太田述正コラム#4473(2011.1.2)
<皆さんとディスカッション(続x1063)>
<太田>(ツイッターより)
 (コラム#4224に関し)パキスタンでもイラクでもエジプトでもキリスト教徒虐殺が続いている。
 欧米諸国はテロ攻撃の脅威に晒されている。
 イスラム教を、まずはムウタジラ派の時代へと復古させ、その上で世俗化させる運動を日本人が起こそう。
<Rindenda>(同上)
 日本人が?
<太田>
 アブラハム系宗教及びイスラム移民とほぼ無縁なので、日本人は当事者じゃないところの客観的第三者だからさ。それに、日本は自由民主主義「大」国だしね。
 そんな国は、世界中で、日本だけだ。
 日本人がやらなくて誰がやるのよ。
 もっとも、日本を「独立」させるのが先決だけど・・。
 ところで、「キリスト教徒虐殺が続いている」という上記記述の裏付けとなる事実は以下の通り。
 まず、パキスタンだ。これは、7月の記事。↓
 ・・・false allegations of blasphemy-law violations have been lodged against Christians; the allegations were then used by extremist groups to justify attacking the Christian community. Pakistanis locked in land or business disputes with Christians often file false blasphemy-law cases as a means of score-settling.・・・
http://latimesblogs.latimes.com/babylonbeyond/2010/07/pakistan-christian-brothers-slain-in-another-attack-on-a-minority.html
 ・・・Under Pakistan’s penal code, anyone who “defiles the sacred name of the Holy Prophet” can be punished by death or life imprisonment. Death sentences have always been overturned on appeal.
 Human right groups and Christian organisations want the law abolished.・・・
http://www.bbc.co.uk/news/world-south-asia-11930849
 次にイラクだ。これは、10月の事件についての言及だ。↓
 ・・・a deadly attack on a Baghdad cathedral in October, which killed more than 50 people.・・・
 Since the attacks in October, many Christians have left their homes to seek safety either in the Kurdish north of the country, where security is much better, or abroad・・・
http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-12096078
 最後にエジプトだ。これは昨日発生した事件についての記事だ。↓
 At least 21 people have been killed and more than 70 injured in Egypt in a suspected suicide bombing outside a church in Alexandria as worshippers left a new year service.・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2011/jan/01/egypt-bomb-kills-new-year-churchgoers
<ρρΔΔ>(「たった一人の反乱」より)
 30日の中国原潜の記事<(コラム#4469)>を見て、まさに産経の正体が見えました。
 リークしたのは米軍の意向を受けた防衛省でしょうか?
 実際にそんな醜態があったなら海自の関係組織の指揮官は更迭ものですが、そんな話も聞いてないし、事実ならこれを漏らした関係者はsengoku38以上の懲戒ですがねえ・・・。
<ρΔρΔ>(同上)
 小沢元代表:新年会に120人参加 「みなさんに迷惑」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110102k0000m010024000c.html
 ここまできてまだ120人も小沢に尻尾振る奴がいた事に驚いたよ。
 特に原口一博。
 もともと口先三寸でのし上ってきたような奴ではあったけどこの期に及んでまだ小沢の尻にくっ付いてくのか。
 元々菅や岡田・前原あたりと仲悪く無かったのに何で小沢についちゃったんだろうなコイツ。
<ρΔΔρ>(同上)
>原口一博。・・・元々菅や岡田・前原あたりと仲悪く無かったのに何で小沢についちゃ ったんだろうなコイツ。
 田中派を乗っ取った竹下登のように小沢派(小沢チルドレン、縄文人松原仁等)を引き継ぎたいんやろね。
 もちろん、総理の椅子が目当てでっせ。
<太田>
 カネの威力がどれほど大きいかってことだな。
 唯物論(経済決定論)のマルクス主義が20世紀に世界で猛威を振るった理由は、極端に単純化して言えば、そこにある。
<ΔρΔρ>(「たった一人の反乱」より)
≫「役所時代は「異常」な人々から隔離された無菌室にいたようなもので、娑婆にはオツムの「異常」な人が沢山いるのにびっくり。≪(コラム#4471。太田)
 本人は率直に事実を認めてるんだろうが、一般の人たちに対する侮辱だよね、これは。高々、官僚程度の分際でよく言うよ。
≫だけどまだジェンダーが「異常」な人にはあんまし出会ってない。太田コラムの弱点だな。≪(同上)
 何ですか。これは。
 意味がわからないんだが。ジェンダーが異常な人っていうのは、田嶋陽子とか上野千鶴子のような人?
 日本独立を国民に広げるって仰ってるんだけど、一般人に対する侮蔑は隠さないし、自分にしかわからないような言葉遣いをする次元で、無理でしょう。
 前から、知的サロンを作りたいのか、言説を広めたいのかの選択をするべきだって言ってるんだけど、どうなの?
 言説を広げたいなら、日本人に対する侮蔑(牛の話もね)をやめて、平易な言葉で語りなよ。
<ΔΔρρ>(同上)
>本人は率直に事実を認めてるんだろうが、一般の人たちに対する侮辱だよね、これは。高々、官僚程度の分際でよく言うよ。
 わざわざ「異常」と、鍵括弧を付けている意味を考えないとだめだよ。
 「私は「異常なほど」「まとも」・・・(「私」を「太田コラム」で置き換えても、ほぼ同じようなことが言えそうだ。)」 (コラム#3907)
 戦後日本の異常性について、多くの日本国民は自覚がない。つまり、異常性を自覚できる者が逆に「異常」となるんだ。
 ここで役所の話をした意味は俺にもよく分からんが、間違いなくしっかりした意味があるだろう。
>意味がわからないんだが。ジェンダーが異常な人っていうのは、田嶋陽子とか上野千鶴子のような人?
 「意味がわからない」んなら、意地を張らずに素直に質問した方がいいよ?
 太田さんのこの発言は、コラム#4410に絡めてのものなんだ。
 「ジェンダーが「異常」な人」とは、
 「男女差の決してばかにならない原因は、女性が競争的な仕事場を好まないからである」という研究結果(「普通」の女性と言っても良い)とは逆の(「異常」な)女性を指すと思う。
 太田コラムは確かにうんざりするほど小難しいが、しっかり読みこめば、そして太田さんが何を言いたいかを真剣に考えれば、何を言いたいのかがだんだん見えてくる(俺はそれに一年以上かかった)。
 アドバイスするとすれば、「太田さんが鍵括弧を付けるときは、大概何らかの意味を込めているから、そこを時間をかけて考えろ」ってとこかな。
 「頼むからもっと分かりやすく書いてくれ!」とは、俺も声を大にして言いたい。
 ・・・
 書き忘れた。
>「だけどまだジェンダーが「異常」な人にはあんまし出会ってない。太田コラムの弱点だな。」
 この発言は、太田コラムへの女性の参加(投稿や有料読者)が少ないことを嘆いてのものだ。
 「あふぁーまてぃぶあくしょん」とか言うらしい。
<ΔΔρρ>(同上)
>≫役所時代は「異常」な人々から隔離された無菌室にいたようなもので、娑婆にはオツムの「異常」な人が沢山いるのにびっくり。≪・・・
 本人は率直に事実を認めてるんだろうが、一般の人たちに対する侮辱だよね、これは。高々、官僚程度の分際でよく言うよ。<(ΔρΔρ)
 一般の人たちに対する侮辱じゃなくて、役所が「異常」な世界という話。
 官僚は定年後から人並みの人生が始まる的な久保さん(だっけか?)によるエピソードをどっかに書いてた。
>言説を広げたいなら、日本人に対する侮蔑(牛の話もね)をやめて、平易な言葉で語りなよ。<
 半分同意できるが、怒って欲しいという設定だから。
 実際に、貴方が釣られたわけだなw。
<太田>
 キミ達の深読みし過ぎのやりとりを見てて、日本でツイッターが恐ろしく普及しつつあるのは、日本人が想像力を膨らませることの出来る短詩型が大好きだからだって改めて思ったね。
 本来やっちゃ面白くなくなるんだろうが、あのつぶやきに込めたボクの趣旨は以下の通り。
 オツムやジェンダーの「異常」な人々は、中央官庁の構成員にも中央官庁に出入りする人々(政治家や業者や陳情者等)にもほとんどいない。オツムが「異常」な前者については、本来数は多いんだけど、最初からスクリーニングにかけられて排除されてる上、「異常」だと思われるに至った構成員は、速やかに付属機関等に出されて隔離されるからだし、ジェンダーが「異常」な後者については、数がそもそも少ないからだろう。
 なお、オツムが「異常」とは、精神障害の症候のある人や精神障害患者を、ジェンダーが「異常」とは、性同一性障害者や同性愛者(コラム#4357)を指している。
 (言うまでもないが、後者はそもそもビョーキじゃないし、前者だって症候があるだけならビョーキじゃないし、歴としたビョーキの人が著名なクリエーターには決して少なくない。だから、「異常」に「」をつけたのさ。)
 こういうことから、ボクは役所を無菌室って呼んだわけだ。
 同じ中央官庁でも、警察や検察庁などは、そういう意味で言えば無菌室じゃないがね。
 (なお、「役人は定年後」云々って話は、久保卓也さんじゃなくて、池田久克さんが語っていたことだ。どこで書いたんだっけ?)
 さて、そんなボクが10年前に娑婆に出たわけだが、娑婆では、前者については排除も隔離もされていないので、当然ボクのコラムの読者等の中にもかなりの数がいて、彼らと遭遇する機会が少なからずあり、最初のうちはびっくら仰天の連続だった。
 ところが、もともと後者については数が少ないので、ボクには(杉山文野サン(コラム#2016、3023))を除き、)依然としてほとんど遭遇する機会がないってこと。
 そんなじゃ、ボク、米国の同性愛者の米軍勤務を制限してきた法律・・通称「ドント・アスク・ドント・テル(聞かない、言わない)」・・の撤廃問題
http://www.asahi.com/international/update/1219/TKY201012190162.html
などが十分理解できないだよな。だから、これは太田コラムの弱点だって書いたんだよ。
<ΔΔρρ>(「たった一人の反乱」より)
 ということで、みなさん、あけおめ。
<太田>
 ほいさ、おめでとさん!
 それでは、その他の記事の紹介です。
 ええぞ、ええぞ。↓
 「政府が、政府開発援助(ODA)の対象に人工衛星導入など宇宙事業を加える方針を固めたことが三十一日、明らかになった。第一号案件として、衛星の打ち上げを計画しているベトナムに円借款を供与する見通し。近くベトナム政府にこうした方針を伝え、日本企業への発注を要請する。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2011010102000041.html
 中共の弾道/巡航ミサイルによる西太平洋米戦闘機基地や米艦艇に対する攻撃能力が増大していることから、米ソ間のINF(中距離核戦力全廃)条約(The Intermediate-Range Nuclear Forces Treaty)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E8%B7%9D%E9%9B%A2%E6%A0%B8%E6%88%A6%E5%8A%9B%E5%85%A8%E5%BB%83%E6%9D%A1%E7%B4%84
への中共の加盟を実現するか、さもなくば、米国はINF条約から離脱して地上発射ミサイル、ただし移動式のもの、を(日本を含む)西太平洋に配備しなければならない、と説くコラムが出てた。
 やや狼少年的なコラムだけど、頭には入れとくべきことだな。↓
 ・・・China’s missile buildup could result in the INF’s demise. Moscow has already threatened to pull out if China does not sign the treaty. And, with its tactical fighter bases and surface ships increasingly vulnerable, the United States also may have no choice but to abrogate the treaty and deploy mobile land-based missiles – a capability much more difficult for China to attack – to places such as Japan; this could become the only way to deter Chinese aggression. The end of the INF would mean a missile arms race involving four great nuclear powers – India, China, Russia and the United States. ・・・
 Even absent a ballistic missile competition among the great powers, strategic stability in Asia is increasingly uncertain. If Washington remains bound by the INF, its response options in a conflict with China are highly escalatory. If U.S. tactical fighter bases and surface ships were hit by Chinese missiles, Washington would have to consider responding by targeting missile assets inside China with intercontinental ballistic missiles. To do so, Washington will need to further develop its Prompt Global Strike system, a means of accurately launching long-range missiles from the continental United States. Because such missiles could also be used to carry nuclear weapons, Chinese defenders would have no way of knowing whether the munitions flying toward them were carrying nuclear or conventional warheads. This uncertainty raises the risk of a Chinese nuclear response.
 China’s unrelenting deployment of missiles will soon force Washington to choose between pulling out of the INF or developing longer-range, strategically unstable military responses that are consistent with the agreement. If Washington is serious about reducing the risk of nuclear conflict, it should pursue a third option – pressing China to join the treaty.・・・
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/12/31/AR2010123102687_pf.html
 いじめをやったりされたりする子供の多くは親に物理的虐待を受けてるんだってさ。↓
 ・・・According to a 2007 study of bullying in Japan, South Africa and the United States, 72 percent of children who were physically abused by their parents became a bully, a victim of a bully or both. ・・・
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/12/30/AR2010123001751_pf.html
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太田述正コラム#4474(2011.1.2)
<映画評論19:ロビン・フッド(その4)>
→非公開