太田述正コラム#5795(2012.10.21)
<皆さんとディスカッション(続x1699)>
<コラム#5765の訂正>(ブログは訂正済)
http://online.wsj.com/article/SB10000872396390443768804578036580428448760.html?mod=WSJ_hp_Asia_EditorsPicks

http://online.wsj.com/article/SB10000872396390444813104578016243142147194.html?mod=WSJ_Opinion_MIDDLESecondBucket
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<太田>(ツイッターより)
 米国のセレブの両大統領候補支持状況だ。
http://www.sfgate.com/national/slideshow/Star-power-Celebs-and-their-picks-for-president-50924.php#photo-3601462
 16名あげられているが、質と量を総合してどっちが上回ってるか、各自考えてみてね。
<tOgM+Bh20>(「たった一人の反乱」より)
 外国人の献金に関しては受け取る側ではなく献金する側にペナルティーを科せば済む話だ。
 外国人だけでなく、犯罪履歴のある人や暴力団、一定額以上の補助金を国からもらっている企業も同様。
 その気になれば外国人が通名を使って閣僚候補に献金すると何年後かには政局が動かせちゃうなんておかしいでしょ。
 要は賄賂みたいな献金で政策が歪められなければ良いんでは?
<zA8l0z6Z0>(同上)
≫野田首相が裏から手を回して米国政府を動かしていなかったとすれば、それこそ見損なったよ。《(コラム#5793。太田)
 太田さんが野田へのハシゴを外し始めたようです。
 これで民主党が選挙で負けても言い訳出来ますね!?
<TEmyuRgv0>(同上)
 太田さんは、野田さんを買いかぶりすぎなんですよ。
 「原発ゼロ」宣言を閣議で決めようとしてアメリカに介入させるという芸当をまともな政治家が演じるわけないでしょう。
 そんなことをやる可能性は限りなくゼロに近い。
 公の場でアメリカに介入されて宣言を撤回すれば、恥さらしなだけで、反原発派が激昂して
支持率が下がるだけだと予測するのが普通でしょう。
要するに野田さんもポピュリスト(小沢一郎ほどひどくはないが)で、国防に関してまともな常識はないことが判明しただけ。
<TEmyuRgv0>(同上)
 「安全保障」に関しては小沢一郎はまともではないかと勘違いしていた。
 時期が恥ずかしながら私にもありました。まったく馬鹿な話です。
 訪独の小沢氏、「10年後の原発ゼロ」強調
http://news.livedoor.com/article/detail/7054582/
<tOgM+Bh20>(同上)
 <TEmyuRgv0クン、>まあ、野田首相の「原発ゼロ」方針は消費税増税という不人気政策をやったから、その上さらに原発維持という不人気政策をやると世論や党内が持たないと判断したからでしょう。
 原発再稼働でさえ批判に晒されてるわけだからね。
<TEmyuRgv0>
 党内に敵はいないんですよ。この困難な時期に総理になりたい奴はいない。
 次期の衆院議員選挙は前回ほどの大勝利は見込めない。
 だから、だれも総理になりたがらない。
 自民党は「原発ゼロ」とは言っておらず、維持するべきだと言っている。
 だから、選挙で争点にはなりにくいと計算したうえで、原発停止で貿易収支が赤字に転落したこと、電力料金が高くなること、国内の企業が海外へ移転して空洞化することを訴えればよかったと思うけどね。原発の安全性を高めるために1千億でも1兆円でも予算を組めばよかった。どうせ、大赤字で増税するんだから関係ないよw。
<zA8l0z6Z0>(同上)
 総理になりたい奴はいないだろうけど、党を抜けようとする奴は出てくるんじゃないの?
 与党過半数割れはあと9人
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS16029_W2A011C1PP8000/
 過半数割れば雪崩をうったように一気に民主党が崩れる可能性もあるし、そりゃ野田も慎重に成らざる得なかったと思うんだが。
 もっとも太田さんはそんなの知ったこっちゃねえ、党が分裂して消えてなくなろうとも安全保障に邁進しろって感じだけど。
<TEmyuRgv0>(同上)
 民主党を抜けようとする主因は原発問題というわけでもないでしょう。
 だから、あそこまで踏み込んで「原発ゼロ」発言をする必要はなかったはず。
 恐らく、野田さんは安全保障に一定の感覚はあるけど、「日本は核武装のオプションは保持するべき」という感覚はないと考えれば筋は通る。
 もっとも、その考え方では「安全保障に一定の感覚はある」とは言わないでしょうねw。
 原発立地自治体と来月から協議 政府、脱原発巡り工程表
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGC19002_Z11C12A0EB2000/
 「原発ゼロ」の閣議決定は止めたが、政府の方針は「原発ゼロ」を目標としていることは疑いようがない。
 野田さんがアメリカに介入してもらうという策を取ったとすれば、この政府方針を了承するはずがない。
 野田さんは、アメリカ介入の本質的な意図を理解していなかったのだろう。
<太田>
 将来、野田首相が出版するであろう回顧録が待たれるねえ。
 ところで、とりあえずは民主党は小康状態のようだな。↓
 「民主の反野田勢力、しぼむ離党論 解散時期見極め 「受け皿」期待の維新も減速・・・」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2000R_Q2A021C1PE8000/?dg=1
 それでは、その他の記事の紹介です。
 橋下の大勝利で幕引き。↓
 「橋下代表、取材拒否を撤回 「週刊朝日」連載中止で・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012102001001596.html
 朝日自身がこういう反論を試みなかったんだから、今更って感じだな。
 朝日は、「左」イデオロギーにいまだに囚われてるだけじゃなく、実に打たれ弱いね。
 同社は、戦後の柔弱なる進歩的知識人の末裔の巣窟であるその正体を天下に晒したってこと。↓
 「佐野眞一氏と週刊朝日の「ハシシタ 奴の本性」は橋下徹大阪市長の人権を侵害していない・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/7064205/
 コラム#5765でその書評を引用した本の書評がまた出てたが、その中からだ。↓
 <いまだにスターリン批判を行っていないのは、主要共産主義政府の中では中共のみ。↓>
 China is the only major communist power that has never junked Joseph Stalin. The Soviets started the process when he died in 1953; Eastern Europe followed suit. But China has stuck with the Boss through thick and thin. Even today, China’s censors ban criticism of the long-dead Soviet dictator. And from time to time, a portrait of the mustachioed communist leader (with very Asian-looking eyes) glares out over official Chinese functions.・・・
 <毛沢東が中国共産党の指導者になれたのはスターリンの庇護とコミンテルンの資金援助のおかげ。戦後の国民党との内戦の間、毛沢東はスターリンの助言を積極的に求めた。↓>
  Mao’s rise to the leadership of the party was backed by Stalin and funded by the Communist International. During China’s civil war against the Nationalists from 1945 to ’49, Mao solicited and often followed Stalin’s advice ・・・
 <中共の権力掌握後に毛がやったところの、農民に敵対する行為といい、資本主義ないし資本家の除去といい、スターリン主義の教科書通り。↓>
 After the communist victory, Mao’s war against China’s peasantry, his murderous collectivization of China’s agricultural sector, and his elimination of capitalism and the capitalist class were cribbed from Stalin’s playbook.
 <朝鮮戦争への参戦は、毛のスターリンへの傾倒の表れとしか形容のしようがない。↓>
 Finally, even Mao’s fateful decision to enter the Korean War・・・appears・・・at least in part to have been a conscious demonstration of [China’s] leaders’ devotion to the Kremlin boss.”・・・
 <人民解放軍は農村から兵士を集めたが、農民を集めたわけではなく、日雇いやならず者や盗賊といった無法な群衆を集めた。連中は、自分らよりもちょっとでも恵まれた人々を支配し蹂躙することに喜びを見出した。そのことは周恩来が認めている。↓>
 Mao found the cannon fodder for his rebellion in the countryside all right, but they weren’t farmers. Rather they were landless day laborers, vagabonds and bandits — “a lawless mob,”・・・. They, and not China’s peasants, constituted the foundation for Mao’s revolution — an uprising of hooligans who “wanted to dominate, humiliate, and grind into the dirt everyone who was even slightly better off than they.” Even Mao’s comrade Zhou Enlai was shocked. “Mao’s troops are just bandits who roam here and there,” he said in 1927. “Such leaders do not believe in the strength of the popular masses.” ・・・
 <毛沢東は、人間の獣性を操った。兄弟愛を唱えたのではなく、妬みとあらゆるものへの猜疑心を掻き立てたのだ。↓>
 Mao manipulated the basest of human emotions. It was not brotherly love that he conveyed, but rather enmity and universal suspicion.・・・
http://www.washingtonpost.com/entertainment/books/mao-the-real-story-alexander-v-pantsov-and-steven-i-levine/2012/10/18/6b6c7d48-1203-11e2-a16b-2c110031514a_print.html
 米国がいかに遅れた国であるか、何度か取り上げてきているが、またどうぞ。↓
 <先進35か国中、子供の貧困率は34位、4歳で幼稚園/保育園に通っている率は28位、25歳~34歳で高等教育を受けた者の率は14位、また、全部の国及び地域中、乳児死亡率は49位、更に、社会流動性では地理的意味での欧州諸国の大部分、豪州、カナダに劣る。↓>
 ・・・the dismal statistics on child poverty, declaring it an outrage that of the 35 most economically advanced countries, the United States ranks 34th, edging out only Romania. He might take on educational achievement, noting that this country comes in only 28th in the percentage of 4-year-olds enrolled in preschool, and at the other end of the scale, 14th in the percentage of 25-to-34-year-olds with a higher education. He might hammer on infant mortality, where the United States ranks worse than 48 other countries and territories, or point out that, contrary to fervent popular belief, the United States trails most of Europe, Australia and Canada in social mobility.
 <米国が1位なのは、収監率であり、ロシア、キュ-バ、中共をはるかに上回るし、一人当たりエネルギー消費ではドイツの2倍だ。↓>
 The candidate might try to stir up his audience by flipping a familiar campaign trope: America is indeed No. 1, he might declare — in locking its citizens up, with an incarceration rate far higher than that of the likes of Russia, Cuba, Iran or China; in obesity, easily outweighing second-place Mexico and with nearly 10 times the rate of Japan; in energy use per person, with double the consumption of prosperous Germany. ・・・
http://www.nytimes.com/2012/10/21/sunday-review/candidates-and-the-truth-about-america.html?ref=opinion&_r=0&pagewanted=print
 いまや、既婚者の浮気では、夫と妻によるものが割合的に拮抗しつつあるって。↓
 Researchers believe that the incidence of unfaithfulness among wives may be approaching that of husbands.・・・
http://online.wsj.com/article/SB10000872396390443684104578062754288906608.html?mod=WSJ_hp_Asia_EditorsPicks
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太田述正コラム#5796(2012.10.21)
<赤露の東欧支配(その2)>
→非公開