太田述正コラム#9110(2017.5.23)
<皆さんとディスカッション(続x3351)>
<太田>(ツイッターより)
だろうな。→
 「…このまま<退位>法案を通していいものか、与野党から賛否両論が噴き出すのは必至です。世論調査でも天皇の意志を尊重すべきという意見が多い。政府提出の原案通り、成立するか分からなくなってきました…」
 ちゃうちゃう!→
 「平和主義者の天皇は安倍首相の動向を不安視していると思われます。憲法9条を国是として守ろうという気持ちも強いように感じます…」
https://news.infoseek.co.jp/article/gendainet_392346/
 後者については、今上天皇の先の大戦観を取り上げた、コラム#214、215を参照して欲しい。
<太田>
 関連記事だ。
 「左」主要メディアが連日「尊王」を絶叫。
 「右」の悪辣な選良達による、「右」大衆への、今上天皇第9条墨守人間説の吹き込みが、「左」選良達までをも誑かしつつあるな。↓
 「「被災地訪問が形式化」記事が出た日、両陛下は・・・」
http://digital.asahi.com/articles/ASK4P5Q6WK4PUTIL030.html?rm=229
 秋篠宮自身のご意向か今上天皇のご意向かは分からないが、いずれにせよ、現皇太子の天皇就任後、秋篠宮にフリーハンドが確保されることになりそうだ。↓
 「官邸幹部から・・・退位を巡る政府の有識者会議・・・の関係者に対し、秋篠宮さまの称号を「皇嗣殿下」などとする案が示さ<れていたが、>・・・秋篠宮さまは周囲に、自身が皇太子として育てられていないことを理由に、皇太子の称号に難色を示したという。」
https://mainichi.jp/articles/20170523/ddm/001/040/144000c
 参考まで。↓
 「当今の弟が次期皇位継承者である場合には、皇太弟(こうたいてい)、また当今の甥である場合は皇太甥(こうたいせい)と呼ばれる場合がある。院政期においては皇太子の称号は父権の存在を意味した。今鏡には、崇徳天皇が鳥羽上皇に譲位を要請されたが、弟躰仁親王(近衛天皇)の立太子の際、皇太子ではなく「皇太弟」とされたために崇徳天皇は近衛天皇に対する父権を行使できず、院政を行うことができなかったと言う記述がある。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9A%87%E5%A4%AA%E5%AD%90
<太田>(ツイッターより)
 「北朝鮮の労働新聞は…<「>われわれの核は、日本の安全も守ってやっていることとなる…日本の反動層は、われわれをけなすのではなく、われわれに感謝の挨拶をすべきだ」と述べた。」
http://news.livedoor.com/article/detail/13095249/
 金正恩坊や、日本の「右」に呆れ果て、習ちゃんの真意を紹介したぞ。
<七氏>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 <椎名林檎 – 望遠鏡の外の景色>
https://www.youtube.com/watch?v=NcaKy4E8Sg0&feature=youtu.be
 ↑こういうのはどう?
<太田>
 まさに、安倍チャンにぴったしの曲だったのね。↓
 「「望遠鏡の外の景色」は2012年に初演され、2015年にはパリの国立シャイヨー劇場でも公演が行われた野田秀樹の舞台「エッグ」のために椎名が提供した曲だ。
 同舞台は架空の競技「エッグ」で五輪を目指す選手たちや女性シンガーの姿を通し、スポーツ、音楽への大衆の熱狂と、戦争への大衆の熱狂との共通性を浮き彫りにし、戦争の愚かさを描く作品だ。・・・
 <昨年、>リオ五輪・・・閉幕式で<行われた>・・・東京へ五輪の旗を引き継ぐ「フラッグハンドオーバーセレモニー・・安倍晋三首相が「スーパーマリオブラザーズ」の主人公マリオに扮して登場したことでも話題を呼んだ・・<で、>全体の企画と演出<を担当した>椎名林檎が・・・あえて使った・・・曲」」
https://www.buzzfeed.com/jp/tatsunoritokushige/ringoegg?utm_term=.uiZRdmo6pP#.lk32ol6a1y
 この曲、メロディックだから、歌を入れた方が良かったんじゃないかなあ。
 で、この投稿に触発された、という名目で。↓
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 臨時一人題名のない音楽会を開催します。
 余り知られていない作曲家による、ロマン主義のピアノ協奏曲シリーズの特別篇として、昨夜「発見」した、日本人のをお送りします。
 大澤壽人(Hisato Ohsawa。1906~1953年)(注a)によるもの。
 誰も、彼のこの曲の存在を教えてくれなかったとは遺憾。
(注a)「神戸に生まれ、少年のころより独学ないし教会に通う外国人から音楽を学んだ。1930年(昭和5年)、関西学院高等商業学部卒業後すぐに<米国>に渡り、ボストン大学およびニューイングランド音楽院に入学、ピアノや作曲を学びながら作品の発表を行う。1933年(昭和8年)には日本人としては初めてボストン交響楽団を指揮する。1934年(昭和9年)、フランスに渡ってエコールノルマル音楽院に入学し、ポール・デュカスやナディア・ブーランジェに師事する。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%BE%A4%E5%A3%BD%E4%BA%BA
Piano Concerto No.3 ‘Kamikaze’ (1938)  (注b)  ピアノ:Ekaterina Saranceva 指揮:Dmitry Yablonsky オケ:Russian Philharmonic Orchestra ←朝日新聞のPR曲? 軽いタッチの名曲だと思う。
https://www.youtube.com/watch?v=Bp8h2TxXznA
(注b)「曲名の「神風」とは、・・・「朝日新聞が発注し三菱航空機がつくった純国産の2人乗り機」のこと。」
http://kimamalove.blog94.fc2.com/blog-entry-1466.html
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<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 文科省ならぬ、財務省がここまで堕落するとは、世も末である。↓
 「「低層、5億円も引けない」 鑑定士、財務局の要求拒否・・・」
http://www.asahi.com/articles/ASK5P5VPKK5PPTIL00T.html?ref=msn
 ライシュ元米労働長官による小コラムだ。
 欧州人よ、米国は、トランプが大統領になってファシスト国家になったんじゃなく、元からそうなんだぜ。
 だから、そんな米国が全球的覇権国であることにこれまで甘んじてきたのがそもそもおかしいんだよ。↓
 ・・・<Europeans are saying,>
9. We remember fascism. We never thought it would happen in America.
10. The world depends on American leadership. We’re very worried.
 My overall impression: Anti-Trump sentiment is even stronger in Europe than it is in the U.S. If Trump expects his European trip to give him a reprieve from his troubles at home, he’s mistaken.
http://www.newsweek.com/robert-reich-our-european-allies-are-appalled-trump-613342
 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓
 <定番の、日本総体の称賛。↓>
 「訪日した中国人は「目の前の日本」と「失われた20年」を結びつけられない・・・」
http://news.searchina.net/id/1636215?page=1
 <定番の日本の街並みの清潔さへの賛辞だが、「100年」は目新しい。↓>
 「・・・今日頭条は・・・「日本は路上にゴミ箱がなくても非常に清潔」であることを伝えつつ、「中国が日本と同等の清潔さを実現するには少なくとも100年は必要」だと論じる記事を掲載した。・・・
 記事は何枚かの日本の街並みの写真とともに「日本の道路は清潔でゴミ1つ落ちていない」と驚きの声をあげている。そして、「街中にゴミ箱がないのは、日本人が自分のゴミを家に持ち帰るからであり、日本人はそのゴミを分別して捨てている」と紹介、」
http://news.searchina.net/id/1636220?page=1
 <運動会を取り上げ、日本の教育を称賛。↓>
 「・・・大視界は・・・日本在住の親戚に会うために日本を訪れたという中国人女性の手記として、「日本の子どもたちによる運動会は驚きに満ちていた」と伝える記事を掲載した。
 記事は「日本は教育を重視する国」であることは広く知られていると伝えつつ、まず驚いたのが「日本は小学校や中学校の校舎が非常に頑丈で、最も安全な施設の1つ」とされていて、地震災害などの際には人びとの避難場所に指定されていることだと紹介。政府の関連施設ほど頑丈であると揶揄されることもある中国との大きな違いの1つだと論じた。
 この中国人女性には小学校3年生の姪がいて、この姪の応援のために運動会に参加したようだが、日本の運動会には「個人種目がなく、すべてが団体種目であった」と驚きを示し、「運動会は子どもたちが『協力』することの重要性や協調性を学ぶ場だった」と伝えた。
 また、運動会の競技が終わっても「子どもたちは後片付けを自ら行う」と伝え、運動会で使用した道具はもちろん、掃除も子どもたちが行なっていたと紹介。賑やかなイベントが終わった後とは思えないほど、「校庭はきれいに片付き、ゴミ1つ落ちていなかった」と伝えた。
 さらに、運動会の終了後、「小学校のフェンスにスカーフが掛けられているのを見た」と紹介。これは誰かが置き忘れてしまったスカーフを「元あった場所に置いておくことで、持ち主が発見できるように」という気遣いによるものだと指摘し、「誰もスカーフを持ち去らない」という点にも大きな驚きがあったようだ。」
http://news.searchina.net/id/1636224?page=1
 <東京に交通渋滞がないことを称賛。最後を人間主義的説明で締め括っている。↓>
 「・・・今日頭条はこのほど、北京や上海は毎日のように深刻な渋滞が発生しているにもかかわらず、なぜ東京は「渋滞が深刻化しないのか」と疑問を投げかける記事を掲載した。
 記事はまず、東京都と北京市について比較し、「北京市の面積は東京都の約8倍もあり、人口は東京の約半分に過ぎない」と指摘。自動車やバイクなどの保有台数についても北京の方が東京より少ないとしながらも、「東京で深刻な渋滞が生じないのが不思議でならない」と論じた。
 続けて、東京で渋滞が生じないことは「世界で見ても奇跡的なこと」と称されることもあると伝える一方、東京もかつては深刻な交通渋滞に悩まされたことがあると指摘。だが、都市計画の一環で公共交通機関の整備や駐車場の整備、さらには運転マナーの徹底、路上駐車の取り締まりなどを行った結果、深刻な渋滞は解消されるに至ったと論じた。
 さらに、東京の地下鉄路線図を紹介し、「北京の地下鉄に比べて、驚くほど路線の密度が高い」と指摘。東京では自動車に乗らなくてもあらゆる場所に行くことができるほど、地下鉄をはじめとする公共交通機関が整備されているのだと指摘した。
 また記事は、東京で深刻な渋滞が起きないもう1つの理由として、日本人の民度を挙げている。車の運転時はもちろん、駐車をするときでも「他人に迷惑をかけない」という考え方のもとで行動するため、人為的な渋滞が起きないとした。」
http://news.searchina.net/id/1636246?page=1
 <日本人の接客態度、要するに人間主義的接客態度、を絶賛。(日本へ行けキャンペーン。)↓>
 「・・・今日頭条はこのほど、「日本人の接客態度はどうしても嘘くさい」と感じてしまう中国人もいるようだと伝える一方、それでも中国人の接客態度よりはるかに良いのは事実ではないかと論じた。
 記事は、日本を訪れた中国人のなかには、日本人の接客態度について「畏まった態度で笑顔を絶やさないが、それはあくまでも表面上であり、内心から出た態度かどうかはわからない」などと感じる人がいると指摘。だが、「仮に畏まった態度や笑顔が作りものだとしても、それがどうしたというのか」と問いかけつつ、少なくとも日本では「レストランでは安全性に問題のある食べ物は出てこないし、百貨店でも偽物を掴まされる心配はない」と指摘した。
 また、見知らぬ人に対しても笑顔を絶やさずに対応できる日本人の接客態度は「仕事に励んでいる『勤労』の証ではないか」と主張。さらに、日本人の接客態度を「嘘くさい」と批判している中国人に対し、「それならば、自分は日本人と同等以上の接客ができるのか」と問いかけた。
 さらに記事は、中国人を含めた客はあくまでも店に「買い物」のために来ているのであり、友達作りに来ているのではないと指摘し、「それなのに店員がまるで友達に接するかのように対応してきたら、それはそれで嫌だろう」とし、「日本人の接客態度は嘘くさい」と主張している中国人に対して、考え方を改めるよう勧めている。」
http://news.searchina.net/id/1636255?page=1
 <そんな日本に、安心して留学せよ、と習ちゃん。(やはり、日本へ行けキャンペーン。)↓>
 「・・・今日頭条は・・・中国人留学生に対する日本の社会保障制度や日本の治安について紹介する記事を掲載した。まず記事は、「日本は治安が良く、食品も安全であるため、健康被害を懸念する必要はない」と紹介している。
 記事は、日本に留学経験があると見られる記者の体験から、「電車内で携帯電話や財布を紛失しても持ち主の手元に戻ってくる」と紹介。これまでに日本で何度か電車内の座席に携帯電話を落としたまま気づかずに立ち去ろうとする乗客を見たことがあると伝える一方、「他の乗客は携帯電話を盗むどころか、持ち主に声をかけたり、持ち主を追いかけて携帯電話を渡すのが日本人だ」とした。このような国であるから、日本では「誘拐」などはなく、「住んでいる場所にかかわらず、どこでも一定水準の治安が保たれている」と伝えた。
 さらに、日本の水は水道から直接飲めるとした。中国では水道水はろ過するか1度沸騰させて飲むことが一般的だ。また、食べ物についても「お腹を壊すことすら稀」であり、中国で問題視されている食の安全を脅かすようなことは日本ではほとんど起きず、健康被害を懸念する必要はないと論じた。
 次に記事は、「優れた社会保障制度がある」と紹介。留学生であっても日本人と同じように国民健康保険に加入すれば日本人と同じ待遇を受けられることを紹介し、病気になったからといって治療に莫大な費用がかかるということはないので安心するように勧めた。」
http://news.searchina.net/id/1636219?page=1
 <定番の日本の駅弁称賛だが・・。↓>
 「・・・今日頭条・・・記事は、日本の駅弁や弁当について「芸術品のようにきれいでとりこになるほど」と絶賛。しかし、口にした瞬間に「冷たくて味が分からなかった」と、カルチャーショックを受けた経験を紹介した。・・・
 <間違ってる分析だが、あらゆることを人間主義で説明しようと努めていることが良く分かる。↓>
 では、どうして日本人は冷たい弁当を食べるのだろうか。記事は、中国でも人気の「孤独のグルメ」のワンシーンを見て理由が分かったとしている。日本にも加熱式の弁当があるが、主人公が新幹線でこの弁当を広げたところ、白い煙がもくもく出てきて、おいしそうなにおいが車両中に広がり、「穴があったら入りたい」ほど恥ずかしい思いをしたという内容だったという。筆者は、ここから日本人について「他人の迷惑になるかどうか」という点を非常に気にする国民であり、そのため日本人は「弁当を温めずに食べるのだろう」と結論付けた。・・・
 記事は、日本の弁当は冷めることを前提に作るため、むしろレベルが高いと指摘。食材、調理方法、客層などをよく吟味して、ふたを開けた瞬間食欲がわくような工夫をしているからだ。記事は、一連の分析から、日本の弁当を見直したと締めくくっている。」
http://news.searchina.net/id/1636252?page=1
 <ガリバーの中共展開を熱烈歓迎する習ちゃん。↓>
 「・・・今日頭条は・・・「日本最大の中古車販売グループが中国で500店舗を展開しようとしている」とする記事を掲載した。
 記事は、日本最大級の中古車取引店であるガリバーがこのほど湖北省武漢市で中国本土初の中古車販売店舗の営業を開始したと紹介。ガリバーを運営する株式会社IDOMは2008年に中国法人を上海に設置しており、1号店を出すのに9年もの歳月をかけたとした。その背景として、法人設置当時の中国中古車市場では手続きの煩雑さなどがあり、大規模経営を展開することが難しかった点があると説明した。
 そして、「9年が経ち、中国の自動車市場は成熟期に入った」とし、同社が武漢の1号店を試金石として考えており、軌道に乗るようであれば3年以内に武漢で20店舗を展開することを明かしたと紹介。さらに、中国全体で500店舗の開店を目標としていることを伝えた。
 記事は「ガリバーは現在日本でも520店舗しか展開していない」として、500店舗という規模の大きさを説明。同社が1994年の設立から東京証券取引所に上場するまでわずか6年しか掛からなかったという急成長ぶりを紹介している。
 成熟期に入ったと判断したガリバーの中国進出は、中国国内の中古車取り扱い業者にとっては大きな脅威となるはずだ。しかし、記事を読んだ中国のネットユーザーからは「中国の中古車業界に清流がもたらされる。支持する」、「中古車業者にハメられた人は絶対多いはず」、「中国人が中国人を陥れる状態だった。この分野に日本人がやって来るのはいいことだ」といった意見が相次いで寄せられた。」
http://news.searchina.net/id/1636216?page=1
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太田述正コラム#9111(2017.5.23)
<下川耿史『エロティック日本史』を読む(その34)>
→非公開