太田述正コラム#7709(2015.6.6)
<皆さんとディスカッション(続x2650)>
<太田>(ツイッターより)
 イスラエルの大学がサウディアラビアで密かに行った電話世論調査の結果、サウディ国民が主敵と思っているのは、イラン:53%、Isis:22%、イスラエル:18%、であることが判明。
http://www.haaretz.com/news/middle-east/1.659775
 イランv.スンニ派/イスラエル連合形成は必至だな。
<太田>
 関連記事だ。
 何ちゅうことない、既に2014年初から、イスラエルとサウディアラビアの両国は非公式協議を重ねてきているってさ。↓
 ・・・since the beginning of 2014, representatives from Israel and Saudi Arabia have had five secret bilateral meetings to discuss Iran in India, Italy, and the Czech Republic.・・・
http://www.csmonitor.com/World/Middle-East/2015/0605/How-Iran-has-brought-Israel-and-Saudi-Arabia-together
<太田>(ツイッターより)
 「フィリピンのアキノ大統領は…自衛隊が将来、南シナ海で活動する場合を想定し、給油などのために自衛隊がフィリピン軍の基地を使うことを認める「訪問軍協定」の締結に向けた議論を始めたい意向を示した。…」
http://matometanews.com/archives/1764116.html
 斜め読みしただけだが、投稿も面白い。
 ひょっとして、瓢箪から駒、で実現しちゃうかもしれないが、その暁には、日本との不慮の軍事衝突を避けるため、習ちゃん、日本「独立」化戦略の機軸を、更に、南シナ海からインド洋へと移す可能性が出てくるかもね。
 時代の進展に加速度がついてきた。
日本の憲法学者達は今のうちに転職した方が賢明?
<TA>
≫また、潜水艦艦長を務めた経験がある山内敏秀氏・・・も・・・「オーストラリアに持ち込まれたわれわれの技術が中国に漏えいすることをわれわれは懸念している」と述べ、軍事技術の保護に関するオーストラリアの能力を疑問視した。≪(コラム#7707。ロイター)
 「軍事技術の保護に関する<日本の>の能力」は、今どの程度なのでしょうか。そこそこマシにはなってきていると思いたいところですが、法整備だけについてもまだ穴だらけといった印象です。↓
 「諸外国においては、秘密保護の一環として、安全保障上の機微技術について特許出願後公開を行わない、いわゆる「秘密特許制度」が導入されている。しかし、我が国では軍事転用可能な技術はもとより、軍事技術であっても、特許出願された場合には全て公開される。」(45頁)
http://www.inpit.go.jp/content/100538396.pdf
<太田>
 そうです。
 山内敏秀元幹部は、日本の秘密保護の実態を知っていたら・・もちろん、少なくとも日本よりはマシのはずの豪州のそれについても何も知らないのでしょうが・・間違っても、ああいうことは口にできなかったはずですよ。
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 もうアッカーン。
 旧日本帝国圏・・台湾・朝鮮半島・南洋諸島・支那・・からの移民の無条件承認を!↓
 「出生率:9年ぶり低下…出生数は減少加速 14年・・・」
http://mainichi.jp/select/news/20150606k0000m040083000c.html
 三重県出身者としては、お祝いしたい気分。↓
 「来年「伊勢志摩サミット」 首相「伝統感じてもらえる」・・・」
http://www.asahi.com/articles/ASH6553L7H65UTFK00Q.html?iref=comtop_6_01
 件の仏教漫談、もはや、批判にすら値しない、くっだらねー内容になっちゃったね。
 連載、打ち切った方がエーんちゃう?↓
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20150527/281648/
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20150604/283913/?n_cid=nbpnbo_mls&rt=nocnt
 実はサントリーホールのコンサートに赴いた月曜から風邪気味だったんだけど、直らないので昨日医者に行った折、待合室で週刊文春を読んでたので、下掲の2記事のウラにある真実・・いくら文春でも、ことがことだけにさすがに概ね事実だろう・・に再度思いをはせた。
 その「真実」とは、(ヘンジンだった)故三笠宮寛仁殿下のDVで信子妃殿下が心身とも体調を崩したこと、娘二人が父親殿下寄りで信子妃殿下をのけ者にしていること、だが、ホント、(ずっと以前に紹介した伝聞であるところ、)天皇家でまとも・・ちゅうか、ウルトラまとも・・なのは、基本的に歴代天皇だけだ、という話を思い出すと慄然とするねえ。
 天皇家の人は、天皇になる可能性が現実味を帯びてきた瞬間に、特定の遺伝子にスイッチが入って、急にウルトラまともになるっていうことなのかもね。↓
 「信子さまの回復状況、医師が文書説明・・・」
http://www.asahi.com/articles/ASH654JL8H65UTIL020.html?iref=comtop_list_nat_n04
 「彬子さま所感全文 寛仁さま逝去から3年・・・」
http://www.asahi.com/articles/ASH657W76H65UTIL021.html?iref=comtop_list_nat_n05
 養老センセが鎌倉に作った昆虫慰霊碑についての記事だ。↓
 Japan: Monument honours insects killed by humans・・・
http://www.bbc.com/news/blogs-news-from-elsewhere-33020906
 で、欧米にもあるで、とこの記事の中で、米国の某市にワタミハナゾウムシの碑があることを紹介しているが、逆説の碑じゃん。バッカもん!↓
http://en.wikipedia.org/wiki/Boll_Weevil_Monument
 ホテルオークラの現在の建物の保存を訴える長文記事だ。
 こういった記事を載せるなとは言わないが、NYタイムス、とにかく、もうちょっと、話題のバランスをとってくれってんだ。↓
 The End of a Treasure in Tokyo・・・
http://www.nytimes.com/2015/06/07/opinion/sunday/destroying-a-treasure-in-tokyo.html?ref=opinion&_r=0
 殊勝で大変よろしい。↓
 「MERS:日本の第一人者に聞く「日本ならどう対応したか」・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/06/05/2015060501135.html
 私とは正反対の、こういう真逆のトンデモ行間読みをする日本人「識者」が現れることを、果たして中共当局は予期してたんだろうか?↓
 「中国政府<は、>・・・「<国防>白書で・・・尖閣について、日米同盟強化への懸念を示す文脈の中で『海上に存在する個別の隣国』が『強い軍事力を行使して中国の島嶼を不法に占拠している』と述べています。日本を名指しこそしていませんが、尖閣への野心を隠しませんでした。
 南シナ海の領土・領海問題が片付けば、次は尖閣問題の軍事的な解決に乗り出す可能性があるということです。・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/10198773/
 お待ちかねの中共による日本ヨイショ記事だ。↓
 「中国製品は「低級品」ばかり!・・・日本品質は作れそうで作れない=中国メディア・・・」
http://www.msn.com/ja-jp/money/news/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E8%A3%BD%E5%93%81%E3%81%AF%E3%80%8C%E4%BD%8E%E7%B4%9A%E5%93%81%E3%80%8D%E3%81%B0%E3%81%8B%E3%82%8A%EF%BC%81%E3%83%BB%E3%83%BB%E3%83%BB%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%93%81%E8%B3%AA%E3%81%AF%E4%BD%9C%E3%82%8C%E3%81%9D%E3%81%86%E3%81%A7%E4%BD%9C%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%EF%BC%9D%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2/ar-BBkaEQd#page=2
 FIFAを16年間にわたって監査してきたKPMGが不正を暴けなかったことが批判されている。
 (日本の場合は株主の力が本質的に弱いという「問題点」があるわけだが、株主の存在しないFIFAのような機関、しかも国際機関に関しても、その顧客のカネで当該顧客の監査をする、という業態そのものが、そもそも成り立ちえないのかもしれないな。(太田))↓
 Despite longstanding suspicion of corruption, world soccer’s governing body has received a clean bill of financial health for 16 consecutive years from KPMG, one of the world’s top auditing, accounting and consulting firms.・・・
http://www.nytimes.com/2015/06/06/sports/soccer/as-fifa-scandal-grows-focus-turns-to-its-auditors.html?ref=world
 ずっとぶちこまれていた、サダム・フセインの(キリスト教徒たる)片腕のタリク・アジズ(Tariq Aziz)に関する長文の訃報だ。↓
http://www.theguardian.com/world/2015/jun/05/tariq-aziz
 ・・・By the end of the second world war more than 2.5m men served in the Indian army, making it the largest volunteer force in world history. Yet they were treated worse than second-class humans and Winston Churchill was adamant about not giving India her independence, which the Indian National Congress had demanded as a requisite for India providing the men Britain so desperately needed to fight. President Franklin Roosevelt was keenly aware of the systemic double standards involved: Europe was facing the biggest threat to the very freedom it wouldn’t consider for other races.・・・
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/59342720-0a17-11e5-a6a8-00144feabdc0.html?siteedition=intl
 ティラノザウルスがどうやって交尾したのかを模索した長文記事だ。
 好事家はご一読あれ。↓
http://www.slate.com/blogs/wild_things/2015/06/05/dinosaur_sex_t_rex_autopsy_on_national_geographic_channel.html
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 一人題名のない音楽会です。
 Julia Fischerの特集の2回目です。
 今回は、ロシアの作曲家3名の作品とマーラーの作品です。
Glazunov Violin Concerto in A minor, Op 82(1904年)(注) 指揮: オケ:Yakov Kreizberg オケ:Russian National Orchestra 大昔に聴いて感動したけれど、作曲者名を含め、忘れ去って久しかった名曲と再会するのはなんとうれしいことだろう。
https://www.youtube.com/watch?v=ZCN2yxkJGpw
(注)定番の「3楽章で構成されているが、・・・作品全体が間断なく連結されており、多楽章構成を含んだ単一楽章のようにまとめられている・・・初演は・・・作曲者の指揮によりサンクトペテルブルクで・・・翌1905年・・・に行われた。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%BA%E3%83%8E%E3%83%95)
Prokofiev Violin Concerto No 1 in D major, Op 19(1915~17年)(注) 指揮・オケ:同上 まあまあの曲。
https://www.youtube.com/watch?v=gowJzxZeU0M
(注)ロシア革命の年に作曲されたこの曲の「初演は1923年10月18日にパリのオペラ座」だった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E7%AC%AC1%E7%95%AA_(%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%A8%E3%83%95)
 聴衆の中にいたシゲティは、ただちにこの曲を自分のレパートリーに加えた。そのわずか、3日後に、ソ連(のどこ?)で、ヴァイオリン:ミルスタイン、オケ代わりのピアノ:ホロヴィッツ、で初演されている。
http://en.wikipedia.org/wiki/Violin_Concerto_No._1_(Prokofiev)
Khachaturian Violin Concerto in D minor(1940年)(注) 指揮・オケ:同上 佳作。
https://www.youtube.com/watch?v=9halRXbyazo
(注)同年、「モスクワ<で>・・・ダヴィッド・オイストラフのヴァイオリン」で初演された。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%83%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%B3)
Gustav Mahler Piano Quartet in a-minor(1876年)(注) ヴァイオリン:Daniel Roehn チェロ:Alexander Chaushian ピアノ:Milana Chernyavska 名曲!
https://www.youtube.com/watch?v=JDaXUxudpbA
(注)「<第1>楽章・・・だけが完成・・・マーラーの現存する唯一の学生時代の習作・・・<彼は、>成熟期以降は(少なくとも知られている限りで)室内楽を遺さなかった。・・・<初演は、>ウィーン音楽院にて、作曲者自身のピアノによる。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E5%9B%9B%E9%87%8D%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BC)
(続く)
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太田述正コラム#7710(2015.6.6)
<キリスト教の原罪思想のおぞましさ(その5)>
→非公開