太田述正コラム#5593(2012.7.12)
<皆さんとディスカッション(続x1600)>
<太田>(ツイッターより)
 シリアの駐イラク大使(スンニ派)が反体制派に寝返った。
http://www.guardian.co.uk/world/2012/jul/11/syria-ambassador-iraq-defected-opposition
 シリア「内戦」は、シリア/イラク・スンニ派対シリア・アラウィ派(準シーア派)/イラク・シーア派政権、という国際戦争の様相を呈し始めている。
 それぞれの黒幕は、サウディアラビアとイランだ。
<太田>
 補足だ。↓
 <彼は出身の市(シリア第7の都市)のバース党の長だったし、イスラエル国境の州の知事をやったこともある。↓>
 ・・・He was the head of the Ba’ath party in his home city of Deir ez-Zor, the seventh largest in Syria, as well as serving as governor of the sensitive Quneitra province, along the Israeli border.
 <何よりもかによりも、彼はシリアとイラクにまたがる大部族の長。↓>
 Most importantly, Fares is the Syrian head of the Uqaydat tribe which straddles the Syrian-Iraqi border along the Euphrates river. They and other border tribes have long been a powerful force in the region’s history and some observers see them as the key to Assad’s survival.・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2012/jul/11/syria-bashar-assad-growing-isolation
<虚報>
 コラム#5591(2012.7.11)において、太田さんが「玄葉答弁に対し・・・アホなことを言う輩」と指摘した相手は、宮武嶺という弁護士のようですが、宮武にかぎらず、韓国朝鮮人の尻馬に乗って同様なことを主張する左翼やフェミニスト(両者はほとんど重なる)は多い。
 しかし、朝鮮日報の元記事はデッチ上げであることが判明しています。
 韓国朝鮮人は(太田さんの願望するような「心底では親日的」なのではなく)支那人と同じく平気で嘘をつく人種なのですよ。以下を参照。
http://twinklestars.air-nifty.com/sorausa/2012/07/post-d2f6.html
<太田>
 「宮武嶺という弁護士」よりもひどい「虚報」クン。(ハンドルネームは体をあらわす?!)
>朝鮮人は・・・支那人と同じく平気で嘘をつく人種
 一つでももっともらしい典拠をあげることができるのならあげてみな。
 支那人については、少なくとも私自身の経験という典拠があることを、この前のオフ会に出席した人は知ってるぞ。
>朝鮮日報の元記事はでっち上げ
 ずっと同紙の電子版を読み込んできた私に言わせれば、そんなことは、まずありえないさ。↓
 「・・・米国の『ネルソン・レポート』は9日「ヒラリー・クリントン国務長官が最近、米国のあらゆる文書・声明で、日本語の“慰安婦”(comfort women)をそのまま翻訳した単語を使ってはならないと指示した」と報じた。ネルソン・レポートは、ワシントンの政界関係者が主に購読しているオンラインニュースメディアだ。・・・
 米国連邦議会下院は、2007年に慰安婦決議を採択した。この決議は「性的奴隷活動(sex slavery)」という表現を用いることで、日本政府の責任を明示した。当時、連邦下院外交委のトム・ラントス委員長は「日本政府はアジアや太平洋の若い女性たちを性的奴隷として強制動員したことに対する責任を認めるべきだ」と主張した。・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/07/11/2012071101093.html
 「国連人権委員会は1996年、女性への暴力撤廃に関する決議で、かつて日本により強制動員され、日本軍に性的な奉仕を強いられた女性を「性的奴隷」と規定した。国際労働機関(ILO)も同年の報告書で「日本軍の性的奴隷は強制労働を禁じたILO第29号条約に違反する」と指摘した。・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/07/12/2012071200524.html
<+bxqkO7m0>(「たった一人の反乱」より)
 「国民の生活が第一」が発足、国会議員49人が参加
http://jp.reuters.com/article/jpeconomy/idJPTYE86A05D20120711
 党名を民主のキャッチフレーズだった「国民の生活が第一」にしてくれたおかげで民主の悪いイメージを小沢が引き受けてくれたように感じるのは都合良すぎるかな?
 現時点では、だけど野田首相の世間のイメージって最悪に近いしなぁ
<wRp3O+iQ0>(同上)
 党名自体は悪くないな。
 経済格差に苦しむ今の国民のニーズをよくわかっている。
 これがもし「日本の独立が第一」なら、食うや食わずの貧困層には金持ちの道楽としか受け取られず、「そんなことはあとにしてくれ」と言われるだろう。
<太田>
 小沢の新党の党名、悪い冗談が過ぎるよな。↓
 「・・・政権交代後わずか3カ月余の21年12月、公約のガソリン税の暫定税率廃止について「現状維持が国民の声だ」として鳩山氏に撤回させたのは小沢氏だ。自身が代表時の19年秋には、「消費税を増税しよう」と言って自民党に大連立を持ちかけていたではないか。
 「公約は膏薬(こうやく)。貼り替えれば効き目が出る」
 これが小沢氏の口癖であることは、永田町では広く知られる。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120712/stt12071208070004-n1.htm
 ところで、鳩山由紀夫が代表だった時に私は民主党から選挙に出たわけだが、私を含め、時々こういった気の利いた言葉を吐く鳩山にだまされた人は多いんだろうね。
 小沢は悪意の、鳩山は善意のペテン師ってところだな。↓
 「・・・鳩山由紀夫元首相・・・は小沢一郎氏が民主党を割って新党を結成した今日の事態を見通していたかのように、平成11年2月の夕刊フジのコラムでこう述べていた。
 「結局、小沢氏が5年前に自民党を飛び出したのは自民党内の派閥内や権力闘争に敗れて飛び出しただけで、国民にそれを悟らせないために『政治改革』の旗を掲げていただけ」・・・
 <また、>「考え方にひかれた方々がいつしか小沢さんに対して距離を置くようになってしまう。ゴールにたどり着くためのプロセスに欠陥があるんじゃないか」
 鳩山氏は<平成>9年11月の読売新聞インタビューではこう喝破していた。実際、小沢氏が直近につくった新党、自由党の結党メンバーで今回も行動をともにしたのは東祥三幹事長1人だけだ。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120712/stt12071208070004-n1.htm 上掲
<KC>
 –コラム番号の間違いについて–
 以下のようにズレています。
コラム#5587(2012.7.9)
<皆さんとディスカッション(続x1596)>

<皆さんとディスカッション(続x1597)>
コラム#5589(2012.7.10)
<皆さんとディスカッション(続x1597)>
      ↓
<皆さんとディスカッション(続x1598)>
です。
<太田>
 ご連絡には感謝しますが、既に訂正されています。(ブログ参照。)
 それでは、その他の記事の紹介です。
 この報告書・・繰り返すが現物は読んでないからね・・が問題なのは、事故防止措置については、神輿の上で担がれていた者にも形式的(法的)責任があることに(少なくとも英語版で)言及しなかったこと、そして、事故対処(危機管理)について、実質的責任と形式的責任がある者を特定しなかったことだろうな。↓
 「東京電力の福島第一原発事故をめぐる国会の事故調査委員会の英語版の報告書・・・<について、>米ブルームバーグ通信は8日、「不満が残る報告書」という社説を配信。内容の詳細さや、「人災」と断定したことを評価しつつも、「誰がミスを犯したのかを特定していない」と指摘。「集団主義が原因」「(責任のある立場に)ほかの日本人が就いていたとしても、同じ結果だった可能性は十分ある」といった記載については「責任逃れで陳腐な言い訳」と手厳しかった。
 日本に詳しい、コロンビア大のジェラルド・カーティス教授も英紙フィナンシャル・タイムズへの寄稿でこうした記述に言及。「文化によって行動が決まるのならば、誰も責任を取らなくてよい。問題は人がした選択であり、その文化的背景ではない」と主張した。」
http://www.asahi.com/national/update/0711/TKY201207110806.html
 着々と対イラン抑止態勢を整備する米国。↓
 <海上基地。↓>
 Floating Base Steps Up U.S. Presence in the Persian Gulf・・・
http://www.nytimes.com/2012/07/12/world/middleeast/the-navy-ship-ponce-reflects-the-new-united-states-way-of-war.html?hp
 <対機雷水中ドローン。↓>
 The Navy is rushing tiny underwater drones to the Persian Gulf to help find and destroy sea mines as part of an American military buildup aimed at stopping Iran from closing the strategic Strait of Hormuz in the event of a crisis, U.S. officials said.
 Only 88 pounds and 4 feet long, the unmanned, remotely guided submersibles carry a TV camera, homing sonar and an explosive charge for what amounts to a kamikaze mission: When it detects a mine, the undersea craft obliterates itself as well as the mine.
 <これ、ドイツ製なんだね。↓>
 The Navy bought dozens of the little-known German-made devices, known as the SeaFox, in February・・・
 <日本の掃海部隊にも来て欲しかったわけだ。↓>
 Along with the new submersibles, the Pentagon recently added four minesweeping ships, bringing the total in the area to eight, and four MH-53 minesweeping helicopters. ・・・
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-iran-navy-20120712,0,5308488.story
 中共の経済も政治も当面は安泰だというコラムだ。↓
 ・・・Concerns about China’s economy are often exacerbated by anxieties about its political stability amid a leadership transition, rampant corruption and official economic data of questionable veracity. But put those emotions and knee-jerk skepticism aside, and the economic picture looks rosy, at least to me.・・・
 <輸出依存度はどんどん低下しつつある。↓>
 China is now far less dependent on its exports; their share of G.D.P. has dropped from almost 40 percent in 2007 to 29 percent.
 <経済成長の維持のためにあらゆる手を中共当局は打っている。↓>
 China may be totalitarian, but its leaders still behave as if they had 1.3 billion customers whom they need to keep happy by delivering steady and rapid progress up the economic ladder. Interest rates were cut in June and were just lowered again. Constraints on bank lending have been relaxed. The luxury tax was reduced. And notably, the managed appreciation of China’s currency over the past two years or so has been slightly reversed・・・
http://www.nytimes.com/2012/07/12/opinion/chinas-optimistic-economy.html?ref=opinion&pagewanted=print
 米国では株主資本主義(shareholder capitalism)はもはや機能していないとさ。
 だけど、こんなコラムで日本型経済体制への言及がなされないのはさびしいねえ。↓
 <株式保有期間は1950年代には7年だったが現在は6ヵ月であり、70%の取引量は瞬時しか保有していない株式の取引だ。↓>
 ・・・In the 1950s, a stock listed on the New York Stock Exchange was held, on average, for seven years, Fox and Lorsch write. Today, it’s six months. As much as 70 percent of the daily volume on the NYSE comes from high-frequency traders who hold a stock for roughly the same amount of time it takes a Higgs boson to disintegrate. ・・・
 <個人株主は、1950年代は90%超、現在は30~35%。↓>
 The eclipse of the long-term shareholder has been accompanied by the eclipse of the individual shareholder. In the ’50s, more than 90 percent of the shares in U.S. corporations were held by individuals. Today,・・・individual shareholders own 30 to 35 percent. ・・・
 <ドイツでは、社長報酬額は米国よりはるかに少なく、労働者への分配率ははるかに高い。↓>
 German corporations are thriving, even though (or more likely, because) their CEOs are paid radically less than ours and their workers command a higher share of gross domestic product than ours.・・・
http://www.washingtonpost.com/opinions/harold-meyerson-the-failings-of-shareholder-capitalism/2012/07/11/gJQAlMwzdW_print.html
 ポーランドで強力であったカトリック教会は消滅への道を歩みつつあるとよ。↓
 ・・・Twenty years ago, the Catholic Church played a major role in the fall of communism in Poland. Today, with the country changing rapidly, the church’s influence is quickly waning. Once considered the most Catholic country in Europe, the faithful are vanishing.・・・
http://www.spiegel.de/international/europe/influence-of-catholic-church-on-the-decline-in-poland-a-843694.html
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太田述正コラム#5594(2012.7.12)
<戦前の衆議院(その2)>
→非公開