太田述正コラム#9396(2017.10.13)
<皆さんとディスカッション(続x3494)>
<太田>(ツイッターより)
 村上春樹と対比させる形だが、初めて、カズオ・イシグロの文学評論が日本の主要メディア電子版に載った。
http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20171011-OYT8T50010.html?seq=03
 非政治的な川端康成と政治的な大江健三郎の対比にも流用できそうな評論、ないしは、村上、イシグロそれぞれのファンに配慮した「見事な」評論?
 「御厨氏「排除…<という>言葉遣い…で一斉に離れた」…希望、伸び悩み…」
http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2017/news2/20171012-OYT1T50121.html?from=ytop_main2
 じゃ仕分けなら良かったのか。
 仕分け=党分裂、を回避するために、民主議員達が安保の勉強をサボってきたことが、自民等を含めた議員全体の質の劣化を一層促進したんだよ。
<garouneko>(同上)
≫自公維でで2/3を絶対とらせないようにしよう!≪(コラム#9394。太田)
 防衛省OBなの・・?
<太田>(同上)
 国賊・逆臣の自民党の肩を持つとは。さぞかし特アの方だろな。
<IqYTGN9Y>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
「カズオ・イシグロが語った“僕のセールスプロモーション”・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/13724633/
イシグロ イギリスは80年代になるまで大英帝国として栄えていたプライドで生きていて、他国の文化にはまったく関心がなくて、他の国が我々のことを学べばいいんだという文化的な観点で世界を観ていたわけです。
阿川 そうなんですか。
イシグロ それが80年代の初めに、突然、我々はヨーロッパの端っこにちょこんと位置してる小さな島国ではないか、世界の中心なんてとんでもないということに気づいて、他の文化をもっと学ばねばと、すごい転換をした。
 太田さんがイギリスへ行ったのは、80年代初めですか?
⇒1988年。
http://www.ohtan.net/keireki/ (太田)
 また転換したばっかりで、どっちかというと他国に関心がない方が大勢のとき?
⇒(その文化を含め、)他国に関心があるからこそ、イギリスは、19世紀に全球的覇権国になったし、なれたわけ。
 但し、それは、動物の群れを意のままに動かしたいといった下心からその生態に関心があるってだけであって、その生態を自分達の生き方の参考にしようなんてことは全く思ったことないはずだ。
 当時も今も、こういう点じゃ、イギリスは全く変わってないと私は思っている。
 そう思ってなくっちゃ、EU脱退なんてしないさ。
 だから、イシグロがどうして「転換をした」と感じているのか、知りたいところだ。(太田)
 ハリネズミの死骸の山って、これも日本ならかわいそうで耐えられないから、きっと何か対策しますよね。
 いつまでもそのまんまって、非人間主義の国らしい話です。
⇒ハリネズミってのは、1988年にはお目にかかったことなかったなあ。
 なお、イギリス、より正しくは拡大英国は、(世界で唯一、人間主義文明を持つ日本は別格として、)世界で唯一、人間主義的文明を持つ国だからね。(太田)
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 タイトルはその通りだが、コラムの中身は丸で説得力なし。↓
 「明治維新より輝かしい「大政奉還」という偉業 150年前の「慶応維新」は世界史上の奇跡だ・・・」
http://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%e6%98%8e%e6%b2%bb%e7%b6%ad%e6%96%b0%e3%82%88%e3%82%8a%e8%bc%9d%e3%81%8b%e3%81%97%e3%81%84%ef%bd%a2%e5%a4%a7%e6%94%bf%e5%a5%89%e9%82%84%ef%bd%a3%e3%81%a8%e3%81%84%e3%81%86%e5%81%89%e6%a5%ad-150%e5%b9%b4%e5%89%8d%e3%81%ae%ef%bd%a2%e6%85%b6%e5%bf%9c%e7%b6%ad%e6%96%b0%ef%bd%a3%e3%81%af%e4%b8%96%e7%95%8c%e5%8f%b2%e4%b8%8a%e3%81%ae%e5%a5%87%e8%b7%a1%e3%81%a0/ar-AAtjEOH?ocid=iehp#page=2
 関係ないよ。そもそも、「緊急は法を知らない」んだから。↓
 「・・・ワイマール憲法の「大統領緊急措置権」は、「国家の安全」という口実のもとに基本的な自由を市民から奪い、憲法をも凌(しの)ぐ全権をヒトラーが掌握する際の手段となった。・・・」
http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2017100100007.html?iref=comtop_list_cul_b02
 米国が再びユネスコを脱退。(それに続き、イスラエルも脱退した。)
 ユネスコに対する借金が嵩むのを回避するためと、ユネスコの反イスラエル姿勢に反発したため、というんだけど、どうせだったら、国連そのものから脱退して欲しいで。↓
 U.S. to Pull Out of UNESCO, Again・・・
 ・・・six years ago, the United States cut off more than $80 million a year, about 22 percent of its entire budget for UNESCO, in reprisal for the organization’s acceptance of Palestine as a member. The Obama administration said it had to cut funds because a 1990s-era law prohibits U.S. funding for any U.N. agencies recognizing Palestine as a state.・・・
 As a result of U.S. funding cuts, U.S. arrears have been swelling each year, surpassing $500 million that’s owed to UNESCO. Tillerson wants to stop the bleeding.
 But the fundamental strain is over UNESCO’s approach to Israel. Last year, Israel recalled its ambassador to UNESCO in protest after Arab governments in the organization secured support for a resolution denouncing Israel’s policies regarding religious sites in East Jerusalem and the West Bank.
And in July, UNESCO declared the old city in Hebron, a West Bank town that includes the Tomb of the Patriarchs, a Palestinian World Heritage Site, a move Israel claims negates Judaism’s links to the biblical town.
http://foreignpolicy.com/2017/10/11/u-s-to-pull-out-of-unesco-again/
 おー、ついに、習ちゃん、韓国に親日へ転換させることを諦め、韓国併合政策に着手か。↓
 「韓国の新駐中国大使 中国文化に精通、杜甫を好む・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2017/1011/c94474-9278606.html
 「中韓通貨スワップ協定、終了かと思われていたが一転して3年延長へ ・・・
 韓国は日本および米国とも通貨スワップ協定を結んでいたが、日本とはすでに2015年2月23日の満期を以って延長せずに終了しているほか、金融危機の際に米国が例外的に締結した米韓通貨スワップもすでに終了している。・・・」
http://news.searchina.net/id/1645809?page=1
 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓
 <日本の記事だが・・。↓>
 「中国人観光客「成熟層」はここまでマニアックに日本を楽しんでいる・・・」
http://diamond.jp/articles/-/145529?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor
 <ここからは人民網より。
 日中交流人士モノ。↓>
 「中国人に知ってほしい日本」の成果記念会が北京で開催・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2017/1012/c94473-9279047.html
 <ご丁寧なこった。↓>
 「中国の駐大阪総領事が中国漁船救助で日本側に謝意・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2017/1012/c94474-9279027.html
 <日本について憂慮してくれてる習ちゃん。↓>
 「快適すぎて起業意欲高まらない日本(一)・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2017/1012/c94473-9278989.html
 <ここからはサーチナより。
 日本についての憂慮を更に募らせる習ちゃん。↓>
 「・・・日本の大手鉄鋼メーカーの神戸製鋼所によるデータ改ざん問題が拡大を続けている。最新の情報によると、自衛隊の装備品にも同社の問題ある製品が使用されているという。また同社の内部調査により、アルミ・銅製品だけでなく、鉄粉製品のデータも改ざんしていたことがわかった。「北京日報」が伝えた。
 同社の株価は11日に大幅な値下がりを続けた。鉄鋼原料のコスト上昇により、過去数年間にはアルミ・銅製品部門が同社の主な収入源になっていた。業界関係者は、「このスキャンダルは神戸製鋼所に壊滅的な打撃を与えるだろう」と予測する。・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2017/1012/c94476-9279061.html
 <数独を取り上げて日本人に敬意。↓>
 「・・・中国メディアの捜狐はこのほど、日本人が数独に親しんでいる姿を通じて、英メディアが「日本人はゲーム感覚で数字に親しむ文化がある」と報じたことを紹介した。
 記事は、子どもにとっては「好奇心が一番良い教師」であり、数学においても幼い時から苦手意識を持たせないようにすることが重要だと指摘。その意味で、日本が娯楽性のある数学を「数独」として世界に発信していることは非常に良い事例であると伝え、数独は今や英語でも「Sudoku」として知られているようになったと論じた。
 「数独」の起源は18世紀のスイスにあり、現在の様な形になったのは20世紀70年代。米国の雑誌に「Number Place」として載せられたゲームが、多くの人に知られるようになった始まりだと解説している。
 このように数独は、もとは西洋で生まれたゲームなのだが、それが今や「日本の商品」として知られるようになったのは、日本では数独が1つの産業となるほど身近な存在で、日本の数独愛好家たちが、数独に似た様々なロジックゲームを非常に数多く生み出しているためだと記事は論じた。」
http://news.searchina.net/id/1645810?page=1
 <韓国をダシにした日本へ行けキャンペーン。(習ちゃんの上述の政策転換がまだ、下部にまで浸透せず?)↓>
 「韓国を見捨てた中国人、その足は「日本」に向かっている・・・中国メディアの一点資訊・・・」
http://news.searchina.net/id/1645755?page=1
 <ここからは今日頭条記事の引用。
 マラソンを例に日本人を称賛。↓>
 「・・・今日頭条はこのほど、中国には世界に通用するマラソンランナーがいないことを指摘する一方、日本には豊富な人材が数多くいることを強調し、なぜ中国人は日本人に追いつけないのかと疑問を投げかけている。
 記事は、9月に行われたベルリンマラソンで設楽悠太選手(ホンダ)が2時間9分3秒の成績で6位に入賞したことを指摘する一方、2時間30分以内で完走した中国人選手は1人もいなかったと指摘。中国人選手はマラソン界で圧倒的な強さを誇るケニアの選手はおろか、日本人選手の背中すら見えないのが現実であると指摘した。
 続けて、中国人がマラソン競技で日本人に敵わない理由は「日本にマラソン文化が深く根付いているため」であるとし、たとえば箱根駅伝は毎年高視聴率を記録していることを指摘したほか、市民ランナーの数も多く、日本各地で大小様々なマラソンの大会が行われていることを指摘した。
 さらに、日本は走り方の研究といったトレーニングのイノベーションにも力を入れているとしたほか、日本人の「意志の強さ」もマラソンにおいては非常に重要であるとし、日本人は意志の強さや精神力の強さでアフリカ系選手に比べて劣る身体能力をカバーしていると主張。日本人は「才能は有限であっても、努力は無限の可能性をもたらす」と信じていて、努力を継続できると指摘、これが日本のマラソンが強い理由だと考察している。」http://news.searchina.net/id/1645756?page=1
 <定番。やっぱ、日本車買えキャンペーンの一環。↓>
http://news.searchina.net/id/1645761?page=1
 <安倍首相の登場が珍しいが、要は、日本へ行けキャンペーン。↓>
 「ますます高まる中国人観光客の地位・・・安倍首相も笑顔で歓迎している・・・」
http://news.searchina.net/id/1645781?page=1
 <折り畳み傘まで持ち出して日本へ行けキャンペーン。↓>
 「・・・今日頭条は・・・中国人旅行客の爆買いといえば家電が中心だったが、今は何と「折りたたみ傘」が人気を集めていると紹介した。・・・」
http://news.searchina.net/id/1645791?page=1
 <更に、川越を持ち出して日本へ行けキャンペーン。↓>
 「まるで江戸時代! 東京のすぐ隣に「タイムスリップできる」魅力的な街があった!・・・」
http://news.searchina.net/id/1645799?page=1
 <中共の製造業に奮起を促す習ちゃん。↓>
 「・・・今日頭条は・・・日本で発売が始まった米アップルのスマートフォン「iPhone 8」の価格は中国国内より1000元(約1万7000円)も安いため、日本国内のアップルストアで購入する中国人が見られたと報じている。
 記事は、東京銀座にあるアップルストアでの様子を紹介しつつ、中国人が今なお国外で爆買いするのは主に2つの理由によるとし、1つ目は「中国国内では電子製品や奢侈品、化粧品の価格が国外より高い」こと、2つ目は「豊かになりつつある中間層が中国製品を信用していない」ことだと論じた。
 続けて、国慶節の連休中に日本で爆買いの対象となったのはiPhone 8だけでなく、家電製品や日用品も大人気だったと伝え、日本で爆買いする中国人に対し、中国国内では「売国奴」であると批判する声もあるとしながらも、「中国人は批判ではなく、自国の製造業について反省すべき」であると指摘した。」
http://news.searchina.net/id/1645800?page=1
 <これも、習ちゃんの憂慮の現れだと言えそう。↓>
 「・・・今日頭条は・・・日本は高齢化が非常に進んだ国であることを指摘しつつ、日本在住の中国人による見解として「日本は高齢者によって支配された国」だと論じた。
 記事は、近年の日本では様々なスキャンダルが相次いで起きているとし、その例として東京五輪のエンブレム問題や大手企業による様々なデータ偽装、粉飾まがいの決算などを挙げ、「日本はまるで高齢化が加速すると同時に、醜聞も増えているようだ」と主張。これは年功序列の存在によって組織の新陳代謝が進まず、高齢者や高齢者に近い年齢の一部の人間に権力が集中しているためではないかと考察した。
 また、日本では国に関する重要な決定が一部の高齢者によって密室で決められる事例は非常に多いとしたうえで、高齢の一部の人間に組織の権力が集中すれば、若い人は代償を恐れて権力への挑戦をしなくなると指摘。結果として、若い世代は権力を握る高齢の人間に絶対服従するしかないとし、これが日本の閉塞感や組織の硬直化を生み出している根本ではないかと主張した。」
http://news.searchina.net/id/1645763?page=1
 <最後は、今日頭条以外の引用。出藍の誉を目指すと宣言した習ちゃん。↓>
 「・・・中国メディアの捜狐網は・・・日本のノーベル賞の数に圧倒されても「卑下する必要はない」とする記事を掲載した。
 その最も大きな理由は「時間」だという。科学技術の研究成果は、その長期的な価値がはっきりするまで20年以上の時間がかかり、中国に先駆けて研究に力を入れた日本が優勢なのは当然だと主張。中国に必要なのは時間であり、日本も過去には今の中国と同じ立場だったとした。
 また「経済面」でも日本は優位だという。日本でノーベル賞の受賞者が増え始めたのは2000年頃だったが、これは80年代、90年代に始めた研究の結果が芽を出したのであり、当時経済的にゆとりのあった日本では研究資金が豊富だったため、いうなれば「豊かだった時期に金で買ったようなもの」とした。
 さらに、現在ノーベル賞受賞者数は日本と米国の「一騎打ち」であるが、中国には負けていない「数」があるという。日本が労働者における研究者の割合で抜きんでているのに対し、総人数では中国の方が多いと指摘。人口が多い中国では、研究所、研究者、高等教育の教育者と生徒の数はいずれも世界一で、GDPでも日本に勝っていると主張した。研究費として充てられている金額も非常に多く、4割は浪費されたとの報告があるが、残りの6割はきちんと使用されていたことは「未来は中国の手に」あると言ってよいと、独自の論議で胸を張った。
 最後に、「忘れがち」なこととして、「日本よりも進んでいる分野」は中国には多くあると指摘。高速鉄道、通信設備、スマートフォン、スーパーコンピューター、衛星測位システムなど多くの分野を挙げ、「20年後には我々の手にはノーベル賞があふれている」はずであり、日本と比べて落ち込む必要はない、と同胞を勇気づけて締めくくった。
http://news.searchina.net/id/1645797?page=1
—————————————————————————————————————————————–
太田述正コラム#9397(2017.10.13)
<アングロサクソンと仏教–英国篇(その2)>
→非公開