です。
 この情報も、検察に外務省経由で伝わってたんだろうね。↓
 「・・・19日・・・ころ、在日中国大使館から仲介者を通じて、官邸側に「日本にも色々と事情があると思う。だが、我々も複雑な事情を抱えている」とのメッセージが伝わる。胡錦濤国家主席が日本に融和的な対応を取れば保守派の台頭を招き、より穏健な習近平氏への権力継承が円滑に進まないとの中国の国内事情を示唆したと官邸は受け止めた。・・・」
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819481E0E7E2E3878DE0E7E2EBE0E2E3E29F9FEAE2E2E2
 産経がタイムリーな記事を2本掲げてたな。↓
 「・・・中央日報は、韓国が昨年2600トンのレアアースをすべて中国から輸入した事実を挙げ、「中国が輸出を制限する“資源武器化”戦略を取り、産業界も尻に火がついた」とし、今回の事態は「他人事ではない」と強調した。
 また、韓国は東シナ海にある離於島(中国名・蘇岩礁)をめぐり中国側と争っている。このため、衝突事件を踏まえ「あらかじめ段階的な対応策を準備するよう韓国の外交官たちに注文したい」(中央日報)との論調が多い。
 朝鮮日報も「強大国が資源を武器に経済報復に出るときだ」と題する社説で、「中国は国際社会で大国としての責任と役割には関心がなく、自国の利益だけに執着し影響力拡大にだけにこだわっている」と非難。「こうした中国に、もまれて生きなければならない未来を、韓国ももっと切実に考えるべき時だ」と警鐘を鳴らしている。
 東亜日報は「中国の強硬圧迫に降伏した日本」と題する社説で、「大国主義と中華思想が強い中国が、経済力と外交力を背景に国際舞台で発言力を強めつつある現実は、われわれにもっと緊張しろという信号を送っている」と指摘。「国家間に力のない正義が通用することはほとんどない」と警告している。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/100925/kor1009252113003-n1.htm
 「・・・25日付の<インドの>ヒンドゥスタン・タイムズ紙は社説で、日本が船長を逮捕したことに対する中国の反応を、「狂乱に近い」と表現。その上で、「将来の大国(中国)の成熟度は、急成長する力とは反比例しているとの感触をさらに強くさせた」とみる。そして、中国があまりにも多くの国と対立していることから、世界の安定に対する中国の姿勢の見極めが必要になると指摘する。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/world/asia/100925/asi1009252116002-n1.htm
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太田述正コラム#4278(2010.9.26)
<映画評論13:エリザベス/エリザベス ゴールデン・エイジ(その1)>
→非公開