太田述正コラム#5423(2012.4.16)
<皆さんとディスカッション(続x1524)>
<太田>(ツイッターより)
 BBCからそのCDへの賞を授与された、ポーランド系ハンガリー人たる、今をときめくピアニスト
http://news.bbc.co.uk/today/hi/today/newsid_9713000/9713054.stm
と、サンフランシスコの駅で、温かいファンに囲まれて50ドルのキーボードでの演奏を続ける黒人のホームレスの女性
http://blog.sfgate.com/cityexposed/2012/04/14/keyboard-player-finds-her-calling/#4463-9
 若者の失業率が50%を超えてるスペイン
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/europe/spain/9044897/Spains-lost-generation-youth-unemployment-surges-above-50-per-cent.html 
の国王がボツワナで象撃ち等に興じて怪我をし手術を受けたことで、カネの浪費だ等と大騒ぎに。
 彼、銃暴発で弟を殺した前歴がある。
http://www.guardian.co.uk/world/2012/apr/15/spain-king-juan-carlos-hunting
 ブルボン家ってやっぱダメなのねえ。
<βββΒβ>(「たった一人の反乱」より)
 コラム#4851で内田樹のコラムを取り上げて、「このコラムニスト(元大学教授)、なかなか読ませるのだけど、このくだりでアウチ」って書いてたから、それなりに評価してるんだと俺も勘違いしてたよ。
<太田>
 そんじゃ、名前くらいは覚えててしかるべきだったなあ。(汗)
<ββββΒ>(「たった一人の反乱」より)
≫ボクは、日本の、国のあり方論、安全保障論に係る論壇については特にそうだが、論壇全般を10数年前からほとんどフォローしていない。≪(コラム#5421。太田)
 これは太田さんが以前から繰り返しおっしゃっている事だが、論壇で活動している人たちを見下す表現だ。
 人的ネットワークが狭まりこそすれ広がるわけはない。
 ホンマでっかTVという番組の中で、女性医師がTPOで感情を制御できないまま大人になる人が時々いるとの事。
 太田さんもこれじゃないですか。
 特に番組に出た時のフォッフォ笑いは普通はしない。
<γΓΓΓΓ>(同上)
 当初は、俺も太田さんは傲慢な人だと思っていたものだが、今では太田さんの言いたいことがよく分かる。
 日本の論壇では、典拠がつけられておらず、どの文章も「~であると思う。」みたいな感じだから、批判のしようもない。
 退屈なエッセイを延々と読むようなもの。
 南京事件についても、不毛な議論が続いたり、名古屋市長のような人間が現れるのは偶然ではないと思う。
<ΓγΓΓΓ>(同上)
 いや、トラブルになったり他人を不快にさせる言動は必要ないよ。
 「僕は何年も日本の論壇をフォローしてない」(キリッ)。
 ここはそんなに強調するところじゃないよ。
 安全保障関連で強調すべき。
 後、僕のことが知りたければ僕のコラムを検索して調べなさい(キリッ)。
 「武士の商法」というか何ていうか。
 最近太田コラムの順位見たけど、スルーというか無視されてるね。
 もう終わってるよ。
<γΓΓΓΓ>(同上)
 ついでに言えば、日本のTVの討論番組は、まともな討論になっていない。
 こんな番組でまともにふるまうのは難しいと思うぞ。
<ΓγΓΓΓ>(同上)
 日本じゃ討論はそんなに必要じゃない。
 TVの討論番組は出演者が馴れ合うところ。
 町山智浩の分析にもあるが、日本人は大多数が右でも左でもなく中道寄りなので議論は大して必要ない。
 デモも起こらないでしょ。
 アメリカは右と左にはっきり分かれていてデモも多いし、議論でガチにぶつかって折衷策を見出す。
 が、気を許すと極端に走るんだと。
<βββΒβ>(同上)
 橋下や枝野みたいな口喧嘩の強いだけの弁護士がもて囃される狂った時代だから。
 次世代の人間が太田コラムを発見して本質論をやってくれるだろう。
<ΓΓγΓΓ>(同上)
 <ΓγΓΓΓクン、>話がずれてるぞ。典拠に基づかない議論や意見なんてゴミみたいなもんってことでしょ。
<ΓΓΓγΓ>(同上)
 もう典拠話はいいよ。
 そういう詳細に拘るからコラムが異常に読みにくくて読者が嫌ってるわけだから。
 エンロンと郵政民営化に関してのコラム読んだけど、アマゾンのDVDのレビューやyoutubeの町山の録画見るだけでわかるし、尚且つ面白い。
 成功するブログって何か人を嵌らせるようなツボを持ってると思う。
 後、なるべく読者に時間を使わないようにしないと。
 皆そう暇じゃないよ。
<太田>
 日本の論壇はフォローするに値しない、というのは事実なんだからしょうがねえだろ。
 ボクがネットを渉猟し始めてから、既に10年を超えているけど、これまで、自然科学の分野はもちろん、小説/マンガや美術や音楽や建築や映画/アニメといった分野じゃ、英米の主要メディアに取り上げられたことにボクが気づいたところの、日本人とか日本人による研究、作品はたくさんあったけれど、人文/社会科学の分野じゃ、ほとんどゼロといってもいい。
 (そう言えば、ノンフィクションの分野でもほとんどゼロじゃなかったかな。)
 英米の主要メディアが評価し、紹介する日本のものに、この分野のものだけが含まれていないってのは、象徴的だと思うんだけどねえ。
 仮にそのとおりだとして、この点を取り上げて、英米の主要メディアは傲慢だ、なんてさすがにキミ達だって言わないんじゃないかい?
 英米の主要メディアが取り上げた、唯一に近い例外が、過去何度となく本コラムでも取り上げた、長谷川毅(Tsuyoshi Hasegawa。1941年~)だけど、彼、博士号を取得したのも米国でだし、1976年に米国籍を取得しているから、もはや日本人じゃない。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E8%B0%B7%E5%B7%9D%E6%AF%85
http://en.wikipedia.org/wiki/Tsuyoshi_Hasegawa
 もちろん、ボクが見落としてる誰かさんがいるかもしれないけどな。
 いるなら、キミらじゃなくてもいいが、ぜひあげて欲しいもんだ。
 調べ方は、そうむつかしくないぞ。
 最低限の簡易な方法としては、例えば、NYタイムスの書評欄に、フィクションを除く、日本人が英語で書いた本か日本語から翻訳された本の書評が、過去に載ったことがあるかどうか、調べりゃいいんだよ。
 ああそうそう。
 いちいち典拠をつけるのが耐え難いって言うんなら、せめて、こんな具合に、典拠をつけうる議論をするように心掛けてごらん。
 ずっと実りある議論になるから。
 ところで、たまたま現在交互に公開中のシリーズのうち、「リベラルなイスラムは可能か」シリーズのアキョールが、(日本人じゃない)非欧米人で、フィクション以外で、英米の主要紙の書評欄(FTとWSJ。残念ながらNYタイムスじゃない)に取り上げられたケースだ・・本人が英語で書いた本の書評ではあるが、あの程度のレベルの内容でも取り上げられるってことが分かる・・し、「阿部泰隆論文を読む」シリーズの阿部センセは、その「業績」が、英米市場には到底出せない、出られない、日本の人文社会科学者の一人だな。
 未公開だが、「松尾匡『商人道ノススメ』を読む」正続シリーズ(5326、5332、5354~(一つおきに)~5362、5366~(一つおきに)~5380、5392、5394)で、松尾センセの「業績」について、その非英米市場性を徹底的に検証したので、公開されたら読んでね。
<けいc。>
 太田さんの日本型政治経済体制について過去の説明も含めて興味深く読み込んでおります。
 特にエージェンシー論の部分は私自身の実体験を踏まえて非常に納得させられるところがあります。
 自分の理解を深くするための確認で恐縮なのですが、戦前に構築された日本型政治経済体制が廃退していった一番大きな理由は吉田ドクトリンである、ということですが、
→違いまーす!!!!
 日本型政治経済体制は、戦後、比較的最近まで、ほぼ堅持され、現在でも崩れつつも生き残ってますよ。
 どうしてこんなトンデモない読み違いをされたんですかねえ。
 申し訳ないけど、こういうわけなので、これ以降のあなたのご質問については、お答えのしようがありません。(太田)
これを咀嚼すると、戦後仮想敵国を自発的に強く意識をする必要性にかられなかった日本のリーダーたちは常に国際的な競争に晒され戦略的な思考や実行力を求められた他国のリーダーの後塵をはいすることになっていった。
 これが経済成長を背景に民間まで浸透することになり、一方でボトムアップである組織の中間~下層の人間たちはルーティンーン業務の中で競争相手であるところの自国内のコンペティターに勝利するために日々努力を怠らなかった。
 それが世界的なレベルで日本企業の品質の底を上げることになったが、それは所詮戦術的な努力であった。
 企業人は、実力主義で組織の幹部に成りあがったところで、国際的レベルで本来的な競争力を上げることはエージェンシー論を崩壊させる危険性があり、どんなにボトムで実力があった人間でも、トップに上がると日本全体がエージェンシー理論の上で食べているが故に大枠を決める戦略的思考を停止せざるを得ない…ということですか?
<太田>
 もう一度過去の関連コラムを読み返された上で、改めてご質問ください。
<ΓΓΓΓγ>(同上)
≫ポットマン偽教授(コラム#5268、5269)のネタ元は鹿島茂だったのね。≪(コラム#5421。太田)
 ネタ元と言うかご本人が件の番組↓に出て本の紹介記事と同じようなことを言ってますよ。(12分ごろ)
http://v.youku.com/v_show/id_XMzQ2NzI4NDYw.html
<太田>
 それでは、記事の紹介です。
 こいつは面白いや。
 もっとも、まだ結論が出たってわけじゃなさそうだけど・・。↓
 「ネコが人を元気にする科学的な根拠 寄生虫のなせる技?・・・
 近年トキソプラズマのDNAの解析が進んだ結果、脳内物質のドーパミンの合成に関与する酵素の遺伝子があることが突きとめられた。・・・
 人もまたトキソプラズマに操られて、ドーパミンによって脳内の化学物質の伝達の一部が変えられている・・・
  この分泌の多いと、食欲や性欲がわき、やる気がみなぎり、意欲的に生活することができる。ふだんから分泌量の多い人は、あきっぽくてつねに新たな刺激を求め、冒険や探検、転職や転居が大好きで、恋人や自動車をひんぱんにかえ、スリルを求めるタイプだ。
 だが、分泌が過剰になると、言動は異様にハイになり、リスクを恐れなくなって交通事故などが多くなる。日常生活のなかで俳優のような演技的な行動をする「演技性パーソナリティ障害」も起こす。自分が注目されないと、自己破壊的な行動に出ることもある。「統合失調症」はドーパミンの異常分泌がかかわっているともいわれる。
 逆に、脳内のドーパミンの分泌量が少ないと、行動の動機づけも減って意欲が低下し、運動機能が低下する。うつ状態になったり引きこもったりする。分泌量の少ない人は、冒険より安定を好み、急に行動を変えるのが苦手なタイプだ。・・・
  トキソプラズマに感染した人は、世界人口の3分の1程度と推測されるが、地域によって大きな差がみられる。たとえば、感染率は韓国で国民の6%だが、ガーナでは92%もある。日本人では20~30%と推定される。・・・
 国民のトキソプラズマ感染率とサッカーの強さには相関関係がみられる・・・
 トキソプラズマに感染した男性ホルモンの一種であるテストステロンの分泌が増え、より積極的で攻撃的になりそして権威に対して否定的になる傾向がみられる・・・
 ネコからのトキソプラズマ感染は、人の探求心や知的好奇心を形成した重要な要素であり、人をより人らしくした・・・」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120410/230820/?mlp&rt=nocnt
 前にも同じような議論を紹介したことがあると思うところの、米国のリベラルと保守の違い・・上の2ちゃんねらー同士の「議論」にも登場してたな・・って、トキソプラズマに感染してるかしてないかの違いとほぼ一致してるね。
 英国人や米国人のトキソプラズマ感染率はどれくらいなんだろ。(いずれにせよ、米国人ほどじゃなくても、日本人でもリベラル(左)と保守(右)の人は間違いなくいるさ。ボク自身は、どっちでもなさそうだが・・。)↓
 ・・・There’s now a large body of evidence showing that those who opt for the political left and those who opt for the political right tend to process information in divergent ways and to differ on any number of psychological traits.・・・
  ・・・liberals tend to be the kind of people who want to try new things, including new music, books, restaurants and vacation spots — and new ideas.・・・
 Conservatives, in contrast, tend to be less open — less exploratory, less in need of change — and more “conscientious,” a trait that indicates they appreciate order and structure in their lives. ・・・
http://www.washingtonpost.com/opinions/liberals-and-conservatives-dont-just-vote-differently-they-think-differently/2012/04/12/gIQAzb1kDT_print.html
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太田述正コラム#5424(2012.4.16)
<イスラム教の成立(その3)>
→非公開