太田述正コラム#7062(2014.7.17)
<皆さんとディスカッション(続x2327)>
<太田>(ツイッターより)
「… 安倍首相は15日、参院予算委員会に出席し、朝鮮半島有事の際、在日米軍基地から米海兵隊が出動するには、日本政府の了解を得なければならないと述べたという。…」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/07/16/2014071603140.html
 事実だとすれば、韓国当局が言明しているように間違い。
 非常識ー!
<B/fXBYHc>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
>事実だとすれば、韓国当局が言明しているように間違い。非常識ー!
 随分、都合のいい言い分ですね。
 在日米軍は有事の際(多分朝鮮半島の有事を指している)の後方支援のため基地化されている。
 在日米軍は朝鮮半島有事の際の後方支援基地のために存在するなら、韓国が駐留費用を負担しろよwww。
 何故日本が自腹で朝鮮半島有事の際に備えて、後方支援のためだけに在日米軍を置いておかなきゃならないんだ。
 韓半島の直接防御の役割を務める在韓米軍を紛争地域に投入するには、韓国政府の協議と一緒に了解を得なければならない事項だが、在日米軍は違う米国がイラク戦争当時、クウェートを後方基地として利用したように在日米軍基地も国連軍司令部の後方基地の役割をする在韓米軍は協議が必要、在日米軍は協議は不要。韓国はいい加減にしろよwww。
<5ZAKiq4c<(同上)
 コラム#3873の国連軍地位協定のことを言っているのよ↓
 「現状においては、日米安保条約の下での事前協議制度が仮に実効性を伴うものであったとしても、この制度は、いわゆる朝鮮国連軍として行動する、米軍を含む・・・国連軍地位協定・・・締結国の軍隊には適用されない。つまり、「朝鮮半島有事」にあたって、米軍等は在日米軍基地を自由に出撃基地として使用することができ、これに日本政府はなんら口を挟めない。言葉を換えて言えば、日本にとって、日本有事の次に深刻な「朝鮮半島有事」に関し、日米安全保障条約のもとでの在日米軍に関する事前協議制度は適用除外になっている。これでは事前協議制度はないに等しく、日本の主権が損なわれている。」(拙著『防衛庁再生宣言』86頁)
<B/fXBYHc>(同上)
 民主党時代に岡田外相が、わざわざアメリカに確認してる。
 朝鮮半島有事の際に在日米軍の出動には事前協議が必要。
 (つまり、2010年の時点で、自動的に出動するって密約はあったけど、失効してると日本、アメリカが認めたことになってる。)
 朝鮮半島有事の密約無効 核持ち込みは事前協議(10/06/16)
https://www.youtube.com/watch?v=JYGHTn2rE8Q
<太田>
 ユーチューブを見るのはカンベンベン。
 コラム#6846で、下掲を記事を紹介したところだよ。↓
 「日米両政府が1960年の日米安全保障条約改定時に、朝鮮半島有事の際に日本国内の米軍基地の使用を認める取り決めをしていた・・・」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDE30002_Q3A131C1MM8000/
 ただしだ、仮にこの取り決めがなかった、或いは無効になった・・んなバカな・・としたって、国連軍地位協定がある以上、朝鮮半島有事に事前協議なし、に変わりはありえないだわさ。
 (あるとすると、英、仏軍等は事前協議なしに、日本から出撃できるけど米軍だけはできない、というシュールなことになっちゃうもーん。)
<太田>(ツイッターより)
 「国際圧力と誤算 中国、南シナ海掘削撤収の背景… 米国との本格的な対立を避けたい中国は、日本とフィリピンに手を出しにくくなったため、あえてベトナムと対決を演じることで、国内に向けて「毅然(きぜん)とした対外姿勢」をアピールする狙いがあったとみられる。…」後一声なんだけど、そうは入谷の鬼子母神。
 「…中国の「暴走」ともいえる対外強硬姿勢の背景には、経済低迷や環境悪化などへの国民の不満を外に向けさせたい思惑があると指摘される。北京の国際問題専門家は「今回は国際社会の圧力で一時引いたが、習政権は同じ政治手法をとり続ける限り、すぐに別の周辺国<と>トラブルを起こすだろう」と話している。」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140716/chn14071622350013-n1.htm … なーんて書いてんじゃてんでダメだね。
 習近平閣下の心中を暴露してきたところの、太田コラム読む人がもっともっと増えて欲しいもんだわ。
 亡くなったばかりの自分の女の赤ちゃんの写真のチューブ類をはずす修正を施してくれないかと投稿したら・・。
http://www.washingtonpost.com/news/the-intersect/wp/2014/07/16/today-in-uplifting-internet-news-redditors-help-father-who-lost-his-infant-daughter/?hpid=z4
 泣けるでー。
<Mw8GDsXw>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 そもそも、「集団的自衛権」って、何でしょうか?
http://blog.livedoor.jp/hosoyayuichi/archives/1866949.html
 例の先生のブログが更新されてたよ。
<3weWkPbk>(同上)
 「例の先生」、こんなこと言ってるね。↓
 「・・・アメリカによる集団的自衛権の濫用によって日本が戦争に巻き込まれることを懸念する反対派の方々は、ベトナム戦争などを例としてあげます。しかしながら、大きな問題は、1986年のニカラグア事件のICJ判決によって、厳しい手続き的要件が明示されて、それ以後にはそれらを明瞭に無視するような集団的自衛権の濫用がきわめて難しくなった、ということです。」
http://blog.livedoor.jp/hosoyayuichi/archives/1866949.html
 んで、「ニカラグア事件」のwikiにこんなこと書いてある。↓
 「ニカラグアへの損害賠償などを命じたICJの判決をアメリカは履行せず、その上判決履行を求めてニカラグアが安保理に提訴するも再度アメリカの拒否権行使によって否決されたなど、本件でICJは裁判所として紛争解決の機能を果たすことができなかったとする批判もある。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%82%A2%E4%BA%8B%E4%BB%B6
 ↑エライ学者さんのリクツはよくわからんね~。
 あと、こんなことも言ってる。↓
 「内閣法制局は、「個別的自衛権」と「他国防衛権」とがあらゆるケースで明確な区別が可能だとして、白黒に分けていますが、国際法上の学説としては、「自衛」の延長として捉える見解も見られていて、必ずしも両者が常に明確に区分できるわけではないとも見られています。イギリスの元駐日大使も、やはり、イギリス政府としては必ずしも個別的自衛権と集団的自衛権に明確な境界線があるとはみなしていない、と昨年の『中央公論』のインタビューで応えていました。・・・
 そもそも、日本が戦前に日中戦争や太平洋戦争を開戦したのは、集団的自衛権によってでは<あ>りません。「自存自衛」、いわば個別的自衛権の濫用によって、開戦事由を説明しようとしたのではないでしょうか。」
http://blog.livedoor.jp/hosoyayuichi/archives/1866949.html
 ↑前者と後者でどう整合性をとっているのか、聞いてみたいね。
<qgmUONJc>(同上)
 『自存自衛』なんて言葉が出てくる時点でセンセはアウト。
<uW9x/822>(同上)
 『自存自衛』という言葉は間違ってないと思う。
 『個別的自衛権の濫用』という言葉が、ずれている。
 この学者の戦前の日本に対する史観が、多分、出鱈目なので何を論じても、不毛になるのは避けられない。
 集団的自衛権とは、日本の安全保障に関わっているとか、または日本人が考える公的大義に対して軍事力を行使、または援助出来るようになればいいだけの話だと思う。
 もちろん、国益も考慮して。
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 (憲法の規範性云々以前に、)何でも米国のせいにするバカ。
 こんな輩に限って、先の大戦について米国を追及することは絶対にない。↓
 「・・・少子化・・・<の>原点には米国製憲法の「家族」破壊がある・・・第24条の「家族関係における個人の尊厳と両性の平等」条項による弊害がいま現実となって顕現したのである。・・・」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41063
 加藤典洋の愚にもつかない自虐的コラムをまた載せたNYタイムス。
 op-edだから、彼、同紙の論説委員になったん?↓
http://www.nytimes.com/2014/07/17/opinion/norihiro-kato-japans-break-with-peace.html?ref=world
 米国がロシアに対する新たな経済制裁を課したが、ロシアが国境を超えて多連装ロケット弾をウクライナ領内に撃ちこんでいる証拠写真(?)が・・。↓
 Just as news broke today that the U.S. Treasury Department was instituting a new suite of sanctions against Russia, video evidence has emerged apparently showing the most definitive proof yet of Moscow’s direct participation in the ongoing war in eastern and southern Ukraine: Russian rockets being fired toward Ukraine. ・・・
http://www.foreignpolicy.com/articles/2014/07/16/russia_is_firing_missiles_at_ukraine_grad_rockets_us_sanctions
 ドイツで米国の盗聴防止機器会社Silent Circleが大儲けする一方で、ドイツ政府は米国のIT会社Verizonとの契約を打ち切り、盗聴問題を検討しているドイツ政府機関は、パソコンではなくタイプライターで文書を作ることを決定。そもそも、米国はドイツを完全に信用したことなど一度もないとさ。↓
 ・・・Silent Circle, which sells encrypted mobile phone service that shields users’ conversation from eavesdroppers,・・・’s sudden jump in sales suggests that German citizens, corporations, and government agencies are taking steps to keep their conversations away from the prying ears of American intelligence agencies. And, paradoxically, they’re turning to an American firm to help them. ・・・
  The Germans’ decision to cancel the Verizon contract was based in part on the failure to seal the no-spy deal, and revealed a fundamental lack of trust in U.S. companies, which can be required by law to participate in official spying. ・・・
 Earlier this week, the head of the German government’s inquiry into the Snowden revelations told a television interviewer that his panel may ditch electronic communications altogether and use manual typewriters for their correspondence. ・・・
 The United States has never fully trusted Germany as a security partner・・・
http://www.foreignpolicy.com/articles/2014/07/16/snowdenfreude_germany_us_spying
 米国の世論調査で、ユダヤ人信者(ユダヤ人)を全宗教中最も高く評価し、イスラム教徒を最も低く評価していることが分かった。
 (なんで、仏教徒への評価が並なんだよ。(太田))↓
 ・・・The 3,217 respondents rated Jews, Catholics and Evangelical Christians scores of 63, 62, and 61, <favorably,>respectively.
 On the other end of the spectrum, Muslims were rated least favorably, with a score of 40. Atheists were rated a step higher with a score of 41. Buddhists, Hindus and Mormons were in the middle, with ratings of 53, 50 and 48, respectively.・・・
http://time.com/2992611/study-jews-most-popular-religious-group-in-the-u-s/