太田述正コラム#7010(2014.6.21)
<皆さんとディスカッション(続x2301)>
<太田>(ツイッターより)
 「…河野… 談話<(1993.8.4)>作成に関し、5年7月の日韓外相会談で、武藤嘉文外相(当時)が「文言は内々に事前に相談したい」と申し入れたことを受け、事務レベルで文言調整が始まった。慰安所設置や慰安婦募集の際の軍の関与について、韓国側が「軍の指示」と表現するよう要求し、最終的に「軍の要請を受けた業者があたった」と修文するなど、文言のすり合わせが詳細に行われた。…談話の原案は聞き取り調査が終了する前に作成済みで、裏付け調査も行っておらず、談話の直接的な根拠ではなかった…河野氏が談話発表の記者会見で「強制連行の事実があったという認識なのか」と質問され、「そういう事実があった」と発言した<が、これは、>…「一連の調査で強制連行は確認できない」としていた政府の認識と矛盾する発言だった…」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140620/plc14062016230011-n1.htm
 想像を絶する、人間主義的外交を非人間主義者相手に展開したってわけだ。
 絶句のみ。
<太田>
 関連記事だ。
 「米、河野談話の堅持要求 韓国との協力促す・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014062101001176.html
<太田>(ツイッターより)
 「小保方氏 周囲の圧力で「解雇なし」の可能性…」
http://news.livedoor.com/article/detail/8961712/
 ジョーダンは止めてけれー!
 「都議会やじ発言者は名乗り出ろ 自民石破幹事長…」
http://news.livedoor.com/article/detail/8961947/
 んだ、太田「理論」で武装し、申し開きを!
<MH>
 –都議会の女性議員の野次について–
≫女性による男性搾取構造が戦後日本に存在する中で、品の悪い男性議員が、客観的には更なる男性搾取をもたらしかねない女性議員の発言に悪罵を投げつけたってこと。≪(コラム#。太田)
 果たして世界はそう見るでしょうか?
 以前ご紹介したNYCのトリンチさんはこの件でfacebookで激怒しておりますのでご紹介します。
https://www.facebook.com/trinity.mhj
 議会という場で、選挙で選ばれたひとたちが、こういう発言で公然と女性を個人的にも、また女性一般をも侮辱するなどと・・・。こんな未熟でお粗末な国だったかと、正直、悲しくなりました。
 アベノミクスでは日本の少子化問題をとりあげ、人口1億人維持のための対策を講じる必要ありと確認していますけれども、日本の少子化は、「現在の日本社会で子供を産み育てても、楽しみより苦しみのほうが大きくなるだけ」と若い人達から捉えられているというメッセージではないのでしょうか?
 このままでいけば、高齢者を支えるワカモノ(納税者)の数は減ってゆくばかり。政治家というのは、そういう状況を打破するために、選挙で選ばれてきた人たちじゃないんですか?
 申し訳ないけど、公然と女性を侮辱して平然としていられる、こんな低俗で頭の悪い連中の考える少子化対策や政策なんて、どうせロクでもない政策に決まってるんだし、こいつらが高齢者になったときに支えるための人口を増やす目的で少子化対策とか言ってるならば、日本の若いカップルは、なにも無理して子供を産む必要もなかろう、とすら思います。
 去年、ウォール街の若いアナリストらとおしゃべりする機会があって、アジア系の女性も数名混じっていたけど、彼女らは、日本ぐらい女性に対してアンフェアでHostileな先進国はほかにないし、日本でだけは働きたくない、という意見で一致していた。
 それきいて悲しくなったよ、ほんと・・・。日本以外のアジア系女性の間ですら、そういうレピュテーションで固まってんだなぁ、と。強く反論できないってのも、また悲しいじゃないか。
 これがもしNY市議会で起こったら・・・と想像してみたら、メディアも市民団体も出てきて、大騒ぎになるでしょう?そして、NY市長みずからがメディアに登場し、こういう発言は絶対に許されないということを主張する。彼はリーダーなんですから、当然ですよね。東京の場合は、知事もいっしょに笑ってたってんだから、どんだけ女をバカにしくさってんのか、ですよ。
 あと、橋下の発言の件ですが、あのひと、いまだにガキみたいに「オマエもやってたくせにー!あっかんべー!」とか言ってるんですね、呆れた。ああいうのみると、彼は根本的に頭の悪いひとだと思うし、弁護士のくせに議論のロジックの積み上げ方ひとつわかってないみたいだから、程度の低い人、ということで、これまた「切り捨てる」が乙。
と一刀両断に切り捨ててます。
 私も彼女にほぼ同意です。
 太田さんの「日本女性が男性搾取してる」とう意見では上記の意見に対して反論出来ないし、理解も得られないのでは?単に「ショービニスト」と反論されて終わりだと思います。
 太田さんより上記に対して何か適切なご意見が賜れればありがたいです。
 以上、宜しく願います。
<太田>
 さんざ、コラムで書いてるじゃないですか。
 少なくとも、橋下発言についてのコメントを繰り返させるのはご勘弁を。
 で、しょーがないから「日本以外のアジア系女性の間ですら」については取り上げることにして、日本人の女性の間では(彼女を日本人の女性と言っていいのかどうかはともかく)、この表現は、トリンチさんが、アジアの女性一般が欧米の女性一般に比べて差別されていると思い込んでいるとともに、日本の女性には自分達が差別されているという意識が殆んどないという思いでいること、を示唆しているねえ、なーんてケチをつけるのは、さすがに揚げ足取りでしょうから、まともにお答えしましょう。
 もちろん、これもちょっと前に既に書いたことですが、日本人女性の平均寿命が世界一ってのが決め手でしょうね。
 これは、平均的日本人女性が、世界でイチバン、シアワセで健康的な生涯を送っていることを意味しています。
 世界中の被差別少数民族/集団の平均寿命を調べて御覧なさい。
 差別側より短命であるはずですよ。
 たとえ物理的迫害を受けないとしてもストレスたまるからねえ。
 他方、日本人男性の平均寿命は世界第7位あたりをうろついてます。
 男女合わせた平均寿命じゃ、日本人は世界一であるにもかかわらず・・。
 これは、日本人男性が日本で被差別集団に属していて、相対的に不幸で不健康な生涯を送っていることを端的に物語っています。
 つまり、日本は、客観的に見て、男性差別社会である、と断ぜざるをえないのです。
 婚姻関係にある男女のうち、財布のひもを握っているのはどちらか、という国際比較数値がただちに得られないのは残念ですが、少なくとも専業主婦家庭であれば、子持ちであろうとなかろうと、夫である、というのが世界の常識であるところ、日本ではその真逆であることが、その傍証の一つです。
 このような議論のどこが「ショービニスト」なんです?
 
<MH>
 太田様、お疲れ様です。
 直接お返事を頂けるとは思っていませんでしたのでありがとうございます。
 ご指摘ありがとうざいます。
 太田さんのご意見は日本女性の平均寿命からのお話ですね。
 トリンチさんは日本女性の企業での地位と、これは記載しませんでしたが日本は痴漢が多い、エロ記事が普通に目に触れるところに氾濫しているということで日本は女性差別国だと、散々揶揄してますので一見すると「そうだよな」と思いますが、太田さんのご意見を改めて拝見すると女性が逆差別しているとなりますね。
 それと「ショービニスト」は私が太田さんに対して思ってる訳ではないです。トリンチさんにそう受け止められるのではないか?という憶測を書いております。
 もし誤解されたら申し訳ありません。
 まだ太田コラムを理解するには勉強が足りませんので改めてブログを読み込んで見ます。
 今後もブログを通じてご指導とご鞭撻の程、宜しくお願い致します。
<太田>
 関連記事等だ。
 「セクハラヤジ:塩村議員の一問一答詳報 議場から反論しなかった理由は・・・」
http://mainichi.jp/feature/news/20140620mog00m040011000c.html
 「「彼と別れるとき慰謝料1500万円貰いました」塩村文夏都議のバラエティ番組での発言で議論に・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/8962361/
 塩村文夏(1978年~。共立女子短期大学卒)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A1%A9%E6%9D%91%E6%96%87%E5%A4%8F
<txQxB4C.>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
≫欧州全域で反ユダヤ主義が高まっているところ、とりわけ(ユダヤ人人口が欧州最大の)フランスで甚だしいとさ。≪(コラム#7008。太田)
 ユダヤ教もアブラハム系で、原理主義者がいっぱいいる宗教だからね。
 鼻つまみ者になるのも無理ないね。
 ほんの少ししかいないんならいいけど、フランスは欧州最大のユダヤ人人口を抱えてるっていうんではね。
 前の大戦でドイツから追っ払われた人々がフランスに居ついて増えたってことかな?
 戦前にはレオン・ブルム(ユダヤ人)がいて、フランス共和国臨時政府の主席つまり大統領だったわけだし、戦後も、ドミニク・ストロスカーン(ユダヤ人)とか、あのニューヨークでのスキャンダルがなければほとんど次期大統領で決まりと思われてたんだから、それほど反ユダヤ主義がきつい国とも思えないだが。ストロスカーンの元奥さんアンヌ・サンクレール(ユダヤ人ジャーナリスト)も大人気だし。
<CNrJFXeM>(同上)
 フランスでのユダヤ人差別についてだ。読んでみそ。↓
コラム#967
http://blog.ohtan.net/archives/50954866.html
コラム#968
http://blog.ohtan.net/archives/50954865.html
<太田>
 関連記事だ。
 ・・・while the number is relatively small — 1,407 of France’s roughly 500,000 Jews left in the first three months of the year — it is four times higher than for the same period last year, ・・・
http://www.nytimes.com/2014/06/21/world/europe/number-of-french-jews-emigrating-to-israel-rises-sharply.html?ref=world
 それでは、その他の記事の紹介です。
 朝日の報道を朝鮮日報で知る私かな。↓
 「安倍首相、8月に電撃訪朝の可能性・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/06/21/2014062100696.html
 なるほどなるほど。↓
 「「ギリシャに勝たなくてよかった……」サッカーW杯、引き分けでGL突破の可能性が“ちょっと”アップ!?・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/8960965/
 イラク–シリア国境の検問所の最後のがIsisの手に落ちた。↓
 Sunni militants overran one of the last government-held crossings on the Syrian border on Friday after a fierce battle that left at least 34 Iraqi soldiers dead.・・・
http://www.nytimes.com/2014/06/21/world/middleeast/top-shiite-cleric-in-iraq-urges-inclusive-government.html?ref=world
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 一人題名のない音楽会です。
 John Ogdonの10回目です。
 今回は、ラフマニノフ(Rachmaninoff)の曲の演奏です。
 名作が一つもない回になってしまいましたが、あしからず。
 Piano Sonata No. 1 in D Minor(注)
https://www.youtube.com/watch?v=ZFPNQE3KBbg ←駄作。
https://www.youtube.com/watch?v=AD_KJeTiXg0 ←駄作。
https://www.youtube.com/watch?v=uDCrItofVYY ←佳曲。
https://www.youtube.com/watch?v=CULeMvhN3xo ←まあまあの曲。
https://www.youtube.com/watch?v=zXpN825wZIE ←佳曲。
(注)「1906年11月にラフマニノフは、妻と娘を連れてドレスデンに移り住み、《交響曲 第2番》の作曲に没頭した。《交響曲 第1番》の失敗による屈辱を雪ぐため、またモスクワの喧騒から逃れるためであった。」この曲は、その間、1907~1908年にかけて、「元来はゲーテの戯曲『ファウスト』を題材として作曲された。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%82%BD%E3%83%8A%E3%82%BF%E7%AC%AC1%E7%95%AA_(%E3%83%A9%E3%83%95%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%8E%E3%83%95)
 Nocturne no. 1 in F-sharp minor 佳曲。
https://www.youtube.com/watch?v=OiowCGYeXJw
(注)14歳の時の作品。(上掲)
 Nocturne no. 2 in F まあまあの曲。
https://www.youtube.com/watch?v=n2FUDpSaqEQ
(注)解説を発見できなかった。
 Preludes op 23(注a) #4, #5, #6、及び、op 32(注b) #5, #12。(op 23 #5は佳曲だが、後は全てまあまあの曲) 
https://www.youtube.com/watch?v=NVSN8OZOuPk
 Prelude in G major Op. 32 No. 5 まあまあの曲。
https://www.youtube.com/watch?v=wxkCUPWu5rs
 佳曲であるop 23の#5については、女性のValentina Listsa による演奏もどーぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=4QB7ugJnHgs
(注a)1901年作曲。
(注b)1910年作曲。
http://en.wikipedia.org/wiki/Preludes_(Rachmaninoff)
 口直しに、ラフマニノフ本人による、下掲、名プレリュードの演奏をどうぞ。
 Prelude in C-sharp minor(注)
https://www.youtube.com/watch?v=wXQCPAR0EHo
(注)1892年作曲の「セルゲイ・ラフマニノフの最も有名なピアノ曲の一つ」である。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%8D%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E5%AC%B0%E3%83%8F%E7%9F%AD%E8%AA%BF_(%E3%83%A9%E3%83%95%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%8E%E3%83%95)
 Etude-Tableau Op. 33(注) No. 5 in D minor 佳曲。
https://www.youtube.com/watch?v=3ym3kRNhIwU
 Etude-Tableau Op. 33 No. 6 in E flat 佳曲。
https://www.youtube.com/watch?v=iOGpyEHalLg
(注)1911年の作曲。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%B3%E3%81%AE%E7%B5%B5
 Etude-Tableau Op. 39(注) No. 2 in A minor まあまあの曲。
https://www.youtube.com/watch?v=w0rC2lNNAFQ
 Etude-Tableau Op. 39 No. 6 in A minor 佳曲。
https://www.youtube.com/watch?v=8PrEltrULcs
 Etude Tableau Op. 39 No. 8 in D minor 佳曲。
https://www.youtube.com/watch?v=Bl71BD4uN6c
(注)音の絵。1920年出版。「ラフマニノフに特有な、高貴なメランコリーとノスタルジーを湛えた叙情的な旋律は、第5曲を除いて現れ<い。>・・・有名な第6曲は、とりわけ中間部がバルトークの《アレグロ・バルバロ》に近づいている」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%B3%E3%81%AE%E7%B5%B5 上掲
(続く)
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太田述正コラム#7011(2014.6.21)
<第一次世界大戦がもたらしたもの(その2)>
→非公開