太田述正コラム#6317(2013.7.9)
<皆さんとディスカッション(続x1955)>
<太田>(ツイッターより)
 CNNが、アシアナ航空事故で亡くなっの級友たる中共の2人の女高生の記事を2本載せてい<る>。
 彼女達は、小さな都市から上海よりソウルに飛び、更にサンフランシスコ経由でロサンゼルス近郊の学校に行こうとしていた。
 2~3週間で合計5,000ドルかかる語学研修に、小さな都市からも親が送る時代になっていると感慨。
 中共のネットで、経験の少ない副操縦士に操縦させたアシアナ航空を非難する書き込みをしているのは日本人のようだ。
 一人っ子政策批判的な書き込みも多い。
http://edition.cnn.com/2013/07/07/world/asia/plane-crash-victims/index.html?hpt=hp_c2 …、
http://edition.cnn.com/2013/07/08/world/asia/asiana-crash-china-netizen-reactions/index.html?iid=article_sidebar
 米国の操縦士が、コラムで、アシアナ機の事故は操縦士(や機長)の訓練不足に起因するものではありえない、と断言している。
http://www.slate.com/articles/news_and_politics/transport/2013/07/asiana_airlines_crash_stop_blaming_sfo_s_runways_and_korea_s_pilots_for.single.html
 そもそも、私自身の自衛隊機事故担当経験によれば、人的ミスだけで事故が起こることは稀だ。
 原因解明が待たれる。
<太田>
 朝鮮日報は、下掲の記事の見出し、付け方を間違ってるぞ。
 社長は訓練不足を否定しているだけで、操縦ミスの可能性を必ずしも否定しているわけじゃない。↓
 「アシアナ社長 着陸事故パイロットの操縦ミスを否定・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/07/08/2013070803068.html
 ところで、亡くなった二人を含む一行が向かってたロス近郊の学校は、福音主義キリスト教会付属学校で、安い授業料を設定し、生徒達を信徒の家にホームステイさせ、キリスト教に改宗させるのが狙いなんだね。
 いつまで人類はこういう愚行を続けるんだろう。
 送りこんだ親達も、受け入れたこの会派も、その魂胆は愚かと言うべきか哀れと言うべきか。
 そんな彼らの犠牲になったこの二人の中共女高生のために祈ろう。
http://swampland.time.com/2013/07/08/chinese-crash-victims-headed-to-evangelical-church-school/
<Globalist>
 コラム#6249<にこうあります。>
 女性の方が性的により奔放だという新学説は米国で大きな反響を呼んでいる。↓
 <女性は、視覚では性的興奮をしない、性衝動が男性より低い、性的興奮は愛によって起こりセックスによっては起きない、性的対象ではあっても性的主体ではない、は全部ウソだった。↓>
 ・・・all the modern stereotypes of female sexuality: That women are not visual creatures; that their sex drive is lower than men’s; that they’re aroused by love, not sex; and that they’re naturally fitted to be sexual objects, not agents.・・・
・・・
http://www.slate.com/articles/double_x/doublex/2013/06/what_do_women_want_sex_according_to_daniel_bergner_s_new_book_on_female.html
≫女性の方が男性よりも、本来的には、性により貪欲である、という本を紹介したことを覚えておられるかもしれません。(色々検索をかけたがコラムを発見できなかった。分かった方はご教示願いたい。)≪(コラム#6314(未公開)。太田)
に対するポストです。
<Fat Tail>
 ご無沙汰しております。
 <昨>日<のコラム>#6315におけるTA氏との・・・やりとりについて<ですが>、該当する書評は、#6249で取り上げたこちらの記事ではないでしょうか。
 ・・・女性の方が性的により奔放だという新学説は米国で大きな反響を呼んでいる。↓
 <女性は、視覚では性的興奮をしない、性衝動が男性より低い、性的興奮は愛によって起こりセックスによっては起きない、性的対象ではあっても性的主体ではない、は全部ウソだった。↓>…【*以下略】
http://www.slate.com/articles/double_x/doublex/2013/06/what_do_women_want_sex_according_to_daniel_bergner_s_new_book_on_female.html
 
 その後の米軍に絡めた太田様による解説が印象深かったので、記憶に残っていました。
<太田>
 Globalistさん、Fat Tailさん、サンキュー。
<pJ/DBSxE>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 <コラム#6315での>ご返答ありがとうございました。
 大変勉強になりました。
<TA>
 コラム#6307<に「>埃及<」が>二か所<に出てきますが、>エジプト<に>訂正<すべきでは?>
<太田>
 ツイッター内の表現と一致していないというだけで、間違いではないのですから、そのままでいいでしょう。
<TA>
 「埃及」を読める人は十人に一人もいないと思いますが・・。
 米国とアメリカ、英国とイギリス・イングランドのように使い分けているのでなければ、「エジプト」と表記すべきだとは思います。
<太田>
 短縮形として、例えばオーストラリアの場合、豪州がありますが、エジプトの場合は(読みは同じですが)埃及を用意しておきたいのでそれに慣れてもらうためにはいいんじゃないですかね。
 ツイッターで字数を節約するために最初埃及と書いたけれど、字数が足りたのでエジプトに戻した、という経緯があります。
<TA>
 ところで、昨日のディスカッションの新聞記事の引用で気付いたのですが、「イスラム同朋会」(コラム#6309)、「イスラム同朋団」(コラム#6311)とは、「ムスリム同胞団」のことなのでしょうか。
 (調べてはいませんが、この名前、最近ディスカッションで結構出てきたように記憶します)
<太田>
 そうです。
 日本ではムスレム同胞団と訳すのが通例ですが、大昔にコラムでイスラム同朋団と訳し、その後もこの表記を用いてきている、ということです。
 なお、ムスレム=イスラム教徒、ですから、イスラム同朋団でも問題はないでしょう。
 それでは、その他の記事の紹介です。
 世界人口が増えてるから日本語学習者も増えてるってことか? それとも?↓
 「海外で日本語を学んでいる外国人は昨年、398万4538人に上り、過去最高を更新した・・・<中共、インドネシア、韓国の順。>」
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130708-OYT1T00892.htm?from=main6
 軍の発砲で51人のモルシ「前」大統領支持派が死んだ。↓
 The latest news from Egypt is grim. Fifty-one people are now said to have been killed earlier today when Army units guarding a military barracks opened fire on protestors loyal to deposed President Mohamed Morsy. ・・・
 <ヌール党は、新政権への支持を撤回し、イスラム同朋団は蜂起を呼びかけた。↓>
 The Al Nour Party, the sole Islamist group to back Morsy’s ouster by the military last week, announced that it was withdrawing its support. The Muslim Brotherhood promptly called for an uprising against the new interim government・・・
 <それにからめて、1919年のアムリッツァー虐殺(コラム#5035)の話が紹介されている。(とにかく、日本の植民地統治はこういった話とは無縁だった。)↓>
 In 1919, a unit of the British Indian army opened fire on unarmed protestors in a public garden in the city of Amritsar, killing up to 1,000 people — including many women and children. (This was at a time when a little more than 100,000 Britons on the subcontinent were lording it over a population of 250 million.) ・・・
http://www.foreignpolicy.com/articles/2013/07/08/blood_in_the_streets?page=full
 (暖房等のために)石炭を多く用いる中共の北部の人々は、南部の人々に比べて5年寿命が短いんだと。そのうち、中共当局は自分達を守るために南京遷都を敢行する?↓>
 Southern Chinese on average have lived at least five years longer than their northern counterparts in recent decades because of the destructive health effects of pollution from the widespread use of coal in the north・・・
 <あらゆる年齢層で北部の死亡率は南部より高い。↓>
 ・・・higher mortality rates were found across all age groups. ・・・
 <(石炭生成物たる>微粒子の空中含有量は、北部が南部より55%も多い。↓>
 ・・・the concentration of particulates north of the Huai was 184 micrograms per cubic meter higher than in the south, or 55 percent greater. ・・・
http://www.nytimes.com/2013/07/09/world/asia/pollution-leads-to-drop-in-life-span-in-northern-china-study-finds.html?ref=world
ボクの指摘してきたことを裏付けるハナシだな。
 小沢クン、ナンマンダブ。
 それはともかく、一刻も早く米国から「独立」しようぜ。↓
 「米国の諜報活動では、日本は最大敵国の1つ・・・
 2000年3月、ジェームズ・ウルジー元CIA長官(ゲイツ長官の前任者)が記者会見で次のように述べている。開き直りとも言える発言はECHLON事案の信憑性を裏づける。
 我々は過去にヨーロッパの贈収賄活動をスパイしていた。米国は今もその種の活動の監視を続けていることを期待する」「他国の民間企業や政府が行っている不正行為の情報を収集することはずっと以前から米国政府に容認されてきた」・・・」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38177
 イギリスにおける大逆罪に対する死刑方法・・首絞めて気絶させてから引き回し、腸を抉り出し、体を4つ割きにする・・は13世紀のヘンリー3世が始めたんだね。↓
 ・・・Quartering dates back to 13th-century England, when Henry III and subsequent rulers used it against men convicted of high treason.・・・
 <英領北米植民地では、1件だけ、この方法で処刑された植民地人がいるんだって。(インディアンの一員として植民地人側と戦った咎。)↓>
 In 1676 a Rhode Island man named Joshua Tefft was hanged, drawn, and quartered after he allegedly took the Narragansett tribe’s side during a skirmish with colonists. ・・・
 <引用しなかったが、独立戦争が始まった頃にこの刑を宣告された叛乱者がいるが、首絞めて処刑し、その後のことは行われなかったらしい。↓>
 While some sources say Tefft is the only man to ever be verifiably hanged, drawn, and quartered in America, the punishment itself remained on the books as a deterrent to treason.・・・
 <独立を達成した時点で、この処刑方法は、米国で姿を消した。↓>
 Once the British were expelled from the Colonies, hanging, drawing, and quartering went away as a punishment・・・
http://www.slate.com/blogs/crime/2013/07/08/otavio_da_silva_josenir_abreu_brazilian_soccer_fans_revive_one_of_history.html
 ハンナ・アーレントのアイヒマン評価についての最新の論議が紹介されている。↓
http://opinionator.blogs.nytimes.com/2013/07/07/misreading-hannah-arendts-eichmann-in-jerusalem/?ref=opinion
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太田述正コラム#6318(2013.7.9)
<日進月歩の人間科学(続x32)(その3)>
→非公開