太田述正コラム#5049(2011.10.13)
<皆さんとディスカッション(続x1351)>
<太田>(ツイッターより)
 酒に酔うとと暴力的、性的等の反社会的言動を行うようになるのは、基本的にアングロサクソンだけなんだと。
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-15265317
 そう言えば、日本じゃ酔っぱらいはくだを巻くくらいなもんか。
 こんな風に先進社会を(も)研究対象にしている社会人類学者はエラいなあ。
 米エスクワイア誌でバルバドス出身のリアーナ(Rihanna)が本年の最もセクシーな女性に選ばれた。
http://www.washingtonpost.com/lifestyle/style/rihanna-sexiest-woman-alive/2011/10/12/gIQAy50XfL_gallery.html?hpid=z6#photo=21
 歌手でモデルの彼女の動画もどうぞ。
http://www.youtube.com/watch?v=nhBorPm6JjQ
<ρζρζ>(「たった一人の反乱」より)
 <ρζζρクン、>まあ、石原だけでなく永田鉄山も「絵を描き始めた」人というのは特に異論はない。
 しかし、石原を中枢から外して、満州事変と同じような冒険で手柄を立てようとの私欲から日華事変を起こした連中以降は無定見に接木を繰り返してわけがわからないものにしてしまったという見方は間違ってないだろ。
<ρζζρ>(同上)
私があなたの主張の中で問題にしているのは、満州事変がもっぱら石原個人の考えによって引き起こされたと考えて居る事だ。
 そして、当時の日本・・・就中陸軍・・・にはコンセンサスが存在しなかったかのように言っている事だよ。
 それを無視して、細部に関して「特に異論はない」と言われても困っちゃうんすよ。
 私の指摘は”満州事変は客観的に観て、当時あった日本のコンセンサス(対赤露戦略)を背景に行われたのであって、石原は単なるその実行者にすぎない“というモノだが、あなたの石原を過大視する主張からすれば大いに「異論」が無ければおかしいはずだ。
 また、「手柄を立てようとの私欲から日華事変を起こした」とか「無定見に接木を繰り返してわけがわからない」というのは、石原を過大視しているあなたが、1935年以降の歴史をまったく理解できない事から、五里霧中になっているという事だろう。
 太田コラムにあまり触れていないように感じるんだけど、少なくとも下記のイアン・ニッシュ教授の1935年以降の観察を見てもらいたいな。
http://blog.ohtan.net/archives/52083666.html (コラム#4618)
<太田>
 私からは、例えば、コラム#4689をあげておこう。
 諸君よ、ツイッターやディスカッションを読んだだけですぐコメント投稿せず、できるだけ、過去の関連コラムにあたってみてから投稿するように心がけて欲しいね。
 この関連で辛亥革命の書評記事を紹介しよう。
 「・・・孫文を慕う日本人側のややロマン主義的な行動の傾向に比して、孫文自身は革命にかかわっては冷静なリアリズムを体得していた・・・」
http://book.asahi.com/reviews/column/2011100900005.html (以下、同じ)
→孫文の行動原理は、露骨にあえて書くけど、国際主義と民主主義を標榜しつつ、その実、自分の性欲、金銭欲、権力欲を追求するという利己主義的リアリズムであったのに対し、孫文を慕った純真なる日本人達の行動原理は、人間主義であり、第三者からはそれがロマン主義・・アホ・・と受け止められがちであったということだよ。(太田)
 「日本人の側の行動<は>、明治維新(また自由民権運動)の理想が日本では実現しづらくなっていたことへの代償行為<という側面があった>・・・」
→違うな。
 彼らは、明治維新の理想を支那にも輸出したいと人間主義的に思ったってことなんだよ。(太田)
 「・・・溝口雄三<は、著書>『中国の衝撃』<の中で、>・・・辛亥革命を観察する際には、西洋からの影響(インパクト)よりも、国民国家よりも広い「天下」概念(王朝交代の歴史空間)の潜在性を重視すべきであるとし、辛亥革命には独自のサイクルとして「集権—分権—集権」が表現されたと述べている。
 もとより溝口には、中国の近代化はもともとから中国社会が持っていた「基体」がまるで蛇が脱皮するように自身を革新していくプロセスとしてある、という独自の中国観があった。・・・」
→辛亥革命に支那「独自のサイクル」を見出そうとしたことは正解だが、溝口、完璧なまでに間違ったものを見出しちゃったね。
 「終末論・太平天国・白蓮教」シリーズ(コラム#4898、4900、4902、4904、4906、4908)が公開された時にぜひ読んで、私の見解を理解してね。(太田)
 「後に日本が中国侵略に傾いたことに鑑み、「辛亥革命に協力した日本人のいく人かがもっていた、あの道義や正義はなぜ生かされなかったのだろう」<という問いに対する答えだが、>・・・日本人<が>・・・「日本国内の問題を自覚することなく、まして解決できなくて新たな用語“連帯”を叫<ん>」<で>アジアへ<と>関<わった>こと<が>問題・・・」
→こりゃ、単なる人間主義批判だよな。
 話は逆であり、日本人は、もっぱら、正義にかなった道義的行動をとったからこそ、支那人や欧米人から、意識的、無意識的に誤解されたんだわさ。
 もちろん、日本は支那侵略を行ってなどいないのさ。(太田)
 「日本人の好意に甘えた自分たち<支那人>の側<も>反省<が必要>・・・」
→反省くらいじゃすまないさ。
 孫文ら支那人達は、日本人の好意につけこんで日本人から金銭や役務を詐取した詐欺犯、すなわち犯罪者である、という認識を持って欲しいもんだ。(太田)
<ΣΖΣΖ>(「たった一人の反乱」より)
 <空間放射線量>世田谷区道で区の安全目安の11倍検出
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111012-00000103-mai-soci
 じわじわ来てるな。
 そう言えば俺最近抜け毛が多いんだけどこれが原因なのか?
<太田>
 この話だな。↓
http://www.asahi.com/national/update/1012/TKY201110120605.html
 ウチにもでっかい木があり、落ち葉の季節だから、せめてせっせと公道上の落ち葉を敷地内に掃きこもうっと。
<けいc。>
≫昨日から今日にかけて、急に太田ブログへのアクセスが増えたのはどういうわけだ?「人間主義・唯一神・人権」なんてシリーズが、皆さんの関心を集めるはずがないが・・。≪(コラム#4689。太田)
 <コラム#5045で、>アフリカの部族の話でホモとか、マスターベーションとかセックスって単語が出てきたからじゃないですかね?
<太田>
 しかし、過去でもエロネタ随分取り上げてきてるけど、今までそれで急にアクセスが増えたという経験ないなあ。
 ちなみに、昨12日は、結局太田ブログへの訪問者数は、1735、本日も1618現在で既に977であり、アクセスは増えたまま推移しています。
 (ところが、まぐまぐでのアクセス数はランクインしていません。かつてはブログへの訪問者数が1200くらいで推移していたところ、その頃には、まぐまぐのニュース分野では、恒常的に10位以内にランクインしていました。)
<shihouen>
≫お示しいただいた記事、中身が分からないと何とも言えませんね。≪(コラム#5045。太田)
 失礼しました。ためし読みですが、表題の赤のコンテンツをクリックしてください。
※脱原発なくして対米自立なし、核拡散防止体制から離
脱せよ。
http://www.gekkan-nippon.com/
<太田>
 「鳥が飛ぶ原理は、航空力学上、説明がつくのですが、蚊は飛び立つときの周波数が高過ぎて、理論上は飛ばないらしい」
→こいつは面白い。
 どなたか、もうちょっと解説を!(太田)
 「NPTに入っている限り、核武装はできません。NPT体制とは、憲法九条体制と同じように、日本の自立した防衛力の整備を不可能にする体制なのです。」
→トートロジーじゃん。
 核武装しようと思った時に一旦脱退した上で核保有し、その後で、核保有国としてNPTに再加盟すりゃいいんです。(太田)
 「NPTを脱退すれば、核燃料を輸入できなくなります。」
→核保有国であるインドもパキスタンもイスラエルも、(そして現時点では北朝鮮も)NPTに加盟してない。
 インドに関しては、「インドにおける原子力発電量は2030年までに8倍に増加し、同国の電力網の26%に達すると予測される」
http://wired.jp/wv/2007/11/06/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%80%81%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E3%82%92%E7%A9%8D%E6%A5%B5%E6%8E%A8%E9%80%B2%EF%BC%9A%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E3%82%92%E3%82%81/
というのだから、NPTに加盟していなくても、原発のための核燃料の確保ができることは明らかだ。(太田)
 「核兵器に必要なプルトニウム二三九を用意するためには、原子炉一基、再処理工場、そして高速増殖炉が一基あれば良いのです。原子炉は、一〇〇万キロワット級の大型原子炉を五十基も持っている必要はなく、小型の原子炉が一基あればそれで足りるのです。大学や企業も原子炉を持っている場合があり、それらでも核兵器に必要なプルトニウムを得ることができます。たとえば、京都大学・近畿大学・東芝などは自前の原子炉を持っています。」
→だから、核保有に備えて原発を廃止すべきだ、と言いたいのだろうが、私の反論はもう必要なかろう。(太田)
 「対米自立のためには、そして、国連安保理常任理事国である核大国の覇権体制から独立するためには、核武装が不可欠です。」
→いずれにせよ、核保有がおおっぴらに議論されるようになったことは、大変結構なことだと思う。(太田)
<KT>
 「たかじん」やっと見終わりました。(途中で見るのやめたり、やめた所から見始めたり・・・)
 岸氏の防衛省批判「上がうんこ」はセンスねーな、と思いました。
 (その上にいた太田さん批判なんだろうけど)
 だけど、岸氏と古賀氏も自分たちがいた省が一位に選ばれて、批判がブーメランのように戻ってきて、しどろもどろになってましたね。
 太田さんの最後あたりの議論がネットで肯定されてましたが、<彼ら、>移民は反対なんでしょうね。
<太田>
 古賀、岸両名の経産省批判は、時流に乗っていて、メシの種になるだけに、「しどろもどろ」という印象は、私は受けませんでしたねえ。
 それでは、その他の記事の紹介です。
 米国人は引っ越しをしなくなってきたという話を以前にもとりあげたことがあるが、その理由が出ていた。↓
 <高齢化、共働きの増加、就業機会の減少、が理由だってさ。↓>
 ・・・contemporary Americans are more likely to stay in one place than any group since the government began tracking such behavior in the late ‘40s. A lot of factors influence this trend, including an aging population, an increase in two-income households (accommodating two careers makes relocation harder for many families), and, recently, a dearth of the kinds of job opportunities that often induce people to move. ・・・
http://www.slate.com/articles/double_x/doublex/2011/10/susan_j_matt_s_homesickness_an_american_history_the_story_of_how.single.html
 米国に異常に注意欠陥・多動性障害者が多いことと、その理由について小特集が組まれていた。↓
 <一、故国を離れて新大陸にやってきた者はそもそも注意欠陥・多動性的だったから。↓>
 ・・・There are two main reasons the diagnosis of attention deficit/hyperactivity disorder(注意欠陥・多動性障害) is high in the U.S. First of all, our gene pool is loaded for A.D.H.D. Consider the central symptoms of the condition: distractibility, impulsivity and restlessness. Consider also the positives that so often accompany A.D.H.D.: being a dreamer and a pioneer, being creative, entrepreneurial, having an ability to think outside the box (with some difficulty thinking inside of it!), a tendency to be independent of mind and able to pursue a vision that goes against convention. Well, who colonized this country? People who have those traits!・・・
 <二、この障害についての研究が一番進んでいるのが、昔から米国だったから。↓>
 Another reason we diagnose so much A.D.H.D. in this country is that most of the important research into the condition was done in America by Americans. ・・・
http://www.nytimes.com/roomfordebate/2011/10/12/are-americans-more-prone-to-adhd/adhd-is-in-the-american-dna
 <実に米国の子供の10%近く、500万人がこの障害者と診断されており、薬を服用している人は280万人にのぼる。↓>
 ・・・More than 5 million U.S. children, or 9.5 percent, were diagnosed with A.D.H.D. as of 2007. About 2.8 million had received a prescription for a stimulant medication in 2008.・・・
http://www.nytimes.com/roomfordebate/2011/10/12/are-americans-more-prone-to-adhd/adhd-is-a-misdiagnosis
 日系人の強制収容には合理的根拠があったとする修正主義的見方が提示されている。↓
 <強制収容したら、日系人によるスパイ行為はなくなった。↓>
 ・・・after the evacuation of Japanese residents from the US West Coast, the espionage activities stopped.・・・
→そりゃそうだろうが、ドイツ系やイタリア系の扱いとの差こそが問題。(太田)
 <2世の多くが日本軍に入り、うち5,000人は米国政府から補償金を受け取った。↓>
 ・・・many nisei (second generation immigrants) enlisted in the Japanese army・・・<and> 5,000 nisei who had joined the Japanese army returned to America and eventually collected the US$20,000 compensation money that the US government offered. ・・・
→日本にいたので、日本で徴兵されたってだけのことじゃないの。後は、補償金支払い対象者を米国政府がどう定めたかの問題だろうが。(太田)
 <西海岸以外に親戚がいた者や、西海岸以外に居住していた者は強制収容の対象にならなかった。ただし、一部は強制収容された。↓>
 Japanese with relatives in interior US cities like Chicago were allowed to go there or elsewhere away from the West Coast. Some did. Japanese on the East Coast were generally not disturbed, although some internees were housed temporarily on Ellis Island in New York harbor. ・・・
→ドイツ系やイタリア系との扱いの違いが問題なの!(太田)
 <日系人で、積極的に保護を求めた者もいた。↓>
 After Pearl Harbor, some went to municipal or military officials and said words to the effect of: “Protect us, please, because we know the backlash after Pearl Harbor is intense, and we fear for our safety.” That is one reason why the camps were in remote places such as North Dakota. ・・・
→だからどうした!(太田)
 <ドイツ系やイタリア系も一部は強制収容された。↓>
 ・・・some Germans and German-Americans living in the US were interned both during WWI and WWII, as were Italian-Americans. German espionage in the US was very active throughout WWII, especially in New York City and Westchester County, where I lived, and where many German immigrants and German-American families lived. It weakens the charge of race as the motive for the internments – clearly, security was. ・・・
→だから、彼らは、一定地域に居住していた者が全員、強制収容になったわけじゃないだろ。(太田)
http://www.atimes.com/atimes/Japan/MJ13Dh01.html
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太田述正コラム#5050(2011.10.13)
<戦間期の排日貨(その2)>
→非公開