太田述正コラム#6682(2014.1.8)
<皆さんとディスカッション(続x2137)>
<太田>(ツイッターより)
 「都知事選:田母神氏が立候補表明…会見には…石原慎太郎<元都知事>…も出席。・・・個人的に支援する考えを示し<た。>…」
http://mainichi.jp/select/news/20140108k0000m010076000c.html
 石原代表は、不適格者を後任に選んだ責任をも省みず、今度は自らの危機管理さえできずに自衛隊を首になった人物に都の危機管理総責任者になってもらおうっての?
 完全に耄碌したね。
「倍返しできぬ甘ちゃん米大統領…」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS16019_W3A211C1SHA000/?nbm=DGXNASDC2400K_X00C14A1EA1000
だから、オバマは僕と同じ中共当局観を抱いており、黒人であるライス補佐官はこれを大統領と共有してるんだよ。
 話の辻褄は完全に合ってるように思うんだが、いまだに僕一人の絶対少数説ってのが不思議だわね。
<ねこ魔人>
 –日露戦争時における兵の脱走について–
 非常に気になった記事を発見したので紹介させていただきます。
 太田さんは、「私刑の横行は、弥生人たるサムライ・・将校・・の属性では全くなく、軍隊/戦争という「異常」の場に置かれた縄文人たる日本の大衆・・下士官・兵・・の属性であり、パリロは完全な誤解をしています。」とおっしゃっておりますが、
http://blog.ohtan.net/archives/52040510.html
これを裏付けるようなお話を拝見いたしました。
 桜ノ宮高校での自殺に際して、体罰の起源についてを探った論考があるのですが、
http://www.janjanblog.com/archives/89287
その中では、体罰が普及した理由を昭和時代における軍国主義の台頭(ここではこのような表現の誤りについては前提として触れないこととします)に求めています。
 それ以前の体罰の起源を、考察対象たる日本人を武士階級、百姓や商人に分割して探究したところ、西南戦争においては、いじめを受けた薩摩藩藩士、桐野利秋の身にも、西郷隆盛率いる私学校の武士軍団においても、体罰は見られなかったとあります。
 このことで、明治以前、弥生人である武士階級が教育において体罰を用いなかったことが裏付けられています。
 一方、百姓や商人においても、生活上その必要性が全くないことを理由に、教育上体罰が見られなかったことが裏付けられています。
 結局昭和時代に頻発するようになった体罰の起源は日露戦争後であるそうです。
 明治政府が作った国民軍は軟弱であり、日露戦争時にいたっても兵が前線から逃亡することに苦慮し、日本では軍規が厳しくなり、鉄拳制裁や体罰が厳しくなった、とあります。
 しかし、日露戦争時には日本は既に弥生モードに入っているはずであるので、本来なら逆に兵士の敵前逃亡は少なくなって然るべきです。
 にも関わらず、どうやら国民軍が結成されて以後も縄文人たる一般庶民が多数を占める兵の戦争嫌いは維持され、その特性の兵役との不整合性がロシアという大国との戦いで顕在化したという形になっているようです。
 したがいまして、太田さんは、日本文明とは、縄文モードが深層基底にあり、表層上を縄文モードと弥生モードが入れ替わるとされておりますが、いくら表層的に弥生モードに転換したとしても、縄文人についてはその影響をほとんど受けず、全体として彼らの平和主義志向は全く変わらないのではないでしょうか?        
 また、太田さんは南京事件が発生した原因を、戦争とは無縁の縄文人には、戦闘による敵攻撃と捕虜殺害の見境がつかないこととされていますが、
http://blog.ohtan.net/archives/52190327.html
武力行使によるこのような弊害が発生するならば、日本人の国民性的には一国平和主義が最善であるという主張も、戦後、戦争において正常な精神を維持できる弥生人たる武士階級が縄文人たる一般庶民に合流して消滅し(たように見え)、さらに表層において縄文モード化したという出来事が重なることも相まって、(そのことによる世界の平和の巨大な損失を差し引いても)、一応の説得力があるということになりませんか?
<太田>
 結論から言えば、日本が再軍備しても、ご懸念には全く及びません。
 戦いが嫌いな者や臆病な者まで徴兵して短期間で戦場に投入するなんてことは、現在のように装備が高度化し、教育訓練に時間がかかる時代においてはありえないからです。
 (そもそも、もはや、徴兵制なんて敷く必要も意味もなくなった、と私は前から指摘しているところです。)
 なお、旧軍が、日露戦争の時にボロが出なかったのは、徴兵の規模が日支戦争/太平洋戦争の当時に比べて小さかったからです。
 この際、付言しておきますが、縄文モード、弥生モードが表層、と私が言うのは、それが主として日本の弥生人たる指導層に関するモードだからです。
 縄文人たる大衆は、日本のいかなる時代においても、基本的に縄文モードにとどまり続けてきた、と言ってよいでしょう。
 (戦国時代の一般民衆のことを思い出してごらんなさい。)
<zKqg02JI>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 “浪花の視聴率男”やしきたかじんさん死去 食道がんで休養中
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140107-00000601-san-soci
 本当に残念です。
 心よりご冥福をお祈り申し上げます。
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 ADIZなんて、冷戦時代の、しかも核兵器が航空機で運搬されていた時代の米帝国主義の遺物に過ぎない。まず、日本からそんなもの廃止すれば?↓
 「・・・防空識別圏は国際法上で明確に定義された概念ではない。そもそもは米国による「空の線引き」で、これを設定するのは世界でも米国の同盟国である日本や英国、韓国のほか、ノルウェーやインドなどの20カ国程度に限られる。・・・」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDC2400K_X00C14A1EA1000/?dg=1
 
 やれやれ、呆れる話が次々に・・。↓
 「慰安婦問題、政府報告にも韓国介入 事実認定で「痛ましい生活強いられ」要求、受け入れる・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140108/plc14010807500005-n1.htm
 厳しい言い方をするなら、元夫妻のそれぞれの配偶者の、金目当て・・配偶者自身と(喜多嶋側の配偶者の場合)自分の子供の相続財産が減るのを回避したい・・の争いで、その被害者がA君ってところかな。
 (父母双方から虐待を受けていたとも報じられているところの、)A君を引き取った内藤陽子はエライ!(彼女の元ファンより。)↓
 「大沢樹生が“号泣”反論「長男は鑑定書見られない」・・・」
 一方で大沢は舞との間に弁護士を立て、A君との親子関係がないことを主張し、東京家裁で調停中。舞は本当の父親が誰か公言していないが、今回の鑑定結果について弁護士を通じ「金目当てで偽装」と言ってきたため、「再度の鑑定には何度でも応じる」と伝えたという。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/140108/ent14010807150000-n1.htm
 儒教の教科書の『弟子規』が10年以上も前から中共で出回り始めた。
 (人間主義注入までのつなぎ、兼地均し、ってのが私の見方であることはご承知の通り。)↓
 ・・・The 1,080-character Dizigui(弟子規)<(注)>, authored by a Qing-dynasty scholar named Li Yuxiu(李毓秀) and short enough to fit into a small pamphlet, began to re-emerge in Chinese society more than a decade ago on the back of an educational movement, called Dujing(?), that seeks to teach the Confucian canon to children. ・・・
(注)http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/ss/sansharonshu/403pdf/wen.pdf#search=%27%E5%BC%9F%E5%AD%90%E8%A6%8F%27
 <2009年には、次期国家主席と目されていた習近平が『弟子規』を党幹部に推奨し、爾後、党内教育にこの教科書が用いられてきた。↓>
 by 2009, Xi Jinping, then expected to be China’s next president, specifically named the text as recommended reading for party cadres. A professor at the Central Communist Party School, which trains Chinese officials, wrote a book called Everybody Should Study Dizigui, and party organizations in far-flung corners of the country have convened study sessions on the text. ・・・
http://www.foreignpolicy.com/articles/2014/01/06/grand_theft_china
 ロシアで、プーチンが「伝統的価値」の擁護を、同性愛敵視を中心として唱え始めた狙いは、自由に対する戦いだとするコラムだ。
 (ちゃうよ。そんなの、ロシア正教的価値、要するにキリスト教的価値への回帰であり、スターリンがやったことの昔の名前で出てました的二番煎じに過ぎないんだわさ。(太田))↓
 Why Putin’s Defense of “Traditional Values” Is Really a War on Freedom The sensible way to fight back against Russia’s anti-gay campaign.・・・
http://www.foreignpolicy.com/articles/2014/01/03/beirut_perfect_storm_hezbollah_syria
 (日本のリニア新幹線が低いコストで建設されることを引き合いに出して)米国における公共事業の高コスト体質を糾弾するコラムだ。
 コモンロー法制度、職能別組合制、中央政府の弱体、が癌だとしている(けど、コモンロー法制度ってのが面白いね。具体的に何が言いたいのか知りたいもんだ。いずれにせよ、米国は『猿の惑星』化しつつあるって感を深くするねえ)。↓
 ・・・civil engineering costs in the United States are totally insane and way out of line with what other developed countries manage to achieve. ・・・
 the issues appear to me to be fairly deep, tied to the nature of the common law legal system, the craft union tradition in American labor, relatively weak central government, etc. ・・・
http://www.slate.com/blogs/moneybox/2014/01/07/japan_maglev_8_billion_construction_cost_is_laughably_low.html