太田述正コラム#5971(2013.1.17)
<皆さんとディスカッション(続x1782)>
<太田>(ツイッターより)
 「…陳列棚に並んだ商品を目にした私たちは日本の包装技術に敬服せざるを得なかった。…
 何よりも印象的だったのは日本人の自覚の高さだ。
 治安やマナー、自動販売機など多くの場面でそれが垣間見えた。…」
http://j.people.com.cn/94473/8094592.html
 まこと鬼気迫るヨイショぶりであることよ。
 「有害物質含む濃霧で面目喪失した中国 環球時報社説…」
http://j.people.com.cn/94475/8095305.html
 どう見ても、中共当局打倒に向けての革命宣言にしか読めないなあ。
 なお、昨年の対日暴動を暗黙裡に非難してると読める部分もあるぜ。
 人民網から目が離せなくなってきた。
<0ZOetBEW0>(「たった一人の反乱」より)
 ソニー社史に、元社長が若いころWEに研修に行って、パクリまくったって話が誇らしげに書かれてます。
http://www.oqx1.jp/works/SonyHistory/1-5/h2.html
 日本のメーカーも、海外の優れた技術のパクリで会社を立ち上げたんですよ。
<1nc5L5J80>(同上)
 ちょっと違うと思うぞ。
 暇が出来たら、典拠を付けて反論するわ。
<太田>
 0ZOetBEW0クン、盗んだ(パクった)という点に関しては、その通り。
 ただし、日本のメーカーは、韓国のメーカーのように、(日本の政府・企業・個人による支援を活用したという意味での)「技術への寄生」(注)
(注)「1973年、日韓基本条約に伴う対日請求権資金などによる資本導入と、八幡製鐵及び富士製鐵(両社は1970年に合併し新日本製鐵となった後、住友金属工業とも合併し現在は新日鐵住金)と日本鋼管(現在のJFEスチールとなる)の三社からの技術導入により、慶尚北道浦項市に国営の浦項総合製鉄所第一期設備を建設した。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%82%B9%E3%82%B3
や(部品面等での日本依存の意味での)「つまみ食い」(注)のようなことは基本的にやらなかった。
(注)「韓国は当初から、独自技術が弱いために主として日本から資材や部品を輸入し、日本から輸入した工作機械で組立てて製品を作り輸出してきた。この構造に今なお変わりがない」
http://www.fis.takushoku-u.ac.jp/research/sekai/sekai11/sonfa.html
 バクった程度も不十分で寄生やつまみ食いに至ってはその程度が極めて不十分な中共に関して、「中共のメーカーはまだそこまでも行ってない。」と「まで」という言葉を使ったことを考えてくれたまえ。
 とにもかくにも、ボクとしちゃあ、技術について、日本、韓国、中共という序列が、3国間で、依然、厳然とある(注)
(注)「李健煕(イ・ゴンヒ)サムソン電子会長は「外見では三星(サムソン)がリードしているように見えるかもしれないが、中身(部品)で日本に追いつくためには、まだ多くの時間と研究が必要だ。学ぶべきことは多い。ずっと学んでいかなければいけない」と率直に語っている(『中央日報』2011年1月11日)。」
http://www.fis.takushoku-u.ac.jp/research/sekai/sekai11/sonfa.html 上掲
よってことが言いたいんだな。
 これは、この3国のスモッグ克服等の環境政策についても言えることだ。
<70U3+s6o0>(「たった一人の反乱」より)
 団塊の世代には、確かに左寄りの人が多そうだ。
 ただ、憲法9条改正と徴兵制をセットにすることはないでしょう。
 スイスみたいな例外を除けば、徴兵制の導入は戦時下か準戦時体制(韓国)でしかないだろうし、アメリカやイギリスでも徴兵制はないし、島国だから長い国境線をめぐってにらみあうことも ないのが現実なのだから。
 ついでに言っとくと、個人的感想だけど、地方の人は良い意味でも悪い意味でも保守的な風土だと思う。
 悪い意味で言えば、利権屋の自民党が当選するが、良い意味で言えば、徴兵されるくらいなら弱腰外交の方がまだマシだとは思わない人たちが多い気がしている。
<vXuvA7bl0>(同上)
 憲法9条改正と徴兵制をセットにした教育を施されてる時代だから言っても聞かんだろ?
 団塊の世代の爺婆1人1人に説明していく訳にもいかんし、TVや新聞等の報道期間がそんな説明する訳ねえしネットやる世代でもねえから戦後教育の洗脳解くなんて不可能この年代生まれで今みたいな発想が出来るおーたんの方が異端。
<太田>
 そんな「教育を施され」た記憶がないんだけどねえ。
<VvgRrWD>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
≫日本文化の綜合性≪(コラム#5969。太田)
 日本文化の綜合性の典型は茶の湯ではないでしょうか。
 太田さんが既にコラムで触れているかもしれませんが・・・。
 千利休はお茶を飲む器にこだわるだけでなく、茶室や掛け軸、花入れ、庭にも情熱を注ぎました。茶室は言うまでもありませんが、茶の湯で掛け軸が重要視されるのは、利休のせいですし、竹製の花入れ、庭に石灯籠を置いたのも利休が最初です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8E%9B%E8%BB%B8
http://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=14127
http://www.nhk.or.jp/tsubo/backnumber/arc-20080926.html
<太田>
 茶の湯のような3Dじゃない、2Dアートの例として鶴図下絵和歌巻を出したつもりですがね。
 「桃山時代には、寺や神社だけでなく庭にも置かれるようになりました。千利休が、茶室の周りの庭に古びた石灯籠をしつらえたのです。以来、石灯籠は日本で独自に発展していったのです。」ってのは知らなかったなあ。
<ねこ魔人>
 イギリスに憲法が存在しないのは了解です。<(コラム#5951参照)>
 マグナカルタや権利請願などの憲法的要素の集積は、(不文)憲法の概観をそこに現出させているように見えていたとしても、それらは憲法の影を投影したものに過ぎず、それらだけに不文憲法の全貌があらわされきれているわけではないのですね。
→おっしゃる意味が良く分からないが、イギリスには不文憲法すら存在せず、法律としての効力のあるところの、憲法的事項(国の基本的事項)を定めた、文章化された法規群が存在するだけだ、というのが私の認識です。
 米国は、イギリス(英国)から独立した後、1788年に、この法規群中、国の組織に関わる部分について、三権分立にする等の改変を加えた、かつ、法律よりも改正要件を厳格化して文章化されたところの、憲法なるものを世界で初めて制定したわけです。
 次いで、1791年に、上記法規群中、臣民の権利に関わる部分を付け加える改正が行われたところです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%90%88%E8%A1%86%E5%9B%BD%E6%86%B2%E6%B3%95 (太田)
 ただ、日本国憲法が憲法典として無効であるのは前提として、日本国憲法は本当に条約ではないのでしょうか?まず、日本国憲法の効力が問題になると思います。
 帝国憲法76条1項「法律規則命令又ハ何等ノ名稱ヲ用ヰタルニ拘ラス此ノ憲法ニ矛盾セサル現行ノ法令ハ總テ遵由ノ效力ヲ有ス」と規定しています。この規定の趣旨は、その法令の名称が如何なるものであれ、その内容・実質が大日本帝國憲法に違反しない限り、これを有効として認めるという点に求められます。
 日本国憲法が制定法であることは間違いがないので、日本国憲法の効力は、帝国憲法に反しない限り有効であると考えます。
→既述。(太田)
→当たり前過ぎて、例えば、ここ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%B8%9D%E5%9B%BD%E6%86%B2%E6%B3%95%E7%AC%AC76%E6%9D%A1
には書かれていませんが、「現行ノ」というのは、帝国憲法制定時に「既に存在していた」法規群という意味であり、同憲法制定以降に制定された(日本国憲法を含む)法規群は対象としていません。(太田)
 こうして日本国憲法の限定的な有効性が確認できました。では、次にこの法律は条約なのでしょうか?
 条約というのは、国際法にもとづいて成立する国際的合意であり、国家および国際機構を拘束する国際的文書であるそうです。
 そうだとすると、太田さんのおっしゃる限り、締結国を拘束しない法律は条約とはいえないのかもしれません。
 しかし、たとえ締結当事国双方の拘束がなくとも、考察対象を当事者一方国の国内法の法域に限定した場合、当該国家を拘束し、当該国家の法域内では条約と同様の効果を持って機能している法律は、国内法の法域内では、条約として存在していると擬制出来るのではないでしょうか?
→「出来」ません。(太田)
 日本国憲法の存在により、国家権力の行使は制限されているといえるのは明らかで、したがって、日本国憲法は、日本法の法域内では条約として機能しているといえるのではないでしょうか?
→既述。
 どうでもいいことですが、米国憲法こそ、独立時の13植民地(州)の条約たる性格を持っていました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%90%88%E8%A1%86%E5%9B%BD%E6%86%B2%E6%B3%95 前掲 (太田)
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 ペンネームによる、元航空自衛官と称する人物によるコラムだが、下掲部分等、同感できる部分が多い。↓
 「・・・尖閣には適用できない。多数の人員を上陸させるには、大量の補給物資輸送が継続できることが条件となる。補給物資が滞ると「尖閣版ガダルカナル」となる。そのためには制空権、制海権を獲得することが必須である。
 中国空軍は現在、第4世代戦闘機は航空自衛隊の2倍以上保有する。だが、航続距離、管制能力ともに劣り、洋上での航空作戦能力はいまだ成熟の域に達していない。東シナ海上空での中国空軍の航空作戦能力は、航空自衛隊単独であっても凌駕することは難しい。・・・
 制海権でも日本が優位を占める。海上自衛隊は対潜作戦や機雷掃海の実力で米軍に次いで世界第2位である。海上自衛隊のイージス護衛艦の能力は最新鋭の中国艦艇と比べても、ケタ違いの能力差を有する。海上自衛隊単独でも十分強力である。・・・」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36937
 日本側は、軍事知識のない前大使が中共の策動に乗じられ(上掲コラム参照)、中共側は、下掲のように、軍事知識のない元将官が中共当局を自殺的愚行へと追い詰める。↓
 「中国人民解放軍の彭光謙少将が、「日本が曳光(えいこう)弾を一発でも撃てば開戦の一発」と発言したことに、菅義偉官房長官は16日の記者会見で「領空侵犯機には国際基準に基づき厳正な措置を実施する」と反論した。彭氏は退役しているとはいえ軍の意向を反映した発言とみられ<る>・・・
 警告射撃は国際法で認められた措置で、自衛隊機は相手の航空機と同じ方向に横並びで飛行し、前方に曳光弾を発射する。相手機に危害を加えるようなものではない。・・・」http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130116/plc13011622450016-n1.htm
 もはや中共当局は、憤死寸前?
 ここでもう一度、冒頭に掲げたボクのつぶやきを振り返ってもらいたいね。↓
 「新聞社殺すのはアリ殺すように簡単…北京紙記者・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130117-OYT1T00209.htm?from=ylist
 そもそも、公立高校で体育学科なんて必要なんかい?
 なんだか利権くさいな。↓
 「「橋下市長は分かっていない」募集停止に在校生から悲鳴・・・」
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130117/waf13011710180008-n1.htm
 昭和初期に始まった日本の縄文モード化はついに完成?↓
 「自殺者3万人切る、15年ぶり・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013011701000977.html
 NYタイムスの日本に関するイエローペーパー化・・もとから?・・は目に余るものがある。
 なんでそうなのかを解明する必要があるかもな。↓
 「「尖閣は日本の戦利品」と書いた米記者に抗議・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130117-OYT1T00384.htm?from=main5
1948年の欧州の子供達の写真集だ。↓
http://life.time.com/history/picturing-misery-david-seymours-children-of-europe-1948/#1
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 ジャバのアップグレードだが、昨日、
http://java.com/ja/ddownload/win8.jsp?locale=ja
からダウンロードしてインストールできた。
 インストールしたボクのパソコン3台は全てwindows8の64ビットだが、32ビットのしか提供されていないのが気になったが、ジャバ以外のアドオンも全て32ビットであるところを見ると、かまわないのだろう。
 もう一つ、対象はデスクトップパソコンのみ、という表示があったと思うが、問題なく携帯パソコンにもインストールできた。
 ところで、ジャバって何の役に立ってるんだろ。
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太田述正コラム#5972(2013.1.17)
<狩猟採集社会(その4)>
→非公開