太田述正コラム#8391(2016.5.12)
<皆さんとディスカッション(続x2991)>
<太田>(ツイッターより)
 「…英女優エマ・ワトソン…の名前がパナマ文書の中にあったことが分かった。…バージン諸島にオフショア企業…を設立し、それによる節税効果でロンドンに280万ポンド…の自宅を購入していたという。…」
http://www.sankei.com/west/news/160511/wst1605110045-n1.html
 年齢こそ違え、どちらも米一流大を出た英国籍同士である、アグネス・チャンの方の噂はデマだったようだ
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/1627572.html
が、国連組織UNウィメンの親善大使を務める、男女平等活動家たるエマ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%9E%E3%83%BB%E3%83%AF%E3%83%88%E3%82%BD%E3%83%B3
のイメージダウンは避けられない。
 ハリー・ポッターの心中いかん?
 「日産、三菱自の3割超出資へ 筆頭株主に…」
http://www.msn.com/ja-jp/news/money/%e6%97%a5%e7%94%a3%e3%80%81%e4%b8%89%e8%8f%b1%e8%87%aa%e3%81%ae3%e5%89%b2%e8%b6%85%e5%87%ba%e8%b3%87%e3%81%b8-%e7%ad%86%e9%a0%ad%e6%a0%aa%e4%b8%bb%e3%81%ab%ef%bc%9d%e9%96%a2%e4%bf%82%e7%ad%8b/ar-BBsW2GP?ocid=iehp
 お見事!
 僕は最初から日産に疑惑の目を注いでたわけだけど、全部、日産によって仕組まれてた、と見るべきだろうな。
 これでゴーンの高給にもフランス政府は目をつぶるだろうて。
 従業員は当面安堵できそ。
<6NXP6OFE>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 日産が三菱自傘下にするってマイナスにマイナス掛けたらプラスになる的な発想?
<太田>(ツイッターより)
 「トランプ・ヒラリー両氏の支持率ほぼ拮抗、本選は接戦か…クリントン氏を支持すると回答した有権者は41%、トランプ氏は40%、未定は19%…」
http://news.livedoor.com/article/detail/11511828/
 民主党がサンダースを立てれば勝ち、クリントンを立てれば負け、と見てよさそうだな。
<太田>
 関連記事だ。
 この傾向は事実だとしても、まだどうなる分からない、とする苦しい記事。↓
 ・・・Even giving Mr Trump the benefit of the doubt, and viewing the recent polls as a trend and not a blip, there are still more electoral scenarios that end up with Mrs Clinton in the White House come 2017. ・・・
http://www.bbc.com/news/world-us-canada-36270326
 少なくとも、クリントンの楽勝にはならない、という印象を与えたことだけでもニュースだ、とさ。↓
 ・・・The race does not currently appear to be a blowout, and that itself is news. ・・・
http://www.slate.com/blogs/the_slatest/2016/05/11/clinton_attacking_trump_on_taxes_economy_as_polls_tighten.html
<UapVD2>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 そう言えば舛添要一、鳩山邦夫の2人は太田さんの学部同期だって前に言ってたな。↓
≫ただ、何度も指摘してきたことだが、彼の都政稼業がいまだにこの程度のボロで済んでることが私には信じられないよ。≪(コラム#8333(2016.4.13)。太田))
 1ヶ月前のまだそれ程騒がれていない時点で舛添の今の現状を予言するかのようなこの発言が印象的だったんだけど、学部同期だからこそ太田さんは舛添の本質を見抜いておられたのかな?
<y3qwKDnY>(同上)
 太田さんが予言した通りになりそうだな。↓
≫舛添君・・駒場同級ではなく本郷同期です・・とは、大学時代には接点がなかったけれど、1980年代初めに日本青年会議所の顧問団に一年間彼と一緒に属していた間柄なので、元奥さんの片山さつき前代議士には遠く及ばないでしょうが、彼については良く知っています。
 どにかく開いた口が塞がらなかったのは、彼が、日本の防衛問題について、にわかに信じがたいほど無知であったにもかかわらず、いかにも知っているかのような口を叩いていたことであり、あまつさえ、国際政治が専門の評論家としてTV等で活躍していたことです。
 当時、私が何度か青年会議所の幹部達に日本の防衛問題について語るのを彼も一緒に聞いていたし、個人的にも教えてあげたので相当勉強になっただろうと思いますよ。
 もう一つ、呆れたのは、彼が自分自身を含め、顧問団のうちの何人かが執筆する形で本を出そう、出版については自分が責任を持つと言いだしたので、私も結構長文の原稿を書いて彼に渡したのですが、説明らしい説明もないまま、この話が立ち消えになってしまったことです。
 その後かなり経ってから、たまたま都内の路上で彼と鉢合わせをした時、何もこちらが言わないのに、彼、「あの出版話、何とかするから」と遺憾の意を表したものです。
 しかし、またもやそれからなしのつぶてで現在に至っています。
 こんな彼が、東大教養の助教授を辞めた本当の理由を、その後、信頼できる同学部関係者から聞きましたが、その理由、皆さん、大方想像つくでしょ。
 自民党にも民主党にも愛想が尽き果てた人、決して少なくないだろうが、間違っても舛添君になど期待を寄せないことです。
 いくら何でもそんなことありえないだろうが、仮に彼に権力を与えるようなことがあったら、皆さんが確実に鳩山兄に幻滅したのと同様、あるいはそれ以上に幻滅するのは目に見えています。
 いや、それどころか、日本にとって、取り返しがつかないことになるかもよ。≪(コラム#3893(2010.3.18)。太田)
 「東大教養の助教授を辞めた本当の理由」を教えてちょんまげ。
<太田>
 アブナイんで、一般論やで。
 舛添のウィキペディアには、自身の言い分そのままと目される以下のような記述がある。↓
 「1971年7月、東京大学法学部助手に採用されヨーロッパ政治史を専攻した。東大では篠原一、岡義達らの指導を受けたが、間もなく渡仏。蔵書資料や指導教官など東大の研究環境の悪さに辟易しての決断だったが、当時、助手の身分での留学は異例で始末書まで書かされた。日仏学院、グルノーブル大学にてフランス語研修を受けた後、パリ大学現代国際関係史研究所客員研究員、ジュネーブ国際研究大学院(HEI)研究員としてフランス外交史の研究を行った(主に戦間期フランスの安全保障政策の研究)。・・・最初の妻は留学時代出会ったフランス人。・・・1979年に東京大学教養学部助教授に就任(政治学)。フランスを初めとする欧州の政治・外交・安全保障に関する研究を専門とし、国際関係論などを講じていた。
 1980年代末から『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』『ビートたけしのTVタックル』などの討論番組に頻繁に出演した。1989年6月に東京大学の体質を批判して退官」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%9B%E6%B7%BB%E8%A6%81%E4%B8%80
 改めて読んでみると、そもそも、最初の、助手を辞めた経緯がオカシイ。
 私とも接点があった佐藤誠三郎のウィキペディアにはこうある。↓
 「東京大学文学部国史学科卒業・・・文学部の大学院入試に失敗し、翌年に東京大学法学部政治学科に学士入学した。・・・1960年、同大学法学部政治学科卒業と同時に岡義武教授のもとで法学部助手として日本政治外交史を研究した。1964年に立教大学法学部助教授、また1967年に東京大学教養学部助教授、1977年教授。東大教養学部では、政治学入門等の講義のほか、1・2年生向きのゼミを主催し、学界・官界などで活躍する後進を育てた。政治学を志望する学生は3・4年の専門課程で法学部に進むことが多く、教養学部所属の佐藤に学部四年間・大学院を通じて指導を受ける弟子は少なかった」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E8%97%A4%E8%AA%A0%E4%B8%89%E9%83%8E
 何が言いたいかというと、東大じゃ、法学部の政治学者の方が教養学部のそれよりも格上であるのはもちろん、法学部の政治学インフラの方が教養学部のそれよりもはるかに充実しているはずだ、ということだ。
 その法学部のインフラに不満があってそこを飛び出したはずの舛添が、後に、インフラにおいて格段に落ちる教養学部に再就職したってことは、舛添は助手を辞めた理由に関してウソついてるってことだ。
 むしろ、舛添は法学部の助手を(事実上)辞めさせられた、と解釈すべきだろう。
 考えられる理由は、これについては誰も教えてくれていないこともあり、なおさら、想像してくれ、と言うしかない。
 (客員研究員の「客員」がとれるまでの仏・スイス滞在資金をどう工面したのかも不思議・・現地で女性をひっかけて結婚生活が送れるほど潤沢!・・で、どうして、そのあたりをみんなもっと追及しないのかね。)
 さて、肝心の教養学部教官時代の話だ。
 「前科」のある舛添が、そもそも、仏・スイス滞在後、博士号もないのに、どうして同学部助教授として再就職できたのかが不思議だが、教養学部時代の「10年間」の(彼のウィキペディアに掲載されている)論文は数が9~10本しかなく・・つまり、年わずか1本ペース・・、学術雑誌・学術本に掲載されたものに至っては、なんと2本・・「フランス第五共和制の政治過程」日本政治学会編『年報政治学』(岩波書店、1983年)、及び、「フランスの外交政策」『講座国際政治3 外交政策』(東京大学出版会、1989年)・・、大まけにまけて、外務省の外郭団体が出してる『国際問題』誌・・学問の自由が担保されていない・・掲載論文2本を入れてもかろうじて4本、だけで、しかも、「フランスの外交政策」は概論的な内容のものであると想像される、という、手抜き研究ぶりだ。
 念のためだけど、彼、この間、本を9冊(うち2冊は共著)も出しているところ、こういっちゃなんだが、学者としての業績には到底ならない、愚にも付かないものばかりだ。↓
『日本人とフランス人――「心は左、財布は右」の論理』(光文社、1982年)
『赤いバラは咲いたか――現代フランスの夢と現実』(弘文堂、1983年)
『1990年自民党が野党になる日 中道革新政権の科学的根拠』(光文社カッパ・ホームス 1984年)
『現代国際政治入門――世界力学地図の読み方』(PHP研究所、1986年)
『90年代の世界力学地図――「米ソの時代」から「日本の世紀」へ』(PHP研究所、1988年)
『日本人のための幸福論』(講談社、1988年)
『賤業としての政治家』(飛鳥新社、1989年)
 (以下、共著)
プロジェクト3D『1995年・日本と世界はこう変わる』(PHP研究所、1986年)
プロジェクト3D『日本と世界これからどうなる――90年代への8つの視点』(PHP研究所、1988年)
 彼が教養学部教官を辞めた(≒辞めさせられた)理由については、私に教えてくれた人がいたわけだが、諸君も、別に教えてもらわなくたって、以上から、想像がつくってもんじゃない?
 えっ、まだ分かんないって?
 上掲の佐藤誠三郎の経歴をもう一度眺めてごらん。
 彼は、「10年間」助教授を務めた時点で教授に昇格してるよね。
 さあ、いくらなんでも、このあたりでいいだろ。
 
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 こんな企画に乗った東大「美女」達にも喝!↓
 「東大美女図鑑の学生が機内同乗する企画、批判受け中止に・・・
 キャンペーンは、写真誌「東大美女図鑑」に登場する現役の女子学生たちが、抽選で選ばれた旅行客5組にそれぞれ機内で勉強を教えたり、旅行先の街について解説したりするというもの。「旅のプロセスを楽しくする旅ナカワクワクシリーズ第一弾」「現地まで楽しくフライトしてくれる企画」と銘打った。
 しかし、同社が11日午前11時にキャンペーンを発表すると、直後から「学生はホステスじゃない」などと批判的な意見が同社のツイッターやホームページに多数上がったという。同社は午後9時に「ご不快な思いを感じさせる企画内容でありましたことを、深くおわび申し上げます」と中止を発表した。・・・」
http://www.msn.com/ja-jp/news/money/%e6%9d%b1%e5%a4%a7%e7%be%8e%e5%a5%b3%e5%9b%b3%e9%91%91%e3%81%ae%e5%ad%a6%e7%94%9f%e3%81%8c%e6%a9%9f%e5%86%85%e5%90%8c%e4%b9%97%e3%81%99%e3%82%8b%e4%bc%81%e7%94%bb%e3%80%81%e6%89%b9%e5%88%a4%e5%8f%97%e3%81%91%e4%b8%ad%e6%ad%a2%e3%81%ab/ar-BBsVAuN?ocid=iehp
 ゴーマンにしてアホな米知識人達の中にも、オバマの真意を見抜いてるヤツもちったあいるねえ。
 「核兵器なき世界」なんて実現不可能であることを私以上に熟知してるはずのオバマが、就任早々、そんな夢物語をぶちあげて、ノーベル平和賞まで授与されちゃったけど、全ては、2任期の全期間をかけて、最終的に、日本に対して、太平洋戦争について謝罪を行うための、手の込んだ事前工作だったのさ。↓
 「・・・原爆投下によって、数百万人の命が救われることになったと主張するハンソン氏は、オバマ氏が広島訪問を通じて「真珠湾攻撃や大東亜共栄圏に関する集団的健忘症」にかけようとしていると批判した。
 歴史家でハドソン研究所上級研究員のアーサー・ハーマン氏は、訪問が「大いなる失態」になるという。
 ホワイトハウスはオバマ氏の訪問が原爆投下への謝罪を意味するわけではないと強調するが、ハーマン氏は「オバマ氏は過去に米国がしたことを謝罪する機会を探ってきた」と懐疑の目を向ける。そして、過去への謝罪ではなく、中国や北朝鮮など差し迫った課題に取り組むことが日米には必要だと指摘した。」
http://news.livedoor.com/article/detail/11510705/
 <本件に関しては、韓国の知識人達の方がまだマシ?↓>
 「バラク・オバマ米大統領の広島訪問に対する韓国政府の心中は穏やかでない。米国の現職大統領として初の広島訪問が、71年前の原爆投下に対する謝罪や、侵略戦争を反省していない日本への免罪符として受け止められる可能性があると懸念しているからだ。・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/05/12/2016051200648.html
 これも、その通りだろう。
 朴大統領の、就任以来の反日(や親中)は、全て、日本との関係正常化を図るための目くらましだったということだ。
 外交政策に関する限り、オバマも朴も素晴らしい政治家達だってこと。
 それに比べ、吉田ドクトリンの呪縛下にある、我が日本の政治屋どもの体たらくは・・。↓
 「朴槿恵大統領の妹が告白「姉は本来、反日などではない」・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/11511477/
 下掲の主張を批判せよ。↓
 「・・・英エコノミスト誌記者のデイビッド・マックニール氏が、苦言を呈す。
 「表現の自由」国連特別報告者として初めて公式に訪日したデービッド・ケイ氏(米国)の外国特派員協会での会見に僕も同席しましたが、日本では政治家が「報道するな」とハッキリ言わなくても、記者がおもねって“忖度”し、事実を記事にしないという独特の問題もあると思います。・・・
  意見が対立する中で自分の考えを表明するということは、それに対し責任を取るということだが、日本の記者らはこの訓練、教育が不十分のように思えます。ぶつかり合い議論するのは民主主義が成熟する重要なプロセスですが、そう教育されておらず、自分と意見の違う人間を攻撃したり、無視したりしようとする傾向が強いように見えます。・・・
 ジャーナリズムを成熟させるため、そして政府がきちんと責任を果たすよう監視するため、日本のメディアが連帯する必要があります。それがメディアと国民の利益につながるのです。」
http://news.livedoor.com/article/detail/11511440/
 日本の主要メディアはこの程度の報道ぶりだが・・。↓
 「英紙ガーディアンは11日、東京五輪の招致委員会側が国際陸上競技連盟のラミン・ディアク前会長の息子の関係するシンガポールの会社の口座に総額130万ユーロ(約1億6千万円)を支払った疑いがあると報じた。この会社の口座はドーピングもみ消しを巡る金のやりとりにも使われたとされ、ディアク前会長の不正を捜査しているフランスの検察当局もこの事案を把握し、捜査しているという。
 ディアク前会長は当時、開催都市を決める投票権を持つIOC委員だった。」
http://digital.asahi.com/articles/ASJ5D31TWJ5DUHBI00V.html?rm=380
 <元記事を出したガーディアン、3記事もでかでかと電子版に乗せてるぜ。↓>
https://www.theguardian.com/sport/2016/may/11/tokyo-olympics-payment-diack-2020-games
https://www.theguardian.com/sport/2016/may/11/papa-massata-diack-allegations-tokyo-olympics
https://www.theguardian.com/sport/2016/may/11/tokyo-olympic-games-2020-ioc-international-olympic-committee-corruption-bid-scandal
 まっこと、中共サマサマでやんすね。↓
 「龍角散(東京都千代田区、藤井隆太社長)は11日、のど薬「龍角散」シリーズの製造を手がける千葉県の工場設備を刷新し、生産量を2倍に増やす方針を明らかにした。同社製品は中国のインターネット上で「神薬」の一つに挙がるなど人気が高く、主に訪日中国人旅行者の「爆買い」需要に対応する。・・・」
http://www.msn.com/ja-jp/news/money/%e9%be%8d%e8%a7%92%e6%95%a3%e7%94%9f%e7%94%a3%e9%87%8f%ef%bc%92%e5%80%8d%e3%81%ab-%e4%b8%ad%e5%9b%bd%e3%81%a7%e3%81%af%e3%80%8c%e7%a5%9e%e8%96%ac%e3%80%8d%e3%80%81%e7%88%86%e8%b2%b7%e3%81%84%e9%9c%80%e8%a6%81%e5%af%be%e5%bf%9c/ar-BBsU5j7?ocid=iehp
 まあ、そんなところだろうなあ。↓
 「サイコパスは遺伝が8割・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/11511181/
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太田述正コラム#8392(2016.5.12)
<一財務官僚の先の大戦観(その23)>
→非公開