太田述正コラム#8295(2016.3.25)
<皆さんとディスカッション(続x2943)>
<太田>(ツイッターより)
 BBCが《トランプの内政政策は共和党的じゃなく民主党的であり、80年代の英労働党に近い、米中道左派のそれで、サンダースと見分けがつないところ、米国で、今、「階級」闘争が始まっている》とさ。
http://www.bbc.com/news/election-us-2016-35836102
 「ブルジョワ」クリントンじゃ彼に勝てんかも。
<太田>
 関連記事だ。
 トランプの対外政策も国内政策も「リベラル」的見地からはケチのつけようがないことに焦りまくった米「リベラル」メディア、トランプ並みに身をやつし、人格攻撃に専念。↓
 <女性を蔑視し女性に君臨したがるトランプだとさ。
 (だって、それこそ正統なる米国文明の特徴だろ。「リベラル」の諸君、レディーファーストを止めてから言ってね。(太田))↓>
 Donald Trump Hates Women–It’s the one position he’s never changed.・・・
http://www.slate.com/articles/news_and_politics/politics/2016/03/donald_trump_has_one_core_philosophy_misogyny.html
 <トランプ現夫人のかつての雑誌ヌードをあげつらったクルーズ支持者の声に、クルーズ夫人の鬱病を示唆して、やり返すぞと脅したトランプ、だとさ。
 (侮辱には銃での決闘で決着を付けるってのも正統なる米国文明の特徴だろ。(太田))↓>
 Trump’s Attack on Heidi Cruz Is the Scummy Low of a Scummy Campaign–Another political norm gets schlonged.–
 Trump doesn’t appear to care about approval ratings. He seeks to destroy people who stand in his way, especially women, even if he looks disgusting doing it. Trump’s attacks on Heidi Cruz are unlikely to hurt her husband politically, but they’re surely painful personally.
 <トランプ、やがて、クリントンの大統領時代やその後の浮気も取り上げるつもりだろ、とさ。
 (どこが悪いのさ?(太田))↓>
 And when he rips into the Clintons’ marriage, it probably won’t help him win the election. But it will make Hillary suffer, and that, for Trump, might be its own reward.
http://www.slate.com/articles/news_and_politics/politics/2016/03/trump_s_attack_on_heidi_cruz_is_the_scummy_low_of_a_scummy_campaign.html
 <この前のワシントンポストでのインタビュー内容で、トランプが無知の極致だとさ。
 (エッ! 完全な言いがかりだよ。トランプのアタマの良さに、私、うなったでー。(太田))↓>
 Donald Trump’s shocking ignorance, laid bare・・・
 Such a sweeping condemnation may sound unfair. I wouldn’t be surprised if Trump were already busy tweeting that I’m a “dummy” or something. But if you read the transcript of Trump’s hour-long meeting with the editorial board of The Post, which took place Monday, I don’t see how you can come to any other conclusion.・・・
https://www.washingtonpost.com/opinions/donald-trumps-shocking-ignorance-laid-bare/2016/03/24/b66d2b6c-f1f7-11e5-89c3-a647fcce95e0_story.html
<太田>(ツイッターより)
 「中国外相、日本遠ざける真の理由 …王毅氏は駐日大使も務めた知日派なだけに、「日本に融和的と思われる行動は、ことさら控えたいと思っているのだろう<が、>… 「南シナ海問題も一因にちがいないが、習近平政権が内心、もっと警戒していることがある。5月20日に台湾で誕生する民進党の『蔡英文政権』と安倍政権の<緊密な>関係だ」<と>北京の動向に詳しい米安全保障専門家は…分析する。…」
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO98802280U6A320C1000000/?dg=1
 ちゃうよ。日本世論が親中共的になってしまって、安倍政権が、日本再軍備/「独立」路線をさぼることのないよう、必死の努力をしとるのよ。
<P38SfMAk>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
≫15年日本にいても、まだそんなことも分からなかった、トローいイギリス人もいるのね。≪(コラム #8293。太田)
 本国じゃ落ちこぼれの特派員をチヤホヤする日本人が悪い。
<7lXEF9zQ>(同上)
≫ガーディアンが本件を大きく扱っているが、ウィキリークスが暴露した電文、日本の外務省がオバマに広島を訪問させないように要請したって話、これまで報道されたことあったっけ?≪(コラム #8293。太田)
 コラム#5017で産経が記事にしているみたいですね。
<太田>
 随分昔の2011年9月の記事ですね。
 道理で忘れてたんだ。
 サンキュー。
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 面白いだー。↓
 「・・・実は筆者も・・・ショーンK<に>・・・完全にだまされてました・・・」
http://blogos.com/article/168746/
 非合法時代と戦後の一時期はともかく、現在はその通りであり、調査対象団体になってるのはおかしいが、他の野党を味方に付けて、調査対象団体から落とせと共同で要求できないところに、日本共産党の党徳のなさ・・そもそも、党運営が非民主主義的・・があるのよ。↓
 「「議会の多数を得ての革命」の路線は明瞭/政府の「暴力革命」答弁書は悪質なデマ・・・
 今もなお日本共産党を「破壊活動防止法に基づく調査対象団体」だとし・・・公安調査庁が多額の国民の税金を使い、不当な手段を弄(ろう)して日本共産党への「調査活動」を行っている・・・<の>は、憲法の保障する結社の自由にたいする重大な侵害であり、ただちにやめるべきです。」
http://blogos.com/article/168822/
 頑張ってねー。↓
 「上原亜衣がAV引退後の意外な進路を告白! 引退したAV女優を待ち受ける苦難・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/11336190/
 狩猟採集社会にも戦争があった、という論調が消えないねえ。↓
 <例外的に平和共存してる狩猟採集社会もあるが、それは、より強力な勢力が近傍に存在する場合だとさ。
 (具体性に欠けるが、いずれにせよ、それ、現在ないし近い過去の話だろ?
 私が何度も指摘してるように、直接的間接的に農業社会とかかわりをもたざるをえないそれらの狩猟採集社会は、本来の狩猟採集社会じゃないのでは?(太田))↓>
 ・・・Although there are well-documented cases of hunter-gatherers living peacefully with their neighbors, these are the exception rather than the rule. Such groups usually gave up violence after coming into contact with more powerful neighbors.・・・
 <農業の出現以前の虐殺事例が発見されている、とさ。
 (それ、犯罪ないし犯罪「集団」の処刑じゃないって証拠あんの?(太田))↓>
 Evidence of the first prehistoric massacre dates to more than 13,000 years ago, well before the invention of agriculture.・・・
https://www.washingtonpost.com/opinions/how-the-tribal-warfare-of-our-ancestors-explains-the-islamic-state/2016/03/24/d36baee6-e581-11e5-b0fd-073d5930a7b7_story.html
 Maududi(コラム#389、2270、4481)がパキスタンのイスラム過激派だけじゃなく、現在のイスラム過激派全てに大きな影響を与えたってのは初耳だな。↓
 <イスラム社会の最初の3世代より後のイスラム教はエセである、というのがIsis等の考えだと。(パチパチ!(太田))↓>
 ・・・Salafism is a “philosophical outlook which seeks to revive the practices of the first three generations of Islam, who are collectively known as the as salaf as-saliheen, or ‘pious predecessors’”. The violent rejectionists he calls Salafi-jihadists hope to regain antique perfection by military means: “This millenarian project believes in progress through regression.” Although in statistical terms such a way of thinking represents a fraction of the world’s Muslims, it has a disproportionately huge impact.・・・
 <ここからが、Maududiのおハナシ。↓>
  Maududi (a Pakistani born in central India in 1903 who died in Buffalo, New York in 1979) ・・・’s writings, translated into Arabic after the second world war, directly influenced Qutb and other thinkers. Living in a more oppressive political system, Qutb radicalised and popularised the ideology – the start of a process that has been through many iterations. ・・・
 <ムハンマド没後25年より後のイスラム教はエセである、とMaududiは主張した、とさ。
(上で登場したところの、3世代論とはチト違うのでは?(太田))↓>
 Crucially, he proposed the astonishing conception that nearly everything that had happened since the collapse of Uthman’s caliphate, 25 years after the death of the prophet, was a disaster. Hartung observes that such pessimism about Islam was not unusual at this time, but that until Maududi “no one had painted such a radically black picture of almost the entire Islamic history”.・・・
http://www.theguardian.com/books/2016/mar/24/salafi-jihadism-shiraz-maher-crusade-jihad-malcolm-lambert-review-patrick-french
 「最小限」の点ではなく、初めて新たな生命を生み出した点が画期的なんだろ。
 それにしても、増殖可能なんかしら。
 いずれにせよ、倫理規定を早急に作る必要があるのでは?↓
 「最小限ゲノムの細菌–米チーム、作製 生命の起源に迫る–・・・」
http://mainichi.jp/articles/20160325/ddm/002/040/071000c
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太田述正コラム#8296(2016.3.25)
<ナチスの原点(その2)>
→非公開