太田述正コラム#4441(2010.12.17)
<皆さんとディスカッション(続x1047)>
<太田>(ツイッターより)
 (コラム#4439に関し)『フレンジー』冒頭に登場するタワーブリッジも大ロンドン庁舎も今じゃ建て替えられてる。
 <この建物を本部とする>大ロンドン行政区域に至っては、サッチャー政権の時に一旦廃止され、その後復活してる。
 イギリスってまことに革新的なんよ。
 ロンドン、もう1回1991年に行ってたな。中東訪問のトランジットで、わずか一泊だったけどね。この時、カイロにも行ったが、次の(3回目の)カイロ訪問は、いつになるやら。
<唯我独尊>
 ヒッチコックの『フレンジー』の感想(コラム#4439)の中で「この映画の主人公は、元英空軍少佐だが、空軍時代の友人が、犯罪を犯したと疑われている主人公を、危険を冒して助ける。生死を共にした友人をボクはついに持ち得なかった・・まだ分からない?・・ので、ちょっとうらやましかったな。」(太田氏)
 正義のために生死を共にした友人を命がけで助けけようとしている自分の姿を想像しただけで、「何か」を感じます。
 困難な状況から助け合って生き延びた友なら「真の友」になりますね、きっと。
 話は若干逸れますが、映画『父親たちの星条旗』(2006年:アメリカ)で印象に残ったセリフがあります。
 硫黄島でアメリカ国旗を立てた兵士たちが「君たちは誰のために戦っているのか(死ぬことができるのか)?」と問われ「戦友のためです」と。
 話題はさらに飛躍しますが、ビデオ流出事案の保安官は、同じ仲間が命がけで助けてくれないのでしょうか。
 保安官たちは現場で生死を共にしているはずですから。
<οδδο>(「たった一人の反乱」より)
≫大学3年生の女子大生に注目してもらっていたことはうれしいね。≪(コラム#4439。太田)
 「「これからの女性の社会進出を支えるネットワーク・人材輩出の場の創出」をコンセプトとして2009年4月に発足し、女子学生対象の講演会やビジネスコンテストの開催、webインタビューなどを行う学生団体です。現在は学生のみとなりますが、今後は社会人も含めたネットワークを形成していきたいと考えています。」
http://www.n-w-r.net/?cat=10
という感じのサークル(実質的には、就活サークルのようです)の勉強会に引用されたようですよ。
http://mvweb.jp/nbc/nwr/?p=179
http://nowr2.blog66.fc2.com/blog-entry-85.html
 「今後は社会人も含めたネットワークを形成していきたい」そうで、「参加する・協力する」とHPの右上で募集してますよ(笑) 。
<δοδο>(同上)
 小沢氏の政倫審招致、年内議決へ 岡田氏方針を首相了承
http://www.asahi.com/politics/update/1217/TKY201012160594.html
 順調に小沢が追い詰められていってるみたいで実に喜ばしい話ではあるんだけど
公明・山口氏「政倫審否定せず」 小沢氏招致で態度軟化
http://www.asahi.com/politics/update/1216/TKY201012160510.html
 ・・・何だかなぁ。
 公明と組むくらいなら公明を排除した自民と組んでくれた方が全然支持できるって思ってたけど、公明がいなきゃ選挙も出来なくなってしまった今の自民が公明と手を切るなんて有り得ん話だったわなぁ。
 そう考えると、どんな形であれ公明との連立は避けられないって事か・・・。
<太田>
 ますます、海老蔵事件のあの「元リーダー」に似てきた小沢「元リーダー」。↓
 「・・・小沢氏は、岡田氏が党職員を通じて会談を申し入れてきていると説明。「直接、言ってくれればいつでも会う。人を介して言ってくることで会えない口実にしているのではないか」と不信感を表明。「何を恐れているのか。臆病なんじゃないか」と指摘した。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010121601000962.html
<KY>
 大陸は怖いですね~ (笑)。
 Moscow Chaos: Over 1000 detained in attempt to prevent ethnic clashes Rival Russian nationalist groups and ethnic North Caucasian gangs have been involved in small clashes across Moscow. Around a thousand people have been arrested, some of them were armed. Today’s trouble, comes after Saturday’s violent clashes which followed the murder of a football fan. ・・・
http://www.independent.co.uk/news/uk/this-britain/britains-worst-race-riots-754137.html
 Whatever the reason was, a big riot in the capital city sounds like a major cock up<(ヘマ)>.
 Video of Moscow football riots as outraged fans clash with police・・・
http://www.youtube.com/watch?v=at6kwUNo0zQ&feature=player_embedded#!
<太田>
 私が報道の見出しだけ見てフォローしなかった事件について注意喚起していただいたこと、に感謝します。
 同じ扱いにしてたのが、スウェーデンで起こった自爆テロ事件(犯人だけが死亡)↓です。
http://www.guardian.co.uk/world/2010/dec/16/stockholm-suicide-bomber-help
 大陸(欧州)の外延たるロシアの首都モスクワで民族間衝突、ないしは暴力的民族差別事件が起こっても、さほど驚くことじゃないけれど、スウェーデンで自爆テロってのは驚くべきことかもしれません。
 もっとも、スウェーデンに関する大事件と言えば、やっぱ、スウェーデンから強姦容疑で国際手配され、英国で逮捕され、先般保釈されたWikiLeaksのアサンジ被疑者の件でしょうね。↓
 <先進国中、スウェーデンでの強姦率は高くその有罪率は低い。↓>
 Each year, Sweden records 46 cases of reported rape per 100,000 people, roughly twice the rate in the U.S. or the U.K. Yet the conviction rate is a measly 10%, one of the lowest in the developed world. ・・・
 <スウェーデンでは、合意の上での性交であっても、それが途中経過において広義の強制を伴った場合は強姦と認定される。↓>
 ・・・for the Swedes who are grappling with the disturbingly high rates of sexual crimes against women, when it comes to nonconsensual sex, what happens behind closed doors should never remain a secret. If anyone can understand that compulsion to expose injustice, it’s Assange. ・・・
 <アサンジは世界的有名人だから、彼がスウェーデンを訪問した際にも女性が彼との性的関係を求めて群がったのだろうが、そこに彼の落とし穴があったわけだ。
 例えば、相手を動けなくして性交することはもとより、性交後に相手が眠っているときに性交に及んでも、(その点について相手の同意なく)避妊措置を講じずに性交に及んでも強姦となる!
 だけど、どうやって立証するんだろうね。↓>
 ・・・the allegations against Assange center around claims by two Swedish women who say that on separate occasions each had consented to have sex with Assange, but that sometime during or after the encounter, he engaged in sexual behavior against their will. According to the Swedish branch of Interpol, a recent arrest warrant for Assange states that the rape accusation stems from a sexual encounter in which the woman “was asleep and in a helpless state.” There is also a sexual-molestation allegation based on claims that in a different incident, “the pair [were] sleeping naked together and the suspect [pushed] his naked erect penis into her body.” And prosecutors also want to question Assange in relation to the suspicion that he sexually coerced one of the women by “lying on top of [her], using his weight to prevent her from moving, and forcefully spreading her legs,” and that he sexually molested both women by “having sex without the use of a condom, without the woman’s knowledge.” ・・・
http://www.time.com/time/world/article/0,8599,2037078,00.html
 それでは、その他の記事の紹介です。
 昨日のフライシャーの話の続きです。↓
 ・・・”French music is sensory–it involves smell and taste and touch,” he explains. “The main characteristic is Impressionism: You squint your eyes and see(目を細めて見る) the outlines. I’ve often wondered what would happen if you could squint your ears. But quantitatively, the repertoire is minimal: There is essentially Debussy, Ravel and Faur���.
 Russian music is very subjective–it is really built around the ‘I.’ The Russians write beautiful tunes, but they are often kind of whiny and breast-beating: ‘Look how I suffer.’ There isn’t that large a quantity of it either–we mostly hear Rachmaninoff, Prokofiev and Shostakovich.・・・
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748703326204575616911411469180.html?mod=WSJASIA_hpp_RIGHTTopCarousel_3
 フランス音楽に対する見方は私と大差ないが、問題は、彼の、ロシア音楽、ちゅうかスラブ音楽についての見方だろう。
 私小説的音楽であるがゆえにフライシャーはスラブ音楽を敬遠するわけだが、私は、だからこそスラブ音楽を好む。
 日本人やイギリス人と違って、世界の大部分の地域に住む人々同様、一貫してホッブス的な荒涼たる過酷な世界に生きてきたスラブ人は、人間(じんかん)主義・・人々がそれぞれ抱いている気持ちに対して相互に共感(empathy)しつつ生きること・・と宗教(イデオロギーを含む)原理主義・・ホッブス的世界の強制的秩序化・・の両極端に強い憧憬の念を抱き続けて来た。
 そして、スラブ世界において、前者が、隣人たるドイツのクラシック音楽の興隆に刺激を受けて音楽として析出してきたのに対し、後者が、同じく隣人たるドイツの観念論哲学の影響を受けて、例えばマルクス・レーニン主義となって析出してきた、ということではないだろうか。
 生来的人間主義社会に生きる(私のような)日本人が、人間主義社会への憧憬を表現したところの、ショパンやチャイコフスキーを始めとするスラブ音楽に惹かれるゆえんはそこにあるのだと思う。
 日本人が、ブラームスの作品中のスラブ的作品・・ハンガリー舞曲・・に惹かれるのも同じ理由からではなかろうか。
 
 次の話題に移ろう。
 世界の美女百選が話題になっている。↓
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/101217/tnr1012170624000-n1.htm
 もともとのサイトにはアクセスできない。プロキシはこれ。↓
http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:m8v7zYshL3kJ:www.tccandler.com/beautiful-faces/most-beautiful-2010/+%EF%BC%B4%EF%BC%A3%E3%80%80%EF%BC%A3%EF%BD%81%EF%BD%8E%EF%BD%84%EF%BD%8C%EF%BD%85%EF%BD%92&cd=3&hl=ja&ct=clnk&gl=jp
 このうち、東アジア系は、次の3人だけだ。
18位:Song Hye Kyo(韓国人)
33位:佐々木希(日本人)
88位:Natalie Tran(両親はベトナム人。豪州在住)
 注目すべき点は何か?
 これ、米国のサイト主催のインターネット投票だって点を勘案しなきゃいけないけど、とにかく、漢人系/支那系が一人も100人中に登場しないことさ。
 やっぱ、漢人系/支那系に美人は少ない(コラム#4194、4279)のであるな。
 これを、東アジアにおける美人ドーナツ化現象と名付けることにしようか。
 一体どうしてそんな現象が生じたのか。
 諸君の意見を聞きたいもんだ。
 最後は、人間科学だよ。
 扁桃体をとっちゃうと、動物も人間も恐れを知らない存在になるんだって。↓
 ・・・when the amygdala(扁桃体) is removed, an animal loses any sense of fear.
Now, scientists have confirmed that a missing amygdala results in similar behavior in humans・・・
http://www.nytimes.com/2010/12/21/science/21obbrain.html?_r=1&hpw=&pagewanted=print
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太田述正コラム#4442(2010.12.17)
<私の原風景(その3)>
→非公開