太田述正コラム#5929(2012.12.27)
<皆さんとディスカッション(続x1762)>
<太田>(ツイッターより)
 「訪日外国人消費が回復へ 東南ア客が中国人客の穴埋めに…」
http://j.people.com.cn/94475/8071627.html
 「11月の外国人観光客減少 日本人客は急減=韓国…」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/12/26/2012122601232.html
 因果応報、正義は勝つってやつだな。
「女性スターのおさげ髪姿…おさげ髪は中華民国時期の女学生の間で最も流行した髪形だ。…」http://j.people.com.cn/94638/94657/8072126.html … セーラー服等と同様、これも当時の日本から輸入されたファッションじゃないかと思ってちょっと調べたが分からなかった。
<M4JCNOce0>(「たった一人の反乱」より)
 党首は辞めたら、次の展望が難しいでしょ。
 幹事長は金を握って、他人の選挙区事情を知ることも出来るので、党内で力をつけるのに都合がいい。
 だから、自民党時代でも出世の近道でもあった。
<太田>
 非政権党の幹事長なんて、党代表のサブに過ぎない。(石原伸晃のこと思い出してみ。)
 しかも、代表とは一蓮托生だぜ。(同上)
<H44W032+0>(「たった一人の反乱」より)
≫これまでで、ボクの「理屈」が「現実に目を背け<て>た」ために「予想が外れ」た事例を挙げてみ。≪(コラム#5927。太田)
    ↓
 「今から予言しておこう。来年の総選挙以降も民主党(を中心とする)政権が維持されるだろう。ちゅうか、そうならなきゃ、日本の有権者は気ー狂ってるってこと。」(コラム#5715)
 民主党政権は来年まで解散しない、挙句に民主党政権が与党になるとか見当外れの予想して盛大に外したのもう忘れたのかw。
 現実見てた誰もがそれだけは絶対にねえよって突っ込み入れてるのに聞く耳持たない上で恥晒したってのに。
<太田>
 キミに逆に聞くが、あの時期に野田前首相が衆院を解散することを予想できた人間がどれだけいた?
 野田前首相だろうが誰だろうが、民主党に壊滅的敗北をもたらすことが必至であるところの自殺的解散は回避しようとするだろう、と思うのが「現実<から>目を背け<ない>」ってことだろ。
 ところが、野田前首相のやったことは、常識を覆すものだった。
 衆参同一選挙まで引き延ばしたとしても、民主党は大幅に議席を減らすであろうところ、仮に民主党が衆院で過半数の議席がとれても参院では依然少数与党のままで政局の混乱は続くだろうし、過半数を切って比較第一党になった場合は自民党が連立を組んでくれる保証はないし、仮に組んでくれたとしても、民主党内に反野田分子をたくさん抱えている状況で、(自民党のタカ派ぶりにも依然疑問符がつくときてるんだから、)集団的自衛権の解禁等はとても政治日程に上らせることはできない、と彼は踏んだんだろな。
 大体からして、昨今、日本の政治家には碌な奴がいないというのも「現実<から>目を背け<ない>」者にとって常識であるところ、こんなに桁外れにスゴイ政治家が日本にもいたってのは、それまでさんざ野田前首相を持ち上げてきたボクにとってすら衝撃だったわさ。
 こういうことを頭に入れた上で、以下の記事を噛みしめてみな。
 日本の安全保障政策を飛躍的に前進させ、消費税増税も成し遂げ、その上で、躍進させた維新のにらみの下での自民党の政権復帰(安倍の首相復帰)を目論見通りに成し遂げた野田前首相が、どれだけの感慨と満足感をもって首相としての最後の日を迎えたのか、分かるよな。↓
 「首相指名選挙が行われる直前、たった一人で衆院本会議場の自席に座った野田首相。
 首相官邸から早めに到着した。」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20121226-OYT1T01192.htm?from=ylist
 よって、「これまでで、ボクの「理屈」が「現実に目を背け<て>た」ために「予想が外れ」た事例」はまだ「挙げ」られてないのであるよ。
<qshfBTRA>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 体育館の裏”で軍事協定を提案した韓国
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120604/232917/?P=3
 「中国との国交正常化以降いつごろころか、韓国は米国と安保協議をするたびに、直後に情報機関の最高責任者をこっそり北京に送り中国の最高指導者に直接その内容を報告するようになったという。米国高官が日本の関係者に明かした話だ。米国高官は苦々しげな顔をして「我々は(中韓秘密接触を)全部知っているのだが(韓国には何も言わない)」と言ったという。」
 この話は本当なのか?本当ならアメリカが韓国を信用しないのは、当然ではある。
<太田>
 ウソだろうな。
 そもそもからして信頼性の低い鈴置高史日経記者(コラム#1835、1884、2483、5675)が、(匿名の)第三者からの伝聞情報を、その(同じく匿名の)「米国高官」に確認をとらずに、右から左へと紹介してるだけなんだからねえ。
<Jq.1dBA2>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 ジェラルド・L・カーティス教授の総選挙分析
http://diamond.jp/articles/-/29838
 恐ろしく真っ当な分析。鳩山以外は民主党は悪くなかった。
 個人的に気になるのは、アベノミクスの成否と民主党が憲法改正をめぐって公明党と連携する可能性。
 アベノミクスは地デジ特需のようにならなければよいけど。
<太田>
 私がカーティス教授とほぼ見解を同じくするのは以下の箇所だ。
「・・・有権者の民主党批判は、行き過ぎのように思う。東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故において、菅直人首相の対応が非難されたが、ほかの誰が総理であったなら、もっとうまく対処できたというのだろうか。ハリケーン、カトリーナやサンディに対する米政府の対応に比べても、決してまずくなかった。
安倍晋三新首相は、日米関係が悪化しており再構築しなければならないと発言しているが、現在の日米関係は決して悪くはない。・・・
 最大の公約違反は、消費増税であったが、私は菅、野田両首相がその必然性を理解し、腹を決めたことは評価している。とりわけ野田首相に対しては、財界も米国も高く評価していた。・・・
 <自民党が>参院選で単独過半数を取ることができれば、憲法改正や集団的自衛権行使の解釈変更に焦点を移すだろう。・・・
 派閥で言えば、宏池会を中心とするハト派的な考え方を持っている議員の力が自民党内で弱くなった。現在の民主党が、宏池会を代替しているからかもしれない。・・・
 他方、私が不同意なのは次の3か所だ。
 <カーチス教授は「右」=「タカ派」としているようだが、「右」=「自立」、と解すべきであり、「自立」志向が過半を占めるようになったという点では「政治」も「世論」も同じ。ただし、「世論」が「政治」ほど覚醒していないというだけのこと。なお、「自立」志向それ自体に何の問題もない。↓>
 「・・・日本の国民が右傾化しているとは思わない。しかし、日本の政治が右傾化しているのは間違いない。反対する組織勢力が弱まっているからだ。問題は、日本の世論が右傾化している政治に引っ張られるかどうか、である。・・・」
 <「衰退」ならぬ「純化」を目指す野田前首相の意向に、彼らが意識的無意識的に従っていると解すべき。ただし、細野の幹事長就任は???。↓>
 「・・・岡田克也氏、前原誠司氏、細野豪志氏、玄葉光一郎氏など、民主党の中枢にいながら、党首になるのを辞退しているが、これは党が衰退しても仕方ないという姿勢に見えても仕方ない。「選挙結果に責任がある」とその理由を挙げるが、「命を賭けて党の再生に取り組みたい」と言うのが責任感というものである。リーダーと称する人たちのこうした覚悟がなければ、党の将来は暗い。・・・」
 <国の「自立」を果たすまでは、「自立」派と「吉田ドクトリン」派との対立軸をはっきりさせるためにも、小選挙区制を基本とする現行の選挙制度をいじるべきではない。「自立」後については、中選挙区制・・戦前もそうだった・・
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E9%81%B8%E6%8C%99%E5%8C%BA%E5%88%B6
に戻すのも一つの考え方。↓>
 「・・・米国も小選挙区制を採用しているが、70%の票は人種、宗教、貧富の格差を背景にした党の支持があって動かない。残りの30%が浮動票だ。しかし、日本では自民党も民主党も、選挙で同じ有権者を取りに行くから、選挙結果がスイングしやすい。・・・
 中選挙区制にも問題があるが、相対的にはまだましだ。小選挙区制を維持するなら、ドイツのように比例配分の割合を増やしていく仕組みを取り入れるべきだ。現在の小選挙区制が一番よくない。」
<komuro>
≫比較的簡単につくれておいしい料理があったら、今後とも、読者の皆さん、レシピを教えていただければありがたい。≪(コラム#5927。太田)
 4コママンガを読んでいたら、以下のページが紹介されていました。
・海上自衛隊のレシピ
http://www.mod.go.jp/msdf/formal/family/recipe/menu/today/index.html
 メニューは充実しているし、ほのぼのしていて良いですね。
 せっかく良いページを作っているのだから、もっとみんなに知って欲しいです。
<eBwXS2Qc>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 レトルトを重ねて焼くだけ!本格ラザニア
http://www.madameriri.com/2012/11/07/%E3%83%AC%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%88%E3%82%92%E9%87%8D%E3%81%AD%E3%81%A6%E7%84%BC%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%91%EF%BC%81%E6%9C%AC%E6%A0%BC%E3%83%A9%E3%82%B6%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%81%8C%E7%B0%A1%E5%8D%98/
 ラザニア用パスタ、ミートソース、ホワイトソースは、Amazonで大容量のモノが売っている。
 (チーズ類はどこで買っても(キロ単位で買わない限りは)あまりコスパ変わらない。)
 冷凍和風野菜ミックスを使った筑前煮
http://www.ffa.ajinomoto.com/recipe/okazu/chikuzenni.html
※ただし、和風野菜ミックス(各社から出てる)があるスーパーと無いスーパーが存在。あった場合、冷食半額セール時に買い込むとなおコスパ良し。
※上掲レシピに、高野豆腐が入ってないのは、たいへん遺憾。
※同時に梅、紫蘇こんぶ、明太子(焼かないから手軽)のおにぎりを作れば、10年は戦えるおそろしい子。
<太田>
 みなさん、さっそくレシピをご紹介いただき、ありがとう。
 それでは、その他の記事の紹介です。
 まずは、安倍新政権への各国の反応から。
 ボクが予想した通り、中共当局は大歓迎だ。↓
 「安倍新内閣:関係改善への期待感を表明…中国外務省・・・」
http://mainichi.jp/select/news/20121227k0000m030035000c.html
 <中共当局と自民党との間の人脈、金脈(コラム#5909)が、例えばどんなものか、良く分かるであるよ。↓>
 「・・・安倍晋三訪華の内幕、京劇芸術家が密かに取り持つ・・・
 昭恵氏の「密使の旅」を伝える中国語サイトには「チャイナドレスで現れた昭恵氏の姿に、中国のトップたちが感動した」との一文も残っている。政治的野心や術策ではなく、一個人として中国文化への親しみや関心を体現する昭恵氏に、中国の人々が心を動かされた様子が伝わってくる。
 そして、3カ月後の2006年9月26日に安倍氏が首相就任。最初の公式訪問国に中国を選び、首相就任からわずか12日後の10月8日に安倍夫妻は北京国際空港に降り立った。この訪中は、冷え切った日中関係の氷を砕くものとされ、「破氷之旅」と中国側から大きな評価を得た。・・・
 昭恵氏の父は森永製菓の元社長でもある。森永製菓は2010年に中国浙江省に新工場を開設するなど、中国への積極展開を進めており、ここで生産する「ハイチュウ」は中国の小売店で扱われ、中国都市部では身近で人気の高い菓子となっている。日本企業にとっての中国市場の意味と重さは、安倍新首相にとっても他人事ではないだろう。・・・」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36811
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121226/241549/?mlt
 それにひきかえ、韓国での論調は、極めて安倍新政権に敵対的だ。↓
 「日本の安倍晋三・新首相(写真)が26日、新藤義孝議員(54)を総務相に、稲田朋美議員(53)を行政改革相に任命した。両議員は昨年8月、「竹島(独島の日本名)は日本の領土」と主張するため韓国に入国しようとし、入国を拒否された極右派だ。・・・
 古屋圭司・国家公安委員長や下村博文・文部科学相も、韓日外交で最大の争点となっている、旧日本軍によって強制動員された従軍慰安婦の存在自体を否定している。下村氏は歴史教科書に、日本の侵略の歴史について反省する内容が一部盛り込まれていることが「自虐史観」だと主張しており、今後教科書の改悪が本格化する可能性もある。・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/12/27/2012122700543.html
 「・・・2010年、当時の菅直人首相が韓日強制合併(日韓併合)から100年を迎えたのを機に謝罪の談話を発表した際、これに激しく反発した小野寺五典議員を防衛相に、また今年5月に米国を訪問し、ニュージャージー州の「慰安婦の碑」撤去を要求した古屋圭司議員を国家公安委員長と拉致問題担当相に任命した。・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/12/27/2012122700523.html
 <若干は「物わかりのよい」部分もあるけどね。↓>
 「・・・木村幹神戸大教授は「安倍首相が公約を守らないと批判する勢力に配慮し、新藤氏らを入閣させたのではないか。外相などには比較的中道の人物を入閣させており、韓日関係を改善する意思はあるとみるべきだ」と指摘した。また、日本のある専門家は「中国関連の公約を実行すると、中国から貿易上の報復を受ける可能性が高いため、安倍首相は韓国に関する公約で極右勢力の不満を解消する可能性がある」との見方を示した。」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/12/27/2012122700542.html
 その背景には、何度も言ってるように、韓国が直面している、昔の名前で出ているところの、根本的選択がある。↓
 「・・・これまでの韓国政治は「左右」が激しく対立してきたことで有名ですが、今回は「世代」の対立が表面化しました。・・・
 動員合戦の結果、投票率は75.8%に上昇しました。しかし、50歳代に限れば89.9%。何と10人に9人が投票したのです。そして60歳以上も78.8%。まさに中高年が若者に「負けまいと」投票したのが分かります。・・・
 中高年の保守は現在の豊かさを維持するためなら、外交的なパートナーとして米国ではなく中国を選ぶかもしれません。・・・
 韓国の若者も仕事を得るためなら上海でもどこでも行こうと考えています。そもそも、GDPに対する韓国の対中輸出の比率は、日本のそれと比べたら4倍になります。もっとわかりやすく言うと、韓国から見た中国は、日本から見た中国より4倍も大きく見えている。・・・」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121225/241520/?mlp&rt=nocnt
 英エコノミスト誌は、結構辛辣に安倍新政権を見ている。↓
 「・・・経済団体連合会は・・・落胆している。経団連が<政権>に望むのは生産性の向上であり、そのために農業や医療の自由化などを要求しているが、これらの分野はどちらも自民党の支持基盤だ。・・・
 ・・・2007年、安倍氏は極度の心労にさらされ首相を辞任した。安部氏は腸疾患に長年悩まされている。現在はきちんと薬を服用していると述べているが、この病気はストレスの影響を受ける。・・・」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36821
 ボクが早期に指摘した通りだな。↓
 「笹子トンネルの天井板崩落事故<については、>・・・接着系あと施工アンカーの劣化が事故の原因に浮上している。接着系アンカーの長期引張荷重による限界耐力を把握するのは難しく、経年変化を考慮した設計法はいまだ確立していない。・・・」
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/const/news/20121224/596969/?bpnet
構造的問題から目をそらせてこんな上っ面だけの贔屓の引き倒ししてちゃダメじゃん、桜林美佐サン。↓
 「・・・すでにUH-Xの開発は3年続けて予算計上を見送られてきた経緯があり、昨今のわが国をとりまく情勢に鑑みて、待ったなしのところまで来ている。これ以上の遅れは許されないのである。
国内開発・生産は国益にかなっている
 それにしても、この問題の最大の矛盾を感じるのは、その危機感を誰よりも強く感じていたのは他でもない起訴された陸自の2人であり、だからこそ、川崎重工に情報を提供した。それなのに罪に問われたという事実だ。・・・
 (富士重工が製造するヘリコプターは米国企業の技術を取り入れている)。・・・」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36832
 あらそうだったの。↓
 「かつての「ニュータウン」、中国人が3割 新たな活力源に 日本・・・」
http://j.people.com.cn/94473/8068572.html
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太田述正コラム#5930(2012.12.27)
<日本の対韓・対中謝罪をめぐって(その2)>
→非公開