太田述正コラム#4403(2010.11.28)
<皆さんとディスカッション(続x1028)>
<秋の空> 
 「太田コラム読者」 (太田コラム#4401) 様、植田さんの (あなたへ) レスの中に、私の名前(ハンドルネーム)への直接の言及はないものの、西尾幹二氏に関しての私の太田コラムへの投稿 (太田コラム#3001、 皆さんとデイスカッション続351)  への言及があり、(「太田コラム読者」様に)誤解されたくないので (私の植田さんへの) 反論を(「太田コラム読者」様宛に太田コラム内で) 投稿しておきます。
 別に私は植田さんの歴史観その他に賛成して植田さんの名前を引用したわけではありません。
 (理由は全くわかりませんが) 太田さんが (当時…今もか?) しきりに引用する植田さんへ敬意を表して植田さんのコラムに西尾氏への言及があったことを指摘しただけです。
 私は植田さんの戦前日本非民主主義国家観にも昭和帝日本属国化論にも「全面的」に反対です。
 太田コラム#3003 ( 皆さんとデイスカッション続352))における私の投稿をめぐる植田さんと太田さんのやり取りを見ていただければわかると思いますが、太田さんの「懇切丁寧」な解説を植田さんは本当に読まれたのでしょうか? 
 植田さんが本当に太田さんの歴史観なり日本属国論・独立論を理解しておられるのであれば、日本の「今そこにある」危機が何であるのか、現在進行形で国際情勢の解釈とそこにおける日本のおかれている立場への理解・解釈・分析・判断が全く異なるはずで、(太田さんのいう) 「結論」、(植田さんのいう)「基本」としての日本の自立を口にしてればいいという議論には絶対にならないでしょう。
 ちなみに私は、過去二年間で考えが変わりまして、日本の保守派には完全に失望。西尾氏が太田テーゼを理解するのはアイン・ランド (太田コラム#3632等) に「大英帝国 (本物のアングロサクソン)」を理解させるぐらい困難なことかもしれないと考えるにいたりました(笑)(あと太田さんと西尾さんはチャンネル桜で既に移民問題で激突?しておられますよね・・・2008年7月)。
 率直に言って植田さんが属国日本の精神病理のなかであと数年ほど過ごしてみたいとおっしゃる気持ちがわかりません。
 狂気の沙汰だと思います。
<太田>
 私と関わっていると、ご自分の潜在的本性(ビョーキを含む)が顕在化してくることがよくあるので、その一例じゃないか、と心配しているわけです。
 かつて植田ファンであった人々や、現在でも植田ファンである人々、ぜひ彼に救いの手を差し伸べてあげてください。
<midshipman>
≫韓国軍の装備は、国産のものはことごとく使い物にならず、また、輸入(ライセンス生産?)物もまた、メンテナンスがひどくてこれまた使い物にならないようだね。 …どうしょうもないよ。≪(コラム#4401。太田)
 韓国も日本と同じような「平和ボケ」をしていたということですか。
アメちゃんに依存してたと?
<太田>(ツイッターより)
 韓国軍があんなにひどい状況だとはちょっと驚きだな。
 一体、有事に韓国軍の指揮権を持ってる歴代の在韓米軍司令官は何してたんだ。
 これじゃ、金王朝、安心してまた手を出してくるぞ。
<太田>
 日韓の「保守派」の新聞の質の月とスッポンの如き違いを見よ。↓
 「産経新聞は26日付で、「韓国、自走砲の半数故障」「最前線弱体化、国防相が引責」という内容の記事を掲載した。
 産経新聞ソウル支局の黒田勝弘支局長はこの記事で、・・・
 このように最近になって韓国軍の戦力が低下していることについて、韓国国内では、「太陽政策を行った金大中・盧武鉉両政権の10年間に急速に(戦力低下が)進んだ」との見方が支配的と話している。・・・」
http://www.chosunonline.com/news/20101127000034
 「・・・韓国の保守勢力は口先では国土防衛を叫び、左派は発言と行動で安全保障を投げ捨てた。韓国の国内総生産(GDP)に占める国防費の割合は1980年代の5-6%が90年代には3-4%となり、最近は2.7%程度まで低下した。韓国と安全保障上の状況が似ているイスラエルの国防費はGDPの6%台だ。李明博政権による過去2年間の戦力増強費の伸びは過去2年間で平均6%に届かず、それまでの左派政権の15%(07年)を下回っている。・・・」
http://www.chosunonline.com/news/20101126000027
 「保守」することができなかった「保守派」を批判しない(批判できない)「保守派」の新聞は、エセ保守派なんだぜ。
 「英国の前首相、ウィンストン・チャーチルは日本の首相軍事顧問、辰巳栄一がもっとも尊敬する人物である。」
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/101128/acd1011280849004-n1.htm
↑というのが本当なら、吉田茂駐英大使の時の駐英陸軍武官の辰巳栄一は、吉田ともども(?)アホの極みだが、こんな話を得々と2010年に記事(シリーズもの)でとりあげるとは、「保守派」の産経の正体見たりって感じだな。
 (チャーチルは、全く不必要に日本帝国と自らの大英帝国を瓦解させた、英国史上最低の宰相だっての太田コラムの読者なら先刻ご承知だよな。)
 産経の読者達よ、産経に抗議し、産経をとるのを止めなさい。
 日本の主要マスコミはみんなひどいが、産経のひどさはもはや救いがたい。
 韓国軍のひどさの原因の根は、相当深いような気がするな。
 朝鮮半島の人々の軍事音痴ぶりは、ひょっとすると、李氏朝鮮末期と余り変わっていないのかもしれない。
 日本による朝鮮半島統治のおかげで、近代政治・経済の基盤は整備されたけれど、先の大戦が始まるまでは、朝鮮半島の原住民は(日本や満州の士官学校に入学したごく少数の者を除いて)軍事から全く切り離されてたからなのかもしれないなあ。
<MS>
 <太田さんの次著>第七章をトルーマンによる原爆投下のところまでまとめました。
 ただし、原爆とソ連の対日参戦のどちらの要素がより日本の降伏という意思決定に決定的な影響を与えたかという論点に関しては、まだ詳しくは含まれていません。
 原爆投下の章は「ハセガワとベーカー」シリーズにつなぎの言葉を入れたり、段落の順番を変えたりして編集しました。
 「ハセガワとベーカー」シリーズがちょうど原爆投下直後で終わっている(その6までですよね?)ため、太田さんにこのシリーズの続編を書いていただくか、「原爆論争」シリーズからの切り貼りで補う必要があります。
<太田>
 あーそうでした。
 私も結構移り気で、英語の本は途中で放り出しちゃうことが多々あります。
 今、Imperial Cruise(10日ほど前にようやく届いた)を読み始めていて、XXXXさんが送ってくれた山県有朋の提言集と無理矢理からめてシリーズにしようと思って いますが、それをやった後で、気持ちを奮い立たせて、ハセガワの本に再度取り組みたいと思います。
<MS>
 ・・・「原爆論争」シリーズは、ハセガワの本をめぐる論争という形式で、「ハセガワとベーカー」シリーズは、太田さん自身のハセガワの本からの抜粋+コメントの形式なので、両者をくっつけるのは少し大変かもしません。
 できればハセガワの本のコラムを完結してもらって、それを「7.4トルーマン原爆投下の罪」とし、そのあとに別途「7.5原爆論争」を設けてそこに、ハセガワ自身の批判に対する反論(「原爆論争」シリーズ)や、除去主義という言葉を用いた原爆のとらえ方、英米の新聞における論争などを入れて、章を締めくくりたいと思っています。・・・>
 トルーマンの章は抜き書きがメインで、言葉足らずな観があるので、適宜コメントを補ってもらえるとありがたいです。
<太田>
 「本」の全部が出そろってからにしたいですね。
<MS>
                      
 ・・・トルーマンの節をまとめていると、えげつないほど自己を正当化していて、「ジョージ・ワシントン」シリーズ<(コラム#4302~。未公開)で述べられているワシントン像と重なるものがあるなと思いました。
<太田>(ツイッターより)
 (コラム#4150に関し)大衆小説やマスメディアは、大衆感情を映し出す鏡であると同時に、その感情を増幅する装置でもある。
 戦後日本の場合、バックに相当するのは司馬遼太郎であり、ルースに相当するのは主要紙/主要TV局だ。
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 半分はホンネだろうが・・。↓
 「北朝鮮の朝鮮中央通信は二十七日、韓国・延坪島への砲撃で民間人二人が死亡したことに初めて言及し「事実なら至極遺憾なこと」と論評で表明した。・・・
 一方で論評は、民間人死亡の責任は、韓国軍が軍事施設内に民間人らを「人間の盾」として配置した措置にあると決めつけ、韓国に責任があると強調した。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2010112802000035.html
 あの無神論者ヒッチェンスが、先般、トロントでブレア元英首相と宗教論議を戦わせた。↓
 ・・・Hitchens・・・compared the Almighty to “a kind of divine North Korea” with arbitrary rules and a hatred of freedom and rationality. Religion, he said, was a bargain based on ignorance and fear of death. ・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2010/nov/28/blair-versus-hitchens-debate-religion
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太田述正コラム#4404(2010.11.28)
<映画評論18:黒い罠(その2)>
→非公開