太田述正コラム#6696(2014.1.15)
<皆さんとディスカッション(続x2144)>
<コラム#6692の訂正>(ブログは訂正済)
米国人が人類史上→米黒人が人類史上
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<太田>(ツイッターより)
 オランド仏大統領の「浮気」報道に明け暮れる英米メディアを仏メディアが批判。
http://www.theguardian.com/world/2014/jan/14/francois-hollande-to-face-media-affair-allegations
 「夫人」がおかしい。「浮気」で入院するくらいなら、オランドに対して事実婚に甘んじず結婚を迫るべきだったし、公邸で同棲なんてすべきじゃなかった。
 今後に注目。
 1927年と2013年のロンドンの同じ場所の映像が流れる。
http://www.slate.com/blogs/browbeat/2014/01/14/london_in_1927_and_2013_filmmaker_replicates_old_footage_restored_by_the.html
 その間に大英帝国の瓦解等があったというのに、ロンドンがいかに変わっていないかが分かる。
 しかし、1927年の画面に登場する人々が、もうほぼこの世に存在しないことが胸を詰まらせる。
 確か昨年8月の地図集も紹介したんじゃないかと思うが、WP紙が新たな地図集を載せた。
http://www.washingtonpost.com/blogs/worldviews/wp/2014/01/13/40-more-maps-that-explain-the-world/?hpid=z8
 日本への焼夷弾攻撃地図を40の中に含めたのは米紙としては出色。
 また、各国の平等度の地図は我々の常識を覆すし、インドのトイレ事情の地図は衝撃的だ。
<TA>
 東京都知事選が脱原発で盛り上がっているそうですね。
 小泉元総理も盛んに脱原発をアピールして存在感を示しているようです。
 さて、政治家を引退した小泉元総理のかつての選挙区↓
 神奈川県第11区
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%9C%8C%E7%AC%AC11%E5%8C%BA
は横須賀だそうで、その横須賀を母港としている米海軍原子力空母ジョージ・ワシントンについて小泉元総理がどのような認識を持っているのか興味があり調べてみました。
 「原発ゼロ、総理の決断次第」〈小泉元首相の会見全文〉 
http://www.asyura2.com/13/genpatu34/msg/673.html
 今更ですが、上記会見を読んで驚愕しました。こんなことを言っていました。↓
 「私がまだ1年生議員のころ、出身の横須賀で「メガフロート」構想が持ち上がった。海上に基地みたいな航空母艦をいくつか重ね合わせて飛行機が離着陸できる、それが「メガフロート」。しかし当時は海上といっても、くいを海底にうめないといけない。費用もかかるということでうやむやになった。私は沖縄の基地負担軽減、日本の安全保障、さらに海洋国家日本としてメガフロートを真剣に政府が検討したほうがいいと思う。航空母艦なら非常に莫大(ばくだい)な費用かかるでしょうが、海上移動基地の「メガフロート」を真剣に考える時期がきている。沖縄の基地負担を軽減したくても、なかなか日本本土でも、陸地にそういう離着陸訓練基地を新たにつくるのは困難を伴う。日本の技術だから、航空母艦をつくるつもりで海上に移動できる、航空母艦をはじめてつくったのは1920年の英国。2年後に日本は航空母艦をつくっている。いまの技術からいえば、移動式で「メガフロート」の海上基地をつくれば、これはいざ災害がきたときに自衛隊が被災地に救援に向かう場合にも役に立つ。新しい領土ができたようなものだ。台風から逃げることもできる。日本は新たな展望が開けるんじゃないか。日本の安全確保を考えるためにも、基地問題を考えるためにも有効な手段として、「メガフロート」はいけるのではないか。世界も注目しますよ。海洋国家日本が海を利用して、こういう新しいものをつくり始めたと。」
 メガフロート構想についての批判はコラム#0099に譲るとして、驚くべきは、自分から、横須賀の米海軍原子力空母に関心が行く可能性のある話をし出したことです。
 横須賀への配備が決定された時の総理大臣が自分自身であるにも関わらず・・。↓
 「05年10月28日に日米両国政府は、現在米海軍横須賀基地を母港としている重油を燃料とする通常型空母キティホークの後継艦として、2008年横須賀基地にニミッツ級の原子力空母を配備すると発表しました。」
http://cvn.jpn.org/q_and_a.html
 小泉元総理のメガフロート構想への言及は、小泉元総理が安全保障(軍事)について、心底、全く、何の、関心もないことを示唆しています。
 いえ、何の関心もないことは知っていましたが、↓
 「山崎拓自民党幹事長(当時)は、私も出席していた2001年6月7日に開催された防衛庁OB関係のパーティーの席上、次のように発言しました。「小泉さんとの付き合いは長いが、総理になるまで彼の口から一度も安全保障の話が出たことがない。小泉さんは安全保障問題になど関心がなかったということだ。例えば、小泉さんは米軍と海上自衛隊がいる横須賀が選挙区だが、彼が地元の基地を訪問したことは一度もないのではないか。ところが、総理になったとたん、突然盛んに安全保障の話をするようになったので、私は、はらはらしながら見守っている。」」(コラム#0226。太田)
 ここまで関心がないというのは、何らかの精神疾患の可能性を強く疑わなければならないと感じました。
<太田>
 小泉一家って要するに自民党・・みかじめ料稼ぎに励む小沢的なもの・・の象徴みたいなもんでしょ。
 暴力団がイメージ・ロンダリングしてカタギになったことを装い、(小沢とは違って)それに成功している、と思えばいい。
 純一郎も、一家が軍事で渡世してきていながら軍事に関心を持たない。
 そして、度胸だけはいいが、ワンフレーズ政治をやるくらいの頭脳しかない。
 また、息子の進次郎が東北大震災「対策」をウリにしているのを見ると、山口組の阪神淡路大震災や東北大震災「対策」を思い出す。
 (事実関係は
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%B3%89%E7%B4%94%E4%B8%80%E9%83%8E
による。)
 細川護熙元首相は、そういう純一郎を、120%分かってて、うまく利用してるんだと思うな。
 彼、なんたって、五摂家筆頭の近衛家と細川・前田両大名家の嫡流だもん。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%B0%E5%B7%9D%E8%AD%B7%E7%86%99
 歴史感覚と人を見る目の確かさは、天皇家といい勝負だと思わなくっちゃ。
 細川さんの成功を祈る。
<内野弘道>
 –ブログの引用ありがとうございます–
 太田様、はじめまして・・・。
 1/13の<貴>ブログの中で、マックス・フォン・シュール小林のブログの引用とご紹介をしていただきましてありがとうございます。
 私はマックスと共に、「日出処から」
http://www.hiizurutokorokara.com/
という、誇りある日本人を増やすための勉強会を行っている者です。
 マックスに代わりまして、御礼申し上げます。
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 またか。
 避けなかった釣り船の方が悪いに決まってるだろ。
 そして、いつまで、こんな件に海保を関わらせ続けるのよ。↓
 「15日午前8時ごろ、広島県大竹市の阿多田島沖の海上で、海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」と釣り船が衝突した。防衛省や海上保安庁によると、釣り船は転覆した。乗組員4人は全員救助されたが、うち2人は心肺停止状態。残る2人は意識があるという。
 第6管区海上保安本部(広島)などが事故の原因や状況を詳しく調べている。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140115/dst14011510300003-n1.htm
 日本の犯罪率の低さが紹介されている。
 しかも、粗暴犯がどんどん減っている。
 人口の高齢化もあるのだろうが、人間主義社会であるのー。↓
 ・・・under 1.4% of people had been victims of assault in the preceding 12 months, well below the OECD average of 4.0%.・・・
 ・・・the National Police Agency said the number of murders across the country declined 8.8% to 939 in 2013, below 1,000 for the first time since World War II. That is also a profound drop from the peak of 3,081 in 1954 in the war’s aftermath.
 <窃盗もどんどん減っとるよ。↓>
 Specifically, the police said the number of reported thefts dropped 5.2% to 986,309 in 2013, below the 1 million mark for the first time in four decades.・・・
http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2014/01/15/japan-crime-rate-down-but-scams-more-complex/?mod=WSJBlog&mod=WSJ_Japan_JapanRealTime
 高齢で子作りするのは大変だし、障害を持って生まれる可能性も高くなるが、一方で、メリットもあるってことだな。↓
 「高齢出産の子 外傷や入院が少なく、言語の発達が良い・・・」
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140115/bdy14011508310001-n1.htm
 オランドがフランス経済再生計画を披露する記者会見に臨んだ。しかし・・。↓
 <(フランスの政治の)背景は1970年代の(労働党下の)英国のそれと同じ。
 フランスは今や欧州の病人。↓>
 ・・・The backdrop was familiar to students of British politics in the 1970s: rising unemployment, weak growth, a disaffected business community, low productivity and high taxes. Hollande did not use the phrase but everybody knew the subtext of his address: France is now seen as the sick man of Europe.・・・
http://www.theguardian.com/world/2014/jan/14/france-sick-man-europe-economy
 <オランド「夫人」は公邸に入るのを躊躇したけど結局入った。↓>
 ・・・At first, Trierweiler was keen to live away from the Elysee, but later changed her mind and moved into the palace’s private quarters. A parliamentary question revealed that Trierweiler costs the state ¤19,742 (£16,000) a month, which pays her five staff.・・・
http://www.theguardian.com/world/2014/jan/15/francois-hollande-press-conference-affair
 新生米国の興隆は奴隷制の興隆と手を携えて実現されたとさ。↓
 ・・・in 1804 human political liberty and abject bondage were both rising apace – often advanced by the very same people. It wasn’t so much irony as cause and effect,・・・
 Slavery made the modern world, the argument goes. Slaves provided cheap labor, of course, but also substantial collateral for business investment, profits for insurance companies, and a potent stimulus to expanding global trade.・・・
 <南北アメリカ大陸に連れてこられた黒人奴隷の数は、米国独立後、鰻上りになった。↓>
 “Of the known 10,148,288 Africans put on ships bound for the Americas between 1514 and 1866, more than half were embarked after July 4, 1776.” In 1805, there were fewer than a million slaves in America: Within four decades there would be nearly 4 million, worth in aggregate “more than all of the capital invested in railroads and factories” in the United States.・・・
http://www.csmonitor.com/Books/Book-Reviews/2014/0114/The-Empire-of-Necessity
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太田述正コラム#6697(2014.1.15)
<デール・カーネギーの生涯と主張(その3)>
→非公開