太田述正コラム#6988(2014.6.10)
<皆さんとディスカッション(続x2290)>
<太田>(ツイッターより)
 「…責任者の処罰をしっかりと行わないにもかかわらず、日本が「安全な国」と評されるのは、天文学的な資金や時間を惜しまず事故原因に対する徹底した調査を行い、その結果に基づいて一層の安全対策を進め続けるのがその理由のようだ。」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/06/09/2014060901435.html
 若干韜晦はしてるが、要するに強烈な、日本賛美であり、韓国批判だ。
 人民網「亡き」今、一人気を吐く朝鮮日報(?)。
 それにしても、人民網、一体どうしちゃったんだろねえ。
 英字紙の台北タイムスが、中共で Chinese ‘empathy’(人間主義)の勧めがなされているというコラムを載せた。
http://www.taipeitimes.com/News/editorials/archives/2014/06/09/2003592310
 私以外でこのことに気付いた人物・・学者だ・・が出てきたことは心強い。
 ところで、人民網が「復活」し、こんな記事を載せていた。「中日交流、過小評価してはならない「料理の力」…」
http://j.people.com.cn/n/2014/0609/c94473-8738429.html
 待ってました。
 そう、こう来なくっちゃあ。
<太田>
 前者の原文のさわりは次の通り。
 (ただし、筆者は、にもかかわらず、中共の対外政策は、人間主義の対極にある、と揶揄している。いや、それも人間主義化戦略の一環なんだぜ。(太田))↓
 It has become fashionable in China to talk about “thinking about things from other people’s perspective.”・・・
  it is refreshing to hear calls for mutual sympathy, objective viewpoints and an empathetic approach that seeks social harmony and urges people to restrain their egotism.・・・
http://www.taipeitimes.com/News/editorials/archives/2014/06/09/2003592310
 ところで、台北タイムスは、下掲のような記事も載せているのだが、実は、中共当局は、人間主義に基づくところの、日本型政治(経済)体制を継受しようとしているんだってことに気付いた私以外の人はまだいないねえ。↓
 China must beware the “trap” of Western-style democracy, the Chinese Communist Party’s flagship People’s Daily newspaper said yesterday, days after the 25th anniversary of the Tiananmen Square Massacre.・・・
http://www.taipeitimes.com/News/world/archives/2014/06/10/2003592429
<US>
 <セミナーの第1回用のスライド集を組み込んだレジメの>差し替え・・・版をお送りします。・・・
<太田>
 どうもありがとうございました。・・・
 一体自分はどうしてセミナー<の1~5回目の全体>をあんな構成にしたのか、にようやく気付き(?!)、これを、1回目のセミナーの終わりに語ることにしました。
 こういった具合に、レジメの内容は、恐らく、セミナー当日まで、増えたり手直しされたりして行くことでしょう。
 というわけで、きりがないので、本日中に・・・市にレジメ+スライド集を送っておくことにします。
 ・・・
 [第1回目の締め]
 このセミナーは、私が役人時代に仕事に取り組みながら考え始めたことに対する、一応の答えを皆さんにご披露するのが目的。
 孫子の「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」的に言えば、1回目で己、つまり日本、について知ったわけだが、引き続き、2回目で敵と味方の原型であるところの、欧州とイギリスとを知り、3回目でアメリカが主たる味方なのかそれとも敵なのかを見極め、4回目で、かつて主敵だったロシアについて改めて知るとともに、中国が主敵なのかそれとも味方なのかを見極め、5回目で敵でも味方でもないイスラム世界とインドを知り、最後に人間主義日本の使命を自覚する。 
 ↑これ、レジメに載せないでよかった、と改めて思うなあ。
 レジメに目をやった途端、こりゃ気が触れたオッサンだって「誤解」されて、私の話を聞かずに帰る人が出てこないとも限らないからねえ。
 10年前のボクならそうしてたよ。
<US>
 <2014.7.19/20関西>オフ会の申し込みフォームを作成しました。
http://www.ohtan.net/meeting/
<太田>
 関西在住の皆さん、ふるってご参加を!
 それでは、その他の記事の紹介です。
 こういったところでは、安倍首相に声援を送りたい。↓
 「集団的自衛権:高支持率の間に閣議決定…公明党に迫る決断・・・安倍晋三首相は今国会中の20日にも閣議決定する構え。・・・」
http://mainichi.jp/select/news/20140610k0000m010127000c.html
 「首相、商業捕鯨再開へ強い意欲 林農水相は楽天に遺憾の意・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140609/plc14060911380002-n1.htm
 世界最年長だった米男性がなくなり、これで男女とも最年長は日本人に。↓
 World’s oldest man dies aged 111 at his home in New York・・・
http://www.bbc.co.uk/newsbeat/27767596
 ソウルの50代~70代の高齢街娼達についての迫力満点のルポ記事だ。
 とにかく、日本の主要マスコミはこういった記事は取材が大変だからまず書かないよねえ。↓
http://www.bbc.com/news/magazine-27189951
 今年のは、どういうわけか、肝心の米国の主要メディアでは報じられてないねえ。↓
 「(@ワシントン)爆笑のホワイトハウス記者晩餐会・・・」
http://digital.asahi.com/articles/ASG6535PGG65UHBI00N.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG6535PGG65UHBI00N
 不明マレーシア機は北西に向かったという説を唱えていた人物が南西に向かったとしか解釈できなくなったと述べ、同時に、なお謎だらけだとしたコラムだ。
 (読んでもチンプンカンプンだけどな。)↓
http://www.slate.com/articles/technology/future_tense/2014/06/inmarsat_releases_data_showing_mh370_definitely_went_south.html
 FTに載った、企業倫理の堕落を嘆くコラムだ。
 株主価値革命(短期利益志向へ)と業績給/株式オプション給導入のせいだっちゅうんだけど、英米の企業倫理ってもともとそんなもんじゃあなかったのかい?
 問題は、それが人間主義的倫理でどれだけ拮抗されているかだろ。↓
 ・・・In the corporate sector, and especially in banking, there has been an adverse step change in ethical values. One reason is the ineptly named “shareholder value revolution”, whereby a paternalistic corporate capitalism was replaced by a capital market pressure cooker in which senior executives were required to deliver progressive rises in short-term earnings. A second change was the move to performance-related pay and incentives tied to equity values.・・・
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/11a3d50e-efba-11e3-bee7-00144feabdc0.html?siteedition=intl#axzz34Cb3Oiro
 ソマリア人テロリストへのケニア軍の無能、ボコハラムへのナイジェリア軍の無能の実態とその内生的原因を追究したコラムだ。
 (ちゃうちゃう。全て、旧宗主国の英国の手抜き統治に遡るんだよ。(太田))↓
http://www.foreignpolicy.com/articles/2014/06/06/why_are_africa_s_militaries_so_disappointingly_bad_kenya_nigeria_boko_haram_al_shabab?wp_login_redirect=0
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 臨時ミニ一人題名のない音楽会として、林隆三の歌唱を取り上げてみました。
 「俳優の林隆三さん死去・・・」
http://www.asahi.com/articles/ASG693QTYG69UCLV00B.html
http://www.asahi.com/articles/ASG696CY6G69UCLV012.html
 ブルジョアの嘆き 幸せを売る男 ~4:26 パリの空の下 7:20~
https://www.youtube.com/watch?v=Q_J8DJ6v2LU
 ピアノマン ~4:42 ピエロマン 21:10~。この間に挟まれる、林の愛好歌の「Who’s Sorry Now」(注a)と「『激しい季節』サントラ」(注b)もものすごーくイイー!
https://www.youtube.com/watch?v=yEarimE7Iow
(注a)1958年リリース。http://en.wikipedia.org/wiki/Who’s_Sorry_Now%3F
 もともとは、コニー・フランシスの持ち歌だが、彼女の歌唱
https://www.youtube.com/watch?v=V1gSWDi0aQ8
よりも、林推奨のジェーン・モーガン(Jane Morgan。1924年~)
http://en.wikipedia.org/wiki/Jane_Morgan
の歌唱の方がいいかも。
(注b)1959年制作・公開。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BF%80%E3%81%97%E3%81%84%E5%AD%A3%E7%AF%80
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太田述正コラム#6989(2014.6.10)
<中東イスラム世界の成り立ち(その2)>
→非公開