太田述正コラム#7943(2015.10.1)
<皆さんとディスカッション(続x2767)>
<太田>(ツイッターより)
 「木村拓哉出演の台湾観光CM の放送が開始…」
http://j.people.com.cn/n/2015/0930/c206603-8957571.html
 「元AKB板野友美が中国映画に初出演…」
http://j.people.com.cn/n/2015/0930/c206603-8957542.html
 本日は芸能路線で来たなー。
 どちらも、中共だけじゃなく台湾も関わってる点がミソか。
 冷戦終焉/ソ連崩壊後、初めて露が外国(シリア)で爆撃を敢行。
 爆撃したのは、少なくともIsis支配地域ではなく、米国が支援している反アサド部隊所在地域の可能性が高い。
http://www.newsweek.com/russian-airstrikes-syria-cia-378403
 何の役にも立たず嘲笑の対象になってきた同部隊の泣きっ面に蜂って感じ。
<K9MCJX9.>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 太田さんのコラムは他の評論家のコラムと比べても質・量共にズバ抜けているとは思うんだが、2年くらい読み続けてると他の人ととの政治・安全保障の会話が噛み合わなくなってくるね。
<Vmkv18Ic>(同上)
 土台にしている事実やそれに対する認識が揃ってないと議論は成立しないからね。
 安全保障は特に懈怠の度が酷いから目立つけど、他の政治一般でも事実の集積・整理・共有化・整理ができてないから、いつまでたっても論点すら整理できていないんじゃない。
 マイナンバー騒動なんかいい例じゃないかな。
 みんな事実の読み込みもやらずに各自の印象で散漫な不安を語るだけで、対案のひとつもまとめられない。
 これについて常々不思議に思ってることをちょっと書かせてくれ。
 元々基礎概念を整理・維持している(いわゆる)理工系が世界で活躍する一方で、(いわゆる)文系って、自分たちが弄んでいる術語・概念の整理体系化とか、地道な事実の集積・整理・共有化・維持をやってないように傍からは見えるんだよね。
 一例を挙げるなら、今みんながメールやWebで自国語や多国語を織り交ぜて情報交換するための文字コードの制定過程。
 工業規格を決める側が国際会議で規格化する以前に、文字を整理・体系化をしなければならなかったわけですが、
http://internet.watch.impress.co.jp/www/column/ogata/index.htm
http://internet.watch.impress.co.jp/www/column/ogata/part2_5.htm
そもそも工業規格化するかどうか以前に、自分たちが使っている文字くらい整理してなかったの?と大変不思議に思ったものです。
 国費で「研究」してるはずの先生方は何をやっていたんでしょうか。
 土台を作らないで屋根の飾りばかりいじってきた人達じゃ、巷の「パネルディスカッション」のような即興の議論風の寸劇はできても、国際会議で西側世界の人達の謬見を正すような働きは無理だろうし、同じく土台抜きに議論しようとすることをおかしいと感じない心性が、牛歩やヤジや小学生のラグビーごっこのような未開人の如き我が国の国会の有り様に繋がるのではないか、と思うわけです。
<WNf498l2>(同上)
 ↓ガソリン車より削減に有利なはずの二酸化炭素までインチキ
 欧州車、試験と路上走行でCO2排出量に40%の差=環境団体
http://jp.reuters.com/article/2015/09/28/volkswagen-emissions-tests-idJPKCN0RS13U20150928
 ↓下り坂で検査を目論む、ドイツ政府(笑)
VW排ガス問題
http://n-seikei.jp/2015/09/vweuco2.html
 まとめ
 なんでこんなに二酸化炭素にこだわるのか?
 ↓多分、このオネーサンの意見が正解。
 EUは新興国に、二酸化炭素の排出権取引を切り札に、ユーロ基準の排ガス規制を採用させ、クリーンディーゼル車(笑)を売り込むため。
 この策略に引っ掛かったのが憐れな中国。
http://minkara.carview.co.jp/userid/571580/blog/25097335/
 欧州から数年遅れて、欧州の最新基準が導入されていることがよくわかる。
 欧州で、ディーゼル車を熟成させてから、中国で大量にディーゼル車を売るには、これほどよい規制基準はないわけである。
http://jp.reuters.com/article/2014/06/09/china-aut-emission-idJPKBN0EK06520140609
>現在はEU圏内ではユーロ6が適用されており、中国を始めとする新興国や発展途上国の多くも、ユーロ2やユーロ3等の世代の古い規格を準用している場合が多い。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%E6%8E%92%E5%87%BA%E3%82%AC%E3%82%B9%E8%A6%8F%E5%88%B6#.E3.83.A8.E3.83.BC.E3.83.AD.E3.83.83.E3.83.91
 ヨーロッパの排ガス基準は、欧州のディーゼル車に合わせてあるので常に日米とずれたものになっている。
http://www.jaf.or.jp/qa/others/knowledge/11.htm
<Vmkv18Ic>(同上)
 「VWディーゼル排ガス問題 マツダの「不正ない」公式声明を検証する」
http://thepage.jp/detail/20150930-00000002-wordleaf
 この内容で検証と言えるかどうかはともかく、VWとマツダの方式が異なっていて、同じ手法での不正はできそうもないことは分かりました。
<太田>
 関連記事だ。
 EUの権威もガタ落ち。↓
 「トヨタ自動車<は、>数年前から、独フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル車の排ガス性能に疑問を持ち、欧州の規制当局に取り締まりを要請していた・・・
  しかし、規制当局は動かなかった。・・・」
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/093000094/?n_cid=nbpnbo_mlp&rt=nocnt
 メルケル首相の権威もガタ落ち。↓
 「・・・VWは1981年に中国市場に進出し、シェアを拡大。VW全体の売上高のうち約36%、利益の半分超を中国市場から稼ぎ出している。
 ところが、中国経済の減速を受けて、同国の新車販売台数は5月に前年同月比0・4%減、6月に2・3%減、7月に7・1%減、8月に3・0%減と前年割れが続く。VWの主力合弁会社、一汽VWの8月の販売は13%の大幅減だった。・・・
 VWとドイツ政府の近すぎる関係について米ウォールストリート・ジャーナル紙は「自動車業界の利権を守るためなら道を踏み外してもかまわないという政府の姿勢をこれ以上ないほどはっきりした形で示したのは、メルケル首相自身だった。2013年、メルケル氏はEUによる二酸化炭素(CO2)排出規制の厳格化を阻止するため個人的に介入した。規制が強化されていれば、馬力のあるドイツ車は排出量の少ない他の欧州車以上に大きな打撃を受けていただろう」と報じた。・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/10651600/
 シュピーゲル誌の権威もガタ落ち。
 (さすがに独語版では何らかの形で取り上げてたんだろうが、英語版じゃ、本日、本件の初めての記事を載せた。しかも、内容が何もない愚記事だ。(太田))↓
 VW Scandal: Time for German Industry to Abandon Its Arrogance・・・
http://www.spiegel.de/international/business/vw-scandal-shows-german-companies-are-no-longer-big-league-a-1055098.html
 独仏(伊)、という欧州主要国の権威もガタ落ち。
 (ここに直接登場しない伊の権威など、もともと皆無だったけどね・・。(太田))↓
 「・・・ドイツやフランスは、そもそも公益通報者保護に関する基本法がな<い。>・・・」
http://blogos.com/article/136801/
<4Bb4Cu.Y>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 防衛装備庁が発足 調達、研究開発を一元化
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151001-00000516-san-pol
 防衛施設庁やめたのに防衛装備庁作るんか。
 輸出や共同開発のための窓口を外に置きたかったってこと?
<太田>
 英国にもあるし、また、以下、皮肉でも何でもないが、輸出等ができるようになったんだから、「堂々と」天下り体制管理もできるようになったってこと。
<やまもと>
 SEO覚書。
 Google.com (in English) は暗号化検索に対応できてないのか検索結果が違う。
 直接検索をお気に入りにするのがいい。
 位置情報を偽装して検索結果が更に正確になるかは不明。
https://www.suzukikenichi.com/blog/how-to-emulate-your-location-by-using-chrome/
 米国検索
https://www.google.com/webhp?gl=us&hl=en&gws_rd=cr&pws=0
 英国検索
https://www.google.com/webhp?gl=uk&hl=en&gws_rd=cr&pws=0
 always “.com” – Google.com (in English) 非推薦
https://addons.mozilla.org/ja/firefox/addon/always-com-googlecom-in-englis/
——
 米国検索
https://www.google.com/webhp?gl=us&hl=en&gws_rd=cr&pws=0#gl=us&hl=en&pws=0&q=japan
 英国検索
https://www.google.com/webhp?gl=uk&hl=en&gws_rd=cr&pws=0#gl=uk&hl=en&pws=0&q=japan
 always “.com” – Google.com (in English)
https://encrypted.google.com/search?q=japan
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 依然として、反対運動が殆んど起こらない、不思議の属国日本。↓
 「米原子力空母ロナルド・レーガン、母港となる横須賀入港・・・」
http://www.asahi.com/articles/ASHB12PSLHB1UTIL003.html?iref=comtop_6_04
 北方領土返還と日本の常任理事国入りは、それぞれ露、国連の崩壊、がなければ実現不可能だ、と早く、安倍チャンを含め、日本人は理解して欲しいね。↓
 「安保法公布で国連外交も変質 首相「PKO拡大」で常任理狙う・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015100190070230.html
 こりゃ、捕まえてくれ、といわんばかりだな。↓
 「中国:拘束の「脱北」日本人<2人のうちの1人、> 頻繁に中朝国境に渡航・・・
 男性は50歳代半ばで、かつて北朝鮮からの脱出住民(脱北者)だった人物。その後、日本に滞在するようになり、既に日本国籍を取得している。・・・」
http://mainichi.jp/select/news/20151001k0000m030147000c.html
 シリアを含む、イスラム系難民に関してだけは正解だが・・。↓
 「難民申請:日本、認定に壁 根強い慎重論・・・」
http://mainichi.jp/select/news/20151001k0000m010112000c.html
 女性医師の諸君、日本人の命をどんだけ救っても、自らが日本人の数の減少食い止めに貢献しない限り、そんな生涯はむなしい限りだぜ。↓
 「・・・女性医師の結婚に関連して「3分の1の法則」という言葉を耳にしたことは あるでしょうか。3分の1は生涯独身、3分の1は結婚後に離婚、残りの3分の1は結婚、という法則があると言われているのです。・・・
 2012年の総務省「就業構造基本調査」をもとに職業別の生涯未婚率を算出した結果に よれば、男性医師の生涯未婚率はたった2.8%なのに対して、女性医師はなんと35.9%に上るそうです。・・・
 また、同じく「就業構造基本調査」において、年収別のデータをみると、男性は年収が高ければ高いほど生涯未婚 率は低いのに、女性ではなんと真逆の結果。年収が1000万円を超える女性は未婚率が40%にもなるそうです。・・・」
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/harada/201510/543972.html?n_cid=nbpnmo_mled
 消費者向け製品製造会社はふるわないが、素材製造会社は我が世の春の日本。↓
 ・・・As consumer brands including Sony, Panasonic and Sharp have lost market share in televisions and mobile phones, materials producers such as Toray are churning out record profits and maintaining top global positions. Their increasing clout is underscored by the fact that Keidanren, the country’s biggest business lobby group, is headed by the former chairman of Toray.・・・
 <だからこそ経団連会長に東レ前会長が坐っているところ、彼は、日本的経営が世界に勝利する、と語る。
 (だから、スタンフォードビジネススクールのカリキュラムが、今や、日本的経営一色なんだわさ。(太田))↓>
 “I tell people that Japanese-style management will win globally,” Mr Nikkaku says.
 <日本の株主は長期的利益を追求する、と。↓>
 ・・・he admits Japanese companies are in a unique position where shareholders allow them to take a long-term view and persist even when returns are low. ・・・
 <実際、カーボンファイバー樹脂は、世界を東レ、帝人、三菱レーヨンで分け合っている。↓>
  Now, three Japanese players — Toray, Teijin and Mitsubishi Rayon — dominate the market.・・・
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/1a67887e-6189-11e5-9846-de406ccb37f2.html#axzz3nHuwd8Qq
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太田述正コラム#7944(2015.10.1)
<中共が目指しているもの(その4)>
→非公開