太田述正コラム#6986(2014.6.9)
<皆さんとディスカッション(続x2289)>
<太田>(ツイッターより)
 AKB総選挙も終わり、日本も世界も凪状態。
 頼みの綱の人民網もメンテ中?
 というわけでもないだろうが、スコットランドが独立するんなら、イギリスもアルフレッド大王より前の七王国時代に戻して七つに分割したら、というコラムが載ってたよ。
http://www.bbc.com/news/magazine-27731725
 「<AKB総選挙>まゆゆ勝利の要因は「中華砲」、中国人ファンが3万5000票を投票…まゆゆ板は「まゆゆ皇帝万歳万歳万々歳」と喜びにあふれ返っていた。」
http://news.livedoor.com/article/detail/8915747/
 ムムム、今や日中人民は一体化しつつある?
<唯我独尊>
≫私のチャーチル評を裏付ける日記が出版された≪(コラム#6984。太田)
 常に心眼と先見性に優れている太田さんに再度脱帽です。
 それにしても国家(あるいは世界)の指導者(宗教界も含めて)として、一般の人民は、なぜ人類(または地域住民)を破滅に導く恐れのある人たちを選ぶのでしょう。
 その指導者の周辺の太鼓持ち(有識者とマスコミも含めて権益に授かる人々)が人民を感化させるからなのでしょうか。
 それにしても容易に感化されやすい私たち一般庶民は情けない。
 だから振り込め詐欺の被害者にも簡単になってしまうのでしょうね(とほほ)。
 これは人間主義の弊害ですか?
<太田>
 重箱の隅をほじくるようだと思われるかもしれませんが、1940年当時の英国は、少なくともその前年の1939年から民主主義を停止していた・・1935年の総選挙から4年経過したのに1939年に総選挙を実施しなかった・・
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E7%B7%8F%E9%81%B8%E6%8C%99
ので、チャーチルを「一般の人民」が首相に「選」んだ、とは必ずしも言えません。
 (チャーチル自身も筋金入りの反民主主義者でしたがね。)
 「野党」の労働党も世論も、当時海相であったチャーチルが首相になることを望んでいたことは確かですが・・。
 責められるべきは、チェンバレン首相の意中の人物であったにもかかわらず、上院(貴族院)議員だからと、民主主義原理に藉口して首相就任を辞退したハリファックス外相です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%AB#.E3.83.81.E3.82.A7.E3.83.B3.E3.83.90.E3.83.AC.E3.83.B3.E3.81.AE.E9.A6.96.E7.9B.B8.E9.80.80.E4.BB.BB.E3.82.92.E3.82.81.E3.81.90.E3.81.A3.E3.81.A6
<Chase>
 <鎌倉時代の統治の重層構造の図についてですが、太田さんご希望の>権威と権力が分離し、上に行くほど権威が多くなるが、しかし天皇は常に最高権力者を図示化する<(コラム#6984)>のは難しく悩みます。
 天皇の権力がゼロなら線形表現だけで済みますが。。。
 それで<も>、・・・<取りあえず、作っ>てみました。
<太田>
 ウーム、キャプションを「最高権威と最高権力の分離」に変更した上で、もう少し、皆さんでご検討いただけたら、と思います。
 この際忘れないうち。
 第4回(中国)用のスライドとして、「日本型政治経済体制」というのが欲しいのですが、確か、私の「「日本型」・・・」論文<(有料読者向けバックナンバー集に収録)>を書き起こしていただいたのChaseさんではなかったでしょうか。
⇒私です。(Chase)
 もともとの本に載っていた図解が転載されているので、その全部なり一部なりをピックアップして、個々の図解はそのままでも結構ですので、レイアウト案を作っていただきたいのです。
 何せ、4回目用ですので、全然、急ぎませんが・・。
⇒承知いたしました。(Chase)
 私は、本日か明日から、「中東イスラム世界」という、第5回目用(だったですかね)のスライドのネタ元になるシリーズを書き始める予定です。
 後、インドもやらなきゃなりませんが、これがホネです。
 そして、TAさん、第5回目用の、人間主義の科学的根拠がらみのコラム集めを、これも急ぎませんがお願いしたいのです。
 第1回目だけでエラク大変だった、と皆さんお思いのことと推察しますが、このセミナー全体の一種予告編を兼ねているので大変だったということです。
 2回目以降は、少しはラクになる、と(いささか無責任ながら)予想しておきたいと思います。
<Chase>
 <鎌倉時代の統治の重層構造の図を再度考えてみました。>
<太田>
 せっかく作っていただいたけど、また、一見するとこれでよさそうにも思えるけれど、最高権威者が天皇であることがこれだけでは必ずしもよく分からない、或いは、天皇だって(いつの時代でも)権力がゼロではない(注)、といった悩ましい問題が出てくるので<は?(今、このやり取りを読み返してたら、既に、ご自分でこの点は指摘しておられましたね。失礼しました。(太田))>
(注)幕末の条約勅許問題を思い出してください。戦後だって、天皇が御名御璽を拒否したら、少なくとも、行政は相当遅延しちゃいますよ。
<TA>
 3回目用の、キリスト教の論理と双極性障害と党派の図<(コラム#6970、6972)>の素案を作りました。
 (正直、個人的にあまり満足いく出来ではありません。)
 ご意見いただければ幸いです。・・・
>そして、TAさん、第5回目用の、人間主義の科学的根拠がらみのコラム集めを、これも急ぎませんがお願いしたいのです。<(太田)
 とりあえず「日進月歩の人間科学」シリーズから探してみます。
<太田>
 <TAさんが作られた、図の素案については、>結構行けそうですが・・。
 この点も私のコラムに根拠があるんでしょうが、男性原理 がどうして 双極性障害 につながるんでしたっけ?
 で、スライドには入れないとしても、レジメには入れたいので、各項目ごとに、関連コラムを書き出しておいてもらえると助かります。
<TA>
 関連コラムが多すぎるので、それぞれにベストなコラム(シリーズ)を挙げるのはきついですが、とりあえずこんな感じで。↓
・利他主義について
 「極度に利他的/共感的な人物は、極度に利己的/非共感的な精神病質者とは対蹠的でありつつ、(拒食・過食症等の)一種の精神障害者であり、また、双極性障害者は、利他性/共感性の躁期と利己性/非共感性の鬱期とを他律的に繰り返す精神障害者である以上、イエスのように、利他主義を強く説くのは、信徒を精神障害者にしようとしている、と謗られても仕方ないでしょう。
 そんな教えをインドクトリネートされる信徒の側は、精神障害者にならないようにするためには、「意識的に」利他期と利己期を切り替えることによって、自分自身が利他的に凝り固まってしまうこと(で拒食・過食症等の精神障害者になってしまうこと)を防ごうとするとともに、心身が「無意識的」にバランスをとるために利己主義へとふれ、また再び利他主義へのふれ戻しがくる、ということを繰り返す結果として双極性障害者という精神障害者になってしまうことをも防ごうとすることでしょう。」(コラム#6367)
・男性原理について
 「まず、キリスト教が、男性原理の宗教であることを推認させるところの、女性差別の宗教であること、を確認しておきましょう。」(コラム#6365)
「男性は攻撃的で利己的であったり、逆に手を差し伸べがちであったり寛大であったりと極端にふれるが、女性はぶれない。・・・女性は平等に分けようとするが、男性は完璧に利己的になったり完璧に利他的なったりする。(つまり、女性は人間主義的だってこと。)」(コラム#6341)
・選民思想
 「・・・モーゼ(Moses)は米国史にとってイエスよりも重要であり続けた。」(コラム#3652)
・差別・区別の論理、敵味方峻別の論理、暴力性について
 「以上から、キリスト教には、選民/差別思想と暴力性が内在している、と言えるでしょう。」(コラム#6365)
・終末思想
 「しかも、スターリン主義がマルクスレーニン主義を受け継いだところの、理想主義的・民主主義的思想や終末論的思想(注44)や選民思想(注45)や使命感(注46)もまた、当然のことながら、リベラル・キリスト教神学の申し子であったローズベルト政権やローズベルト政権に近い米国の指導層に近親感を覚えさせたはずです。」(コラム#6391)
 「また、終末論的キリスト教思想が米国のネオコンに及ぼしている影響についても、これまでもしばしば指摘されてきました(注1)。」(コラム#1865)
・殉教思想
 「本シリーズでは、敵味方峻別意識と裏腹の関係にあるところの、原理主義的キリスト教における被迫害者意識について取り上げたいと思います。」(コラム#6142)
・被害妄想
 「私の言葉に置き換えれば、米国人は、一貫して、上も下も陰謀論なる妄想を鬱期に抱くところの、双極性障害的人物が多かった、ということです。・・・妄想の背後に、私の言葉に置き換えれば、双極性障害の鬱期の不安感情が存する、というわけです。」(コラム#6405)
 メシア思想については探せない・・・orz
 (図から削除したほうが良いかも・・)
⇒「救世主」で検索をかけてみたらいかが?(太田)
 あと、図の「躁」や「欝」は、「躁的妄想」、「欝的妄想」に変えたほうがいいかな。↓
 「ローズベルトを始めとする戦前の米国の民主党系の有力者達は、・・・利他主義的な躁的妄想を抱いた。」(コラム#6409)
<太田>
 どうもありがとう。
 これはこれとして、キメラ性のスライドもよろしく。
 米国関係で、後、スライドを作るとすると何が考えられますかね。
 ローズベルト(とチャーチル)のワル/アホぶりのスライドなんてのも面白そうですね。
 なお、米国が20世紀に直接的間接的に殺した人数のスライドは、既に、USさんに作ってもらっていることを忘れないようにしましょう。
<TA>
>これはこれとして、キメラ性のスライドもよろしく。
 アメリカのキリスト教原理主義だの論理だのがどこから来たのか、コラムを読み込んで整理しないと、図にもできないのです。
 にもかかわらず、先週から仕事が12時間勤務体制になってしまい、過去コラムを読む気力が萎えがち・・・orz。
 とりあえず例によって、また一週間お待ちください。
>米国関係で、後、スライドを作るとすると何が考えられますかね。
 平仄を合わせる意味で、人物編は必須でしょうか。
 候補としては、
・F・D・ルーズベルト
・フーバー(ルーズベルトの引き立て役的な意味も込めて)
・ジェファーソン(「ジェファーソンの醜さ」(#5830~)が個人的にかなりショッ
キングだったので)
⇒ジェファーソン、いいですねえ。(太田)
・コラム#6176の連中
あたりでしょうか。
 八幡市絡みのエジソンを取り上げられれば面白いのでしょうが・・。
>ローズベルト(とチャーチル)のワル/アホぶりの>スライドなんてのも面白そうですね。
 個人を取り上げるのなら、人物編で良いのでは?
⇒そうしましょう。ただし、ローズベルトは独立したスライドにして、コンビのチャーチルと組み合わせることにしたいと思います。(フーバーにもちょっと言及してもいいでしょうね。)肉体的にはともかく、精神障害者ではなかったローズベルトにチャーチルは利用され尽くしちゃったというへんてこりんなコンビでしたが・・。(太田)
 なお、ジェファーソンとローズベルトはどっちも政治家だけどまあいいですかね。
 米国には思想家なんていない、というか、ここも欧州と同じですが・・。
 ただ、ジェファーソンは思想家的にも受け止められていますよね。
 私は、「なぜ日本は親米なのか、アメリカの何に親近感を持っているのか、あるいはアメリカの何を勘違いしているのか」(コラム#6956。TA)を明らかにすべきだと思っています。
 日本人は、アメリカの嘘の歴史(という言い方が不穏当なら、タテマエの歴史、理想主義的妄想に基づく歴史、宣伝用の歴史、選民思想のための歴史、と言い換えます)を本気にしているのではないかととも思います。
 ですので、アメリカ史を嘘の歴史(日本人が信じている歴史)と本当の歴史(という言い方が客観性を欠くとするなら、大田コラム的アメリカ史と言い換えます)を併記する形で、年表形式で列挙していくのが手っ取り早いと思います。
 (それをまとめてくれと言われると・・。うーん・・。)
⇒全くそのように私も思います。ただし、そんな併記までする必要はないでしょう。(太田)
 そうそう、「双極性障害の典型的症候として浪費<が>挙<げられる>。」(コラム#6328。英語ウィキペディア)そうですが、この点でもアメリカは双極性障害的ですね。↓
 「・・・アメリカ人の浪費癖はものすごい。・・・」
http://home.kobe-u.com/lit-alumni/essey96.html
 ↑キリスト教の論理とも関係するのかな?↓
 「キリスト教における富についての考え方は非常に重要なもので、かつてはローマ教会の蓄財が宗教的な観点から問題視され、宗教改革の一因ともなった。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E6%95%99%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E5%AF%8C
⇒米国は社会全体が双極性障害的である(あった)のに対し、第二次世界大戦当時の英国は、首相だけが双極性障害だったというわけですよ。(太田)
<US>
 ・・・天皇が常に最高権威者、であるように見える図・・・を考えてみました。Chaseさんの2つめの・・・案を参考にしました。
 治天の君を登場させているので、レジメにそのような言葉は登場しないので無理があるかもしれませんが参考まで。
 この版では、治天の君を天皇より下位層にもってきたので得宗も執権より下位層に持ってきています。・・・
<太田>
 これは素晴らしいですね。
 コロンブスの卵並の発想であり、しかも、私の観点を更に深化させていただき、感謝します。
 これで差し替えましょう。
 レジメは直さないことにします。
<鯨馬>
 西日本在住の皆様、今年も関西太田オフ会が開催される運びとなりました。
 とくに今年は開催場所が神戸三宮駅至近の会場となり、より参加しやすくなりました。
 またオフ会の前夜に太田さんを囲んでささやかな懇親会を持ちたいと思っています。
 お時間の合う方々はふるってご参加ください。
 お申し込みは下掲から。
http://www.ohtan.net/meeting/ (準備中)
●懇親会
日時 2014年7月19日(土)17:30~19:30
場所 チャイニーズレストラン 寳隆閣
   http://r.gnavi.co.jp/kwe7tscw0000/menu7/
   (神戸三宮の東急ハンズすぐ横のビル6F。太田さんの名前で予約。)
会費 3000円
   (出席申し込みをされた方で16日までに連絡をいただけず、出席されなかった場合   は、会費相当額のキャンセル料を申し受けます。)
●関西オフ会
日時 2014年7月20日(日) 9:00~17:00
場所 神戸市勤労会館会議室303
   http://www.kobe-kinrou.jp/shisetsu/kinroukaikan/index.html
   (東急インのすぐ横のビルでIFは神戸市立三宮図書館)
会費 500円 当日徴収
   (場所代とソフト飲料等。参加人数によっては追加徴収あり)
内容
    9:00 机等の準備・参加受付・フリーディスカッション
   10:00 演題「八幡市で話をしてみて」・質疑応答
   12:00 休憩・昼食等
   13:00 フリーディスカッション  
       途中参加退出等自由、ソフト飲料等付
   16:30 お開き・後片付け
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 記事日照だー。
 ところで、人民網、昨夜からずっとつながらないねえ。
 中共当局の対日戦略の変質の前触れでないことを望む。
 日本の戦時中の自由さが分かるである。↓
 「・・・吉田敬太郎
< http://www.kitakyushu-performingartscenter.or.jp/kicpac/publication/senjin.html >
・・・さんは若松市出身。火野葦平の小説「花と竜」にも登場する侠客(きょうかく)の元親分で衆院議員の<養>父磯吉氏の地盤を継いで42年に初当選した。ミッドウェー海戦の損害を過小に発表するなど、大本営が情報統制を強めたころに重なる。そうした内実を、吉田さんは外務省に勤める大学の同窓生らから聞いていたという。
 自叙伝で、吉田さんは「当局が国民に判断の基礎となる資料をひた隠しにしていたのだから、最後の破局が到来するまでその欺瞞(ぎまん)を見破れるはずもなかった」と書く。44年夏にサイパンが陥落して敗戦が濃厚になると、学友から聞いた情報を基に「軍部の欺瞞」を突く演説を地元で始め、停戦を主張した。国会では軍事費の決算報告がないことを追及し、憲兵らに追われる日々が続いた。
 45年3月、根拠のないうわさを流したなどとして逮捕され、福岡市内であった軍法会議で懲役3年の実刑判決を受けて刑務所に収監された・・・」
http://mainichi.jp/select/news/20140609k0000m040054000c.html
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太田述正コラム#6987(2014.6.9)
<中東イスラム世界の成り立ち(その2)>
→非公開