太田述正コラム#6842(2014.3.29)
<皆さんとディスカッション(続x2217)>
<太田>(ツイッターより)
 「「選挙に必要」示すメールが存在=渡辺氏の説明は「虚偽」―DHC会長…」
http://news.infoseek.co.jp/article/140328jijiX971
 渡辺喜美は、これで議員辞職した上での復帰の道も永久に閉ざされた。
 犯罪行為をメールや銀行振り込みでやるなんて、昨今のオレオレ詐欺犯にもオツるドアホぶりに失笑。
 「坂茂氏が「建築界のノーベル賞」を受賞した理由…日本の…建築家たちは西洋建築の精髄を吸収する一方、東洋文化として発展してきた。しかし、それと比較すると中国建築家にはまとまりがなく、思想の系譜も形成されていない。」
http://j.people.com.cn/94473/8582222.html
 韓国と違って、中共はプリツカー賞受賞者を一人出している。
 にもかかわらず、日本の建築家達を、(坂茂氏が言ってることとは違うピンボケの理由をあげてるのがオカシイが、)絶賛する記事でもって、中共の人々に、今日もまた、日本事大意識を刷り込むべく、懸命に頑張ってくれている習近平閣下であらせられることぞかし。
 「西安の美食を大口で食べる蒼井そら…」
http://j.people.com.cn/94473/8581559.html
「ミシェル夫人、パンダ基地を見学…」
http://j.people.com.cn/94689/8582138.html
 本日もまた、日米両「国賓」の一挙手一投足の記事を並べて掲げる日本語版人民網。
 人民の人気が高い方は?
 もち・・。
<9m1hVrDg>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 「ワタクシこの記事やTwitterのまとめ、日本の大手書店の店頭の写真をイギリス人やカナダ人、ドイツ人、フランス人に見せたんですけど、「はああ??」とびっくりしておりました。
 そして、下の様なコメントをくれました。
 「あの、大手の出版社がこういう本を出してしまって、大手のブックチェーンが店頭でこういうフェアやっちゃうの??
 日本のエスニックマイノリティーって確かコリアンジャパニーズやチャイニーズジャパニーズだよね。日本の大手企業の社長やエンターテイナーにも彼らは多いけど、色々困らないのかね」
 「こういう企業はエスニックマイノリティの顧客を失うことや、裕福なリベラル派のお客さんを失うことが怖くないのかなあ?
 自社になんとなく特別なイメージがついてしまうでしょ。チャリティやる場合のスポンサー探すのも大変になりそうね。
 リチャード・ブランソンみたいな篤志家から協力は得られないだろうなあ。貴族も嫌がるだろうね。あ、日本には貴族はいない?
 でもCSRのKPIが下がっちゃって、担当者が叩かれそうだよねえ。」
 「内容によっては、著者や出版社が訴えられちゃうかもね。だって特定の人種や特定の国の人を攻撃しているからね。
 本を書く前に全責任は著者が被るって契約書結ばないのかな、出版社と。訴訟起こされたら嫌だからこっちなら攻撃されそうな本は書かないかも
 ・・・(略)・・・
 トーキョーはロンドンよりはるかに大きな首都だけど、出版社や書店にエスニックマイノリティーや外国人はいないのかな。。。」
 こういう「愛国ポルノ本」がイギリスで売られていたらと仮定すると、こんな題名の本が並ぶことになるでしょう
・呆アイルランド論
・ウソだらけの近代イギリスーバングラデシュ史
・なぜ反英フランスには未来はないのか
・どうしょもないインド
・そして生き残るのはイギリスだけ
・イギリス人はいつからイギリスが好きになったのか
・南アフリカの人はなぜイギリスを尊敬するのか
・英米再逆転
・イギリス女子と愛国
・反英メディアの正体
・ドイツに舐められないために
 日本の書店には愛国ポルノが並ぶがイギリスでは「全然愛されてない場所を巡るイギリスの旅」という本が並ぶ」
http://wirelesswire.jp/london_wave/201402271812.html
 愛国ポルノとは良く言ったものだけど、今の太田コラムの愛国ポルノっぷりは・・・ネトウヨも裸足で逃げ出すレベルだよね。
 4、5年前くらいまでは戦後日本を愚者の楽園みたいに言ってたと思うけど、隔世の感がある。
 ・・・言葉足らずだったので補足を。
 昨今の愛国本の盛況ぶりを「愛国ポルノ」という言葉で表し、その「愛国ポルノ」という基準から太田コラムを見たとしたら、今の太田コラムは、(いいとか悪いとかは別にして)結果的にネトウヨ以上と見られるということね。
 和辻哲郎なんかも戦後、「文化ナショナリズム」だという批判が結構なされたようだけど、今後そういう批判があったとしたら、太田さんはどういう対応をするのかな、と。
<C98PhDc6>(同上)
 谷本真由美程度の世間話ライター引用して、何か意味があるのか?
<o/kzF3Gk>(同上)
 <9m1hVrDgクン、>心配する必要ない。太田閣下は、ネトウヨも裸足で逃げ出す反米主義者にして移民推奨派だからww。
 それに、「愛国ポルノ」という言葉で、日英比較はナンセンスでしょ。
 日本の場合、2012年に、中共様に官製デモで企業は焼き討ちにあってるし、韓国様は春になると、桜は韓国起源というデマを流すのが、趣味という素敵なお国柄。そんな国を韓流と称して、もてはやしていた救いがたいお人よしの国があったよね。
 英国様と日本とで、寛容さで十分、競えるとおもうぜ。
<9m1hVrDg>(同上)
 <C98PhDc6クン、>愛国商法が繁盛しているという現象と、ここ数年の太田コラムの方
 <o/kzF3Gkクン、>ネトウヨとは違う部分があるのは知ってるけど、重なる部分で、とんでもなく突き抜けてる部分があるわけじゃん?
 いくらネトウヨでも、日本文化は最上位の文化だ、とは言わないわけよ。
 論理的に突き詰めて、それを証明できるのならいいんだけど、専門家からの無数の指摘に最終的に耐えられる所まで来てるのかな。
 耐えられなければ、文化ナショナリズムとか言われてもしょうがないのかな、と。
<4dr2odLc>(同上)
>論理的に突き詰めて、それを証明できるのならいいんだけど、専門家からの無数の指摘に最終的に耐えられる所まで来てるのかな。
 せめて太田コラム読んでから意見しろよ
 もしくは読んだ上で最近太田さんへの反論者がいない太田ブログの状況に、あえて敵役になって盛り上げようってのか?
<4CPor68k>(同上)
 太田さん、人間主義の普遍性をもとに、一番人間主義的な国は日本だって言ってるだけじゃんか。
 それに対する反論があるなら、やれるもんならやってみなってところだろ。
 まぁ、人間主義を重視しないor理解しない人から、どういった部分に文明の先進性を感じるかは人それぞれだと言われる危険性はありそうだけど、ぶっちゃけ、そういう人間は人間科学的知見からの反論でも無い限り、須く無視して良いだろ。
<C98PhDc6>(同上)
>愛国商法が繁盛してるという現象<(9m1hVrDg)
 ハリウッド映画なんかアメリカ覇権主義の擁護ばっかりでしょ。
 今公開されてる「ローンサバイバー」もそうだし。
 愛国商法って言うけど、過去のマスコミによる反日記事はどうなの?
>専門家からの無数の指摘に最終的に耐えられる所まで来てるのかな?<(同上)
 無数の指摘を受けるにはまず著書の出版が必要だけど、太田さんは出版の意志がないようだから多数の指摘は来ない。
 だから、質問、特に人間主義についての質問は控えてる。
<PWQrPdgI>(同上)
 中共が数ある文化の中で、日本文化を選んでる事がどこの国よりも日本が優位であるか証明してるじゃん。
 毎日海外の記事を載せてるけど、中共の日本文化に対する注目・分析は半端ない。
 単純にお隣だから日本についての記事を載せてる訳じゃなく、(太田さんが言うように)中共は人民に啓蒙してるんじゃないの。
 それと残念んながら今の日本にはまともな専門家(安全保障や人文社会科学において)はいない、精々評論家どまり。
<OkGdET4w>(同上)
 海外にはいるの?
<C98PhDc6>(同上)
 太田さんは人民網からの引用だけど、最近の2chはレコードチャイナからの引用が多い。
 ここも以前と比べると格段に親日記事が多くなった。
 太田さんは中国が日本に事大するとお考えのようだが、どうだろうか。
 大国となった中国にはアメリカを始めとする白人先進国からの注文・叱責が増大するとみられ、今度は中国国内のナショナリズムが反西洋へと向かう可能性がある。
 これには日本を盾として西洋諸国からの批判をかわす狙いがあるのでは?
 東洋には東洋のやり方があるのだと。
<PWQrPdgI>(同上)
 <OkGdET4wクン、>「アングロサクソン・欧州文明対置論」<シリーズ>で紹介されたハンナンとかは専門家といえるんじゃないの。
 自国を理解して初めて他国を分析・批評できるわけだし。
 まあ個人的には(日本の)テレビや雑誌に出てくる連中は専門家とは言い難いとおもうがね。
<太田>
 諸君が、人間主義が嫌いで利己主義が好きだ、或いは人間主義が嫌いで利他主義が好きで双極性障害になることを厭わない、はたまた、米国が大好きだから大事なことはみんな連中に決めてもらっていいので日本の「独立」なんてくそくらえだ、などと思うのは完全に自由だ。
 だが、「今の太田コラムの愛国ポルノっぷりは・・・ネトウヨも裸足で逃げ出すレベルだよね。4、5年前くらいまでは戦後日本を愚者の楽園みたいに言ってたと思うけど、隔世の感がある。」はひでー事実誤認だな。
 下掲の引用参照。
 「<私は、>1971年当時、まだ続いていた経済高度成長に目をつけたわけです。高度成長をもたらしているシステム(体制)こそ、日本にとってユニークな、守るべきものであり、かつ普遍性のあるものなのではないのかと。(現在の私の考えは違います。当時はそう考えていたということです。(注))」(コラム#40(2002.6.12))
(注)コラム#113(2003.4.1)で初めてコラムに書くことになる人間主義・・日本型経済体制の根底にあって、より普遍性があるもの・・のことが、2002年当時には既に念頭にあったということ。
 「日本型経済体制が機能している現代日本において、軍事システムが機能していないことをどう考えるか。」(コラム#42(2002.6.23))(注)
(注)軍事システムが機能していない→だから日本の指導層が無能になり腐敗した/そもそも軍事システムが機能しなくなったのはなぜか?、という流れの話をコラムでその後よく書くことになるが、その伏線だ。
 以上は一例だが、少なくともコラムを書き始めた頃からの私の基本的スタンスは一貫しとるのよ。
 チーミ、もぐり太田コラム読者ね。
<PWQrPdgI>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 のりピー、中国語で歌 中華圏では人気…香港でアジア音楽祭
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140329/chn14032908590002-n1.htm
 薬中毒ってわかっても人気あるんだろうな。
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 話がますますムチャクチャになってきたが、前にも書いた理由で、いちいち咎めだてしないことにしよっと。↓
 「集団的自衛権、他国領で行使せず 政府素案、範囲を限定・・・」
http://digital.asahi.com/articles/ASG3X7FJ3G3XUTFK01C.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG3X7FJ3G3XUTFK01C
 会長ハン、そもそも、自民党の「ハト」の権化の渡辺・江田の党に肩入れしたってのが思慮が足りなさ過ぎたわね。↓
 「・・・くだんの会長は、「慰安婦制度が必要だったのは誰だってわかる」と発言した橋下徹大阪市長を、渡辺氏がメディアと一緒になって激しく非難したことを決別の理由に挙げている。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140329/crm14032903230003-n1.htm
 習近平による汚職撲滅化キャンペーンが、(旨みが少なくなった+イメージが悪くなった、というので、)中共で公務員志望離れを引き起こしたとさ。↓
 ・・・China’s corruption crackdown appears to have had yet another effect: a drop on the number of people who want to become government officials.・・・
http://blogs.wsj.com/chinarealtime/2014/03/28/who-wants-to-be-a-chinese-bureaucrat-not-so-many-anymore/?mod=WSJBlog&mod=chinablog
 中共じゃ、35の都市でGDPの半分を叩きだしてるってさ。↓
 ・・・35 cities contributed just under half of China’s GDP in 2013.・・・
http://www.foreignpolicy.com/articles/2014/03/28/mapping_half_of_china_GDP
 地理的意味での欧州諸国の極右勢力はプーチンのロシアに親近感を抱いているとさ。↓
 ・・・interesting are his new European friends. Nigel Farage, the leader of the United Kingdom Independence Party (UKIP) — an anti-European and anti-immigrant party that is gaining momentum in Britain — declared last week that the European Union has “blood on its hands” for negotiating a free-trade agreement in Ukraine. Marine Le Pen, leader of the French far-right National Front, has also said she prefers France to “lean toward Russia” rather than “submit to the United States.” Jobbik, Hungary’s far-right party, sent a representative to the Crimean referendum and declared it “exemplary.” These are all minority parties, but they are all poised to make gains in European elections this spring.
 <連中は、反汎欧州主義、反グローバリズム、反同性愛において共通。(何度も僕が言ってるように、ロシアは欧州文明の外延、つまりはロシアと欧州は同類なんじゃわ。(太田))↓>
 Russia’s ideology may be mishmash: the old Soviet critique of hypocritical “bourgeois democracy,” plus some anti-Europeanism, some anti-globalism and a homophobic twist for contemporary appeal. But let’s not assume that competition between ideas is absurd and old-fashioned. And let’s not pretend that ideologies don’t matter, because even if we’d prefer otherwise, they do.
http://www.washingtonpost.com/opinions/anne-applebaum-russias-anti-western-ideology-has-global-consequences/2014/03/28/b96fd172-b6a6-11e3-8cc3-d4bf596577eb_story.html?hpid=z2
 クリミア汗国の歴史が改めて説明されている。↓
http://www.hurriyetdailynews.com/the-crimean-tatars-and-the-ottomans.aspx?pageID=238&nid=64230
 英訳が出たことに伴い、ピケティの本(「資本主義と不平等」シリーズ(~コラム#6807))の書評が出てた。↓
http://www.washingtonpost.com/opinions/capital-in-the-twenty-first-century-by-thomas-piketty/2014/03/28/ea75727a-a87a-11e3-8599-ce7295b6851c_story.html
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 一人題名のない音楽会です。
 宮本笑里の2回目です。
三、歌の伴奏
会いたくて会いたくて 西野カナ
http://www.youtube.com/watch?v=x7iw2rhCcd4
カルチェラタンの雪 布施明
http://www.youtube.com/watch?v=RZ_oRWA2wSs
花~すべての人の心に花を~ 歌唱:喜納啓子
http://www.youtube.com/watch?v=dnWat2tesRQ
明日への路 歌唱:上間綾乃
https://www.youtube.com/watch?v=35s1zx3YnEE
五線紙のラヴソング 歌唱:DEEN
http://www.youtube.com/watch?v=LBkMvGsTAJg
君ノカケラ(「夏目友人帳」(コラム#4911)より) 歌唱:?
http://www.youtube.com/watch?v=99kbG2zXqNo
Tokyo et Paris(注) 歌唱:Solita ボレロがベースになっている曲。
http://www.youtube.com/watch?v=O6XYRkYzQUg
(注)「のだめカンタービレ巴里編」に関連している(?)曲。
http://www.kasi-time.com/item-39276.html
道標(紅白の舞台裏 完全密着) 福山雅治
http://www.youtube.com/watch?v=q8BVCHApEx4
四、その他のポピュラー曲
ハイサイおじさん 第9とミックスされている。(ポピュラー器楽曲に分類すべきだった。)
https://www.youtube.com/watch?v=jN1fLPVrPHY
SOLA ヤマザキナビスコ 「プレミアム」CM曲。
http://www.youtube.com/watch?v=b5EalE3o2mM
(続く)
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太田述正コラム#6843(2014.3.29)
<網野史観と第一次弥生モード(その14)>
→非公開