太田述正コラム#8215(2016.2.14)
<皆さんとディスカッション(続x2903)>
<太田>(ツイッターより)
 「…トルコから地中海をぬけ、スコットランド北部にかけて数千というトンネルの遺跡が見つかっており…1万2000年前<に>…巨大地下トンネル群<が>…ヨーロッパ各地の主要都市を網の目のように結んでいた…」
http://news.infoseek.co.jp/article/tocana_42542/
 <昨>日は4月1日じゃなかったよな。
<v2gl.M42>(「たった一人の反乱(避難所)」より))
≫<クリントンの、サンダース的単細胞的世界観への攻撃は巧妙だった、と。↓>
 Hillary Found Her Footing Thursday Night・・・
 Rather than contest Sanders on policy or fealty to the Democratic mainstream, she directly addressed his worldview.・・・≪(コラム#8213。太田)
 金が政治をコントロールしている→金を排除し民主主義を復権させる政治革命が必要ってのがサンダーズの世界観であるのならば、クリントンの攻撃は大しっぺ返しを食らうかもよ。↓
 Members of the CBC PAC board include Daron Watts, a lobbyist for Purdue Pharma, the maker of the highly addictive opioid OxyContin; Mike Mckay and Chaka Burgess, both lobbyists for Navient, the student loan giant that was spun off of Sallie Mae; former Rep. Albert Wynn, D-Md., a lobbyist who represents a range of clients, including work last year on behalf of Lorillard Tobacco, the maker of Newport cigarettes; and William A. Kirk, who lobbies for a cigar industry trade group on a range of tobacco regulations.
 And a significant percentage of the $7,000 raised this cycle by the CBC PAC from individuals was donated by white lobbyists, including Vic Fazio, who represents Philip Morris and served for years as a lobbyist to Corrections Corporation of America, and David Adams, a former Clinton aide who now lobbies for Wal-Mart, the largest gun distributor in America.
 The caucus itself, while presenting itself as a champion of progressive causes, has a mixed legislative record. As some reporters have noted, Wall Street and corporate money has flowed to the CBC, through its PAC and nonprofit arms, while a number of CBC members have taken a leading role working with Republicans to chip away at the Dodd-Frank financial reform law.
https://theintercept.com/2016/02/11/congressional-black-caucus-hillary/
<太田>
 関連記事だ。
 <選挙資金集めの方法において、サンダースが零細資金をネットで集めるという方法でもって革命を起こし、クリントンの鼻を明かしつつある、という記事だ。↓>
 Small Gifts to Bernie Sanders Challenge Hillary Clinton Fund-Raising Model・・・
http://www.nytimes.com/2016/02/14/us/politics/small-gifts-to-bernie-sanders-challenge-hillary-clinton-fund-raising-model.html?hp&action=click&pgtype=Homepage&clickSource=story-heading&module=first-column-region&region=top-news&WT.nav=top-news&_r=0
 <米著名紙も、クリントン批判を積極的にやるようになってきたな。
 医療保険を米国民全員に享受させたいと考えている点ではクリントンもサンダースと同じだと言いつつ、サンダースと違って、クリントンはそれを達成する方策を一切示していない、とさ。↓>
 The primary issue that has been most often framed in terms of the fantasy/practicality divide is health care, specifically the matter of universal coverage. The Affordable Care Act has significantly reduced the number of Americans who don’t have health insurance, but about 11 percent of the population remains uninsured. Sanders advocates for a single-payer health-care system that covers all citizens, saying it is more or less a moral necessity. Clinton says Sanders’ plan is unrealistic and that universal coverage should be achieved incrementally.・・・
 <However,> Hillary Clinton Doesn’t Have a Practical Plan, or Any Plan, for Universal Health Care Coverage・・・
http://www.slate.com/blogs/the_slatest/2016/02/12/hillary_clinton_doesn_t_have_a_practical_plan_or_any_plan_at_all_for_achieving.html
 <夫の「不倫」の時に、妻クリントンも、夫の女性国務長官のオルブライトらと共に、夫を庇ったことで、クリントンは、フェミニストたる資格を放棄してしまった、とさ。↓>
 ・・・The interesting thing about the spectacle of older women trying to shame younger ones on behalf of Hillary is that Hillary and Bill killed the integrity of institutional feminism back in the ’90s — with the help of Albright and Steinem.・・・
http://www.nytimes.com/2016/02/14/opinion/sunday/when-hillary-clinton-killed-feminism.html?ref=opinion
 <クリントン擁護の声も載っていないことはないが、穏健派で何が悪いって言われたってね。(太田)↓>
 Hillary Clinton’s Moderation Is a Virtue・・・
http://www.slate.com/articles/news_and_politics/politics/2016/02/hillary_clinton_shouldn_t_apologize_for_being_a_moderate.html
 <とにかく、米文化は、対立の文化だから、と言って、肩をすぼめるコラムだ。↓>
 It’s in America’s DNA to Be ‘Divisive’・・・
http://www.nytimes.com/2016/02/14/magazine/its-in-americas-dna-to-be-divisive.html?rref=collection%2Fsectioncollection%2Fmagazine&action=click&contentCollection=magazine&region=rank&module=package&version=highlights&contentPlacement=9&pgtype=sectionfront
<豊丘時竹>(2016.2.10)http://d.hatena.ne.jp/toyotoki11/20160210
≫習ちゃん、も、北朝鮮がいくら無礼を働いたって、(日本を再軍備までもっていく至上命題もこれあり(太田)で、)今回も、なーんにもしないだろうしな。≪(コラム#8203。太田)
 現在の日本は再軍備してない<というのが、>・・・大田述正さんの意見である。私にはもう十分な軍備はもっているように見える。
<太田>
 もともと、私は、自衛隊の装備や人員、或いは日本の防衛費の多寡と再軍備の話とは、全く結び付けていませんからね。
 (習ちゃんも同じはずですが、)私は、自衛隊を使わないという吉田ドクトリンの下、自衛隊を使えない代物のまま、創設以来、見せ金的に維持してきた退嬰的な政策を改めることを、日本の再軍備、と捉えているのです。
 先般の、集団的自衛権行使の部分的解禁は、上述のような意味での再軍備に向けての、小さな、しかし、画期的な第一歩だった、というのが、(やはり習ちゃんも同じはずですが、)私の評価なのです。
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 かなりまともなアイドル記者、偽物のアイドル科学者を月旦。↓
 「アイドル科学者・小保方晴子の反省(?)本・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/02/11/2016021101366.html
 短編フィクションとしちゃいい出来だが、現実の話だったとすりゃ、この筆者(に限らないが)、米国的・キリスト教的「不倫」観に毒されとるね。↓
 「嫁に浮気され離婚→再構築。嫁「ねぇ、俺くん。私のこと汚いって思う?私のこと、抱ける?」・・・」
http://oniyomech.livedoor.biz/archives/39137395.html
 人間主義も、近代主義者の薫陶を受けて育った法学者の手にかかれば、下掲のような自虐的な代物、ということになっちまうってこと。↓
 「・・・刑法学者<の>・・・佐藤直樹氏<は、>・・・日本には社会が存在せず、伝統的に世間が存在したとの指摘は阿部謹也が提唱した世間論で広く知られる。著者は世間を「日本人が集団になった時に発生する力学」と定義しながら、「既読スルー」や「空気を読む」を例に世間論を紹介、特徴を解説する。
 「世間」には「共通の時間意識」に基づく「人間平等主義」があるため、日本人は能力や才能の違いを認めず「みんな同じ」だと思っている。これと格上・格下などの「身分制」のルールが相乗して、独特の「ねたみそねみひがみやっかみ」意識が生まれる。
 「ねたみ」の意識が働き、隣人の差異に敏感、出る杭は打たれるし、たとえば下手に金遣いが荒くなったら、「何か悪いことでもしているのでは」と噂も流される。治安の良さを実現する一方、人によっては閉塞感に満ち生きづらい。
 興味深いのは・・・「日本人は法律を信じていない」と強調する点だ。
 日本人は法のルールに反するよりはるか手前で、世間のルールに反し、「世間」のウチからソトへと排除されることをつねに恐れている。
 ウチとソトが明確で排他性が強いからこそ、世間のルールへの同調圧力が強く、過度の自己抑制を要求される。危害のベクトルが他者より自己に向きやすいために、犯罪率は低いものの、自殺率の高さにつながっていると指摘する。
 「世間」は解体されてきていると思う方もいるかもしれないが、著者の主張は真逆だ。 ・・・新自由主義の拡大に伴う世間の復活と前景化こそ本書の最大の論点だ。・・・
 世間には排除だけでなく、相反する包摂の性質も持つ。犯罪者をケガレとして排除するだけでなく、真摯に反省し謝罪する犯罪者をゆるして包摂する側面がある。・・・」
http://news.infoseek.co.jp/article/toyokeizai_20160213_104762/
 上出の佐藤某ら、(本日のに限らないが、)中共当局・人民の人間主義礼賛の声に、ぜひとも真剣に耳を傾けて欲しいね。↓
 「「日本まで行って、風邪薬を買ってくるなんて、製薬企業にとって最大の恥だ」との中国の地方幹部でもある製薬会社社長の発言が話題を集めている。・・・
 この発言の主は湖北省の政治協商会議委員で、人福医薬集団会長の王学海氏。王氏は大学院で薬学を研究し博士課程を修了し、自ら医薬品製造・販売会社を興した立志伝中の人物。・・・
 ところが、王氏の発言がネット上で流れると、賛否両論のコメントが続々と寄せられ、大きな反響が巻き起こった。
 賛成派は「日本は戦争中に中国で人体実験をするなど、日本の薬は中国人の血でできているようなものだ」などの極端な意見のほか、「炊飯器や温水便座など、なんでも日本製を賛美するのは中国人の品性を貶めるものだ」と意見も寄せられた。
 反対の意見で多いのは、中国で出回っている偽物を批判する声で、「偽の薬製造で中国の薬はやばいからな」「そんなことは、偽物のすべてなくしてから言ってくれ」「中国では偽物が多すぎるよ。日本の場合と信頼感が違うよね」などとのコメントが書き込まれた。」
http://news.infoseek.co.jp/article/postseven_383447/
 「・・・記事は、王委員が政治協商会議という政治にかかわる立場であることから、「業界にとって恥であるだけではない。当局の市場管理部門の恥なのだ」と主張した。」
http://news.infoseek.co.jp/article/searchina_1602261/
 「中国メディア・新浪の微博(ウェイボー)アカウント「微天下」は・・・、日本の愛知県で7日に異臭騒ぎが発生して電車がストップし、中国や台湾の発酵食品である「臭豆腐」が原因として疑われたと報じた。・・・
 このニュースから「日本の凄さを改めて思い知った」との感想を残すユーザーも。ちょっとしたにおいで電車を止めて問題がないかを調べる姿勢に「強い責任感と誠意」を感じたようだ。・・・」
http://news.searchina.net/id/1602161?page=1
 「・・・記事で紹介しているのは1972年の日中国交正常化、そして1978年の日中平和友好条約締結の後の時代だ。・・・
 日本もこれまで積極的に対中ODAを実施しており、1979年からの援助総額は約3兆円以上にのぼる。この時期を通じて、中国は数多くの日本の技術を導入、現在の工業発展の基礎を築くことができたと記事は説明している。<当時>の中国人技師の立場で考えれば、当時の日本はまさに中国工業化の恩人だ。同時に、中国人技師にとっては中国発展のために非常に大きな意義の仕事に携わることができた。このような素晴らしい機会をくれた当時の日本に対する彼の印象も素晴らしいもののようだ。中国人技師はさらに日本で当時世界最速の新幹線、最速のエレベータ、エスカレーター、カラーテレビ、電気オーブンを目にし「物質的に非常に豊かな国」という印象を持ったという。清潔な公衆トイレ、ゴミ収集システム、廃品回収システムなどの完備も含め、日本の生活は中国に比べて20-30年は進んでいると感じたそうだ。日本人の素養や民度についても、小学生ですら礼儀を理解していて、お年寄りを見かけると道を譲ること、レストランで大声を張り上げる人がいないことなどについても中国人技師は称賛している。・・・」
http://news.searchina.net/id/1602182?page=1
 「・・・記事はある中国人の見解として、日本でもっとも感銘を受けたのは「清潔さ」だと紹介。日本では大通りだけではなく、狭い脇道にもゴミが落ちていないことが普通だ。そのため、どこでもゴミを投げ捨てる中国人に対し、「日本人は汚い環境を我慢できないが中国人は汚い環境に慣れてしまっている」と主張。なぜなら幼稚園から小学校、中学校、高校に至るまで校内の不潔な環境でずっと生活しているからだと指摘した。確かに中国の大学には校内の食堂に平然と痰を吐く学生さえいるのが現実だ。また、日本の地下鉄を利用した際の出来事を紹介。日本では携帯電話で大声で通話している人を見かけなかったと指摘、人に迷惑をかけないことが日本人の原則であり、この原則が「魂に深く浸透している」と指摘。これは孔子が述べた「自分にしてほしくないことは人にもしてはいけない」という教えの実践だと論じた。記事は日本人が道徳規範を「実際に実践している」点に感動を示している。中国には1980年代に提唱された「五講四美三熱愛」という行動規範があるが、口先だけで実際に実践できていないと指摘。強制されないのに他人を気遣う日本の社会道徳を日本人の大きな長所と見ているようだ。また日本の百貨店のスタッフやエレベーターガールたちは1日当たり2500回のお辞儀をすると記事は紹介。「毎日このようにお辞儀することは決して簡単なことではない」とし、こうしたことができるのはひとえに仕事を尊ぶ心の表れだと指摘している。記事が「決して簡単なことではない」としたのは、こうした仕事を尊ぶ態度を中国人の従業員に実践させるのが非常に難しいと知っているからだ。もしお辞儀1回につき報酬が発生するなら別かもしれない。しかし日本人は強制されずとも率先して仕事に対する敬意を表す。記事はこうした態度を「真の愛国主義」と関連付けている。中国の愛国主義者たちに対して、ネットで愛国主義を語るのは簡単なことだが職業における自分の務めをしっかり果たしてこそ真の愛国主義だと主張。結論として、日本のこうした長所を認め、真剣に自己改善を図ってこそはじめて日本を超えることができると論じている・・・」
http://news.infoseek.co.jp/article/tocana_42542/
 人間主義から阿Qに「先祖」返りしつつある台湾人?↓
 「シャープの経営再建に名乗りを上げた台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業に対し、シャープ側が人員削減や事業の切り売りをしないよう誓約書の提出を求めていたことが13日、分かった。鴻海は提出しておらず、12日のシャープの臨時取締役会では、官民ファンド、産業革新機構との支援受け入れ交渉を継続することを確認した。・・・」
http://www.sankei.com/west/news/160214/wst1602140018-n1.html
 トルコが、Isis等と戦うシリア・クルド勢力に対して砲撃。↓
 Syria conflict: Turkey shells Kurdish militia・・・
 <せっかく米ソがシリア停戦合意をしたというのに・・。↓>
 On Thursday world powers agreed to push for a cessation of hostilities in Syria within a week.
 <クルド勢力がイスラム過激派分子から奪った空軍基地に向けて砲撃した。↓>
 Among the targets shelled by Turkey was the Menagh airbase, which was seized on Thursday from Syrian Islamist rebels by a Kurdish militia group known as the YPG.
 <同基地は、トルコとの国境近くに位置している。↓>
 Speaking on Turkish TV, PM Davutoglu warned that Turkey would retaliate if the YPG did not leave the airbase, which lies south of the town of Azaz and near the Turkish border.
 Turkey sees the YPG as being linked with Kurdish guerrillas from the Kurdistan Workers Party (PKK), which has waged a campaign against security forces in Turkey itself for decades. ・・・
 <トルコ政府は、同国とサウディアラビアがシリアに地上軍を投入することを検討中と発表。↓>
 On Saturday, Turkey’s Foreign Minister Mevlut Cavusoglu said it was possible that troops from his country and Saudi Arabia might participate in a ground operation against IS forces.
 <サウディアラビアは、トルコ内の空軍基地から、シリア爆撃に乗り出すかもしれない、とも。↓>
 Saudi Arabia will send war planes to the Turkish airbase of Incirlik to carry out air strikes on IS militants, Mr Cavusoglu said.・・・
http://www.bbc.com/news/world-middle-east-35571663
 欧州内の極右諸政党とプーチンとの蜜月状態を描いたコラムだ。↓
 ・・・ It is unsurprising that quasi-fascist parties like Greece’s Golden Dawn and Hungary’s Jobbik would admire a strongman like Vladimir Putin, who exudes the kind of masculine authority their voters crave. As a bonus, Putin’s current incarnation as a defender of “traditional values” resonates with these right-wing parties’ core beliefs. ・・・
http://foreignpolicy.com/2016/02/13/europes-extremists-are-not-putins-fault/
 世界中で水不足が広がっているとさ。↓
 Two-Thirds of the World Faces Severe Water Shortages・・・
http://www.nytimes.com/2016/02/13/science/two-thirds-of-the-world-faces-severe-water-shortages.html?hpw&rref=science&action=click&pgtype=Homepage&module=well-region&region=bottom-well&WT.nav=bottom-well
 恐らく、戦後の日本じゃあ、その逆だろうて。↓
 「・・・1722年から2015年までの17カ国の選挙を対象に、政権に就いた勝者とその敗者の寿命を比べて分析したところ、勝者の方が2.7年短かったという結果が出た。しかも、勝者の方が早死にするリスクが23%も高くなっていた。・・・」
http://digital.asahi.com/articles/ASJ1N46HHJ1NULPT001.html?rm=337