太田述正コラム#6349(2013.7.25)
<皆さんとディスカッション(続x1971)>
<太田>(ツイッターより)
 CNNが日本のホームでの女性救出事件(コラム#6343)を取り上げてた。
 動画でアナウンサーが日本でしか起こりえないって言ってたな。
http://edition.cnn.com/2013/07/23/world/asia/japan-train-rescue/index.html?hpt=hp_t4
 ちゅうことは、人間主義の事例と言っていいのかもしれん。
 メンゴ。
 ところで、この記事への投稿が面白い。
 殆んどは絶賛してる・・米国でも中共でも救出された女性から傷を余計に負ったって訴えられかねないという話も出てた・・んだけど、ごく少数、先の大戦の時の日本の残虐行為とか慰安婦問題を持ち出してる奴がいる。
 当時の日本人もモチ人間主義者だったはずだと思い至って不安になったんだろうな。
 フフ。
 「…2025年には…看護師を含む外国籍の看護職員が大半を占めることになる…。…フィリピンとインドネシアの看護師候補者<の>…合格率は9.6%…。一方、日本人看護師候補者の全体の合格率は88.6%だった。…中国籍看護師<候補者の>…試験合格率<は>日本人と大差はない。」
http://j.people.com.cn/94473/8340147.html
 結論:後10年ちょっとで日本の看護職員の大部分は支那人(と台湾人)になる?
 異種だけど同文・・古い言葉を支那が供給し新しい言葉を日本が供給した・・の両者の関係は切っても切り離せない。
 その蚊帳の外なのが、漢字を捨てた韓国(と北朝鮮)だな。
<8PEvCYdf0>(「たった一人の反乱」より)
 米兵のPTSDの本について紹介されてますが、こういうのもありますよ。
 「<戦争の子供>を考える」
< http://www.amazon.co.jp/%E3%80%88%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%81%AE%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%80%89%E3%82%92%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B-%E5%BF%83%E3%81%AE%E5%8D%B1%E6%A9%9F%E3%81%A8%E8%87%A8%E5%BA%8A%E3%81%AE%E7%9F%A5-%E6%A3%AE-%E8%8C%82%E8%B5%B7/dp/4582731066 >
 甲南大学のPTSD研究のシリーズの一冊です。
<Jn9TEvLO0>(同上)
 amazonのレビューに
 「戦時中に子供時代を過ごした高齢者の方々は、戦争体験を聞いてもらいたくても、「また、おじいちゃんの戦争の話が始まった」など、真剣に聞いてもらえず、また、本人も「自分は生き残ったのだから、他の方ほど苦労していない」と、話さない方も多いそうだ。」
ってあったんだけど、真剣に聞いてた孫もいたよって事で。
 でも、せっかく爺ちゃんから聞いた話を次にどうやって伝えりゃいいんだろうな。
 俺のところでせき止めてちゃダメな気もするんだけど、どうしたらいいのか悩むわ。
 爺ちゃん、シベリアで数年捕虜になってたんだが、その時に大量の日本人女性が(何故か全員丸坊主)シベリアに送られてきてた話とか。
 でもこの話、いくら調べても史料として残ってねえんだよなぁ。
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 あえて明かしてこなかったが、民主党時代の松野頼久(維新国会議員団幹事長)とは私が立候補した当時に、彼の地元の熊本で話をしたことがあり、彼は典型的「ハト」派なんだよね。
 細野、江田、松野の連携は、吉田ドクトリン墨守派による、かつての社会党やつい最近までの小沢一派の二番(三番?)煎じの、アナクロでオロカでアブナイ動きだ。
 橋下代表が、松野らを追い出して維新を純化しようとしているのか、それとも松野と気脈を通じているのか、見極めたいところだ。↓
 「・・・細野氏は23日、記者団に再編に積極的な姿勢を示しており、参院選投開票日の21日夜には、みんなの江田憲司幹事長と日本維新の会の松野頼久国会議員団幹事長と都内で会談している。3氏は来週にも会談し、野党再編に関する勉強会の立ち上げに向け意見交換する方針だという。
 江田氏が渡辺喜美代表の党運営に反発し、25日に開催する両院議員総会で党内統治について問題提起しようとしているのも、維新との合流を拒否する渡辺氏とたもとを分かつためとの見方は強い。
 維新の橋下徹共同代表(大阪市長)は24日、大阪市役所で記者団に野党再編について「国会議員で新しい政党をつくったらいい。(自分は)国会議員ではないから参加できない」と述べたが、「主導権争いとか、くだらないことをやると、まとまらない」とも主張した。・・・
  もっとも、江田氏は23日の記者会見で「橋下氏は旧太陽の党と一緒になったことで維新が伸び悩んでいる現実を見極めないといけない」と基本政策の違いから自民党出身者が主体の“旧太陽切り”を促した。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130725/stt13072507010002-n1.htm
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130724-OYT1T00954.htm?from=main1
 細野は党を飛び出す方向だし、海江田はオワに近い。
 野田さん、もうそろそろいいんじゃない?↓
 「・・・参院選の惨敗にもかかわらず、いち早く続投表明した民主党の海江田代表が苦境に立たされている。
 現在の執行部体制を維持したまま、党の立て直しを図ろうとする目算が、細野幹事長の辞任を抑えられなかったことで狂ったためだ。
 24日には、参院選東京選挙区で公認を取り消した大河原雅子氏を支援した菅元首相(衆院比例東京)に対して自発的離党を促しながら拒否され、海江田氏の指導力を疑問視する一部議員からは、代表としての進退を問う声も浮上している。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/news/20130725-OYT1T00259.htm?from=ylist
 「社説:惨敗後の民主党 代表交代もできぬとは・・・」
http://mainichi.jp/opinion/news/20130725k0000m070128000c.html
 やれることはそれくらいかよ、外務省!↓
 「慰安婦の碑で不快感 米自治体に外務省・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130724/plc13072418220017-n1.htm
 武器輸出三原則撤廃まで後ちょっとってカンジだな。↓
 「中国をけん制…フィリピンに巡視船10隻供与へ・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130724-OYT1T01457.htm?from=ylist
 米国で、対GDPベースで、企業利益と家計/企業純投資の正の相関関係が2009年から崩れてしまい、企業利益は当時より上昇してるのに家計/企業投資は大幅に減少しており、とりわけ企業投資は著しく減少している。
 この原因をあれこれ探った記事だ。
 その結論らしきものを見る限り、米国経済、いや、米国の立て直しは困難だねえ。↓
 ・・・profits and overall net investment in the US tracked each other closely until the late 1980s, with both about 9 per cent of gross domestic product. Then the relationship began to break down. After the recession, from 2009, it went haywire. Pre-tax corporate profits are now at record highs — more than 12 per cent of GDP — while net investment is barely 4 per cent of output. The pattern is similar, although less stark, when looking at corporate investment specifically.・・・
 <そもそも金利だってヒジョーに低いから、投資は増えてしかるべきなのに・・。↓>
 ・・・historic lows in interest rates and highs in the stock market mean that capital is dirt cheap. Yet investment does not follow.・・・
 <その結果、対GDPベースで賃金は下がり、所得格差が増大したし、今後、株価だって下がって行くだろうし、生活水準だって下がって行くことだろう。↓>
 For workers, this weirdness is mirrored by a falling share of GDP for wages, so it contributes to rising inequality; for investors, if the extraordinary strength of profits turns out to be unsustainable, then the US stock market must fall; and for everyone, investment today is what leads to a better standard of living tomorrow.・・・
 <1980年代に、LBO、株主価値、ストックオプション等が始まり、株式会社の性格が変わってしまったことが最大の原因では?↓>
 Corporate America went through a revolution in the 1980s with the arrival of leveraged buyouts, shareholder value, executive stock options and their like. The nature of public companies changed.・・・
 <とりわけ、ストックオプションにより、企業経営者は、投資を減らして短期利益を志し、自社株買い取りによって一株当たり利益上昇を図るようになってしまった。↓>
  In particular・・・stock options encourage executives to boost short-term profits, while curtailing investment in favour of buybacks that push up earnings per share.・・・
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/8177af34-eb21-11e2-bfdb-00144feabdc0.html#axzz2a1Jixeur
 上掲の話と密接な関係にあるのが、米国じゃビジネス界に精神病質者(psychopathy=sociopath)がやたら多いってハナシ(コラム#5482、5484、5486)だ。
 この精神病質者、共感能力が欠如していると思われていたが、意識すれば共感能力の脳内スイッチをオンにできる(=他人の痛みを自分の痛みとして感じる、ミラー・ニューロン・システムを機能させることができる)ってことが分かったとさ。↓
 ・・・The ability to empathise with others – to put yourself in someone else’s shoes – is crucial to social development in order to respond appropriately in everyday situations.
 <犯罪者には精神病質者が多いし、精神病質者たる犯罪者は再犯率も高い。↓>
 Criminals with psychopathy characteristically show a reduced ability to empathise with others, including their victims. Evidence suggests they are also more likely to reoffend upon release than criminals without the psychiatric condition.
 <彼らは、表見的には魅力があるが、病理的な嘘つきだし、悔悛能力は低い。↓>
 Psychopathy is a personality disorder characterised by superficial charm, pathological lying and a diminished capacity for remorse.
 Now scientists have found that only when asked to empathise did the criminals’ empathy reaction, also known as the mirror system, fire up the same way as it did for the controls. Without instruction, they show reduced activity in the regions of the brain associated with pain.・・・
 They don’t lack empathy but they have a switch to turn it on and off. By default, it seems to be off.・・・
 <引用しなかったが、スイッチがオンになることは、確かだが、本当に「共感」しているかどうかは別問題じゃないか、との批判が投げかけられている。>
http://www.bbc.co.uk/news/science-environment-23431793
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太田述正コラム#6350(2013.7.25)
<日支戦争をどう見るか(その6)>
→非公開