太田述正コラム#9308(2017.8.30)
<皆さんとディスカッション(続x3450)>
<太田>(ツイッターより)
 「…経済同友会の小林喜光代表幹事は…「想像を絶する暴挙だ」と述べ、発射をちらつかせて周辺国や米国を威嚇してきた一連の言動を「火遊びだ」と指摘した。
 そのうえで、政府に対して「どこに逃げればいいか分からない。冷静に打つべき手をマニュアルにして明確に国民に示して欲しい」と求めた。」
http://www.asahi.com/articles/ASK8Y2T10K8YULFA007.html?iref=comtop_list_biz_n01
 Jアラートとかで大騒ぎをしている本件で、今まで一つの記事も紹介してこなかったが、この記事、タイトル読んで期待した私を責める意味で紹介しておこう。
 習ちゃんも、きっと呆れ、歯噛みしてるに違いない。
 日本の弥生性、ひょっとしてもう回復できず?
 「麻生…副総理は…「…政治家になる…動機は問わない。結果が大事だ。何百万人も殺しちゃったヒトラーは、いくら動機が正しくてもダメなんだ」と発言した。
 麻生氏は2013年に憲法改正をめぐり、ナチス政権を引き合いに「手口を学んだらどうか」と発言し、国内外から批判を浴び、撤回している。…」
http://www.asahi.com/articles/ASK8Y6T80K8YUTFK01D.html?iref=comtop_list_pol_n03
 麻生が、米国がナチスドイツ以上のファシスト国家だと知っての上で、そんな米国の属国であり続ける政府/自民党の弁護のためにこういった話を続けてるんだったとしたらスゴイ、なーんてこと、あるワケなく、彼、単に、無知蒙昧なだけなんだろな。
<太田>
 関連記事だ。
 ハーイ、無知蒙昧を認めました。↓
 「麻生氏、ヒトラー巡る発言を撤回 「誤解招き遺憾」・・・」
http://www.asahi.com/articles/ASK8Z3CB1K8ZULFA008.html?iref=comtop_list_pol_n04
<US>
 米国殺害人数(ベジたんさん作成のWIKIから)<です。>
米国による直接的死者数
・米国人   512,678名
・非米国人  13,607,984名
米国による関節的死者数
・非米国人  50,825,067名
http://seesaawiki.jp/w/veg_tan/d/%ca%c6%b9%f1%a4%ac%c2%c0%ca%bf%cd%ce%c0%ef%c1%e8%b0%ca%b9%df%a4%cb%a5%a2%a5%b8%a5%a2%a4%cb%a4%e2%a4%bf%a4%e9%a4%b7%a4%bf%bb%e0
<太田>
 USさん、ありがとうございました。
 お示しのURLを開いてみて思い出したのですが、その後、私の中国共産党認識が180度変わってしまったことから、べじたんさん計算による米国による間接的死者数は使えなくなっているんですね。
 そうすると、直接的死者数で、ナチスドイツが米国を上回るのは明白ですので、私のフリップ案の文言自体を修正する必要がありうます。
 というわけで、TAさん、ナチスドイツによる死者数、調べていただかなくて結構です。
 お造作をかけてすみません。
———————————
https://en.wikipedia.org/wiki/World_War_II_casualties
 掲載の第二次世界大戦のTotal deathsの表から、欧州・アフリカ戦域部分を寄せ集めてみたところ、4800万~5400万人・・5000万人強、になりました。
 これが、ナチスドイツによる直接・間接死者数の最大限です。
 (ホロコーストも、ソ連内部の民族浄化もカウントされています。)
 他方、
http://seesaawiki.jp/w/veg_tan/d/%ca%c6%b9%f1%a4%ac%c2%c0%ca%bf%cd%ce%c0%ef%c1%e8%b0%ca%b9%df%a4%cb%a5%a2%a5%b8%a5%a2%a4%cb%a4%e2%a4%bf%a4%e9%a4%b7%a4%bf%bb%e0
から、米国による直接・間接死者数は、約6500万人です。
 というわけで、元に戻ってこの数字を使いたくなってきました。
 大躍進や文革による死者が、大東亜戦争なくして生じただろうか、と考えればいい、とね。
 だって、間違いなく、日本が国民党政権を打倒し、汪兆銘政権的な親日政権が支那を治めることとなり、満州は引き続き事実上日本が治める体制が続くこととなっていたであろうところ、中国共産党による支那権力奪取など起こりえなかったはずですからね。
 この場合、中国共産党はどうしただろうか、なんてことまで詮索する必要はありますまい。
 うまく立ち回ったであろうと思いますがね。
 で、TAさん、乗り掛かった舟で、できれば、上掲のナチスドイツの数字の検算をお願いします。
 単純に、その表に登場する国がソ連・インド以西に位置しているかどうか、で仕分けして計算するのです。
 国名は読めるでしょうし、「total」なんてのもお分かりでしょうが、万一、分からない箇所があったら、遠慮なく聞いてください。
 (日ソ戦でのソ連の死者はもとよりですが、マレー作戦やインパール作戦でのインドの死者も、そう大きな数字じゃないので、まあ無視できると思います。)
 七氏さん、本件を含め、どしどしコメントをください。
<TA>
 太田さん、
≫日本だってナチスドイツと同床異夢で一緒に戦ったわけで、米ソ英等もそれぞれ同床異夢だったところ、こういう場合は、日本が戦争目的を達成すれば、米ソ英等はみんな敗北した、という整理でいいと思いますよ。≪(コラム#9306。太田)
 おそらく論理的思考力の問題なのでしょうが、仰っている意味が分かりません。私の論理的思考力の話はどうでもいいとしても、私程度の論理的思考力の者に話が伝わらない恐れがあるのは問題ではないでしょうか。
⇒日本の勝利、だけに留め、敗北側の話に立ち入らなければいいのかな?
 他の御二方のご意見は?(太田)
≫蛇足的に付け加えておけば、米国の戦争目的が、人種主義に基づく領土・勢力圏の拡大であることは、後のフリップ案で分かるはずです。≪(同上。太田)
 各フリップごとに完結するようにする、というか、フリップをまたいで洞察しなければならないという風には、出来るだけ、すべきではないと思います。
⇒いずれにせよ、日本と戦った側の戦争目的を各国ごとに列挙するスペースはありませんからねえ。(太田)
≫今回のフリップ集には典拠は付さないでもいいのでは?≪(同上。太田)
 典拠、というよりUSさんの便宜のためです。
≫”人間主義”とか言っても「何言ってんのコイツ?」っていつもの反応されて終わりだと思うけどなぁ。≪(同上。vGS8DIO.)
 「人間(じんかん)主義」(命名:和辻哲郎)といった感じにすればどうでしょう・・。
⇒USさんよろしく。(太田)
≫大東亜戦争の場合、戦争目的・・対ソ(露)抑止、ブロック経済打破、アジア解放・・を全て達成したのだから、日本が勝者≪(コラム#9304。太田)
 「対ソ(露)」は少しおかしいと思います。大東亜戦争ではソ連は出てきてもロシアは出てこないからです。大東亜戦争ではなく対露百年戦争という文脈なら正しいですが。
 大東亜戦争を、太平洋戦争と日支戦争(日中戦争)に分け、さらに縦軸として対露百年戦争を提示すれば、それぞれの戦争での各国の勝敗はかなり説明しやすくなりそうですが、紙幅が・・。
⇒欧米じゃ、一貫してロシア(露)ですよ。
 要するに、ソ連=ロシア(露)なので・・。
 何となくおかしい感じになるのは、ソ連崩壊かなあ。
 ロシア(露)と言った場合、「崩壊」と言うとロシアがなくなっちゃうようなカンジになりますからね。(太田)
>で、TAさん、乗り掛かった舟で、できれば、上掲のナチスドイツの数字の検算をお願いします。
 了解しました。で、新大陸各国、ブラジル、カナダ、キューバ、メキシコ、ニューファンドランド、米国は計算から除外しますか?(オーストラリアあたりの国は除外しました。ドイツは含めています)↓
⇒おー、私より、歴史に厳密ですね。
 (ニューファンドランドはニュージーランドのこと?)
 どうせなら、少なとも米国等大どころは、可能な範囲で、人命被害を、対日戦と対独(伊)戦分に分けてみてください。(太田)
Albania(アルバニア)30,000
Belgium(ベルギー)88,000
Brazil(ブラジル)2,000
Bulgaria(ブルガリア)21,500
Canada(カナダ)43,600
Cuba(キューバ)100
Czechoslovakia(チェコスロバキア)340,000 to 355,000
Denmark(デンマーク)6,000
Egypt(エジプト)1,100
Estonia(エストニア)83,000
Ethiopia(エチオピア)100,000
Finland(フィンランド)85,000 to 95,000
France(フランス)600,000
Germany(ドイツ)6,900,000 to 7,400,000
Greece(ギリシャ)507,000 to 807,000
Hungary(ハンガリー)564,000
Iceland(アイスランド)200
India(インド)1,600,000 to 2,600,000
Iran(イラン)200
Iraq(イラク)700
Ireland(アイルランド)100
Italy(イタリア)492,400 to 514,000
Latvia(ラトビア)250,000
Lithuania(リトアニア)370,000
Luxembourg(ルクセンブルク)5,000
Malta(マルタ)1,500
Mexico(メキシコ)100
Netherlands(オランダ)210,000
Newfoundland(ニューファンドランド)1,200
Norway(ノルウェー)10,200
Poland(ポーランド)5,900,000 to 6,000,000
Romania(ルーマニア)500,000
Ruanda-Urundi(ルアンダ=ウルンディ)300,000
South Africa(南アフリカ)11,900
Soviet Union(ソビエト連邦)20,000,000 to 27,000,000
Sweden(スウェーデン)2,100
Switzerland(スイス)100
Turkey(トルコ)200
United Kingdom(英国)450,900
United States(米国)419,400
Yugoslavia(ユーゴスラビア)1,027,000 to 1,700,000
 以上の新大陸各国を含めた総計は、40,924,500~50,544,100人になりました。
 うん・・。太田さんの計算結果とビミョーにズレてますね。日を改めてもう一度計算してみます。
⇒私は、南北アメリカ・オセアニアを全部対独(伊)戦の方に計上しちゃったんじゃないかと思いますが、48053400~54194300 でした。(太田)
<US>
>日本の勝利、だけに留め、敗北側の話に立ち入らなければいいのかな? 他の御二方のご意見は?<(太田)
 戦争の目的、戦後の状況を踏まえて、結局勝ったのはだれ?
 敗者であるはずの日本が目的としていたことが実現している
というような説明があれば、冒頭に日本は実は勝者というメッセージも良いと思います。
⇒ではよろしく。(太田)
 一方米国も<英国を世界覇権国家(太田)、>日本を<地域(太田)>覇権国家の地位から落とすという目的を達成できているのでやはり勝者と言えるのではないでしょうか?
 その結果、大戦後は対ソ抑止を一人で担うはめになったとしても戦争目的に対ソ抑止がなかったのだから勝者ではないでしょうか?
⇒では、やはり、米英ソが敗北、の部分は削除しましょう。(太田)
 ところで、米国単独で対ソ抑止の任を負うはめになったのは、吉田茂が再軍備を突っぱねたからで、この結果、日本の繁栄があるとして、「負けて勝つ」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%A0%E3%81%91%E3%81%A6%E3%80%81%E5%8B%9D%E3%81%A4_%E3%80%9C%E6%88%A6%E5%BE%8C%E3%82%92%E5%89%B5%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%94%B7%E3%83%BB%E5%90%89%E7%94%B0%E8%8C%82%E3%80%9C
というドラマにもなったのではないでしょうか?
追伸:パワポは明日の夜、初稿を完成させます。
<太田>
 薬の理屈の追究者さん、NYタイムスにも記事が出ており、この中で、本件の研究史が記述されていますが、その中に、日本人による貢献の話(コラム#9304)は全く出てきませんね。↓
https://www.nytimes.com/2017/08/29/science/trigonometry-babylonian-tablet.html?hpw&rref=science&action=click&pgtype=Homepage&module=well-region&region=bottom-well&WT.nav=bottom-well 
 英語で発表されていないものは、存在しないものとみなされるってことなんですかねえ。
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 安倍が戦後日本の最もタカ派の首相だとか、日本人がついに軍事を容認しつつあるとか、よー言うよ。
 トランプの言う通り、米主要メディアはフェイクニュースを垂れ流してるだ。 ↓
 Japan’s Empty Menu of Options to Stop North Korea・・・
 Shinzo Abe is arguably the most hawkish prime minister that Japan has had in the postwar era.・・・
http://foreignpolicy.com/2017/08/29/japans-empty-menu-of-options-to-stop-north-korea/
 A Pacifist Japan Starts to Embrace the Military・・・
 Although the Japanese public has long been ambivalent about Mr. Abe’s agenda — polls show that about half or more disagree with his efforts to revise the pacifist clause of the Constitution — its fascination with the military has been growing.
 Applications for tickets to attend the Fuji drills were oversubscribed by a factor of nearly six to one this year. According to polls by the prime minister’s cabinet office, the number of those who say they are interested in the Self-Defense Forces has risen to 71 percent in 2015, up from about 55 percent in the late 1980s.
 Manga comics and anime television shows like “Gate,” which feature the Self-Defense Forces fighting against supernatural creatures, have grown popular, while online matchmaking sites offering dates with soldiers have become trendy.・・・
https://www.nytimes.com/2017/08/29/world/asia/korea-missile-japan-pacifism.html?rref=collection%2Fsectioncollection%2Fworld&action=click&contentCollection=world&region=stream&module=stream_unit&version=latest&contentPlacement=3&pgtype=sectionfront
 北朝鮮問題で焦りまくっている朝鮮日報。↓
 <ここぞとばかりに日本をべた褒め4連発。↓>
 「【萬物相】ミサイル発射から5分で警報が出た日本・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/08/30/2017083000817.html
 「日本メディアの北ミサイル速報、韓国軍より8分も早かった
 日本政府、「Jアラート」で迅速に情報伝達・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/08/29/2017082902970.html
 「発射5分後に非常警報、北のミサイルより早かった日本政府の対応・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/08/30/2017083000816.html
 「【社説】レッドラインを超えた北の挑発に対応できない韓国政府・・・
 ・・・北朝鮮が挑発を行うたびに、米国のトランプ大統領は文大統領ではなく日本の安倍首相と電話会談を行っている。これまでトランプ大統領は文大統領と2回しか電話会談をしていないが、その間に安部首相とは9回も電話会談をした。これが正常な状態と言えるのか、あるいはなぜそうなったのか誰も説明できない。トランプ大統領と安倍首相は昨日も北朝鮮がミサイルを発射した直後、40分間にわたり緊急の電話会談を行い対策を協議した。しかし文大統領は2人のどちらとも電話会談をしなかった。文大統領が会談を避けたのか、あるいは米日の両首脳が文大統領を避けたのかはわからないが、いずれにしても前例のない事態だ。・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/08/30/2017083000698.html
 <返す刀で文政権をメタ叩き2連発。↓>
 「北ミサイル発射、日本に比べ一貫性欠く韓国政府の対応
 北朝鮮が中距離弾道ミサイル(IRBM)を発射した29日、韓国大統領府(青瓦台)は「北朝鮮の挑発は非常にきびしい」とコメントしつつも、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が主催する国家安全保障会議(NSC)全体会議は開かなかった。韓米首脳間の電話協議も進めなかった。韓国軍は、通常爆弾の投下訓練を行って「強力な北朝鮮懲らしめの能力」を示したと自ら評し、一方で統一部(省に相当)は南北経済協力の基盤づくりのための予算を78%増やした来年度予算案を発表した。外交・安全保障の専門家らは「政府のメッセージが一貫しておらず、なにか右往左往しているような様子」と語った。・・・
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/08/30/2017083000689.html
 「・・・北朝鮮の挑発に関連した日本や米国の動きをめぐり、韓半島の安保危機で韓国が排除されているという「コリア・パッシング」の状況が再び起きているのではないかとの指摘も出ている。」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/08/29/2017082903087.html
 <こんな事態になっても、碌に中共当局に抗議しない韓国。↓>
 「現代自動車、中国の工場4カ所が操業中断・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/08/30/2017083000536.html
 恐らく、習ちゃんの言う通りなんだろな。↓
 「外交部、誠意あるアフリカ支援を日本に望む・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2017/0829/c94474-9261654.html
 顕彰のための史料収集をやっててくれるようで、サンキュー。↓
 「ジャーナリスト・西里扶甬子さんが731部隊の悪行を暴く書籍を中国で刊行・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2017/0829/c94473-9261723.html
 申し訳ないが、使うのコワイなー。↓
 「中国製ハイエンド医療機器、日本に進出・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2017/0829/c95952-9261729.html
 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓
 <人民網より。
 衷心から日中提携を望んでいる習ちゃん。↓>
 「楊伯江氏「『一帯一路』は中日協力深化の新たな舞台」・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2017/0829/c94474-9261557.html
 「中日企業は合すれば則ち共に利し、争えば共に損する・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2017/0829/c94476-9261615.html
 <日中交流人士モノ2篇。↓>
 「AKB48が最優秀グループ賞受賞 会場で可愛いダンスを羅志祥にレクチャー・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2017/0829/c206603-9261464.html
 「中日合作映画「妖猫伝」、12月に中国で先行上映・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2017/0828/c206603-9261227.html
 <日本型経済体制継受に努めてきた、と端的に言う時期ではまだないために、まとまりのない記事になってしまっている。↓>
 「日本の経済学者「中国人のお金はどこから?」・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2017/0829/c94476-9261672.html
 <ここからはサーチナより。
 習ちゃん、日本を必死に鼓舞。↓>
 「・・・同華順は・・・日本経済のバブル崩壊後の時期が「失われた20年」と呼ばれていることについて「日本は何も失っていない」と論じる記事を掲載した。
 日本で言われる「失われた20年」という言葉は中国でも広く知られている。記事は、この言葉について「失われた30年」を迎える可能性があるという指摘もあるとしながらも、「現在の日本経済を見てみれば、そこまで深刻そうには見えない」と指摘しつつ、中国経済や米国経済と日本を比較するから日本経済の低調ぶりが際立つのであり、その比較そのものが間違っていると指摘した。
 さらに、バブル崩壊後の日本経済を分析してみると、「本当の意味で深刻な危機に直面したのは1997年から98年にかけて、金融機関が相次いで破綻した時くらいであることがわかる」と紹介。日本は2008年にぼっ発した世界金融危機の際も深刻な打撃を受けることはなかったとし、欧米の経済成長が低下したことによる影響を受けただけだったと指摘した。
 また、日本では11年に東日本大震災も起きているのに、それでも日本は世界3位の経済大国であり、世界的に見て非常に低い失業率を実現していることを指摘し、この事実は恐るべきものであると紹介。日本企業は「失われた20年」と呼ばれる期間中に生産性と技術力を高め、コスト削減を進め、さらにグローバル化も進めたと指摘した。
 さらに、失われた20年の間の日本経済の成長率は確かに低かったとしながらも、日本は「その間に筋肉質な体質」へと生まれ変わったと指摘、日本は人口減少に喘ぎながらも2050年になっても世界8位の経済大国であり続けるという分析があることを伝え、「日本経済の実力は決して軽視できるものではない」と伝えている。」
http://news.searchina.net/id/1642903?page=1
 <日本へ行け留学篇。定番的だが・・。↓>
 「・・・今日頭条は・・・「日本の一流大学が中国人留学生の復活の地になっている」とする記事を掲載した。
 ここでいう一流大学とは、東京大学や早稲田大学のことだ。特に早稲田大学の知名度は中国でも非常に高いため、「ルイ・ヴィトンのバックが好きなのと同じ」ような感覚で、早稲田というブランドに惹かれるのだという。それはさておき、中国人にとって日本の大学にはどんな魅力があるのだろうか。
 記事は3つの魅力があるとした。その1つが中国では考えられないほど「日本の競争は激しくないこと」だ。受験の点数で入る大学が決まり、ひいては就職先も限られてくる中国社会と違い、「日本にはチャンスが多い」という。日本の大学には留学生向けの試験があるだけでなく、すべての教科において完璧を求められる中国と異なり、日本では苦手教科があっても、得意分野で挽回できる仕組みになっていると指摘した。日本と中国の考え方が良く表れていると言えそうだ。
 2つ目は、欧米ほどは高くない「留学費用」だ。日本の大学なら中国のサラリーマン家庭でも手が届くという。3つ目は「高い就職率」だ。日本で大学を卒業した外国人は、比較的簡単に就業ビザを取得できるという。そのうえ、高齢化の進んだ日本では留学生でも就職のチャンスはあり、多くの中国人留学生が日本での就職に成功していると伝えた。」
http://news.searchina.net/id/1642902?page=1
 <定番だが総集編の趣がある。↓>
 「いまだにFAXを使用・・・たくさんあるぞ!「奇妙な日本の謎習慣」・・・」
http://news.searchina.net/id/1642901?page=1
 <何事も日本を参照せよキャンペーン4篇。↓>
 「「中国が失ったものがここにある」日本を初めて訪れた中国人が「衝撃を受けること」・・・」
http://news.searchina.net/id/1642967?page=1
 「・・・今日頭条は・・・日本で「おくりびと」の技術を競うコンテストが開かれたことを伝えた。
 記事は「日本人は死者を非常に尊重する。納棺師という仕事は日本では非常に崇高とされており、人びとから尊敬されている。日本では、亡くなった人の魂は不浄であり、親しい人の面前で体をきれいに整えることで初めて、魂があの世に向かう前に浄化されるのだ。高齢化に伴ってこの職業のニーズはより高まるとともに、仕事に対する要求はより厳しくなっているのである」と説明した。
 そのうえで、24日に納棺師コンテストが行われたことを紹介。決勝で3人のライバルを抑えて優勝した女性納棺師が「今回のコンテストに向けて、毎日練習してきた。毎回の練習を録画して、しっかり身なりを整えられているか、死者に対する気持ちが十分こもっているかを自分に問いかけた」と語ったことを伝えた。
 また、コンテストの評価基準が「死者の身なりを整える際の動きが優雅かどうか、死者の皮膚をあまり露出させずに作業ができるか」といった点にあり、ある観客が「彼らの所作は、本当に美しかった」と感想を述べたことを紹介している。
 中国のネットユーザーからは「これは神聖な職業だ」、「リスペクトされるべき仕事」、「われわれの葬儀屋の死化粧はまるでホラー。きれいすることで尊厳を保ちつつ近親者と別れてもらうという日本の文化に学ぶべき」といった称賛コメントが寄せられた。また、日本国内でもその職業の存在を広く知らしめた映画「おくりびと」に深い感銘を覚えたというユーザーも複数見られた。」
http://news.searchina.net/id/1642941?page=1
 「・・・今日頭条はこのほど、日本の市場を紹介し、「中国の市場とどこが異なるか」を紹介する記事を掲載した。
 日本では一般の消費者が買い物できる市場は街中に多くあるわけではないが、中国では家の近所に歩いて行けるくらいの距離に市場があることが多い。スーパーマーケットよりも市場で売られている食品のほうが新鮮であることも多いのだが、中国人からすれば日本の市場に対する感想は「清潔」という言葉で表現でき、魚も野菜も「商品に値段がはっきり表示されている」点も異なるとしている。・・・
 日本の市場は「清潔で秩序がある」が、野菜の値段は中国のほうが安く売られているとした。」
http://news.searchina.net/id/1642900?page=1
 「不条理? 日本人は何故か非常に高級なタオルを作り、そして愛用している・・・
 今日頭条・・・記事は「今治タオルの経験からは、マーケティングの重要性を見ることが見ることができる。美辞麗句で消費者を呼び込むのではなく、商品自体が持つ他者には代えがたい価値を見出すことこそが、長生きするブランドになるためのカギなのだ」と結んでいる。」
http://news.searchina.net/id/1642907?page=1
 <日本車買えキャンペーンが成果を収めてもまだまだ手綱を緩めない習ちゃん。↓>
 「・・・今日頭条は・・・中国の若者たちの間で日系車の人気が高まっていることを伝え、「中国の若者たちは気骨がないのか、それとも愛国心がないのか」と嘆く記事を掲載した。
 中国では1990年以降に生まれた世代を「90後」と呼ぶが、その「90後」の父親世代はドイツ車を好むのに対し、「90後」の若者たちは日系車を好むのだという。「90後」の若者たちのなかには経済力に乏しい人もいて、その場合は親の援助のもとで自動車を購入することもあるものの、ドイツ車を購入すべきと主張する親に対し、「90後」の若者たちは日系車の購入を望み、対立が生じることもあるそうだ。
 「90後」の若者たちが日系車を好む理由として記事がまず紹介しているのは、「今の若者は視野が広くなり、理性的になっている」ということだ。インターネットの普及と共に情報があふれる社会となり、指を動かせば世界各地の様々なニュースや情報を得ることができるようになった。こうした環境が中国の若者の価値観に大きな影響を与えているという。
 次に「今の若者は個性を重視し、皆と同じことはしたがらない傾向にある」ことを紹介している。「90後」の父親世代のほとんどはドイツ車を好むが、今の若者は何も考えずに父親世代に倣いたくないという反抗心があるという。それゆえに若者の多くは日系車を購入し、父親世代と違っていることを証明しようとしていると紹介した。
 これに対して中国のネットユーザーからは「日系車のメーカー名を見れば、すべて中国企業との合弁会社になっている。ゆえに日系車を購入しても利益は中国企業にも入り、税金も中国に納められる」といったコメントや、「自分はトヨタ車を運転しているが、愛国心とどんな関係があるというのか。トヨタ車に乗っているが中国の心を持っている」など、乗っている自動車と愛国心は関係がないといった意見が多数寄せられていた。」
http://news.searchina.net/id/1642905?page=1
 <当局批判記事だが、やらせくさい。↓>
 「・・・今日頭条は・・・中国で大人気の日本アニメが「国内のテレビでは基本的に見られない」という矛盾を分析する記事を掲載した。・・・
 記事は、個人の意見として、「中国産のアニメを守るため」、さらには「日中関係の余波」を指摘した。だが、国策として日本アニメを締め出したことで、中国産アニメが振興するどころか、むしろ「逆効果」に終わり、中国産アニメの質は落ちたと主張した。
 しかし、現在はインターネットの普及により、日本アニメが放送されなくとも誰も困っていないという。ネットを開けば好きな日本アニメを見ることができるので、テレビが日本アニメを禁止するならすれば良いと記事は結論づけた。
 これに対し、中国のネットユーザーから、日本アニメの禁止は「洗脳のため」ではとの意見が多く寄せられた。低年齢層を対象に作られた中国産アニメは、国に必要な思想を「赤ん坊の時から」国民に刷り込むのにうってつけ、というわけだ。一方、日本などの海外アニメは対象年齢が幅広く、思想が自由なため、中国にとっては不都合なのだという。また、中国人に大人気のジブリ映画を引き合いに出し、日本アニメは過去の反省や、反戦を題材にしたものが多いと中国との違いを指摘する人もいた。」
http://news.searchina.net/id/1642930?page=1
 <勉強の跡が見られる、ささやかなガス抜き記事。↓>
 「・・・今日頭条は・・・「小日本は小さくなかった」と伝え、日本人の平均身長は中国人を超えており、現代の日本人の身長は低くないことを紹介している。
 記事はまず、中国で日本が「小日本」と呼ばれるようになったいきさつについて、「昔の日本人は背が低かったこと」、「日本の国土が小さいこと」、「日本人の度量が小さいこと」が理由だと主張し、もっとも直接的な原因は、日本人の背が低かったことだと紹介している。そして、中国でも有名な日本の戦国武将のなかには現代の水準から考えれば「非常に小柄」な人が多かったと伝えた。
 続けて記事は、第2次世界大戦前後の写真を掲載し、日本人の身長はイタリア人やアメリカ人と比較して頭1つ分低かったと主張。だが、第2次世界大戦後に日本人の平均身長は急激に伸びていったことを紹介し、その原因について、小中学校で牛乳が給食で提供されるようになったことや、1954年に公布された学校給食法により、子どもたちの栄養状況が改善されたことを挙げた。
 さらに日本人の平均身長は今や中国人より高いという統計もあることを紹介し、日本人はもはや「小日本」ではなくなったと論じる一方、国力や個々の基礎体力では中国人のほうが上であると主張し、中国人の心の中ではやはり「小日本」だと主張した。」
http://news.searchina.net/id/1642921?page=1
 アフガニスタンには戦争はなく、治安維持活動が行なわれてるだけであり、よって、勝利なぞなく、永久に続く、とさ。↓
 There Is No War in Afghanistan–And that’s why the United States can’t win.・・・
  Afghanistan is best described as an armed policing operation.
Hence in Afghanistan, security forces regularly collect evidence from the battlefield: weapons, spent bullet cases, parts from improvised explosive devices, documents, cell phones, swab tests for explosive residue, and so on. Why? Because without evidence there will be no conviction in an Afghan court, and the alleged insurgent will walk away (assuming he doesn’t bribe his way out after capture, as happens all too often).・・・
http://foreignpolicy.com/2017/08/29/there-is-no-war-in-afghanistan/
 「冷戦」ってオーウェルの造語だったのね。↓
 ・・・the term “cold war” was coined by George Orwell in 1945 to denote capitalist-socialist antagonisms between the United States and the USSR after the defeat of Nazi Germany.・・・
https://www.theguardian.com/books/2017/aug/28/the-cold-war-a-world-history-odd-arne-westad-review
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太田述正コラム#9309(2017.8.30)
<進化論と米北部(その6)>
→非公開