太田述正コラム#0362(2004.5.27)
<第二回小泉・金会談について(その4)>

 (一昨日小倉に一泊し、昨日野暮用で大分県を訪れ、新貝中津市長及び広瀬大分県知事とそれぞれ旧交を温めてきました。
昨夜東京に戻ったところ、インターネットでダウンロードすべき昨日分の材料が山のようにあり、ダウンロードだけでいつもの倍以上の3時間半もかかりました。今後、数日間東京を空けるような場合、読者有志の方々にお一人一つでも二つでも特定のメディアをご担当いただき、私が興味を示しそうな(これがむつかしいかも)材料のダウンロードをお願いするようなことがあるかもしれません。(一日過ぎると無料ではダウンロードできなくなるNYタイムス等があるので、できればURLだけ押さえるのではなく、ダウンロードしていただく必要があります。)そんな折にはどうぞよろしく・・と言っても無理ですかねえ。)

4 第二回小泉・金会談について

 さて、いよいよ拉致被害者の子供達5名が解放され、曽我さんの夫ジェンキンス氏(及びその子供達2名)の問題が「ペンディング」になった先般の小泉訪朝についてです。
 
(1)ブッシュ政権
 5月22日の小泉訪朝に際し、その前日に米国務省報道官は、「日朝間の問題が日本にとって、特に拉致被害者や、その家族にとって満足のいく形で解決するよう望む」と述べ(http://www.sankei.co.jp/news/040522/kok049.htm。5月23日アクセス)、当日には米国防総省報道官が、ジェンキンス氏は米国の軍法に照らし、ア 他の兵士への脱走教唆、イ 脱走、ウ 敵への支援、エ 忠誠放棄の奨励、の四つの罪に問われており、米国が身柄を確保すれば、訴追されると述べました(http://www.asahi.com/politics/update/0523/003.html。5月23日アクセス)。
 まず、拉致問題が「拉致被害者や、その家族にとって満足のいく形で解決する」ことなど、北朝鮮の現体制が崩壊でもしない限り、ありえないであろうことは、日本の一般国民を含めた世界の常識でしょう。ですから、国務省は、現時点では拉致問題が解決して欲しくない、と言っているに等しいのです。
 また、拙著「防衛庁再生宣言」でも述べた(202??203頁)ように、かつまた、2001年の9.11同時多発テロ以来の米国の一連の対テロ施策を見ても分かるように、アングロサクソンのいわゆる法の支配は、安全保障上の必要性がある場合は停止されます。ジェンキンス氏については、そもそも米軍の最高司令官たる米大統領に軍法の運用について大きな裁量権が与えられていることもあり、安全保障上の理由に言及するまでもなく、そして安全保障上の理由に言及すればなおさら、恩赦を与えることに何の問題もありません。ということは、国防総省は、ジェンキンス氏の問題は解決させない、と言っていることになります。
要するに米ブッシュ政権は、北朝鮮の現体制を崩壊に追い込むか、少なくとも北朝鮮の核疑惑関連施設を先制攻撃して破砕するまで、「日朝間の問題が・・解決」(国務省)・・日本が北朝鮮と宥和・・してほしくないのです。
4月下旬に平壌で北朝鮮の指導部と会談したセリグ・ハリソン米国際政策センター・アジア計画部長が5月14日に、「小泉首相の決断をブッシュ米政権が「好ましく思っていない」と指摘」(http://www.asahi.com/international/update/0515/012.html。5月15日アクセス)した背景は以上の通りです。

(2)金正日体制
 北朝鮮の状況は深刻でした。
 前回ご説明した米国の動きによって北朝鮮は追いつめられており、一刻も早く拉致問題を「解決」した上で、すみやかに降伏条件を提示して核危機を終わらせないと、在韓米軍の後方移転や撤退完了目標年である2006年が到来していしまい、それ以降いつ何時「高性能地下要塞攻撃用核兵器」(前々回のコラム)等が飛んでくるか分からない、という悲惨な状況になるからです。(金正日の居室自体が核関連施設であることをお忘れなく!)
 しかし、拉致問題を「解決」するためには、日本側の協力が不可欠であり、ア 5人の子供達を返すだけで拉致問題が「解決」するであろう確証、イ 小泉首相の再訪朝、ウ その際の手みやげの持参、の三条件がクリアされる必要がありました。そこで北朝鮮は、公式非公式のいくつかのチャンネルを使って(口先だけは表向き強がりを言いつつ)この三条件を確保して欲しいと日本側に懇願を続けてきました。(周知の事実です。)
 アについては、2002年の小泉初訪朝の時、拉致の事実を認め、謝罪をし、その後5人の拉致被害者を解放したにもかかわらず、北朝鮮側は何の見返りも得られなかったばかりか、日本の世論が硬化し、状況はむしろ悪化した、という大失策を二度と繰り返さないためであり、イについては、失墜した金正日の面子を回復するためであり、ウについては、前回の拉致被害者の解放と今回の拉致被害者の子供達の解放の見返りとして、北朝鮮国内向けに示すことができるものが何でもいいから欲しいということです。
 この北朝鮮の懇願を日本側は受け入れ、小泉首相は再訪朝を決意するに至ったわけであり、拉致問題が「解決」するであろう確証については、秘密裏に世論調査をやる等の方法で日本側が協力した可能性が大いにありますし、10人の解放の手みやげについては、食糧25万トンと1000万ドル相当の医薬品、という「形だけのもの」で手が打たれました(http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20040522i113.htm(5月23日アクセス)。ちなみに、この読売記事は、小泉首相が金正日にしてやられた、という論調)。
 小泉再訪朝が終わって見ると、日本の世論は、北朝鮮と小泉政権が予想した通り、(残りの拉致被害者達の親族の猛反発があったにもかかわらず、)それ以上の拉致問題の進展には悲観的でありつつも、5人の子供達の解放を喜び、小泉再訪朝を評価し、拉致問題はここに「解決」するに至りました(http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20040523it13.htm及びhttp://www.asahi.com/politics/update/0523/007.html(5月23日アクセス)、http://www.tokyo-np.co.jp/00/detail/20040525/fls_____detail__000.shtml及び(http://www.nikkei.co.jp/sp2/nt22/20040524NN002Y57424052004.html(5月25日アクセス))。
 金正日としては、小泉首相に土下座して謝意を表明したいくらいの気持ちでいると思います。
 これで六カ国協議は、急速な進展をみせることになるでしょう。

 (3)小泉政権
 小泉首相は、天才的ポピュリストであり、世論受けだけをねらった動きを繰り返して政権の延命を図ってきました。
 もう一つ彼が守ってきたのが、安全保障に関わる米国の意向には決して逆らわないということでした。(逆らったこれまでの首相は、必ず米国によって更迭されてきました。)
その小泉首相が、ブッシュ政権の対北朝鮮強硬政策によって震え上がった金正日の懇願に答えて再訪朝し、拉致問題を「解決」したのは、世論受けだけをねらいつつも、彼としては初めて安全保障政策で米国の意向に逆らうという禁じ手を犯した(しかも、なお悪いことに米国の強硬策にただ乗りした上で禁じ手を犯した)という意味で注目されます。
 (私が以前「小泉総理の自分を捨てた決断に、ここは一応敬意を表しておきましょう」と述べた(コラム#358)のは、ご記憶のことと思います。)
 小泉首相は、支持率が高いまま遠からず(米国によって更迭される前に)自ら首相の座を退く決意を固め、拉致問題「解決」を支持率の最終的な再浮上手段として活用した、ということなのでしょうか。

 (4)感想
 小泉首相再訪朝によって、2006年以降の早い時期に米国による北朝鮮核関連施設への先制攻撃が行われたり、これに伴って北朝鮮の体制が崩壊したりする可能性はまずなくなりました。
 これで小泉首相は、吉田ドクトリンという戦後日本の米国一辺倒の安全保障政策に反旗を翻しただけでなく、親北朝鮮、親韓国、親中国、親ロシア的な安全保障政策へと舵を切った日本の首相として、歴史に記憶されることになるかもしれません。
 いずれにせよ惜しむらくは、この政策転換が、小泉首相ご本人に恐らくそんな意図など全くなかったにもかかわらず、しかも米国から「自立」するためには極めて不十分な政治的軍事的インフラしか日本には整備されていないにもかかわらず、余りにも突然かつ唐突に行われたことです。

(完)

<高田>
私は、太田さんと逆の感想で、五人の帰国によりアメリカは北朝鮮の空爆がやりやすくなったと感じています。理由として

(1)未確認の拉致被害者は、確かにピョンヤン近郊にまだいると思われるが、国民が、現在の被害者の映像を見ているわけでないので、印象が薄く、被害者の家族以外にとっては、空爆=人質の危険と結びつかない。

(2)一方、蓮池、地村両氏の御子息の場合、確実に生存しており、なおかつ親御さんが、ワイドショーでピョンヤンのご子息を気遣っている状況が映し出されたら、アメリカ軍がピョンヤンを空爆することに対する日本の世論の反発が怖い。

(3)ジェンキンス氏の場合、事情は複雑で、確かに心情的には、邦人である曽我さんの家族として救ってあげたいという気もあるが、三人とも国籍法的に日本国籍を無条件に取得できる立場になく、邦人保護の意味では弱い。また、曽我さんの娘の場合、ジェンキンス氏という保護者がついているので、日本世論も空爆しても安全は確保されるとみなす。

要するに、小泉氏は、空爆されたときにまっさきに世論の障害になる蓮池・地村両氏の御子息を連れて帰りたかったのだと思います。

もちろん、空爆が原因で、被害にあう安否不明の拉致被害者もいるかもしれません。しかし、これはあくまでも IF の問題で、未確定要因(安否不明の被害者の安全確保)を優先して、確定要因(拉致被害者家族の帰国)を後回しにすることは政治的にできないでしょう。

また、この五月の朝鮮総連の大会に小泉自民党総裁が代理出席ながら挨拶状を読むという情報が入っています。これには、「小泉が朝鮮融和策に転じた」いや「小泉の総連と本国分断策」だといろいろな憶測が飛び交っています。現状ではまだ評価はできない状態です。

ただ、アルカイダが日本でテロを行なう場合、単独では無理で、どうしても日本にある地下組織網を利用する必要があります。それに該当するのはやはり朝鮮総連でしょう。小泉氏の思惑はともかく、朝鮮総連がアルカイダと結びつかないように鈴をつけておく必要はあります。

それと、「10億円の医薬品と25万トンの食料」は、まだ確実に北朝鮮に渡ると決まったわけではありません。日本が支援しても、途中にWPFなどの国際機関を通すので、今後の国際世論により北朝鮮が望むような支援を受けらない可能性があります。

たしかに、今回の小泉訪朝で、金正日総書記の体面は保たれたでしょうが、数週間たって、援助物資が届かず、目に見えて食料事情がよくならなければ、また、もとの木阿弥で周囲の不満が高まります。そうなると今以上に窮地に陥ります。

今回の訪朝=北朝鮮融和策という結論を出すのは早計だと思います。

なにせ、誘拐犯から被害者を取り返すのが今回の交渉ですから、通常の国家同士での共同宣言感覚では、この会談を評価できないと思います。

<太田>
米国は、広島に米軍捕虜が多数いることが分かっていながら原爆投下を躊躇しなかった国ですから、外国人である日本人のことなど、いざとなったら、全く考慮しないでしょう。
とはいえ、平壌には外国の在外公館もあり、米軍が平壌を攻撃する場合は、慎重な攻撃に努めることでしょう。

いずれにせよ、上記は仮定の話であり、日本を含む北朝鮮周辺諸国が全部反対しているような場合、米国が単独で北朝鮮を攻撃するようなことは考えられません。

> それと、「10億円の医薬品と25万トンの食料」は、まだ確実に北朝鮮に渡ると決まったわけではありません。日本が支援しても、途中にWPFなどの国際機関を通すので、今後の国際世論により北朝鮮が望むような支援を受けらない可能性があります。

そんなことをしたら、核問題でも、一切北朝鮮と協定を結べなくなってしまいます。北朝鮮の条件付「降伏」すら許さないおつもりですか?

> 今回の訪朝=北朝鮮融和策という結論を出すのは早計だと思います。

私は、小泉さんが北朝鮮宥和策をとったと言っているわけではなく、結果として融和策をとったに等しいと言っているだけです。

<高田>
> そんなことをしたら、核問題でも、一切北朝鮮と協定を結べなくなってしまいます。北朝鮮の条件付「降伏」すら許さないおつもりですか?

これは、日本政府がそう仕向けるのでなく、国際世論の問題です。国際世論を軟化させるというボールは北朝鮮側にあります。いい条件で降伏するか、過酷な条件で降伏するのかは、金正日総書記の決断にかかっています。

だから、小泉総理はリビアの件を伝えたのだと思います。

また、今回の件は94年の合意不履行という経緯があります。当然、前回よりも条件は過酷になると思います。

<川上>
太田さん、毎回楽しくコラムを読ませて頂いています。

しかし、今回の意見は高田雄二さんの考え方に同意します。今回の小泉訪朝は必ずしも鮮融和策に転じたと判断はまだ出来ないと考えています。なぜなら日朝交渉正常化の条件そのものが(拉致事件は含まれないが)北朝鮮にとって現時点で絶対守ることが出来ない条件だと考えられるからです。

ただ政府の朝鮮総連への融和策は今回の訪朝で新しく示した政策だと思います。この点は注目に値します。でも、この転換の意味が分りませんでしたが高田さんのアルカイダテロ組織との関連で論じたのは慧眼ですね。最近、公安が見せたアルカイダの摘発と時期的に重なります。また、逆に朝鮮総連に対して厳しい対応は現時点でアルカイダと繋がりがなくともこの先は不透明です。まさに猫に鈴かもしれません。

太田さんの論説は確かに広い視点と幅の広い情報に支えられており読み応えのあり面白いですが、韓国を含めて朝鮮に対しては非常に甘い思い入れあるように感じます。不思議です。

<太田>
> これは、日本政府がそう仕向けるのでなく、国際世論の問題です。国際世論を軟化させるというボールは北朝鮮側にあります。

「国際世論」て何です?
国際機関の元締めの国連の「実相」については、前にもご披露しましたし、北東アジアでは、ご存じの通り、中国、ロシア、韓国は北朝鮮シンパですよ。
どこに「硬化」した「国際世論」があるのか、教えてください。

<太田>
> しかし、今回の意見は高田雄二さんの考え方に同意します。今回の小泉訪朝は必ずしも鮮融和策に転じたと判断はまだ出来ないと考えています。なぜなら日朝交渉正常化の条件そのものが(拉致事件は含まれないが)北朝鮮にとって現時点で絶対守ることが出来ない条件だと考えられるからです。

日朝国交正常化は核問題解決の前提条件ではありません。
金正日は、正常化によって得られる大金のことなど、現在全く念頭にないはずです。
自分の物理的生存と体制の物理的存続・・核問題の解決にかかっている・・に向けてあがいている、と私は見ています。
その核問題を力(経済制裁を含む)で解決するのか、北朝鮮の自発的「降伏」によって解決するのか、が現在の焦点であり、拉致問題の「解決」によって、金正日に後者の道が開かれた、と私は指摘しているだけです。

繰り返しますが、私は何が投稿子お二人との論点なのか分かりません。
こんな経験は初めてです。

<川上>
> 日朝国交正常化は核問題解決の前提条件ではありません。

太田さん、日朝国交正常化交渉のための合意事項は(1)朝鮮半島の核問題解決のためすべての国際的合意順守(2)核、ミサイル問題を含む安全保障上の問題解決が含まれています。なぜ前提条件ではないと言い切れるのですか?

> 金正日は、正常化によって得られる大金のことなど、現在全く念頭にないはずです。
> 自分の物理的生存と体制の物理的存続・・核問題の解決にかかっている・・に向けてあがいている、と私は見ています。

お金のことは別にして確かにそれはそうだと思います。

> その核問題を力(経済制裁を含む)で解決するのか、北朝鮮の自発的「降伏」によって解決するのか、が現在の焦点であり、拉致問題の「解決」によって、金正日に後者の道が開かれた、と私は指摘しているだけです。

拉致問題の「解決」とは今回の小泉訪朝を指して言っているのですか?それは無いでしょう。この問題に関する交渉はエンドレスに続くと思います。また北朝鮮の自発的な降伏も金正日の体制維持のためには有り得ないと思います。アメリカが北朝鮮に力による制裁に踏み切る条件がととのいつつあり(日本・韓国も含め)、多分第二次ブッシュ政権が2年以内に制裁を実現するかもしれません。

<太田>
> 太田さん、日朝国交正常化交渉のための合意事項は(1)朝鮮半島の核問題解決のためすべての国際的合意順守(2)核、ミサイル問題を含む安全保障上の問題解決が含まれています。なぜ前提条件ではないと言い切れるのですか?

まいりましたね。核問題解決が日朝国交正常化の前提であって、その逆ではない、という私の指摘のどこがおかしいのですか。
日本でdebate教育をしないことが問題なのか、「国語」教育を高校までで打ち切っていることが問題なのか、これでは対話ができません。

> 拉致問題の「解決」とは今回の小泉訪朝を指して言っているのですか?それは無いでしょう。この問題に関する交渉はエンドレスに続くと思います。

その通り、北朝鮮の体制崩壊まで続きます。私のかねてから指摘していることを繰り返さないでください。

>また北朝鮮の自発的な降伏も金正日の体制維持のためには有り得ないと思います。

きちんと(コラムの文中で引用している)私の以前のコラムも読んでから投稿してください。
私が「降伏」と言っているのは、北朝鮮による核の放棄、という限定された意味においてです。(だからカギ括弧に入れているのです。)
米国の先制攻撃を受けて核を破壊される前に、(最大限)体制保証プラスα、という条件付で核を放棄する(=「降伏」する)選択肢しか北朝鮮には残されていません。
今回の拉致問題の「解決」(その意味についても、もう一度私のコラムを熟読してください)によって、後者の選択肢を採用する道が北朝鮮に開かれたので、当然北朝鮮はその選択肢を採用するだろう、と私は言っているのです。

<読者γ>
始めて投稿致します。いつも勉強させて頂いております。
コラム362の趣旨概ね同意致しております。

1.北朝鮮がアメリカとの交渉を進めるために問題となっていた拉致問題を日本政府と解決することにより核開発交渉でアメリカと合意する。

これはその通りと思いますが、北朝鮮の物理的消滅をアメリカが簡単にあきらめるかというところに疑問が残ります。

具体的には交渉のハードルを高めて(核放棄の見かえりの排除や核武装解体のための査察の強化など)北朝鮮側が合意できないようなハードルを設けるという可能性も
否定できないのでないでしょうか?

金正日の居処や秘密軍事施設まで検証査察の対象にされたらそれを受け入れるかどうか?

2.今回の一件で小泉政権をアメリカが更迭するかどうか? 確かに小泉の行動はアメリカの意向に反することは事実ですが、かといってイラク問題がこれほど混迷している状況でアメリカが小泉の首を切れるかどうか?

世界でこれだけアメリカベッタリのアメリカにとっては理想的な政権を敢えて潰すかどうか?

この2点が少し疑問に思われました。

<高橋>
> > 太田さん、日朝国交正常化交渉のための合意事項は(1)朝鮮半島の核問題解決のためすべての国際的合意順守(2)核、ミサイル問題を含む安全保障上の問題解決が含まれています。なぜ前提条件ではないと言い切れるのですか?
>
> まいりましたね。核問題解決が日朝国交正常化の前提であって、その逆ではない、という私の指摘のどこがおかしいのですか。
> 日本でdebate教育をしないことが問題なのか、「国語」教育を高校までで打ち切っていることが問題なのか、これでは対話ができません。

まあ、毛深い縄文人にはdebateは向かないですね。^^;

平壌宣言があいまいなので、
国交正常化交渉開始という「入り口」や
国交正常化成功という「出口」と各懸案事項の関係が
ややこしくなってますね。
人道支援も「出口」の後の事項なのに、
「入り口」の前に合意してしまいましたし。
日本側は、CVIDを「出口」の必要条件とする
位置付けですね。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_koi/n_korea_02/sengen.html

平壌宣言の文言や今回の交渉の実利を見ると、
北朝鮮側は細部まで頑張っている印象で、
逆に日本側に国を背負って交渉した気迫が細部に全然
感じられないです。交渉事務方が素人か、
その他の問題があるのかという印象です。

ただ、CVIDという「降伏」に向けた全体の流れの中で、
「譲りすぎ」がどう影響を与えるのか?
日本側が意図したものでかつ、良い影響を与えれば
いいのですが・・・評価を保留したいです。

今のところ、読ませるコラムは太田さんのコラムと
溜池通信ですかね。
http://tameike.net/pdfs4/tame234.PDF
表現の違いはあっても、かなり似通った論評ですね。

読ませるコラムです?

時局を斬る! 佐藤総研

アメリカは、第1にイラク泥沼化との関連で北朝鮮に当分の間大人しくしてもらう事、第2に何れかの時点での金正日独裁体制の排除、第3に将来の中国との東アジアの覇権争いに備え楔を打ち込むための半島全体の親米化、第4に日本を除く各国に共通する事だが、金正日独裁体制後の北朝鮮インフラ整備への日本の資金の利用等といった順序で考えているのではないか。

http://groups.yahoo.co.jp/group/seijika/message/1330